「ユニバーサルに続編を作らないよう頼んだ」ヴィン・ディーゼルが『ワイルド・スピード』1作目のあとに恐れていたこととは?

「ユニバーサルに続編を作らないよう頼んだ」ヴィン・ディーゼルが『ワイルド・スピード』1作目のあとに恐れていたこととは? 音楽・エンタメ

仲間を「ファミリー」と呼び合い、ついには車ごと宇宙まで飛び出した映画『ワイルド・スピード』シリーズ。主役のドムを演じるヴィン・ディーゼルは、実は2001年の1作目のあと、映画会社ユニバーサルに「続編は作らないでほしい」と頼んでいた。続編を作れば、1作目が名作として残るチャンスを損なうと考えたからだという。そのシリーズもいまや本編10作、2028年に完結編を控えている。

今日の知ってた?

🎬 ヴィン・ディーゼルは、主演した『ワイルド・スピード』(2001年、原題 The Fast and the Furious)のあと、ユニバーサルに「続編を作らないでほしい」と頼んでいた。

💬 本人が明かしたのは2021年、1作目の公開20周年に合わせた米誌『エンターテインメント・ウィークリー』のインタビュー。「皮肉なことに、僕はユニバーサルに続編を作らないよう頼んだんだ。名作になれる可能性を損なうと思ったから」

🚗 実際、2作目『ワイルド・スピードX2』(2003年)には出演せず、3作目『ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT』(2006年)ではラストに1シーンだけ登場。4作目『ワイルド・スピード MAX』(2009年)で主演に復帰し、以降はプロデューサーも兼ねてシリーズの顔になった。

背景:1作目『ワイルド・スピード』とは

1作目は2001年6月にアメリカで公開された、ロブ・コーエン監督のカーアクション映画だ。下敷きになったのは、1998年に米音楽誌『VIBE』に載った、ニューヨークの違法ストリートレースを取材したケン・リーの記事「Racer X」。映画では舞台をロサンゼルスに移し、トラック強盗事件を追う潜入捜査官ブライアン(演:ポール・ウォーカー)が、ストリートレースの顔役ドミニク・トレット、通称ドム(演:ヴィン・ディーゼル)の仲間に潜り込み、しだいに彼らに惹かれていく。

この筋立ては、キアヌ・リーブス主演の『ハートブルー』(1991年、原題 Point Break。サーファーの銀行強盗団に潜入するFBI捜査官の話)とよく似ていて、公開当時から批評家に指摘されていた。海外ではいまも「車版ハートブルー」と冗談まじりに呼ばれる。画面を彩ったのは、ブライアンのトヨタ・スープラやドムのマツダRX-7といった、日本車のチューンドカーだった。

製作費はおよそ3800万ドルと中規模の作品だったが、世界で2億ドルを超えるヒットになり、スタジオは当然のように続編に動いた。ちなみに製作中の仮題は「Redline」などで、最終的なタイトル「The Fast and the Furious」は、ロジャー・コーマンが製作した1950年代の同名映画から権利を借りて付けられたものだ。

もう少し詳しく

90年代の続編ブームへの警戒。同じ2021年、アイルランドの公共放送RTÉのインタビューでも、ディーゼルはこう話している。「1作目はとても良い出来だったから、続編は絶対にやりたくなかった。90年代は、映画をやたらとシリーズにして、1作目が名作になるチャンスを潰してしまうことがよくあったからね」。別のインタビューでは、当時用意された続編の脚本について「物語の続きになっていなかった」と振り返り、『ゴッドファーザー』のフランシス・フォード・コッポラ監督のような作り方ではなく、80〜90年代によくあった続編と同じやり方だった、という趣旨の不満も語っている。

