「感知されない赤信号は、120秒止まったら進んでいい」アメリカの一部の州にある“デッドレッド法”とは?

「感知されない赤信号は、120秒止まったら進んでいい」アメリカの一部の州にある“デッドレッド法”とは? 文化・社会

深夜、ほかに車が1台もいない交差点で、赤信号がいつまでたっても青にならない。信号の感知器が、止まっているバイクに気づいていないのだ。アメリカの一部の州には、こういうときに限り、完全に止まって安全を確かめれば赤のまま進んでよいという「デッドレッド法」がある。コメント欄には「警官が手を振って行かせてくれた」「ずっと待っていたのに切符を切られた」という体験談が次々と寄せられた。

※注:これはアメリカの州法の話。日本の道路交通法にはこうした例外は無く、感応式信号がいつまでも変わらなくても、赤のまま進めば信号無視の違反になる(詳しくは「もう少し詳しく」の最後で)。

今日の知ってた?

🚦 アメリカの一部の州には、信号の感知器がバイクなどを感知せず赤信号がいつまでも変わらないとき、完全に停止し、安全を確かめたうえで赤のまま交差点を進むことを認める「デッドレッド法」がある。

🗺️ 2025年8月時点の米メディアのまとめでは21州。多くはバイク(州によっては自転車も)が対象で、ペンシルベニア州は2016年から、乗用車を含むすべての車両に適用している。

⏱️ どれだけ待てばよいかは州ごとに違う。サウスカロライナ州は120秒、ノースカロライナ州は3分の停止が条件だ。

背景:信号はなぜバイクに気づかないのか

交通量の少ない側道や、右左折用のレーンなどでは、車が来たときだけ青に切り替える「感応式信号」がよく使われる。アメリカでその目の役割を果たしているのが、路面に埋め込まれた「誘導ループ」と呼ばれる検知器だ。舗装に浅い溝を切り、そこに電線を輪にして埋めてある。電線には常に電流が流れていて、真上に金属の塊が来ると、電線の電気的な性質(インダクタンス)がわずかに変わる。検知器はこの変化を読み取り、「車が来た」と信号の制御装置に知らせる。

ポイントは、重さではなく金属に反応していることだ。車体の下に大きな金属のかたまりがある乗用車なら簡単に反応するが、バイクや自転車は金属の部分が小さい。ループの感度の設定や止まる位置によっては変化が小さすぎて、そこにいないのと同じ扱いになってしまう。こうなると、ほかに車が来ない深夜は信号がいつまでも赤のまま。律儀に信号を守るライダーほど足止めを食う、という理不尽が各地で起きていた。

アメリカでは交通ルールの多くを州ごとの法律で決めている。そこで一部の州が、「感知されない赤信号」を条件付きで渡ってよいとする規定を設けた。これが通称「デッドレッド法」だ。「デッド」は「反応しない、死んだような」という意味で、うんともすんとも言わない赤信号を指している。

もう少し詳しく

「誰もいなければ赤でも行っていい」ではない。条件は州ごとに細かく決まっている。たとえばミズーリ州の規定(2009年施行)では、①バイクまたは自転車が完全に停止している、②不合理なほど長く赤が続いている、③信号が故障しているか、感応式の信号がバイクの到着を感知していないとみられる、④横切る道路に車や人が近づいていない(または危険がないほど離れている)、の4つすべてを満たす必要がある。しかもこれは「進んでよい」という許可ではない。信号無視で切符を切られたあとに、条件を満たしていたことを自分で証明して初めて違反を免れられる「抗弁」という形になっている。

待ち時間の決め方もばらばら。サウスカロライナ州は、バイク・原付・自転車を対象に、交差点で120秒間完全に停止したうえで、一時停止の標識と同じように扱い、安全を確かめてから進むことを認めている。ノースカロライナ州(2007年施行)は、バイクが最低3分待ち、交差点に近づく車や歩行者がいないことが条件だ。ミズーリ州のように秒数を書かず、「不合理なほど長く」とだけ定める州もある。

ペンシルベニア州は車も対象。多くの州がバイク(州によっては自転車も)に限っているのに対し、ペンシルベニア州は2016年9月から、感応式の信号が車両を感知しないなどの不具合で赤のままになっている場合、乗用車を含むすべての車両に、一時停止の標識と同じように止まって安全を確かめてから進むことを認めている。

