『新スタートレック』のピカード艦長として知られる俳優パトリック・スチュワートの結婚式は、『ロード・オブ・ザ・リング』のガンダルフ役で知られる親友イアン・マッケランが執り行った。ここまでは当時から有名な話だ。ところが本人が7年後に明かしたところでは、正式に夫婦になった場所は湖畔の式場ではなく、閉店間際のメキシコ料理店だった。スチュワートは2026年10月28日に86歳で亡くなり、この話はいま改めて海外の掲示板で読まれている。
※注:英語圏では、友人が式の進行役(オフィシアント)を務める結婚式が珍しくない。アメリカでは資格や手続きが州ごとに違うので、ある州で通る資格が別の州では使えないことがある。
今日の知ってた?
🌮 パトリック・スチュワートと妻サニー・オゼルは、ネバダ州レイクタホの結婚式とは別に、カリフォルニアのメキシコ料理店でも式を挙げていた。マッケランの資格がネバダ州で使えなかったためで、どちらの式もマッケランが執り行った。
背景:ピカード艦長とガンダルフの友情
パトリック・スチュワートは1940年、イングランドのヨークシャー生まれ。1966年にロイヤル・シェイクスピア・カンパニーに入り、長く舞台で生きてきた俳優だが、世界に名を知られたのは1987年に始まった『新スタートレック』のジャン=リュック・ピカード艦長役だった。イアン・マッケランは1939年生まれで、同じくイギリスの舞台を代表する俳優である。スチュワートがこの役を受けるとき、マッケランは舞台の経歴を捨てるべきではないと強く忠告したが、のちに、受けたのは賢明だったと認めている。
2人が本当に親しくなったのは、映画『X-MEN』シリーズの撮影現場だった。スチュワートはプロフェッサーX、マッケランはマグニートー。映画の中では考え方の違う旧友という役どころで、現場の待ち時間に打ち解けたという。2009年にはロンドンで『ゴドーを待ちながら』に2人で出演し、2013年から翌年にかけてはブロードウェイで同作とハロルド・ピンターの『誰もいない国』を交互に上演した。結婚式があった2013年9月は、まさにこの公演を控えた時期である。
妻のサニー・オゼルは1978年12月にネバダ州リノで生まれたアメリカの歌手で、スチュワートより38歳年下にあたる(報道では「39歳差」とも書かれるが、生年月日どうしを比べると38年と5か月)。2人の出会いは2008年、当時オゼルがウェイトレスをしていたニューヨークの料理店「フラニーズ」だった。E!ニュースによると、上司に言われて彼のテーブルへデザートのサービスを勧めに行き、そこで舞台『マクベス』を観たいと話したところ、スチュワートがチケットを用意した。楽屋での1杯のワインがそのまま夕食になったという。結婚の時点でスチュワートは73歳、オゼルは34歳だった。
もう少し詳しく
「パトリックと結婚する」という一言。話題の始まりは2013年3月だった。英国のトーク番組『ジョナサン・ロス・ショー』に出たマッケランは「パトリックと結婚するんだ」と切り出し、すぐに「彼の結婚式を執り行うんだよ」と言い直した。米ABCニュースによると、このとき本人も、どうすれば法律の上で式を執り行えるのかは分かっていない様子で、「アメリカのどこかなら」簡単だろうと話していた。この軽い見通しが、のちに問題になる。
資格がネバダ州で使えない。E!ニュースによると、マッケランの資格はオンラインで取ったもので、カリフォルニア州では認められたが、ネバダ州では認められなかった。一方、式を予定していたのは、オゼルが育った土地に近いネバダ州側のレイクタホである。そこで2人は、湖畔の式の予定は変えずに、カリフォルニアで先に法的な手続きを済ませることにした。
閉店間際の店で。事情を明かしたのは、2020年3月に放送された米トーク番組『ジミー・キンメル・ライブ!』だった。この回の司会は、ジミー・キンメルの代役を務めたピート・ブティジェッジ(のちの米運輸長官)である。米ハリウッド・リポーター誌が伝えたスチュワートの話では、2人はマッケランと、ほかに客2人と舞台の演出家を「夕食に」とメキシコ料理店へ誘った。着いたころにはもう遅く、店は閉める準備をしていた。マッケランは法衣のようなものを持ってきていたが、客たちは何が起きているのか分かっていなかった。そして本人いわく「私たちは、メキシコ料理店で正式に結婚した」。店の名前は、今回調べた資料には出てこない。
どちらが「本当の式」か。湖畔の式は2013年9月7日に開かれた。マッケランが進行役を務め、スチュワートの息子ダニエル、オゼルの両親、『新スタートレック』の共演者たちも顔をそろえた。マッケランのスピーチを、スチュワートは「知恵とユーモアと詩情に満ち、そして私たち2人のことをよく知っていた」と振り返っている。ただ、この時点で2人はすでに夫婦で、それを知っていた人はごく少なかったという。E!ニュースはメキシコ料理店の式を「数週間前」としている。投稿の「メキシコ料理店で結婚した」は本人の発言どおりの事実だが、大勢の前で誓った結婚式は別にあった、というのが正確なところだろう。なお資料によって、店の場所は「ロサンゼルス」「カリフォルニア」、湖畔の式は「レイクタホ」「リノ」と書き方に幅がある。
