「40歳未満の9人からは検出ゼロ、40歳以上は約7割」加齢臭の原因物質を見つけた資生堂の論文、調べたのは22人だった…

「40歳未満の9人からは検出ゼロ、40歳以上は約7割」加齢臭の原因物質を見つけた資生堂の論文、調べたのは22人だった… 自然・科学

年を重ねると、体のにおいが変わる。その原因とされる物質「2-ノネナール」が、海外の掲示板で話題になりました。体臭からこの物質を見つけたのは日本の資生堂の研究者で、「加齢臭」という呼び名も資生堂が付けました。年齢とともに皮脂の成分が変わり、増えた脂肪酸が酸化してできる、と説明されています。ただ、「40歳から現れ、ふつうの石けんでは落ちない」という投稿の言い分は、元の論文をたどると少し違っていました。

※注:この記事は、体のにおいに関する研究を紹介するものです。病気の診断や、特定の製品の効果を示すものではありません。

今日の知ってた?

🧪 2-ノネナールは、脂っぽくて青臭いにおいのする不飽和アルデヒド(油が酸化したときにできる、においの強い物質の仲間)。中高年の体臭に関わる成分として、資生堂の研究者らが報告した。

🗾 資生堂によると、この物質を突き止めたのは1999年。「加齢臭」という名前も資生堂が付けた。論文は2001年、皮膚科学の国際的な専門誌に載った。

👕 論文で調べたのは、26〜75歳の男女22人。2-ノネナールは40歳未満の9人からは1人も検出されず、40歳以上の13人では約7割(69%)から検出された。

🔬 なぜ年齢とともに増えるのか。論文によると、年を重ねると皮脂の中で、ある種の脂肪酸(「オメガ7」と呼ばれる不飽和脂肪酸。資生堂の説明では9-ヘキサデセン酸)と、酸化した脂質(過酸化脂質)が増える。この脂肪酸が酸化して分解されると、2-ノネナールができる。

🚿 資生堂は加齢臭を「体臭の加齢現象」で「誰にでも起こること」と説明し、対策の最初に、入浴やシャワーで皮脂を洗い流すことを挙げている。

背景:2-ノネナールと「加齢臭」

2-ノネナールは、炭素が9個つながった小さな分子です。「アルデヒド」は、お酒を飲んだあと体の中にできるアセトアルデヒドと同じ仲間の物質。「不飽和」は、炭素どうしの結びつきの一部が二重になっている、という意味です。論文はそのにおいを「脂っぽく、青臭い、不快なにおい」と書き、資生堂は一般向けに「ロウソク」や「古本」のにおいに似ていると説明しています。

体臭の成分としてこの物質を報告したのは、資生堂の土師(はぜ)信一郎氏らのグループです。資生堂の発表資料は、1999年に同社の研究員が加齢臭の原因成分を世界で初めて解明した、としています。同じ1999年の7月には、ロサンゼルス・タイムズの記者が書いた記事として、アメリカの新聞でも報じられました。記事は資生堂の調香師・中村祥二氏らの研究を取り上げ、同社がその年の9月に、年齢によるにおいに対応する製品を発売する予定だと伝えています。

学術論文としては、2000年に資生堂と高砂香料工業の研究者が、加齢臭への対処法についての研究を日本化粧品技術者会誌に発表。翌2001年には、土師氏らの論文「人の体臭から新たに見つかった2-ノネナールは、加齢とともに増える傾向がある」が、皮膚科学の専門誌『Journal of Investigative Dermatology』に掲載されました。

資生堂は公式サイトで、いまでは一般的に使われている「加齢臭」という名前も同社が命名した、と説明しています。2014年の発表資料には、「ノネナール」は資生堂の登録商標だという注記もあります。

