「サブウェイのパンは、法律上はパンではない」――2020年、アイルランドの最高裁判所がそんな判決を出していました。理由は砂糖の多さです。ネットでは「パンじゃなくてケーキ認定された」と面白がられてきましたが、実はこれ、税金の区分をめぐる話。何が争われて、何が決まったのかを見ていきます。
※注:付加価値税(VAT)は、ヨーロッパの国々で広く採用されている、日本の消費税にあたる税金です。品目ごとに税率が細かく分かれていて、アイルランドではパンを含む多くの基本的な食品が「税率0%」になっています。
今日の知ってた?
🍞 2020年9月29日、アイルランドの最高裁判所は、サブウェイの温かいサンドイッチに使われるパンが、付加価値税法でいう「パン」に当たらないと判断した。
🧂 税法上の「パン」は、砂糖・油脂・パン改良剤が小麦粉の重さの2%まで。サブウェイのパンは砂糖が小麦粉の重さの10%で、基準の5倍だった。
🧾 これは税率の区分だけの話。主食向けの税率0%が使えず、温かい飲食物として13.5%の税率がかかる、という結論で、パンとして売ることや食品としての安全性とは関係がない。
背景:アイルランドの税法が決める「パン」とは
アイルランドの付加価値税法(1972年制定)は、主食としてのパンを税率0%の対象にしています。ただし、焼いた生地なら何でも「パン」として0%になるわけではありません。法律は「パン」を材料の配合までかなり細かく定義していて、そのひとつが、砂糖・油脂・パン改良剤は、生地に使う小麦粉の重さの2%を超えてはならない、という決まりです。
判決を書いたドナル・オドネル裁判官は、この定義の狙いを、主食としてのパンと、「菓子や、菓子パン・焼き菓子の類に当たる、またはそれに近い」生地の焼き物とを分けることにある、と説明しています。サブウェイのパンの砂糖は小麦粉の10%。2%の線を大きく超えているので、税法の上では「主食のパン」の側に入らない、というのが最高裁の結論でした。
もう少し詳しく
争ったのはサブウェイ本社ではなく、加盟店の運営会社。裁判を起こしたのは、アイルランドでサブウェイのフランチャイズ店を運営する「ブックファインダーズ」という会社です。売上の7〜8割が持ち帰りだったこの会社は、2004年から2005年にかけて納めた付加価値税について、店で温めて出すサンドイッチや紅茶・コーヒーは税率0%であるべきだったとして、還付を求めました。2006年に税務当局に拒否されると、税務の不服審判、高等法院、控訴院と争い、いずれも退けられて最高裁までたどり着きます。最高裁も5人の裁判官の全員一致で上訴を退け、温かい飲食物には13.5%の税率がかかると判断しました。サブウェイのパンが「パン」に当たるかどうかは、その中の争点のひとつだったわけです。
「パンじゃない」は税金の上だけの話。判決が決めたのは、あくまで税率の区分です。これまでどおり「パン」として売ることも、食べ物として安全かどうかも、この判決とは関係ありません。判決が報じられると、サブウェイは「サブウェイのパンは、もちろんパンです。私たちは30年以上、店でパンを焼き続けてきました」とコメントしています。ネットでおなじみの「砂糖が多いのでケーキに近い」という言い回しも、判決が「ケーキだ」と認定したわけではなく、「主食のパンか、菓子寄りか」という線引きを、わかりやすく言い換えたものです。
「10%」はパン全体の10%ではない。パン作りでは、材料の量を「小麦粉の重さを100としたときの割合」で表すのが一般的で、法律の2%も、サブウェイの10%も、この物差しで測った数字です。実際の生地には水などほかの材料も加わるので、焼き上がったパン全体に占める砂糖の割合はもっと小さくなります。ちなみに日本の家庭向けの食パンのレシピでも、砂糖が粉に対して5〜8%ほどのものは珍しくありません。一方、パウンドケーキは基本の配合だと小麦粉と砂糖をほぼ同じ重さで使うので、砂糖は粉の100%前後。10%という数字は、ケーキよりずっと食パンに近いところにあります。アイルランドの2%という線は、日本の感覚からするとかなり低めに引かれているといえそうです。