法律がない州のほうが多い。21州ということは、残りの州にはこの規定がない。カリフォルニア州やテキサス州も、デッドレッド法のある州には入っていない。カリフォルニア州は代わりに、感応式信号を新しく設置したり、ループを交換したりするときは、できる限り自転車やバイクも感知できるように設置・維持することを州の車両法で求めている(2008年施行)。赤信号を渡らせるのではなく、信号のほうを直す発想だ。

「赤でも右折OK」とは別の話。アメリカでは、赤信号でも一時停止して安全を確かめれば右折してよい、というルールがほぼ全米で認められている(ニューヨーク市のように原則禁止の地域もある)。デッドレッド法はこれとは別に、直進や左折も含めて、「感知されない赤信号」を渡ってよい場合を定めたものだ。

日本ではどうか。日本の道路交通法には、こうした例外規定は無い。第7条は、信号機の表示する信号(または警察官などの手信号)に従うことを義務づけており、感応式信号がいつまでも青にならない場合でも、赤のまま進めば信号無視の違反になる。日本の感応式信号の感知器は、道路の上から超音波を当てて車を検知するタイプが最も多いとされる。2023年、バイク専門のニュースサイトの取材に対し、警視庁の交通相談コーナーの担当者は、信号が変わらないときはセンサーの下にバイクを止めたり、両手を広げたりしてセンサーに気づかせる工夫をすること、実際の交差点名がわかるなら管轄の警察署の交通規制係に電話して相談することを勧めている。押しボタンが付いている信号なら、それを押すのも手だ。以下の体験談は、あくまでアメリカなど海外の、それも一部の州の話として読んでほしい。

海外の反応

1. 海外の名無しさん
25年前にまさにこれを経験した。夜中の2時(未成年の門限はとっくに過ぎてた)に交差点で止まったら、どっちの方向も赤のまま動かない。向かい側にはパトカーが同じように止まってた。向こうが先に行くのを待ってたら、ライトをパッパッと点滅させて手を振って、「行っていいよ」って合図してくれた。こっちはもう心臓バクバクだったよ(笑)

2. 海外の名無しさん(>>1への返信)
警察官の指示は信号や標識より優先されるはずだから、その時点で正式にセーフだったってことだね。それでも自分だったらパニックになってたと思う(笑)

3. 海外の名無しさん(>>1への返信)
15年くらい前、バイクで信号待ちをしてて、数分たっても変わらないから周りを見回して赤で進んだら、その場で止められた。警官は笑いながら来て「どれだけ待つのか見てたんだよ」だって。結局は警告だけで済んだけど、その「警告」の中身は「赤で進むときは気をつけろ。あと、この州ではそれでも違法だからな」だった。

4. 海外の名無しさん
10代のころ、毎日の通勤で通る信号がひどく壊れてて、センサーが反応するのは大型トレーラーだけだった。町の人はみんなその信号が壊れてるのを知ってて、60秒待ったら行っていい、というのが暗黙の了解。ところが、点数稼ぎにちょうどいいと目をつけた警官が一人いて、切符を切られた。裁判所に行ったら、その日だけで同じ理由の人が13人。裁判官もその信号のことを知ってて、あの交差点で信号無視の切符をもらった人は立って名前を言うように、と言って全員分を却下。目の前の警官には「もっと分別を持て。あの信号が直るまで、あの交差点の切符は受け付けない」と言い渡した。町が信号を直したのはそれから2年後。あの警官がたしなめられるところを見られたのは本当に痛快だった。

5. 海外の名無しさん
バイクに乗ってる。これは安全講習で教わった。教わっておいて本当によかったよ、住んでるカンザス州のオーバーランドパークじゃ、しょっちゅうこの状況になるから。ただ、全部の州にある法律じゃないと思う。

6. 海外の名無しさん(>>5への返信)
デッドレッド法がある州の一覧にテキサスが入ってないのは意外だな。1987年にバイクの免許を取ったとき、たしかにこう教わった覚えがあるんだけど。