もう少し詳しく

「40歳から」は、どこまで言えるのか。論文の実験は、26〜75歳の健康な男女22人に、寝るときに同じ肌着を3晩続けて着てもらい、そこから出るにおいの成分を分析する、というものでした。2-ノネナールは、40歳未満の9人からは1人も検出されず、40歳以上の13人では69%から検出されています。裏を返せば、40歳以上でも約3割の人からは検出されていません。調べた人数も22人と少なく、論文の題も「増える傾向がある」という言い方です。資生堂も一般向けには、20〜30代の人からはほとんど検出されないが、男女とも40歳を過ぎた頃から体臭に含まれるようになる、と説明しています。40歳の誕生日を境に、誰にでも急に現れる、とまでは言えません。

「衛生状態とは関係ない」は、半分だけ当たっている。資生堂の説明では、加齢臭の原因は、年齢による皮脂の成分の変化です。不潔にしているから出る、というものではありません。ただし同社は対策として、入浴やシャワーで皮脂を洗い流すこと、においの原因物質がたまりやすい衣類をこまめに洗うことを挙げています。清潔にしても意味がない、という話ではないわけです。

「ふつうの石けんでは落ちない」は、裏付けを確認できず。元の投稿のタイトルは「ふつうの石けんと水では洗い落とせない」と書いていますが、これを確かめた研究は、今回調べた範囲では見つかりませんでした。逆に、洗えば減ることを示す実験はあります。愛知医科大学などのチームが2013年に発表した実験では、40〜44歳の男性8人に、細かい泡の出る浴槽、ふつうの湯船、シャワーの3通りで、体をこすらずに入浴してもらいました(論文に、石けんを使ったという記載はありません)。入浴の30分後に体から出る2-ノネナールは、どの入り方でも入浴前より平均で2割前後減っています(解析の対象は6人で、個人差は大きい)。ただ、ふつうの湯船とシャワーでは、3時間後にはふたたび増えていました。洗えば減るけれど、皮脂が出て酸化すればまたできる、ということのようです。

コメント欄で何度も名前が挙がったのが、柿渋(柿のタンニン)入りの石けんです。これに近い研究として、国内メーカーの研究所が2012年に発表した試験があります。ウーロン茶・甜茶・緑茶・柿渋の4種類のエキスなどを配合した石けんを、43〜75歳の男性20人が4週間使ったところ、寝るときに着たTシャツに付く2-ノネナールの量が、使う前より減ったという内容です。ただしこの試験は、ふつうの石けんを使うグループとの比較をしていません。著者自身も、比較のグループを置いていないため、本人の実感には思い込みの効果が含まれている可能性がある、と書いています。ふつうの石けんより落ちるのかどうかは、この試験からは分かりません。

アメリカでは「見つからなかった」という報告も。アメリカのモネル化学感覚研究所などのチームは2008年、19〜79歳の健康な男女25人の背中と腕の皮膚から出る成分を調べました。約100種類の物質が見つかりましたが、2-ノネナールは、どの人からも検出されませんでした。年齢の高いグループで多かったのは、別の3つの物質です。著者らは、日本の研究結果は魚介類の多い食生活などと結びついた現象で、日本人以外には当てはまらないのかもしれない、と推測しています。ただ、これは推測で、確かめられたわけではありません。

そもそも、年配の人のにおいは「嫌なにおい」なのか。同じ研究所のチームが2012年に発表した実験では、20〜30歳、45〜55歳、75〜95歳の3つのグループから体のにおいを集め、41人の若い参加者に嗅ぎ比べてもらいました。参加者は75〜95歳のグループのにおいを嗅ぎ分けることができましたが、そのにおいは、ほかの2つのグループより「弱く、不快さも少ない」と評価されています。年齢によってにおいが変わるのは確かなようですが、それが嫌なにおいだとは限らない、という結果です。

海外の反応

1. 海外の名無しさん
もうすぐ40歳になる39歳です。ただでさえ40の大台が重くのしかかっているのに、こんな話まで知りたくなかった。

2. 海外の名無しさん(>>1への返信)
落ち着いて。元になった研究を読むと、40歳の誕生日にスイッチが入る、みたいな話じゃないよ。調べたのは22人だけで、40歳以上でも3割くらいの人からは検出されていないんだ。

