何でも吸い込んで際限なく太っていきそうなブラックホールにも、「これ以上は大きくなれない」という上限があるかもしれない。しかもその理由は、エサになるはずのガスが途中で星になってしまうから——。海外の掲示板でそんな話題が広がり、「そもそも本当なの?」と詳しい人たちによる解説合戦になっていた。
今日の知ってた?
🕳️ イギリス・レスター大学の天体物理学者アンドリュー・キング教授は、ガスを吸い込んで成長するブラックホールには太陽の約500億倍という上限があるとする理論モデルを発表した(英国王立天文学会の学術誌に2016年掲載)。
理由は、ブラックホールが大きくなりすぎると、周りを回るガスが吸い込まれる前に星になってしまうから。ただし「典型的な条件なら」という前提つきで、条件次第では約2700億倍まで届きうる。
背景:ブラックホールはどうやって太るのか
ブラックホールは、重力が強すぎて光さえ抜け出せなくなった天体だ。その「ここを越えたら二度と戻れない」という境目を事象の地平面と呼ぶ。外から見えるブラックホールの黒い部分は、この境目の内側にあたる。
ただ、ブラックホールは掃除機のように周りの物を一直線に吸い込むわけではない。近くに来たガスは、地球が太陽の周りを回るのと同じように、ブラックホールの周りをぐるぐる回り始める。こうしてできるガスの円盤が降着円盤だ。円盤の中ではガス同士がこすれ合って勢いを失い、少しずつ内側へ落ちていく。そして最後に事象の地平面を越えたぶんだけ、ブラックホールは重くなる。
こすれ合うガスは猛烈に熱くなって強い光を放つ。宇宙の彼方で銀河全体よりも明るく輝く「クエーサー」は、この降着円盤の光だと考えられている。
※「太陽質量」は天文学で重さを表す単位で、太陽1個分の重さのこと。天の川銀河の中心にあるブラックホールは、太陽の約400万倍とされる。
もう少し詳しく
なぜ「星になる」と成長が止まるのか。降着円盤は、外側ほど不安定になりやすい。ガスが自分自身の重力で固まり始め、塊が集まって星になってしまうのだ。星になったガスはこすれ合わず、ブラックホールの周りをただ回り続けるので、もう内側へは落ちてこない。
一方で、ブラックホールには「これより内側では安定して回っていられない」という最後の軌道があり、ブラックホールが重いほどこの軌道は外へ広がっていく。キング教授の計算では、太陽の約500億倍を超えると、この最後の軌道が「円盤が星に変わり始める位置」よりも外側に来てしまう。つまりガスが落ちてくる前に、全部星になってしまう。こうなると光り輝く降着円盤が作れず、ガスを吸い込んで太ることができない、というのが論文の主張だ。
「絶対的な上限」ではない。この上限は「典型的な条件」での値で、ブラックホールが周りのガスと同じ向きに限界近い速さで自転している場合などは約2700億倍まで上がるとされる。また、ブラックホール同士の合体のように、光る円盤を使わない方法なら上限を超えて成長しうると論文自身が書いている。上限を支えているのは円盤のでき方に関する仮定で、キング教授も「妥当だが、現時点では検証できない」と認めている。確立した物理法則ではなく、あくまで理論モデルの一つだ。
実際に見つかっている最大級は?よく名前が挙がるのがクエーサー「TON 618」の中心のブラックホールで、以前は太陽の約660億倍と言われていたが、2019年の別の方法による推定では約407億倍とされている。ただし遠いクエーサーの質量はスペクトルの特徴から間接的に見積もるしかなく、推定には大きな幅がある。2025年には、重力レンズ効果を利用して「宇宙の蹄鉄」と呼ばれる銀河の中心に約360億倍のブラックホールがあると測定した研究も発表された。いずれも「500億倍」の上限に近いが、確実に超えたと言えるものはまだない。
海外の反応
1. 海外の名無しさん
え、まさか知らなかったの? こんなの常識でしょ。ブラックホールの上限なんて小学校で習ったよね(習ってない)
2. 海外の名無しさん(>>1への返信)
俺も投稿者のほうに向かって鼻で笑っておいた。天体物理学の基礎の基礎だからな。……で、降着円盤って何?
3. 海外の名無しさん(>>1への返信)
「いやあ、我々天文学者にとっては常識だから、一般の人が青色巨星のスペクトルくらいしか暗記してないのを忘れちゃうんだよね」って言ってる人の顔が浮かんだ
4. 海外の名無しさん
一語一語はちゃんと分かるのに、この順番で並んだ瞬間に何を読んだのか全く分からなくなった。ブラックホールが太りすぎると星が生まれる??
