「標高6,638m、なのに登頂記録ゼロ」4つの宗教が聖地とするチベットのカイラス山、誰も登らない理由とは?

「標高6,638m、なのに登頂記録ゼロ」4つの宗教が聖地とするチベットのカイラス山、誰も登らない理由とは? 文化・社会

エベレストの山頂には毎年何百人もの登山者が立ち、南極の奥地の山まで登り尽くされた今の時代に、標高6,638メートルしかないのに、登頂の記録が一つもない山がある。チベット西部のカイラス山だ。登山界の伝説ラインホルト・メスナーも、登るチャンスを得ながら辞退したとされる。

※注:ラインホルト・メスナーはイタリア出身の登山家。1978年にエベレストの無酸素登頂を果たし、1986年には8,000メートル峰14座すべての登頂を人類で初めて達成した。

今日の知ってた?

🏔️ チベットの聖山カイラス山(標高6,638m)には、登頂に成功した記録が一つもない。

🙏 ヒンドゥー教・仏教・ジャイナ教・ボン教の4つの宗教で聖地とされ、現在は中国当局が登山を禁止している。

🧗 1980年代半ば、中国政府から登山許可の打診を受けたメスナーは辞退したと伝えられている。

背景:カイラス山とは

カイラス山は、中国・チベット自治区の西端、ネパールやインドとの国境に近い高原にそびえる山だ。黒い岩肌に雪をかぶったピラミッドのような形をしていて、周囲に同じくらいの高さの峰が少ないため、ぽつんと立つ姿がひときわ目立つ。近くには聖なる湖とされるマナサロワール湖があり、周辺からインダス川、サトレジ川、ブラマプトラ川(ヤルンツァンポ川)などアジアの大河が流れ出している。

この山を聖地とする宗教は4つある。ヒンドゥー教では破壊と再生の神シヴァが住む場所とされ、仏教(とくにチベット仏教)では守護尊デムチョクの住まい、ジャイナ教では開祖リシャバが悟りを開いた場所、チベット土着のボン教では天から開祖が降り立った聖なる山とされる。宗派によって意味づけは違っても、「世界の中心にある山」とみなす点は共通している。

もう少し詳しく

「登る」のではなく「回る」山。カイラス山の巡礼は、頂上を目指すのではなく、山のふもとを一周する「コルラ(巡礼路)」を歩くのが基本だ。一周は約52〜53キロ、最高地点は標高5,600メートルを超える峠で、普通は3日ほどかけて歩く。ヒンドゥー教徒や仏教徒は時計回りに、ボン教徒は反時計回りに回る。五体投地(全身を地面に投げ出して礼拝しながら進む方法)で一周する巡礼者もいて、その場合は数週間かかる。

登山家たちの記録。1926年に周辺を調査したイギリスの登山家ヒュー・ラトレッジは、北面を見て「まったく登れない」と評したとされる。1930年代にこの地を訪れたオーストリアの登山家ヘルベルト・ティヒーは、地元の人から「罪のまったくない者だけが登れる」と聞かされたという。

メスナーの辞退と、あの言葉。1980年代半ば、中国政府はメスナーにカイラス山の登山許可を打診したが、彼は辞退したと伝えられている。今回話題になった「この山を征服したら、人々の魂の中にある何かを征服することになる。登りたいなら、もう少し難しい山に登ればいい」という言葉は、この辞退の際の発言として広く紹介されている。ただし、2001年にスペインの登山隊の計画について意見を求められた際の発言だとする資料もあり、いつ語ったものかははっきりしない。いずれも二次的な紹介で、元になった記事やインタビューは確認できなかった。

2001年の騒動と登山禁止。2001年、スペインの登山隊がカイラス山の登頂を計画していると伝わると、ヒンドゥー教・仏教・ジャイナ教・ボン教の信者や団体から世界的な抗議が起きた。計画は実現せず、その後、中国当局はカイラス山での登山を一切禁止したとされる。こうして、この山は「登れない山」から「登ってはいけない山」になった。

海外の反応

1. 海外の名無しさん
「罪のまったくない者だけが登れる。しかも氷の絶壁をよじ登る必要はない。鳥に姿を変えて頂上まで飛んでいけばいいのだ」って言い伝えを読んだ。なんだ、そんなに難しくなさそうじゃん。

2. 海外の名無しさん(>>1への返信)
最近の若いもんは鳥にもなれないのか。まったく根性が足りんよ。

3. 海外の名無しさん(>>1への返信)
教会も教え方を間違えてるよな。「罪を犯さなければいつか天国に行けるかも」じゃ弱い。「罪を犯さなければ鳥になって山のてっぺんまで遊びに行ける」なら、みんな真面目に生きると思う。

4. 海外の名無しさん
40年前にこの対応ができたのはすごいと思う。今の登山家でもなかなか言えないよ。「罪のない者しか登れない」と信じている人たちの前で誰かが登ってしまえば、その信仰そのものを傷つけかねない。地元の外の人間がそこまで考えたのが意外だった。

5. 海外の名無しさん(>>4への返信)
世界最高峰も南極の山も登られたし、何百メートルもボルトを打ち込んでよじ登った絶壁だってある。人類が山に登れることはもう十分に証明済みだよ。手つかずの山がいくつか残っていても誰も困らない。「最後の未踏峰、そして永遠に未踏のまま」って響き、ちょっといいと思わない?