3. 海外の名無しさん
40歳!? ごめん、もう一回言って。40歳!? てっきりお年寄りの話だと思ってた。40歳なんて、やっと人生の折り返しじゃないか。38歳の自分は、いま本気で震えてる。

4. 海外の名無しさん(>>3への返信)
さすがに疑わしいと思うな。人によって違うだろうし、出はじめはごくかすかなんじゃない? 希望を捨てていない37歳より。

5. 海外の名無しさん(>>3への返信)
40歳を過ぎた身から言わせてもらうと、ちょうどその頃に、夢とか希望とか、人類への信頼とかが力尽きるんだよ。においの正体は、たぶんそれ。……ごめん、今週はちょっとしんどいんだ。

6. 海外の名無しさん
調べたのは22人で、年齢は26〜75歳。何かを言い切るには、あまりにも少ない人数だと思う。

7. 海外の名無しさん(>>6への返信)
55歳だけど、自分にはないらしい。担当の美容師さんが思ったことをそのまま口に出す人で、年を言ったら「なんであのにおいがしないのか分からない」と言われたよ。まあ、いつか出てきても気にしないと思う。年を取れば、においよりずっと大変なことがいくらでも待ってるからね。

8. 海外の名無しさん(>>6への返信)
人数が少ないのはそのとおり。ただ、それは結果が間違っているという意味じゃなくて、少ない人数だと大勢には当てはまらないかもしれない、ということだね。実際、「年寄りくさい」と感じる40歳なんて、自分のまわりには1人もいない。研究を否定するつもりはないけど、話半分に聞いておくよ。

9. 海外の名無しさん(>>8への返信)
その後、アメリカの研究チームが別の25人で調べたら、2-ノネナールは誰からも見つからなかったそうだよ。体のにおいはすごく複雑で、物質ひとつで全部説明がつく話じゃないんだと思う。

10. 海外の名無しさん
投稿のタイトルは、完全に正しいわけじゃないよ。洗えば落ちる。ただ、簡単じゃないだけ。肌にも服にも残りやすいし、何より体がずっと作り続けるから、落としてもまた出てくる。体だけじゃなく、服もシーツもこまめに洗うのが大事だと思う。個人的な印象だけど、よく体を動かしている人からは、あまり感じない気がするな。

11. 海外の名無しさん(>>10への返信)
よく動いている人の話、面白いね。あくまで身内の話だけど、ひいおじいちゃんは生涯ずっと農業と狩りをしていて、亡くなる少し前まで畑に出ていた。あのにおいがしたことはなかったし、亡くなったあとに家を片づけたときも、家の中にあのにおいはなかった。80歳に近い祖父母も同じ。祖父はいまも自分の店に立ちながら畑や牧場の仕事をしているし、祖母はボランティアや旅行で飛び回っている。2人とも、やっぱりあのにおいはしないんだ。

12. 海外の名無しさん
「石けんと水じゃ意味がない」と何回言われようと、意味はある。だからみんな、これからもちゃんとシャワーを浴びてくれ。頼む。

13. 海外の名無しさん
専用の石けんがあるらしいよ。柿に含まれるタンニンという成分がにおいの元に効く、という触れ込みの石けんが何種類も出てる。ただ、使った人の評価は賛否が分かれてるみたい。

14. 海外の名無しさん(>>13への返信)
こういう投稿、柿の石けんの宣伝にしか見えないんだよな。「ふつうの石けんじゃ落ちない」と言い張る人が、このあと何人出てくるか数えてみるといい。

15. 海外の名無しさん(>>14への返信)
ついに、「巨大柿産業」に立ち向かう勇者が現れたか。ずっと待っていたよ。

※ 巨大製薬会社を批判的に呼ぶ「ビッグ・ファーマ」という言い方をもじった冗談。

16. 海外の名無しさん
アメリカに、マジシャンの2人組が世間の通説を検証する『Penn & Teller: Bullshit!』というテレビ番組があったんだ。たしか、いろんな年齢の人に体を洗ってもらって、においを嗅ぎ比べる回があった。誰も年配の人を嗅ぎ分けられなくて、番組の結論は「でたらめ」だったはず。