7. 海外の名無しさん
注意してほしいのは、これが「違反切符に対する抗弁」だってこと。条件を全部満たしてたと自分で証明しなきゃいけないから、法律をちゃんと理解しておくことと、ドライブレコーダーやヘルメットカメラの映像がほぼ必須になる。うちの州(ミズーリ)の条件は、①完全に停止した、②不合理なほど長く赤のまま、③故障しているか、バイクが感知されていないとみられる、④横切る道路に車も人も来ていない、の4つ。①③④は映像で証明できる。②の「不合理なほど長く」は、自分は「2分か、信号がひと回りするまで」と決めてる。毎回5分も待つくらいなら、厳しい警官や裁判官に「それじゃ短い」と言われるリスクのほうを取るよ。

8. 海外の名無しさん(>>7への返信)
自分は信号がひと回りするまでは待つことにしてる。ほかの方向は青になったのに自分の方向だけ飛ばされたら、車が来てないのをしっかり確かめてから行く。

9. 海外の名無しさん(>>8への返信)
待つのが大前提なんだよね。道路に雪が7〜8センチ積もった冬の日、ほかに車が1台もいない赤信号で5分以上待った。最後にあきらめて進んだら、真後ろにいたパトカーも一緒についてきて、それでおしまい。信号が反応しないのを確かめるのが先で、誰もいないからって赤で進んでいいわけじゃない。

10. 海外の名無しさん
クルーザー(ゆったり乗る大型のアメリカンバイク)に乗ってたころは一度も困らなかった。ところがカワサキのニンジャに乗り換えた途端、ループからすっかり存在を消されて、左折用の信号がいつまでも赤のまま。赤で曲がるはめになったことが何度もある。

※注:アメリカは右側通行なので、対向車線を横切る「左折」が日本でいう右折にあたる。

11. 海外の名無しさん
信号が車を感知して切り替わってること自体、気づいてない人が多いんだよね。いちばん笑えるのは、重さで反応すると思い込んだライダーが、センサーを作動させようとバイクの上でぴょんぴょん跳ねてる姿。

12. 海外の名無しさん(>>11への返信)
あれ、反応してるのは重さじゃなくて金属なんだよね。路面の下に電線の輪が埋まってて、その上に金属が来ると電気的な変化が起きる仕組み。跳ねるより、路面の切れ込みの線の真上に車輪を乗せたほうがよっぽど効く。

13. 海外の名無しさん
バイク乗りならすぐ覚えることだよ。地面の下に金属探知機みたいなのが埋まってる交差点が多くて、路面に八角形の切れ込みがあるのが目印。その上の、いちばん感知されやすい位置に止まるコツを覚える。ポールの上に動きを見るカメラが付いてるところもあって、そっちは立ち上がってアホみたいに体を動かして気づいてもらう。それでも、何をしても全然変わらない交差点がたまにある。道がどれだけガラガラでも、どれだけ正当な理由があっても、赤で進むのはやっぱり悪いことをしてる気分になるんだよな。

14. 海外の名無しさん(>>13への返信)
うちの地元の自治体は、路面のループじゃなくて信号機の上に付けたセンサーを使ってる。バイクや自転車の感知は、こっちのほうが段違いに確実だよ。

15. 海外の名無しさん
なんだか不思議な話だな。オランダではたしか、感知器のある交差点でも、車を感知しないままでも数分おきに必ずどの方向にも青が回ってくるようにしてたはず。そうしておけば、法律でややこしい話にならずに済む。

16. 海外の名無しさん(>>15への返信)
念のため言っとくと、これは世界中どこでも通じる話じゃないからね。オーストラリアでこんな決まりは聞いたことがない。感知されなかったら、老衰で死ぬまでそこで待つしかないよ。

17. 海外の名無しさん
カリフォルニアでバイクに乗ってて、この「死んだ赤信号」には何度も遭ってる。いま調べてみたら「センサーがバイクを感知しなくても、赤信号を通過するのは違法」と出てきた。じゃあ、高速道路の入口にある流入調整の信号(合流する車を1台ずつ流すための信号)が反応しなかったら、永遠に高速に乗れないってこと? さすがにおかしくないか。

