「チンパンジーに指の一部を噛みちぎられた」13歳で主演したジェニファー・コネリーの話はどこまで本当か

「チンパンジーに指の一部を噛みちぎられた」13歳で主演したジェニファー・コネリーの話はどこまで本当か 音楽・エンタメ

『ビューティフル・マインド』でアカデミー助演女優賞を取ったジェニファー・コネリーは、10代の初めに出たホラー映画の撮影中、共演のチンパンジーに指を噛まれた。海外の掲示板では「15歳で指の一部を失った」として広まっているが、調べると、確かな部分と噂の部分がはっきり分かれる話だった。

※注:『フェノミナ』はイタリアのホラー映画の巨匠ダリオ・アルジェントの監督作。替え玉(ボディダブル)は、危険な場面などで俳優の代わりに撮影に立つ人のこと。

今日の知ってた?

🐒 映画『フェノミナ』(1985年)の撮影で、ジェニファー・コネリーがチンパンジーに噛まれたのは本人が語った事実。ただし「指を噛みちぎられ、病院でつなぎ直した」は確かめられず、米誌は「よく出回る噂」と書いている。年齢も「15歳」は誤りで、撮影時は13〜14歳だった。

背景:『フェノミナ』とは

『フェノミナ』は、イタリアのダリオ・アルジェント監督が撮ったホラー映画である。スイスの全寮制の女子校に入った少女ジェニファーは、夢遊病を患い、昆虫と心を通わせる力を持っている。学校の周りでは生徒の連続殺人が起きており、彼女は車椅子の昆虫学者マクレガー教授(ドナルド・プレザンス)と組んで犯人を追う。教授と暮らす賢いチンパンジーのインガが、物語の終盤で大きな役を果たす。

英語版ウィキペディアによると、ロケは1984年8月から10月にかけてスイスで行われ、スタジオの撮影はローマで進んだ。イタリアでの公開は1985年1月31日。米国では短くした版が『クリーパーズ』の題で同じ年の8月に公開され、ニューヨーク・タイムズ紙の批評は、演技でいちばん良かったのはチンパンジーだと皮肉まじりに書いた。

インガを演じたのは「タンガ」という名のチンパンジーで、イタリア映画『ビンゴ・ボンゴ』にも出ていた動物俳優である。イタリア紙イル・ジョルナーレの2008年の記事は、ローマ近郊のアプリリアにある動物俳優の施設を「スターの動物園」として紹介し、タンガをその看板の一頭に挙げている。訓練士はこの記事で、体重40キロのチンパンジーでも半トンの物を動かせると語っていた。数字は訓練士の言い方だが、撮影現場が相手にしていた力の大きさは伝わる。

コネリーは1970年12月12日の生まれで、主演に迎えられたときは映画.comの紹介でも13歳とされている。初めて主役を務めた作品だった。ここで、元の投稿の「15歳」は計算が合わなくなる。ロケの時期には13歳で、スタジオの撮影が年を越していたとしても14歳。イタリアで公開された時点でも14歳で、15歳になるのは日本と米国での公開も終えたあとの1985年12月である。

もう少し詳しく

噛まれたことは、本人が話している。コネリーは2008年12月に米国のトーク番組『レイト・ナイト・ウィズ・コナン・オブライエン』に出て、この撮影のことを語った。米誌ヴァルチャーは、そのときの発言として「彼女(チンパンジー)に噛まれたんです」という言葉を引いている。子どものころは霊長類が大好きだったこと、噛まれて傷ついたこと、その後もチンパンジーが自分に荒っぽい態度を取り続けたことも、同じ番組の発言として伝わっている。

「噛みちぎられた」は、どこから来たのか。英語版ウィキペディアは、2003年にイタリアで出た書籍を出典に、タンガがコネリーの指の一部を噛みちぎったと書いている。一方、2022年にヴァルチャーでアルジェントに取材した映画ライターのサイモン・エイブラムスは、指の一部を噛みちぎられて近くの病院で奇跡的につなぎ直された、という話を「よく出回る噂」と呼び、確かな言葉としては本人の「噛まれた」だけを挙げた。再接着の話を載せたページは多いが、確認できた範囲では映画情報サイトの投稿やレビューがほとんどで、病院の記録や、本人が「指先を失った」と語った記録は見つからなかった。噛まれたのは事実、どこまでの傷だったかは分からない、というのが今のところの正直な線引きになる。

替え玉は、監督自身が認めている。そのヴァルチャーの取材でアルジェントは、チンパンジーがコネリーの腕をつかみ、彼女が悲鳴を上げて取り乱す、といった衝突が多かったと語り、撮影の最後になった、少女がチンパンジーを抱きしめる結末の場面でも替え玉を使ったと明かした。元の投稿にある「替え玉が必要になった」は、この点で裏付けが取れる。同じチンパンジーを使い続けた理由までは語っていない。ほかにも、屋外の撮影中に逃げ出して3日間行方不明になり、森林警備隊が森に餌を置いて捕まえたという。英語版ウィキペディアによれば、終盤でカミソリを振るう手もタンガ本人のもので、刃をつぶした小道具なのに、ダリア・ニコロディに傷あとを残した。

日本では、この作品が彼女の出発点になった。『フェノミナ』の日本公開は1985年6月8日で、イタリアでの公開から半年も空いていない。コネリーと日本の関わりは、映画の外にも広がった。英語版ウィキペディアの本人の項目によれば、1986年12月に日本向けのポップスを2曲録音しており、日本語が話せないので発音をなぞって歌った。1980年代には資生堂の日本向け広告にも出ていて、2012年には同社の世界向けブランドの顔に選ばれている。作品の人気もその後まで続き、2020年に4K修復版のブルーレイが出たときは、それまで無かった初の日本語吹替版がクラウドファンディングで作られ、主役級の声優を支援者が選んだ。映画.comはこの作品を「美少女ホラー」の傑作と呼んでいる。2021年には劇場でも再び公開された。