38歳差と、その後の13年。2人の年齢差は当時から話題になり、スチュワートも2023年の回想録『Making It So』で、自分の子どもたちより若い女性と結婚することに眉をひそめる人がいたのは分かっていた、と書いている。求婚についても、はっきりプロポーズした覚えはなく、2人で同じ結論に達したという趣旨の記述があり、オゼルのほうは、ベネチアで求婚された時にはもう決まったことだったと語っている。夫婦はロサンゼルスの自宅で暮らし、スチュワートが亡くなったときもオゼルがそばにいた。遺族の声明によれば、アルツハイマー病とレビー小体型認知症を患っていたという。
海外の反応
1. 海外の名無しさん
うちの義父はスチュワートがずっとゲイだと思い込んでた。女性と結婚してるよって何度言っても聞かない。たぶんマッケランと仲が良すぎて、2人がごっちゃになってたんだと思う。
2. 海外の名無しさん(>>1への返信)
それはイアンにも責任がある。トーク番組でいたずらっぽく「パトリック・スチュワートと結婚するんだ」って言ってたからな。一拍おいて「式を執り行う、ですよね」と直されるやつ。
3. 海外の名無しさん(>>1への返信)
俺も長いことマッケランとスチュワートは付き合ってると思ってた。周りにそう勘違いされるくらい仲が良いのが、本物の友情なのかもしれない。
4. 海外の名無しさん(>>1への返信)
『そりゃないぜ!? フレイジャー』でゲイの役を演じた回があって、あれがまた最高だったんだよ。勘違いする人が増えるのも無理はない。
5. 海外の名無しさん
経歴を読んでたら全部の文に驚いた。ブルックリンに家を買って、歌手と結婚して、ネバダの式には法的な効力がなくて、本番前にメキシコ料理店で内緒の式。なんだこの人生。
6. 海外の名無しさん(>>5への返信)
ブルックリンに住んでた頃、ダンボ地区のレストランで3人を見かけたことがある。誰にも邪魔されずに食事して、そのあとバーで長いこと話してた。イアンとパトリックが笑わせ合っててね。
7. 海外の名無しさん
おかげで史上屈指の見出しが生まれたんだよな。「イアン・マッケラン、パトリック・スチュワートと結婚」。もちろん式を執り行うって意味なんだけど。
8. 海外の名無しさん(>>7への返信)
本人たちが一番おもしろがってたと思う。ああいう友情を持てる人生でありたい。
9. 海外の名無しさん
補足すると、もともとネバダで式を挙げる予定で、イアンの資格がそこでは認められなかったんだ。だから内緒でメキシコ料理店で先に済ませた。本人がキンメルの番組で話してる。
10. 海外の名無しさん(>>9への返信)
年の差をあれこれ言う人もいるけど、出会った時で彼女は30歳近く、結婚した時は34歳だぞ。いい大人の選択だよ。
11. 海外の名無しさん(>>10への返信)
ここまで来ると、女性を守るというより、大人の女性を子ども扱いしてる話に聞こえるんだよな。
12. 海外の名無しさん
想像してみてくれ。ピカード艦長の妻で、結婚式の進行役はガンダルフ。自己紹介で嘘だと思われるやつだ。
13. 海外の名無しさん
ガンダルフにメキシコ料理店で結婚させてもらうなんて、魔法とサルサが少し多めの恋物語だな。
14. 海外の名無しさん(>>13への返信)
どの店だったのかが気になる。いきつけのあの店だったら毎週通うわ。あそこのテーブルで結婚したのかって。
15. 海外の名無しさん
あの2人の声で誓いの言葉が交わされたわけだろ。史上もっとも響きのいい結婚式だったはず。閉店作業中の店員さんは、とんでもないものを聞いてたことになる。
16. 海外の名無しさん
「イアン・マッケランはパトリック・スチュワートを結婚させた」は、好きな豆知識のひとつ。英語だと「結婚した」にも読めるのがいい。
17. 海外の名無しさん(>>16への返信)
今日知った。この2人、結婚してなかったんだな。ずっと夫婦だと思ってたよ。
18. 海外の名無しさん
子どもとの関係は良くなかったと聞く。若い頃は仕事と移動ばかりで、家にいなかったらしい。世界中の人の理想の父親だったけど、自分の子にとってはそうじゃなかったのかもしれない。
19. 海外の名無しさん(>>18への返信)
本人も家族より仕事を優先したことを悔やんでたし、孫とは違う接し方をしようとしてた。そこを認められる人だったから、演技とは別に尊敬してる。
20. 海外の名無しさん
俺たちが見送ってるのは役者としての仕事なんだと思う。良いところも至らないところもある1人の人間が、憧れの艦長に命を吹き込んでくれた。それだけで感謝しかない。
21. 海外の名無しさん
これ以上好きになることはないと思ってたのに、また好きになった。閉店間際の店で、法衣を持ってきた親友と結婚なんて、ずるい。
22. 海外の名無しさん(>>21への返信)
いなくなってしまったのは悲しいけど、本当によく生きた人だったと思う。最後の最後まで話題が尽きない。
23. 海外の名無しさん
ナチョっと普通じゃない結婚式だったな。エンゲージ!(※「エンゲージ」はピカード艦長の決めゼリフで、婚約の意味もある)
24. 海外の名無しさん
俳優が亡くなると、知らなかった私生活が一気に出てくる。自分は今日まで、この人はゲイだと信じてた。まあ、本人がそんな勘違いを気にする人でもなかっただろうけど。
まとめ
メキシコ料理店の結婚は本人が語った事実で、マッケランの資格がネバダ州で使えなかったことが理由だった。コメント欄は「ゲイだと思っていた」という勘違いの告白と、「マッケランがスチュワートと結婚」の冗談で盛り上がり、亡くなった俳優を見送る言葉の中で、2人の友情がいちばん語られていた。

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