18. 海外の名無しさん(>>17への返信)
カリフォルニアは、デッドレッド法を作らない代わりに、感応式信号を新しく付けたりループを交換したりするときは、できる限り自転車やバイクも感知できるようにしろ、って州法で決めてるんだよね。ただ、古いまま放置されてる信号には関係ない話なんだけど。

19. 海外の名無しさん
今年の夏にまさにこれ。信号で10分近く待った。7分くらいたっても周りには本当に誰もいなくて、結局、6歳の子どもに「どうしてママは赤信号で行くのか」を説明するはめになったよ。

20. 海外の名無しさん(>>19への返信)
自分も似たようなことがあった。夜中の3時ごろ、そんなに大きくない交差点で赤のまま動かなくなった。そのうち両側に車がたまってきたけど、誰も動かない。仕事に遅れたくないけど違反もしたくない。5分くらいして「もういいや」と走り出したら、その瞬間、反対側の車線の車まで含めて全員がぞろぞろついてきた(笑)。自分だけじゃなかったと分かって、だいぶ気が楽になったよ。

21. 海外の名無しさん
25年前のニュージャージーの警官は、そんな話を聞いたこともなかったらしい。夜中の2時、どの方向からも車が来ない信号で少なくとも5分は待った。壊れてると判断して進んだ瞬間、赤色灯がピカピカ。ずっと待ってたのは見てたでしょ、と言っても(実際、止まって見張ってたから絶対に見てた)まるで聞く耳を持たず、信号無視の切符を切られた。いまだに腹が立つ。

22. 海外の名無しさん(>>21への返信)
職場の近くの丁字路で、しばらく左折信号のセンサーが壊れてて、大型トレーラーでもないと青にならなかった。6回くらい赤で曲がったところで、ついに止められた。警官に「信号が7回ひと回りするまで待ってから行った。なんなら今から戻って、仕方なかったことを証明する(時給で働いてるから遅刻できない)」と言ったら、本当にやらせてくれた。真後ろにつかれたまま、さらに4回分待ったところで、向こうから歩いてきて「もういい、時間を取らせて悪かった。この交差点を点検して直すよう上司に言っておく」と。3か月後にやっと普通に戻った。

23. 海外の名無しさん
「デッド・レッド」って見て、一瞬、西部劇ゲームの『レッド・デッド・リデンプション』の話かと思った。この法律で切符を取り消させたら、それはもう「デッド・レッド・リデンプション(救済)」と呼んでいいよね。

24. 海外の名無しさん
14年前、ハンバーガーチェーンのファイブガイズで働き始めた初日の話。朝6時からの全体ミーティングに向かう途中、信号が4回ひと回りしても自分の方向だけ青にならなくて、こんな法律があるとも知らずに「もういい」と赤で進んだ。おかげで店に着いたのはちょうど6時。ところが通用口に鍵がかかってて、店長がガラス越しに「正面に回れ」と合図してくる。朝もやの中で明々と光る店の窓の前を、従業員全員の視線を浴びながらぐるっと歩いて正面のドアを開けたら、6時1分。店長は穏やかに「会議は6時からで、6時1分からじゃない」と言い、「ファイブガイズで働いてくれてありがとう」と自分を送り出した。

25. 海外の名無しさん(>>24への返信)
赤信号を渡ってまで間に合わせたのに、1分遅れで初日にクビって……。壊れた信号より、その店長のほうがよっぽど融通がきかないな。

まとめ

「デッドレッド法」は、感知器に気づいてもらえないバイクなどのための、アメリカの一部の州の救済ルールだ。対象の車両も待ち時間も州ごとにばらばらで、切符を切られたあとに自分で証明する形の州もある。コメント欄には、警官が手を振って行かせてくれた話と、長く待ったのに切符を切られた話が並び、同じ赤信号でも州と警官しだいで結果が変わる現実が見えた。なお日本では、変わらない赤信号でも進めば信号無視になる。センサーの位置を確かめ、それでも変わらなければ警察に連絡しよう。

元ソース: 今日知った:信号が車両を感知しなかった場合に、ドライバーやバイクが赤信号のまま進むことを認める「デッドレッド法」というものがある

コメント

  1. Reddit名無しさん says:

    検知器付の信号に限る。
    そこに停車されると検知器が反応しないんだよ!