「琵琶湖のはじまりは約400万年前、いまの三重県にできた湖」ふつうは1万年ほどで消える湖が100万年以上つづく“古代湖”、世界に20ほどあるらしい

「琵琶湖のはじまりは約400万年前、いまの三重県にできた湖」ふつうは1万年ほどで消える湖が100万年以上つづく“古代湖”、世界に20ほどあるらしい 自然・科学

湖にも寿命があります。川が運んでくる土砂で少しずつ埋まり、ふつうは数千年から数万年で姿を消すのだそうです。ところが世界には、100万年以上も水をたたえ続けてきた「古代湖」が20ほどあるとされ、海外の掲示板で話題になりました。コメント欄に貼られた一覧には、日本の琵琶湖の名前もあります。

※注:古代湖の数や年代は、定義や資料によって違います。この記事では、海外の投稿と同じ内容が載っている英語版ウィキペディアの数字と、滋賀県や琵琶湖博物館の説明を、出どころを分けて紹介します。

今日の知ってた?

🌊 古代湖とは、およそ100万年以上にわたって水をたたえ続けてきた湖のこと。海外で話題になった投稿は、世界に20しかなく、うち12は260万年以上前からあるとしている。

⏳ ふつうの湖の寿命は数千年から数万年とされる。流れ込む川の土砂で埋まるためで、滋賀県は「1万年程度で消失」と説明している。古代湖の多くは、断層の動きで地殻が裂けたり沈んだりしてできた深い湖で、土砂で埋まりにくいという。

🗾 日本の古代湖は琵琶湖。滋賀県によると、はじまりは約400万年前、いまの三重県伊賀市付近にできた湖で、形を変えながら移動してきた。いまの場所に定まってからは、少なくとも約40万年。

📐 ただし「20」は数え方しだい。滋賀県は古代湖を「10万年以上の歴史をもち、固有種がいる湖」と説明している。投稿のコメント欄に貼られた一覧には、秋田県の田沢湖をふくむ22の湖が並んでいた。

背景:古代湖とは

湖は、地質学の時間の物差しで見ると長生きしません。日本語版ウィキペディアの「古代湖」は、一般的な湖の寿命を「数千年から数万年」とし、流れ込む川が運ぶ堆積物で埋め立てられるためだと説明しています。滋賀県の説明ではさらに短く、ふつうの湖は土砂がたまって「1万年程度で消失」。英語版ウィキペディアも、世界の湖や内海のほとんどは1万8000年より新しいとしています。

その例外が古代湖です。英語版ウィキペディアは「100万年以上にわたって水をたたえ続けてきた湖」と定義し、長く残る理由を、地殻が引き裂かれつつある地溝帯(ちこうたい)にあるからだと説明しています。地面が裂けて沈んでいく場所にできた湖はきわめて深く、土砂では埋まりにくい、というわけです。日本語版も、古代湖の多くは、断層の活動で地殻に深い裂け目ができて生まれた「構造湖」だとしています。

代表はロシアのバイカル湖です。ユネスコの世界遺産の解説は、2500万年前からある世界最古の湖で、深さ1700メートルも世界一、世界の凍っていない淡水の20%がここにあるとしています(英語版ウィキペディアでは、最大水深は1642メートル)。湖のある地溝帯は、いまも年に約4ミリずつ広がっているそうです。

長く続く湖では、生き物がその湖のなかで独自の進化をとげます。よそにはいない「固有種」が多いのが古代湖の特徴で、進化の研究の場にもなってきました。バイカル湖にすむバイカルアザラシも、この湖の固有種です。

もう少し詳しく

数は「20」とも「22」とも。話題になった投稿は「世界に20しかない」としていますが、その文面は、英語版ウィキペディア「Ancient lake(古代湖)」の冒頭とほぼ同じです。「20」は、同じページが出典にしている研究者のデータベース(100万年以上続いてきた20の湖と内海をまとめたもの)の数。ところが、そのページの表に並ぶ湖を数えると22あります。コメント欄に貼られた一覧も22で、日本語版ウィキペディアの表(20湖)にはない、タジキスタンのカラクル湖と日本の田沢湖が入っていました。

定義もひとつではない。ウィキペディアは英語版も日本語版も「100万年以上」。一方、滋賀県は古代湖を「10万年以上の歴史をもち、固有種がいる湖」と説明し、世界に約20、日本では琵琶湖だけだとしています。基準の年数が10倍ちがうのに、数はどちらも「20ほど」。この数は、きっちり数え上げた結果というより、目安として受け取ったほうがよさそうです。