5. 海外の名無しさん(>>4への返信)
ざっくり言うと、でかすぎるブラックホールの周りでは、ガスが吸い込まれる前に寄り集まって星になっちゃう。星になったら落ちてこないから、エサが届かなくなるって話
6. 海外の名無しさん(>>4への返信)
地球が太陽に落ちないのと同じで、ブラックホールも回ってる物をいきなり吸い込めるわけじゃないんだよ。円盤の中でガス同士がぶつかって減速するから少しずつ落ちていく。でもガスが星に固まったらぶつかり合わなくなって、ただ周りを回り続けるだけになる
7. 海外の名無しさん
ブラックホールって宇宙で一番かっこいい存在だと思ってる。光すら逃げられない穴が宇宙のあちこちに空いてるって、改めて考えると意味が分からない
8. 海外の名無しさん(>>7への返信)
宇宙で一番かっこいいのは、自信があって人に優しい人だよ。ブラックホールは僅差の2位。パルサーも捨てがたいけど
9. 海外の名無しさん
TON 618ってこの上限を超えてなかったっけ? 太陽の660億倍とか聞いた覚えがあるんだけど
10. 海外の名無しさん(>>9への返信)
660億倍は古い推定らしい。新しい測定だと約407億倍まで下がってて、今は上限の内側ってことになってる。どっちにしろ遠すぎて間接的にしか測れないから、数字はかなりブレるみたいだけど
11. 海外の名無しさん
このタイトルは実際の研究をぎゅっと圧縮しすぎて、かなり誤解を招く形になってると思う。「500億倍を超えたら物理法則でアウト」なんて決まりはないし、500億倍に達した瞬間に円盤がいきなり星に変わるわけでもない
12. 海外の名無しさん(>>11への返信)
補足すると、上限がかかるのは「光る降着円盤でガスを吸い込んで成長する」場合だけ。しかも典型的な条件での話で、自転が速ければ2700億倍くらいまで行けるって同じ論文に書いてある
13. 海外の名無しさん
ガスを吸い込むのは止まっても、ブラックホール同士が合体すれば普通に超えられるんだよね。つまり「食事で太るのには限界があるけど、合体すれば話は別」ってことか
14. 海外の名無しさん
重力で降着円盤ができるのに、重力が強すぎると今度は円盤ができなくなる? 俺の小さい脳みそにはもう容量オーバーだ。ここでログアウトします
15. 海外の名無しさん(>>14への返信)
重力が強すぎるというより、ブラックホールが大きすぎるのが問題なんだと思う。落ちる手前の「最後の安定した軌道」がどんどん外に広がって、ガスが星になり始める場所より外側に来ちゃう。だから円盤の中身が全部、落ちる前に星になる
16. 海外の名無しさん
500億倍? え、それだけ? ブラックホールって無限に大きくなるものだと思ってたから、逆に上限があることのほうが驚きだわ
17. 海外の名無しさん
大きな銀河の中心にだいたい超巨大ブラックホールがあるのも、この辺の話と関係あるのかな。銀河の成長とブラックホールの成長ってセットで語られることが多いよね
18. 海外の名無しさん
ブラックホールって、目を細めて片目をつぶってやっと今の物理学に従ってくれる存在でしょ。計算するたびに「定義できません」が出てくる天体に理論上の上限を決めても、あんまり意味がない気がする
19. 海外の名無しさん(>>18への返信)
でもこの話はブラックホールの中身じゃなくて、外側の円盤のガスの振る舞いの話だから、わりと普通の物理で扱える範囲なんだよ。論文の著者も「前提の仮定は今は検証できない」ってちゃんと書いてるしね
20. 海外の名無しさん
しかも宇宙のずっと未来、銀河の超巨大な集団が潰れていく時代には、とんでもない大きさまで膨らむブラックホールもあり得るって予想まであるらしい。上限の話のすぐ隣にこういう話が書いてあるのがずるい
21. 海外の名無しさん
サウンドガーデンは1994年の時点で『ブラック・ホール・サン』を出してたからな。ブラックホールと太陽の関係に一番早く気づいてたのはグランジバンドだった
22. 海外の名無しさん
ブラックホールの逆で、物をひたすら吐き出す「ホワイトホール」っていうのも理論上はあり得るって最近知った。見つかったことはないし、数式の上だけの存在らしいけど、名前だけでもうワクワクする
23. 海外の名無しさん
面白いのは、エサになるはずのガスが自分で星になって、結果的にブラックホールを「兵糧攻め」にしちゃうところ。宇宙で一番の大食いが、食べ物に逃げられて太れなくなるって考えるとちょっとかわいい
まとめ
ガスを吸い込んで成長するブラックホールには、周りのガスが先に星になってしまうせいで、太陽の約500億倍という上限があるかもしれない——というのが今回の話。ただしあくまで理論モデルで、自転の速さ次第では上限は上がり、合体なら超えられる。コメント欄では「タイトルは単純化しすぎ」という冷静なツッコミと、TON 618は超えてるのかという数字の確認が並ぶ一方で、「一語ずつは分かるのに全体が分からない」と早々にログアウトする人も続出。宇宙一の大食いにも食べられない理由があると思うと、少し親しみが湧いてくる。
元ソース: ブラックホールには太陽の500億倍という理論上の最大サイズがあると知った。大きくなりすぎると、降着円盤の物質が事象の地平面を越えて落ちる前に、集まって星になってしまうからだ。

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