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自然・科学

「古い本の甘い匂いの正体はバニリン、バニラとまったく同じ分子だった」紙が壊れながら香りを出していた話

「古い本の匂いが好きだ」という人は多い。図書館の書架のあいだや、古本屋の奥のほうで、思わず深呼吸してしまう、あの匂いだ。ところがあれは、本が「古くなった証拠」として身にまとった匂いではない。紙がいままさに壊れていく、その途中で出ている匂いで...
人物・偉人

「機長と乗務員を代表して、ご搭乗ありがとうございます」その声の主が国王だった便が、月に2回飛んでいる国

機内アナウンスを最後まで聞いている人は、たぶんそんなに多くない。「機長と乗務員を代表して、ご搭乗ありがとうございます」——あの決まり文句が流れているあいだ、乗客の大半は荷物を棚に押し込んだり、シートベルトの金具を探したりしている。オランダに...
文化・社会

「目の色が違い、フランス訛りがあって、本人は23歳」それでもテキサスの家族は行方不明の息子として受け入れた

行方不明になっていた息子が、数年ぶりに帰ってきた——1990年代のアメリカ・テキサス州で、ある家族がそう信じた。遠く離れた土地から連れ帰り、家に迎え入れ、一緒に暮らし始めた。ところがその「息子」は、髪を脱色して見た目を似せたフランス人の男だ...
自然・科学

「2000年海の底にあった鉛は、放射線がほとんど静まっている」ローマの沈没船の延べ棒が最先端の実験装置に使われる話

ニュートリノや暗黒物質といった、宇宙でいちばん見つけにくいものを探している実験室がある。そこで検出器を囲っている遮蔽材の一部は、2000年前に地中海で沈んだローマ時代の船から引き揚げられた鉛だ。骨董品として飾っているのではない。溶かして、鋳...
人物・偉人

「あんなに吐く男は見たことがない」日本人で最初に宇宙へ行ったのは、1日4箱吸うテレビ局の記者だった

日本人で最初に宇宙へ行った人の名前を、すぐに言える人はどれくらいいるだろうか。「毛利衛」と答えた人は、惜しい。その2年前、1990年の12月に、もう一人の日本人がソ連のロケットで宇宙へ上がっている。しかも彼は宇宙飛行士ではなく、テレビ局の記...
文化・社会

「郵便受けから雑誌を出したら、表紙に自宅が真上から写っていた」2004年、4万人ぶん全部違う一冊が届いた日

郵便受けから雑誌を抜き取ったら、表紙に自分の家が写っていた。しかも、真上から見下ろした構図で。2004年、アメリカの月刊誌『リーズン』は6月号を、購読者4万人ぶんすべて別々の表紙で刷って発送した。それぞれの表紙に印刷されていたのは、その号を...
文化・社会

「265日ホテルに隔離され、評決そのものは4時間足らずで出た」シンプソン裁判の陪審員が過ごした9か月

1995年、アメリカで一つの刑事裁判が終わった。連日テレビで中継され、国じゅうが結論を待っていた裁判である。ただ、あまり語られない数字が一つある。この裁判の陪審員は、選ばれてから評決が読み上げられるまでの265日間、家に帰ることを許されなか...
歴史

「最盛期はおよそ4000人、いまは3人」去年その共同体に3人目が加わったらしい

信者がいま世界に3人しかいない宗派がある。しかもその3人目は、去年になって新しく加わった人だ。減り続けてきた集団がひさしぶりに一人増えた、という話なのだが、この宗派には人数が増えにくい理由がはっきりとひとつある。生涯にわたって結婚も性的な関...
音楽・エンタメ

「バッハの時代のトランペットには、ボタンが一つも付いていなかった」奏者は唇の締め具合と息だけで旋律を吹き分けていた

トランペットの上には、ボタンが三つ並んでいる。あれを押す組み合わせで音の高さを変える楽器だ——と思っている人は多いはずだ。ところが、バッハがトランペットの華やかな曲を次々に書いていた十八世紀の前半、その三つのボタンはまだこの世に存在しなかっ...
自然・科学

「1頭のヤギが雪崩を起こし、そのまま最後まで乗って下りてきた」2023年にモンタナのスキーパトロールが残した報告

雪崩は、たいていの場合、人間が引き金を引く。斜面に踏み込んだスキーヤーの体重や、パトロール隊が仕掛けた火薬が、積もった雪のバランスを崩す。ところが2023年、モンタナ州のスキーパトロールが報告した一件では、引き金を引いたのは1頭のシロイワヤ...