海外の反応

1. 海外の名無しさん
チンパンジーだけは本当に無理。絶対に近寄りたくない動物のかなり上のほうにいる。檻を挟まない距離で会うことは一生ないと思う。

2. 海外の名無しさん(>>1への返信)
保全の現場で10年くらいチンパンジーと働いてるけど、その怖がり方で合ってるよ。映画に出すせいで「ペットにできる」と思う人が増えてしまった。あれは危険な動物で、ペットじゃない。

3. 海外の名無しさん
「失った」は言いすぎじゃないか。噛みちぎられたあと、手術でつなぎ直したって読んだ覚えがある。今の写真を見ても手は普通だし。

4. 海外の名無しさん(>>3への返信)
手術のとき、間違えてチンパンジーの指をつないじゃったんじゃないの。つまり彼女は今も一部がチンパンジーってことで。

5. 海外の名無しさん(>>3への返信)
つなぎ直しの話は有名だけど、調べたらちゃんとした出どころは見つからなかった。本人がコナンの番組で言ったのは「噛まれた」までらしい。

6. 海外の名無しさん
それと「15歳」も変だぞ。1970年の12月生まれで撮影は84年だろ。どう数えても13か14じゃないか。もっと幼い子の現場だったことになるから、むしろ話はひどくなるけど。

7. 海外の名無しさん
ダニー・デヴィートの猿の話を思い出した。『バットマン リターンズ』で何日も猿と練習して、本番でペンギンの衣装を着たら、猿が走ってきて股間に噛みついたって話。衣装の詰め物のおかげで無事だったとか。

※ 7の話は掲示板で語られたもので、出典は確かめられていない。

8. 海外の名無しさん
意味が分からない。なんで噛んだあとも同じ現場に入れたんだよ。というか、なんで同じチンパンジーを使い続けたんだよ。

9. 海外の名無しさん(>>8への返信)
いい俳優より、演技を仕込まれたチンパンジーのほうが数が少ないからだろ。人間の替えは利くけど、チンパンジーの替えは利かない。

10. 海外の名無しさん(>>9への返信)
「危ないので主演の子のほうに替え玉を立てます」って判断、言葉にするとすごいな。替え玉の人は誰が守ってくれるんだよ。

11. 海外の名無しさん
ひどい傷だ。もう彼女を直視できない。

12. 海外の名無しさん(>>11への返信)
女優人生はあの日に終わったよな。あとはアカデミー賞を取るくらいしかできなかった。かわいそうに。

13. 海外の名無しさん
ゴリラを怖がる人は多いけど、チンパンジーがいるのにと思う。ゴリラは大きくて力も強いけど、基本は穏やかに葉っぱを食べて座ってるだけだ。

14. 海外の名無しさん(>>13への返信)
チンパンジーに襲われて手や顔を失った人の話を読むと、もう近くにいてほしくない。ゴリラやオランウータンならまだいいけど、チンパンジーとヒヒは勘弁。

15. 海外の名無しさん
撮影現場にチンパンジーを入れようって、誰が言い出したんだろう。悪い結果しか想像できないのに、その後も使い続けたってのがすごい。

16. 海外の名無しさん(>>15への返信)
あのころの映画は、虎でも熊でもライオンでもチンパンジーでも、平気で使ってたからな。今とは本当に別の時代なんだ。

17. 海外の名無しさん
この現場、ダリア・ニコロディもカミソリの場面で傷を負ったんじゃなかったか。刃はつぶしてあったのに、チンパンジーの力が強すぎて傷が残ったって。

18. 海外の名無しさん(>>17への返信)
しかもそのチンパンジー、撮影中に森へ逃げて何日も戻らなかったんだろ。主演を噛んで共演者に傷を付けて家出までする、とんでもない大物だな。

19. 海外の名無しさん
『フェノミナ』は傑作だと思う。ただ、アルジェントのことを調べるほど、人としては好きになれなくなっていく。

20. 海外の名無しさん
記事にはチンパンジーの性別が書いてなかったけど、雌だったら彼女をライバル扱いしたのかな。それとも、歯を見せて笑うのが威嚇に見えたとか。

21. 海外の名無しさん(>>20への返信)
人に馴らしたチンパンジーでも、よく訓練された個体でも、一瞬で手がつけられなくなる。犬の事故は育て方で説明がつくことが多いけど、チンパンジーはそうじゃない。

22. 海外の名無しさん
子どものころ、北京の動物園でチンパンジーを膝に乗せて写真を撮ったことがある。目を合わせるな、触るなと言われた。野生動物の保護の仕事でワニも毒蛇も見たけど、今思えばあれがいちばん危なかった。

23. 海外の名無しさん
つまり替え玉は人間の代わりで、チンパンジーの替え玉はいなかったわけか。そりゃそうだ、誰が引き受けるんだって話だけど。

まとめ

ジェニファー・コネリーがチンパンジーに噛まれ、監督が替え玉を立てたことは本人と監督の言葉で確かめられるが、「指を噛みちぎられてつなぎ直した」は噂の域を出ず、「15歳」も誤りだった。コメント欄は指の話より、噛んだチンパンジーを使い続けた1980年代の現場への驚きと、チンパンジーそのものへの恐怖で埋まった。

参考資料

元ソース: ジェニファー・コネリーは15歳のとき、映画『フェノミナ』の撮影でチンパンジーに指の一部を噛みちぎられた

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