6. 海外の名無しさん(>>4への返信)
メスナーはエベレストで酸素ボンベを使うことや、大人数の遠征隊で登ることにすら否定的だった人だからね。この返事は、いかにも彼らしいと思う。

7. 海外の名無しさん
これって宗教的な理由なの? 単に地形が険しすぎるだけかと思ってた。

8. 海外の名無しさん(>>7への返信)
そう。ヒンドゥー教ではシヴァ神の住まいとされていて、ものすごく神聖な山なんだ。仏教、ジャイナ教、チベットのボン教でも聖地になってる。4つの宗教の聖地が1つの山に重なっているのって、かなり珍しいと思う。

9. 海外の名無しさん
中国政府が「宗教的な重要性から登山を禁止している」っていうのが一番意外だった。そういう配慮をするイメージがあまりなかったから。

10. 海外の名無しさん(>>9への返信)
2001年にスペインの登山隊の計画が表に出たとき、インドやネパールを含めて世界中の信者から抗議が相次いだらしい。禁止したほうが得だと判断したんじゃないかな。登山を禁じても失うものはほとんどないしね。

11. 海外の名無しさん
ウルル(エアーズロック)にも同じくらいの敬意を払ってほしかったな。昔は観光客が当たり前のように登ってたんだから。

12. 海外の名無しさん(>>11への返信)
ウルルは2019年から登山禁止になってるよ。先住民のアナング族が長年「登らないで」とお願いしてきて、ようやく実現したんだ。

13. 海外の名無しさん(>>11への返信)
自分も「砂漠のでかい岩に登って何が悪いの」って感覚で育った。何が問題なのか根気よく教えてくれた人たちに感謝してる。振り返ると、本当に何の敬意も払ってなかったんだよな。

14. 海外の名無しさん
たぶん地元の誰かはこっそり登ってると思う。世間に言いふらさずに、自分のためだけに何かをやる人っているじゃん。

15. 海外の名無しさん(>>14への返信)
いや、これは本格的な登山になる山だよ。標高6,600メートル超えで、しかも絶壁だらけ。ふらっと裏山に登るのとはわけが違う。装備も技術もない人が「ちょっと行ってくる」でどうにかなるものじゃない。

16. 海外の名無しさん(>>14への返信)
ピラミッドにも目立ちたがりが何人も登ってるし、誰かやってそうって思うのは分かる。でもピラミッドは街のそばにある階段状の石積みで、こっちはヒマラヤの奥地にある雪山だからね。比べる相手が違いすぎる。

17. 海外の名無しさん
自分の名前はこの山から取られてる。死ぬまでに一度はこの山の周りを歩いて回ることになってるんだけど、正直、それが「死ぬとき」にならないかがちょっと心配。

18. 海外の名無しさん(>>17への返信)
つまり一生行かなければ永遠に死なないってことか。不老不死の方法を見つけたな。

19. 海外の名無しさん
ネパールにも登頂されたことのない山があるよ。「魚の尾」って呼ばれるマチャプチャレ。実物を見たけど、写真じゃあの感じは伝わらない。ネパールの中では特別高くもないのに、ほぼ単独で立っていて、トールキンの世界みたいだった。

20. 海外の名無しさん(>>19への返信)
マチャプチャレも地元で聖なる山とされていて、ネパール政府が登山を認めていないんだよね。1950年代にイギリスの隊が頂上直前まで迫ったけど、約束どおり山頂には立たずに引き返したという話もある。

21. 海外の名無しさん
この山、ジンギスカンの墓なんじゃないかと本気で思ってる。支配が強烈すぎて、今でも誰も近寄らないんだよ。

22. 海外の名無しさん(>>21への返信)
それはさすがに無理がある。チンギス・ハンが死んだころ、モンゴルはまだチベットを支配してなかったし、墓はモンゴル高原のどこかにあるとみるのが普通だよ。カイラス山が神聖なのは、シヴァ神の住まいだからだって。

23. 海外の名無しさん
エベレストがどれだけ観光地化されたかを考えると、メスナーが登らなくて本当によかったと思う。彼が登っていたら、きっと今ごろ山頂までの渋滞ができてたはず。

24. 海外の名無しさん
シャルトル大聖堂の外壁を、エナジードリンクの広告をぶら下げながら素手で登るようなものだよな。登れるかどうかじゃなくて、やっていいかどうかの問題なんだ。

25. 海外の名無しさん
写真を見たら、今まで見た中で一番「山らしい山」だった。子どもが山を描いたらこうなる、みたいな完璧な形をしてる。そりゃ神様が住んでるって思うわ。

まとめ

標高6,638メートルのカイラス山は、4つの宗教の聖地であるために登頂記録がなく、2001年の騒動を経て今は登山そのものが禁じられているとされる。コメント欄では、登れる力を持ちながら辞退したメスナーへの称賛が目立ち、ウルルやマチャプチャレなど「登らない山」の話へと広がった。人類が登れない山がほぼなくなった今、「登らないと決めた山」が残っていることに、かえって価値を感じた人が多かったようだ。

元ソース: 今日知った話:カイラス山には登頂成功の記録がない。1980年代に登山の機会を得たメスナーは「この山を征服すれば、人々の魂の中の何かを征服することになる」と言って辞退した

コメント

  1. Reddit名無しさん says:

    ゾロアスター教の鳥葬が行われているとか。

  2. Reddit名無しさん says:

    伊藤勢先生の漫画に出てきて覚えた山だわ、こことトルコ東部のアララト山(こちらも漫画のスプリガンにも出て来て映画化されたエピソード)がサブカル御用達しの聖山よな