日本の軽減税率とは線の引き方が違う。日本の消費税の軽減税率(8%)は、パンもケーキも同じ「飲食料品」として扱い、代わりに「店内で食べるか、持ち帰るか」で10%と8%を分けています。アイルランドでは、食べ物の中身(主食のパンか、菓子寄りか)や、温めて出すかどうかが税率を左右します。同じ食べ物の税金でも、どこに線を引くかは国によってずいぶん違うようです。
海外の反応
1. 海外の名無しさん
前提として、アイルランドの法律では、パンに入れる砂糖は小麦粉の重さの2%までって決まってるんだよ。サブウェイのレシピは10%前後で、主食のパンの基準の5倍だったってわけ。
2. 海外の名無しさん(>>1への返信)
ただ念のため言っとくと、これは税法の話な。サブウェイがあれを「パン」と呼んで売るのは何の問題もなくて、主食向けの税率0%が使えないってだけ。
3. 海外の名無しさん(>>2への返信)
そうそう。食品の安全基準でも、サブウェイの広告でも、パンは普通にパンのまま。「パンじゃない」判定が効くのは税率の区分だけ。ニュースの見出ししか見てない人は、たぶんそこを知らないと思う。
4. 海外の名無しさん
この判決が出てから、ヨーロッパのネット民はずっとこの話を擦り続けてるよな。アメリカのパンの話題になると、だいたいこれが貼られる。
5. 海外の名無しさん(>>4への返信)
ドイツに住んでるアメリカ人だけど、アメリカに行ったこともないヨーロッパ人から「アメリカのパンは全部ケーキ」って力説されるのが本当に疲れる。ついでに「水道水は危なくて飲めないんでしょ」とも言われる。
6. 海外の名無しさん(>>5への返信)
イギリスからアメリカに旅行したとき、スーパーで適当に買った食パンが2つとも甘くて驚いたのは本当。全部がそうじゃないのは分かってるし、朝早くから開いてる地元のパン屋を見つけてからは、そこが旅の一番の思い出になったくらい。ただ、甘くないパンに慣れてる人間には「ケーキっぽい」は割と実感なんだよ。
7. 海外の名無しさん(>>6への返信)
ドイツの平均的なパンとアメリカのパンが別物なのは確か。黒っぽくてずっしりした、酸味のあるライ麦パンが毎日のパンだと、ふわふわの白いパンは全部お菓子に見えると思う。
8. 海外の名無しさん
「砂糖が多いからケーキに近い」って、裁判所がそう言ったみたいに繰り返されてるけど、判決が決めたのは主食のパンの定義に入るかどうかだけだろ。ケーキに近いって話自体、冷静に考えたら無理がある。
9. 海外の名無しさん(>>8への返信)
誰も本気でケーキだなんて思ってないよ。税金の区分で、お菓子やケーキと同じ側に入ったってだけ。「ケーキに近い」って書いたほうが見出しとして強いから、そっちが広まったんだろうな。
10. 海外の名無しさん(>>8への返信)
数字で比べると早い。パウンドケーキは基本、小麦粉と砂糖を同じ重さで作るから、砂糖は粉の100%。誕生日ケーキのレシピだと、粉より砂糖のほうが多いことすらある。10%はどう見てもパン寄りだよ。
11. 海外の名無しさん
ヨーロッパで普通に食べられてるパンにも、アイルランドの基準だと「パン」から外れるものは結構あるはず。ブリオッシュみたいにバターも砂糖もたっぷりのやつは一発アウトだろうし。大して意味のない豆知識なのに、ここまで広まったのが逆にすごい。
12. 海外の名無しさん
イギリスのサブウェイの栄養成分表を見たら、100gあたりの糖分はイギリスの定番の食パンとそこまで変わらなかったぞ。ケーキ扱いはさすがに言い過ぎじゃない? アイルランドだけレシピが違うとか?