「260万年」は第四紀の長さ。投稿にある「260万年以上」という半端な区切りは、地質時代の「第四紀」に合わせたものです。第四紀は約258万年前に始まっていまも続く時代で、大陸の氷床が広がっては縮むくり返しが特徴とされます。英語版ウィキペディアの原文も、「20のうち12は260万年以上、つまり第四紀のあいだずっと存在してきた」という書き方でした。ただしこの一文には、2026年10月の時点で「要出典」の印が付いています。

最古の湖も、決めにくい。最古とされることが多いのはバイカル湖ですが、英語版ウィキペディアによると、カザフスタンのザイサン湖は恐竜のいた白亜紀にできた可能性があり、6500万年以上とも言われます。ただ、その年代には異論があり、ダムの建設で水没したため貯水池とみなす資料もあります。2000万年以上とされるベネズエラのマラカイボ湖は、いまは海とつながった塩水の水域で、潟や湾とみなす人も多いそうです。古さくらべの順位は、「何を湖と数えるか」でも変わってきます。

琵琶湖は「動いてきた湖」。滋賀県によると、琵琶湖のはじまりは約400万年前、いまの三重県伊賀市付近にできた浅くて狭い湖(大山田湖)です。そこから、断層運動で地盤が陥没する影響と、土砂が窪地を埋める影響の両方を受けながら、形を変えて移動してきました。いまの琵琶湖は、少なくとも約40万年、この場所に定まっています。日本語版ウィキペディア「琵琶湖」(地層の研究をまとめた専門家の著作を出典にしている)によると、途中には、小さな湖が集まった沼沢地になったり、川とそのまわりの湿地になったりと、水域が不安定だった時期もあったとされます。

琵琶湖は何歳なのか。琵琶湖博物館は、いまの琵琶湖の地域には、前身の「堅田湖」ができてから約100万年にわたって湖があり続け、約40万年前に北湖(湖の北側の広い部分)の位置に湖ができた、と説明しています。つまり琵琶湖の年齢は、いまの位置になってからなら約40万年、同じ地域に湖があり続けた期間なら約100万年、はじまりの湖までさかのぼれば約400万年です。一方、海外のコメント欄の一覧では「500万〜600万年」でした。日本語版ウィキペディアの注によると、以前は500万年前や600万年前とされることもあり、地層にはさまった火山灰の研究で年代が見直されたといいます。

琵琶湖にしかいない生き物。長い時間のなかで、琵琶湖の生き物の一部は独自の進化をとげました。滋賀県によると、琵琶湖には1700種以上の水生動植物がすみ、うち60種以上が固有種です(琵琶湖博物館の解説では62種)。琵琶湖最大の魚ビワコオオナマズ、ビワマス、ホンモロコ、鮒ずしに使われるニゴロブナ、貝のセタシジミなどが、琵琶湖博物館の挙げる固有種です。面積は約670平方キロメートル、いちばん深いところは約104メートルあります。

田沢湖は古代湖なのか。一覧にあったもうひとつの日本の湖、秋田県の田沢湖は、最大水深423.4メートルの日本一深い湖です。日本語版ウィキペディアは、180万年前から140万年前の爆発的な噴火でできたカルデラとする説が有力だとしています(カルデラと呼ぶかどうかは専門家のあいだでも意見が分かれる、とも書いています)。英語版ウィキペディアの表は、湖底の溶岩ドームが160万〜180万年前にできたとする日本の研究(2020年)を根拠に挙げていました。一方で、滋賀県の説明は「日本では琵琶湖だけ」。田沢湖を古代湖に数えるかどうかは、資料によって分かれています。

海外の反応

1. 海外の名無しさん
一覧を貼っておくよ。古い順で、右の数字は湖の年齢。
ザイサン湖(カザフスタン)6500万年以上
バイカル湖(ロシア)2500万年以上
イシク・クル湖(キルギス)2500万年
マラカイボ湖(ベネズエラ)2000万年以上
ボストーク湖(南極)1500万〜3500万年
カラクル湖(タジキスタン)550万年
アラル海(カザフスタン、ウズベキスタン)550万年
カスピ海(ロシア、イランなど5か国)500万〜2500万年
琵琶湖(日本)500万〜600万年
トゥーリー湖(アメリカ)300万〜1500万年
タンガニーカ湖(タンザニア、コンゴなど4か国)300万〜600万年
チチカカ湖(ボリビア、ペルー)300万年
エア湖(オーストラリア)250万〜500万年
マラウイ湖(マラウイ、モザンビーク、タンザニア)200万〜500万年
フブスグル湖(モンゴル)200万〜500万年
ラナオ湖(フィリピン)200万年
田沢湖(日本)180万年
プレスパ湖(アルバニア、ギリシャ、北マケドニア)150万〜500万年
オフリド湖(アルバニア、北マケドニア)150万〜500万年
ピングアルク湖(カナダ)150万年
タホ湖(アメリカ)100万〜200万年
ボスムトゥイ湖(ガーナ)100万〜200万年