17. 海外の名無しさん(>>16への返信)
「いろんな年齢の人を集めて洗った」って……。昔のテレビは、本当にいろんなことをやっていたんだなあ。

18. 海外の名無しさん
1年半ほど、80代の方の家に住み込んで介護をしていたことがある。その方は朝晩きちんと体を洗っていて(私が手伝うこともあった)、食事も栄養のあるものをとり、家の中も清潔だった。変わったにおいを感じたことは一度もない。におうのは、むしろ閉め切った家のほうだと思う。何年も窓を開けていない、大掃除をしていない、防虫剤、たばこ、ペットのトイレ。そういうにおいが混ざって、髪や服に移るんだよ。ただ、あれだけ手厚い世話を受けられるお年寄りが多くないのも事実。あの方は恵まれていた。

19. 海外の名無しさん(>>18への返信)
言ってくれてありがとう。自分も高齢の方と関わる仕事をしていたけど、身の回りのことを自分でできる人や、手伝ってくれる人がいる人から、においを感じたことはなかった。最近、日本の調香師がこの話をしている動画を見たんだ。資生堂の研究にも触れていて、ふだんからきちんと清潔にしていれば大丈夫、という話だった。「40歳を過ぎたらにおう」なんて話が、なぜこんなに広まるのか分からない。40歳を過ぎてもにおわない人なんて、いくらでもいるのに。

20. 海外の名無しさん
これを突き止めたのが日本の化粧品会社の資生堂だと知って驚いた。日本語には「加齢臭(かれいしゅう)」という専用の言葉まであって、その名前を付けたのも資生堂なんだって。着たシャツのにおいを分析して原因の物質を特定するなんて、根気のいる仕事だ。

21. 海外の名無しさん(>>20への返信)
日本にしばらく住んでいたけど、ドラッグストアに加齢臭向けのボディソープや制汗剤がふつうに並んでいたよ。恥ずかしい悩みというより、年齢による変化のひとつとして扱われている感じだった。

22. 海外の名無しさん
祖父母の家のにおいを、今でもはっきり思い出せる。古い本と、木の家具と、淹れたてのコーヒーが混ざったようなにおい。嫌だと思ったことは一度もないし、いまどこかで同じにおいがしたら、たぶん泣いてしまう。

23. 海外の名無しさん
65歳。たぶん自分にもあのにおいはあるんだろうけど、自分では分からないし、誰かに指摘されたこともない。アレルギーがあって香りにも敏感なので、石けんは昔からラベンダーのものを使い続けているよ。

24. 海外の名無しさん
赤ちゃんにも独特のにおいがあるよね。動物の世界ではよくあることらしくて、犬や猫が人間の赤ちゃんにやさしく接するのは、においで「この子は赤ちゃんだ」と分かるからだ、と読んだことがある。

25. 海外の名無しさん(>>24への返信)
じゃあ、動物はあまり賢くないんだな。それとも自分が賢すぎるのか。こっちは赤ちゃんを見れば、赤ちゃんだと分かるぞ。においの出る幕なんてない。

まとめ

2-ノネナールは、1999年に資生堂が中高年の体臭の原因物質として突き止めたもので、「加齢臭」という名前も同社が付けました。ただ、元の論文が調べたのは22人。40歳以上でも検出されない人がいて、「ふつうの石けんでは落ちない」という主張の裏付けも確認できませんでした。コメント欄は、40歳を目前にした人たちの悲鳴と、「石けんの宣伝では」と疑う声、身近なお年寄りを思い出す声でにぎわいました。資生堂の言葉を借りれば、これは誰にでも起こる「体臭の加齢現象」。必要以上に怖がる話ではなさそうです。

元ソース: 「年配の人特有のにおい」の元とされる皮膚の上の化学物質、2-ノネナールについて(海外掲示板への投稿)

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