13. 海外の名無しさん(>>12への返信)
それ、サンドイッチ丸ごとの数字じゃないか? 挟んでるチキンなんかにはほぼ糖分がないから、パンだけで計算したらもっと高くなるはず。そもそも法律の「粉の重さの2%」と「パン100gあたり何g」は物差しが違うから、単純には比べられないよ。
14. 海外の名無しさん
砂糖が入る理由って、甘くするためだけじゃないんだよな。イースト菌のエサになって発酵を助けるし、焼き色もつきやすくなるし、しっとり感も長持ちする。大量に焼いて回すチェーン店には理にかなった配合なんだと思う。
15. 海外の名無しさん
糖尿病持ちなんだけど、飴やお菓子よりもサブウェイのパンのほうが血糖値が跳ね上がる。測るたびに笑えない数字が出るんだ。
16. 海外の名無しさん(>>15への返信)
それはサブウェイに限った話じゃないかも。白い食パンは、砂糖そのものより血糖値の上がりやすさ(GI値)が高いとされてるんだよ。精製した小麦粉は、体の中ですぐ糖に変わるから。
17. 海外の名無しさん
サブウェイって「ファストフードの中ではヘルシー」って売り方をしてた時期があったのに、そのパンが税法の上ではお菓子寄りって判定されるのは、ちょっと皮肉だな。
18. 海外の名無しさん(>>17への返信)
それでも、ほかのファストフードと比べたらカロリーは普通に低いほうだよ。野菜も多めに挟めるし、パンの砂糖ひとつで全部台無しってわけじゃない。
19. 海外の名無しさん
税金のための「分類バトル」で好きなのは、マーベルの子会社が「X-MENのフィギュアは人間じゃない」と主張した件。アメリカでは人間をかたどった人形のほうが輸入関税が高かったから、2003年に「ミュータントは人間じゃない」って裁判所に認めてもらって、関税を12%から6.8%に下げたんだよ。
20. 海外の名無しさん(>>19への返信)
ファンからすると複雑な判決だよな。作品の中では「ミュータントも人間だ」って差別と戦ってるのに、現実の法廷では「人間じゃない」って勝っちゃったんだから。
21. 海外の名無しさん(>>19への返信)
イギリスにも、1991年にジャファケーキ(小さなスポンジにオレンジジャムとチョコを乗せたお菓子)が「ケーキかビスケットか」で争われた件があったな。ケーキなら税率0%、チョコがけビスケットなら課税。「古くなると硬くなるのがケーキ、しけって柔らかくなるのがビスケット」って理屈まで持ち出されて、結局ケーキ認定された。
22. 海外の名無しさん(>>21への返信)
逆にメーカー側が負けたのがプリングルズ。「ジャガイモは4割ちょっとしか入ってないからポテトチップスじゃない」って主張したけど、2009年にイギリスの控訴院でポテトチップス扱いと判断されて、課税されることになった。
23. 海外の名無しさん
還付を断られたのが2006年で、最高裁の判決が2020年。14年争った末に「あなたの店のパンは、法律上パンではありません」って言われる加盟店の人の気持ちを考えると、ちょっと笑ってしまう。
24. 海外の名無しさん
サブウェイは判決のあと「サブウェイのパンは、もちろんパンです」ってコメントしてたね。30年以上店でパンを焼いてきたって。広報の人、この一文を書くのに何回ため息ついたんだろう。
25. 海外の名無しさん
これ読んでたら、なぜか無性にサブウェイが食べたくなってきた。パンでもケーキでもいいから、今日の昼はあれにする。
まとめ
サブウェイのパンが「パンではない」とされたのは、アイルランドの税法が主食のパンに「砂糖は小麦粉の2%まで」という細かい線を引いていたから。争われたのは加盟店の税金の還付で、パンとして売ることや安全性とは関係のない話でした。コメント欄では「アメリカのパンは甘い」論争が再燃する一方、「ケーキ扱いは言い過ぎ」という冷静な指摘も多く、ジャファケーキやX-MENまで飛び出して、税金をめぐる「分類バトル」談義に花が咲いていました。
元ソース: アイルランド最高裁は2020年9月29日、サブウェイのパンは砂糖が多すぎて、主食の減税が受けられる法律上の「パン」に当たらないと判断した

コメント