断った理由はひとつに絞れない。ディーゼルは2作目への出演を断り、2000万ドルとも2500万ドルとも報じられる出演料を見送った。本人は脚本やキャラクターへの不満を繰り返し理由に挙げているが、同じ時期に自分の主演作を優先した、という見方を伝える報道もある。実際、この時期のディーゼルは『トリプルX』(2002年)や、『ピッチブラック』(2000年)の続編『リディック』(2004年)に主演している。2作目は、ポール・ウォーカー演じるブライアンを主役に続投させ、舞台をマイアミに移して作られた。

カメオ出演の見返りは「リディック」。3作目『TOKYO DRIFT』は東京が舞台で、主人公もルーカス・ブラック演じる高校生ショーンに替わった。ディーゼルが登場するのは、そのラストのわずか1シーンだ。本人が2013年に米紙ロサンゼルス・タイムズに語ったところでは、このカメオ出演の見返りとして、ユニバーサルが持っていた「リディック」シリーズの権利を譲り受けたのだという。「彼らは僕に2つのシリーズをくれた。ひとつは、二度と作ることはないと彼らが思っていた『ワイルド・スピード』。もうひとつは、二度と作りたくないと彼らが思っていた『リディック』だ」。こうして2013年、シリーズ3作目の『リディック:ギャラクシー・バトル』が公開された。

復帰後は「ファミリー」の物語へ。2009年の4作目『ワイルド・スピード MAX』では、ディーゼル、ポール・ウォーカー、ミシェル・ロドリゲス、ジョーダナ・ブリュースターと、1作目の主要キャストがそろって復帰した。ディーゼルはプロデューサーも兼ね、シリーズは強盗もの、さらにスパイアクション風の大作へと規模を広げていく。9作目『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』(2021年)では、ロケットエンジンを積んだ車が本当に宇宙まで飛んだ。本編は10作目『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』(2023年)まで公開され、完結編とされる11作目『Fast Forever』(原題)が2028年3月に米国で公開予定と発表されている。

海外の反応

1. 海外の名無しさん
最初は「量より質」を信じてたんだな。で、いまの彼が信じてるのは「お金」……じゃなくて「ファミリー」。言い間違えた、ファミリーだ。

2. 海外の名無しさん(>>1への返信)
「俺は人生を1/4マイルずつ生きてる」って名台詞も、いまの彼なら「1/4ミリオンずつ」だな。「マイル」が「ミリオン」に変わっただけで、人生の単位がずいぶん景気よくなった。

※注:ドムは作中で仲間を「ファミリー」と呼び、何かにつけて家族の絆を語る。海外ではこれがシリーズの定番のいじりネタになっている。「1/4マイル」は、1作目でドムが語る「俺は人生を1/4マイル(約400メートル)ずつ生きてる。その10秒足らずの間だけは自由なんだ」という台詞のもじり。1/4マイルは停止状態から400メートルを走る加速勝負(日本でいう「ゼロヨン」)の距離で、1/4ミリオンは25万ドル。

3. 海外の名無しさん
言ってることは間違ってないんだよな。車が地球を飛び出して宇宙まで行った時点で、このシリーズはもう荒唐無稽を続けるしか道がないと悟った。

4. 海外の名無しさん(>>3への返信)
映画界の『セインツロウ』になったんだよ。最初は地に足のついた話だったのに、気づいたら何でもありの世界に行ってた。

※注:『セインツロウ』はアメリカのオープンワールドゲームのシリーズ。ギャングの抗争ものとして始まったが、作を重ねるごとに宇宙人の侵略や地獄にまで話が広がっていった。

5. 海外の名無しさん(>>3への返信)
9作目だよな。80年代のアメリカの小型スポーツカー、ボロボロのポンティアック・フィエロにロケットエンジンをくくりつけて、宇宙で人工衛星に体当たりしに行く。文字にしてみると、改めて意味がわからない。

6. 海外の名無しさん
彼は正しかったと思う。「車版ハートブルー」だった作品が、いまやネットでいじられるネタ枠だ。続編のおかげでシリーズとして記憶には残るけど、いい意味で、とは言いにくい。