※ この一覧は、英語版ウィキペディア「Ancient lake」の表と同じ内容。ボストーク湖は、南極の氷の下およそ4000メートルにある湖。琵琶湖の「500万〜600万年」は、滋賀県などの説明(約400万年前)と食い違っている(上の「もう少し詳しく」を参照)。

2. 海外の名無しさん(>>1への返信)
地質学をやっている者だけど、数百万年を超える年代は、どれもかなり疑ってかかる。キルギスのように、地殻が隆起し続けている地域の湖はとくにそう。いくつかの湖について、ウィキペディアの出典をざっと見てみた。どうやら全部がずっと湖だったわけじゃなくて、川の堆積物がたまった時期と湖の堆積物がたまった時期の記録が、おおむね途切れずに残っている「盆地」ということらしい。いちばん古い部類の数字には、いまの湖の近くの地層から水生の恐竜の化石が出たから「長寿の湖かもしれない」とされているだけ、というものもあるようだ。
とんでもなく古い湖は、たしかにある。でも、地殻変動のしかたが何度も入れ替わるほどの年月を生きのびたとされる最古級の湖については、数字をかなり割り引いて見たほうがいい。

3. 海外の名無しさん(>>2への返信)
地質学者さん、探してたんだ。地質学的な緊急事態が起きてる。数百万年後にうちが水没しないよう、手を貸しに来てくれないか。
急がなくていいよ。

4. 海外の名無しさん(>>3への返信)
ふだんは地すべりの危険度を調べる仕事をしてるんだ。だから聞くなら、「隣の山がこの先どれくらい隆起して、地すべりがどれだけ増えるか」とか「家を建てるならどこがいいか」のほうが、たぶん役に立てると思うよ。

5. 海外の名無しさん
今日わかったこと。ネス湖は、人目を避けて生きのびた恐竜がひそんでいられるほど古い湖じゃ、まったくない。

6. 海外の名無しさん(>>5への返信)
それは、もう生きていないからだよ。ネッシーの正体は、大昔の首長竜の幽霊なんだ(冗談です)。

7. 海外の名無しさん
260万年って、ずいぶん半端な区切りだよね。250万年を超える湖が19あって、会員制クラブの格を保つために0.1足したんじゃないか、と勘ぐってしまう。

8. 海外の名無しさん(>>7への返信)
それは「第四紀」の長さだよ。私たちがいま生きている地質時代で、更新世と完新世がここに入る。

9. 海外の名無しさん(>>7への返信)
たくさんの湖が、ひとつの出来事でいっせいに生まれることはよくあるんだ。たとえば巨大な氷床が溶けると、何十万もの湖が(地質学の物差しでは)同じ誕生日になる。

10. 海外の名無しさん(>>9への返信)
つまり誕生日は、紀元前260万年の9月24日、火曜日ってことか。

11. 海外の名無しさん
一覧を上から見ていったら、日本の湖が2つ入ってた。琵琶湖は、京都から電車で出かけたときに窓から見たことがある。あののどかな湖が何百万年も前からあるなんて、思いもしなかったよ。

12. 海外の名無しさん
さっきの地質学者さんに聞きたい。この一覧のなかで、いちばん割り引かずに信じていいのはどの湖なんだろう。

13. 海外の名無しさん(>>12への返信)
アラル海やカスピ海のような大きな水系は、たぶん本当に長いあいだあの場所にある。地殻の動きがおだやかな地域にあるほかの湖もそうだね。
アフリカの湖の年代も、おそらく当たっている。東アフリカ大地溝帯では地殻が左右に引き離されていて、土地が沈んで盆地ができているから。ただ、ずっと途切れずに湖だったとは限らない。干上がった時期があるかもしれないし、隣の川の流域に「取り込まれて」水が抜け、川になって次の低い場所へ流れていった時期もあるかもしれない。もっとも東アフリカだと、その行き先もたぶん別の湖なんだけど。

