音楽・エンタメ

「もう1テイクだけやらせてほしい」映画『300〈スリーハンドレッド〉』のあの叫び、最初は低く抑えた唸り声だった

映画『300〈スリーハンドレッド〉』でレオニダス王が叫ぶ「これがスパルタだ!」。井戸のふちに立った使者を蹴り落とす、わずか三秒ほどの場面である。公開から二十年近く、動画サイトのリミックス素材として数え切れないほど擦られ、いまだに音を思い出せ...
自然・科学

「錨の鎖が錆びるだけで、閉じた部屋から酸素が消えていく」船乗りが最も恐れる密室の話

大型船の錨(いかり)を上げると、鎖は海水と泥をしたたらせながら甲板に上がってくる。そのまま船首の下にある小部屋へ、何十メートル、何百メートルと落とし込まれて積み上がる。あとは扉を閉めるだけ。中では誰も作業していないし、何も動いていない。それ...
人物・偉人

「見つけることはなかった、とわざわざ書き添えてある」ニュートンが30年かけて100万語を残した研究とは

ニュートンといえば、落ちるリンゴと万有引力、そして『自然哲学の数学的諸原理』である。ところが本人が生涯でいちばん長く向き合い、いちばん多くの言葉を費やした対象は、重力でも光でもなかった。30年以上にわたって炉の火を焚き続け、100万語を超え...
自然・科学

「化石は一片も見つかっていないのに、いたことは分かっている」現代人のDNAに残る『ゴースト集団』とは?

化石は一片も見つかっていない。名前も、顔つきも、いつどこで暮らしていたのかも分からない。それでも研究者たちは、その集団が確かに存在したと考えている。手がかりは、いま生きている私たちのDNAの中に残っている——正体の分からないこの相手を、研究...
歴史

「1986年の事故の請求書は、まだ締め切られていない」被害総額2兆ドルという試算は何を数えたのか

「史上もっとも高くついた災害は何か」という問いに、地震でも津波でもハリケーンでもなく、1986年の原発事故の名前が挙がることがある。インフレ調整後で2兆ドルを超える、という数字だ。ところがこの数字を追いかけていくと、金額そのものよりも「何を...
文化・社会

「ナッツは袋のまま出すのがマニュアル通り、アレルギー対策だった」正しく働いた乗務員が機内でひざまずかされた日

2014年12月5日の夜、ニューヨークのジョン・F・ケネディ空港で、ソウル行きの大型機がゲートを離れ、滑走路へ向かって地上を走り出していた。その機体が途中で向きを変え、出発したばかりのゲートへ戻っていく。理由は機械の不具合でも天候でもない。...
音楽・エンタメ

「断ったほうも受けたほうも、それぞれ欲しかったものを手に入れた」ラッセル・クロウが手放した役をヒュー・ジャックマンが24年演じた話

1999年の秋、カナダのトロントで、ある大作映画の撮影がすでに始まっていた。ところがその現場には、看板になるはずのキャラクターを演じる俳優だけがいなかった。決まっていた役者が直前に降りてしまったからである。空席を埋めたのは、ハリウッドではほ...
自然・科学

「心臓移植から26年、今もごく少量だけ飲んでいます」移植の薬が一生続く理由とは?

臓器移植の話は、たいてい「手術は成功しました」で終わる。ドラマでも、ニュースでも、そこが山場だからである。ところが移植を受けた本人にとって、そこはまだ入口でしかない。新しい心臓や腎臓が問題なく動きはじめて、10年たち、20年たっても、体のほ...
歴史

「腹の上に『イリアス』の一節が置かれていた」1600年前のミイラから出てきたのは、呪文ではなかった

1600年前のエジプトで、ある人物の遺体の腹の上に一枚のパピルスが置かれ、そのまま包帯で巻き込まれた。この種のパピルスに書かれているのは、普通なら「あの世で使う呪文」である。ところが今回そこにあったのは、トロイアへ向かった軍船の名前が延々と...
音楽・エンタメ

「クラブにダイアナ・ロスが何人もいた」あの名曲が生まれた瞬間と、本人が収録を拒みかけた理由…

あるナイトクラブの客席に、ダイアナ・ロスが何人もいた。全員、彼女の扮装をしたドラァグクイーンである。その光景を眺めていたギタリストは、そこで一曲思いついた。「I'm Coming Out」である。ところが本人に渡した瞬間、話がややこしくなる...