7. 海外の名無しさん(>>6への返信)
まあ、その心の痛みも、毎回振り込まれる出演料がだいぶ和らげてくれてるだろうけどな。

8. 海外の名無しさん
1作目とTOKYO DRIFTは、いまでもたまに見返してる。似た話で言うと、『ハングオーバー!』も続編を2本作らなければ、史上屈指のバカ騒ぎ映画として名作扱いされてたと思う。

※注:『ハングオーバー!消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』(2009年)。結婚式を控えてラスベガスで羽目を外した男たちが、翌朝、記憶のないまま消えた花婿を探し回るコメディ。続編が2本作られた。

9. 海外の名無しさん(>>8への返信)
1作目は何回も見た。2作目は飛行機の中で見て、最後の20分を見逃したんだよ。降りてから友達に「結末どうなった?」って聞いたら、「1作目とほぼ同じ。消えたやつを最後に見つけて終わり」。「……まさか、また屋上?」「今度はエレベーター」。それで全部わかった気がして、2作目の残りも3作目も見てない。

10. 海外の名無しさん
1作目は高校生のときに観た。公開の1年くらい前から、みんな先輩たちの日本車に憧れてたんだよ。ホンダのデルソルとかシビック、プレリュード、日産の240SXとか。友達が車雑誌を持ってきて、「Redline」って仮題で紹介されてた記事を見せてくれたのも覚えてる。公開初日は満員の劇場で観て、たしかドムが「レース・ウォーズ」に行く話をする場面で、うちの地元の町の名前が出た瞬間、劇場中が大騒ぎになった。いい時代だったな。

※注:海外の車好きは、こうした日本メーカーの車やそのチューニング文化を「JDM」(Japanese Domestic Market=日本国内仕様の意)と呼ぶ。240SXは、日本で180SXやシルビアとして売られていた日産車の北米向けモデル。デルソルは日本名「CR-Xデルソル」。

11. 海外の名無しさん
正直、彼の言うとおりだと思う。1作目はもう名作の扱いだけど、もし続編がなかったらどう見られてたか想像してみてほしい。史上最高のカーアクション映画のひとつ、2000年前後のチューニング文化を閉じ込めたタイムカプセルとして語られて、「あの名作の続編かリメイクを作るべきだ」って議論が延々続いてたはず。実際には、シリーズの3〜4本のうちどれが最高かで揉めてる。

12. 海外の名無しさん(>>11への返信)
最後の一文までは同意。どれが最高か本気で揉めるのは、1作目と5作目の『MEGA MAX』くらいのもので、3〜4本も候補に入る余地はないと思う。

13. 海外の名無しさん
1作目はいまでも名作だし、シリーズの中でも明らかに異質な1本だと思う。公開当時に青春を過ごした人なら、台詞をそらで言えるくらいだ。続編のほうは出来の上下が激しいジェットコースターで、自分の中では6作目の『EURO MISSION』のあたりを境に急降下した。皮肉なことに、後半の続編と並べると、1作目が映画史に残る名作『ゴッドファーザー PART II』みたいに見えてくる。

14. 海外の名無しさん
続編を断ったはずが、結局そのシリーズで莫大な額を稼いだわけだろ。名作になる可能性と引き換えなら、まあ悪くない取引だと思う。

15. 海外の名無しさん(>>14への返信)
しかも正直なところ、1作目は結局ちゃんと名作になってるんだから、彼は両方手に入れたんだよ。映画史の頂点だなんて誰も言ってないけど、みんながつい何度も見たくなる、楽しいアクション映画の定番なのは間違いない。

16. 海外の名無しさん
逆張りに聞こえるかもしれないけど、1作目と2作目はせいぜい「まあまあ」で、TOKYO DRIFTは文句なしに楽しいし、5作目の『MEGA MAX』と6作目の『EURO MISSION』は本当によくできてると思う。宇宙に行ったやつも普通に楽しんだ。現実がこれだけばかばかしいんだから、映画館でくらいばかばかしい2時間を過ごしたっていいじゃないか。