※ 東アフリカ大地溝帯:アフリカ大陸の東側を南北に走る、大地の裂け目。一覧のタンガニーカ湖は、この地溝帯の西側の枝にある。

14. 海外の名無しさん
ざっと調べたら、アメリカのトゥーリー湖は、季節の雨や雪どけ水、それに農業用水の管理しだいで水面が現れたり消えたりする湖だそうだ。水が途切れるのに、どうして「水をたたえ続けてきた湖」に入ってるんだろう。

15. 海外の名無しさん(>>14への返信)
この一覧に載っている場所の多くは、「ずっとそこにある湖」というより「長寿の盆地」と呼んだほうが正確なんだと思う。

16. 海外の名無しさん(>>15への返信)
キルギスで1か月、化石を集める調査の助手をしたことがある。現場でイシク・クル湖の話になっても、「2500万年続いている湖」という扱いではなかった。湖の堆積物と川の堆積物の両方がたまっている、長寿の盆地という見方だったよ。
そもそも、地殻が引っぱられるか沈むかしていないと、湖はいずれ土砂で埋まってしまう。だから長寿の湖の多くは、でき方に断層が深く関わっている。そしてその地殻変動が、湖岸の位置を動かしたり、ときどき湖の水を抜いたりもするんだ。

17. 海外の名無しさん
それで言うと、オーストラリアのエア湖が入っているのも不思議だな。あそこは、ほとんどの時期は水がないのに。

18. 海外の名無しさん
なんてことだ。アラル海は500万年以上もあそこにあったのに、それを自分たちが生きているあいだに干上がらせているのか。

※ アラル海は、かつて面積約6万8000平方キロメートルの巨大な湖だった。1960年代以降、流れ込む川の水が旧ソ連のかんがい事業に回されて縮みはじめ、2007年には元の10分の1ほどになったとされる。

19. 海外の名無しさん(>>18への返信)
550万歳。まだほんの子どもだったのに……。

20. 海外の名無しさん
カナダのピングアルク湖は、隕石の衝突でできた湖。流れ込む川も流れ出る川もないのに、ホッキョクイワナがすんでいる。いったいどうやって入ったんだろう。

21. 海外の名無しさん(>>20への返信)
水鳥の羽にくっついて、だよ。まわりから切り離された湖に魚がいるのは、そういうわけ。カモは、魚の卵の宅配便なんだ。

※ 水鳥が魚の卵を運ぶという考えは古くからあるが、羽や足に付けて運ぶことを裏付ける証拠は乏しいとされる。2020年には、マガモに食べさせたコイの仲間の卵のうち約0.2%が、ふんと一緒に生きたまま出てきたという実験が報告されている。ピングアルク湖のホッキョクイワナがどうやって入ったのかは、今回調べた範囲では確認できなかった。

22. 海外の名無しさん
五大湖がひとつも入っていないのは、正直ちょっと意外だった。

23. 海外の名無しさん(>>22への返信)
五大湖ができたのは、最後の氷期が終わるころなんだ。上の一覧の数字とくらべたら、「たった」1万4000年前という、ごく最近の話だよ。

24. 海外の名無しさん
こういう話を知ると、人間の存在がどれほど束の間のものか思い知らされる。ほんの一瞬のことで、自分がここにいた痕跡なんて、たぶん何ひとつ残らない。人の一生は、この世界のほとんどのものとくらべて、あまりに短いんだ。

25. 海外の名無しさん(>>24への返信)
意外なことに、その演説、二日酔いで3時間遅刻して出勤したときのうちの上司には通用しないんだよな。

まとめ

古代湖は、100万年以上(定義によっては10万年以上)続いてきた湖のこと。世界に20ほどとされますが、数も年代も数え方しだいです。日本の琵琶湖も、はじまりの湖までさかのぼれば約400万年、いまの場所に定まってからは約40万年と、どこから数えるかで年齢が変わります。海外のコメント欄では、ネス湖の怪獣の話やアラル海を惜しむ声にまじって、地質学者が「数百万年を超える年代は疑ってかかる」と指摘し、一覧の数字そのものを見直す流れになっていました。

元ソース: 古代湖とは、100万年以上にわたって水をたたえ続けてきた湖のこと。世界に20しかなく、うち12は260万年以上前からある(海外掲示板への投稿)

コメント

  1. Reddit名無しさん says:

    中国も1つも入ってないんだな
    ちょっと意外