17. 海外の名無しさん
前から言ってるんだけど、力を入れるシリーズを間違えたんだよ。やるべきは、ディーゼルが同じころ主演したスパイアクションの『トリプルX』のほうだった。後半の『ワイルド・スピード』の荒唐無稽さは、あっちの世界ならぴったりハマってたし、作り手がやりたかったこととも合ってたはず。それでも1作目は特別だけどね。

18. 海外の名無しさん(>>17への返信)
その案の問題点は、『トリプルX』がひどい映画だってことだ。ばかばかしさを受け止める器にはなるかもしれないけど、その器にまず中身がない。

19. 海外の名無しさん
彼の言い分は正しかった。ただ、個人的にはリディックをもっと撮ってほしかったよ。『ワイルド・スピード』に戻った代わりに、あっちが止まってしまった気がして。

20. 海外の名無しさん(>>19への返信)
そのリディックの権利を手に入れるために、TOKYO DRIFTのラストに1シーンだけ出たって本人が話してたよ。ギャラの代わりに権利をもらった、って話だ。好きなシリーズを守るためなら、反対してた続編にも顔を出す。筋は通ってると思う。

21. 海外の名無しさん
だから2作目にいなかったのか。3作目も最後にちょっと出てくるだけだったし。正直、2作目はタイリースとポールが台無しにしたと思ってる(笑)。「イジェクト・シート、カズ!」

22. 海外の名無しさん(>>21への返信)
冒涜だぞ! 2作目はひどいからこそ最高なんだよ(笑)。あと、エヴァ・メンデスも最高だった。そこは撤回してもらおうか。

※注:「イジェクト・シート、カズ!」は2作目で、タイリース・ギブソン演じるローマンが、助手席に乗せた敵の手下を即席の射出シートで車外へ吹っ飛ばす場面の台詞。「射出シートだぜ、兄弟」をふざけて崩した言い方で、いまもネットでネタにされる名場面。エヴァ・メンデスは2作目で潜入捜査官モニカを演じた。

23. 海外の名無しさん
公平に言って、1作目は続編がどうなろうと名作のままだよ。俺もTOKYO DRIFTまでは、いまでもたまに見返してる。

24. 海外の名無しさん(>>23への返信)
いや、名作なのはTOKYO DRIFTのほうだろ。本物のドリフト界のレジェンドが走りを監修して、自分でも釣り人の役でちょっと出てるんだぞ。あの走りの説得力は、そこから来てるんだと思う。

※注:「ドリキン(ドリフトキング)」の異名で知られる元レーシングドライバー、土屋圭市のこと。TOKYO DRIFTではドリフト走行の監修を務め、釣り人の役でカメオ出演している。同作には北川景子も出演している。

25. 海外の名無しさん
結果的に、1作目はちゃんと名作のまま残ったと思う。後半の続編があまりに別物になったせいで、もう別の宇宙の話として切り離して見られるんだよ。それに、ドムとブライアンがどう出会ったかを知ってるからこそ、7作目『SKY MISSION』のラストが胸に来る。あれは1作目から見てきた人ほど泣ける。

※注:ブライアン役のポール・ウォーカーは、7作目『ワイルド・スピード SKY MISSION』(2015年)の撮影が続いていた2013年11月に、交通事故で亡くなった。7作目のラストは、彼を送り出す場面として作られている。

まとめ

続編は1作目が名作として残るチャンスを損なうと考え、2作目を断ったヴィン・ディーゼル。それでも3作目にはリディックの権利と引き換えに顔を出し、4作目からはシリーズの中心に戻った。コメント欄は「彼は正しかった」という声と「ファミリー」いじりに始まり、どれが最高かの論争へ。車が宇宙まで行ったいまも、1作目だけは別格と見る人が多いようだ。

元ソース: 今日知った:ヴィン・ディーゼルはもともと、『ワイルド・スピード』の続編を作らないようユニバーサルに頼んでいた。続編を作れば、1作目が名作になるチャンスを潰してしまうと考えたからだ

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