石や植木鉢をどかすと出てきて、つつくと丸くなるダンゴムシ。名前に「ムシ」と付いているが昆虫ではなく、エビやカニと同じ甲殻類の仲間だ。脚は6本ではなく14本あり、深海には体長が数十センチになる親戚までいる。海外の掲示板でこの話が出ると、コメント欄は「エビは虫」というお約束の冗談に始まり、英語での呼び名の言い合い、さらには「食べたことがある」という体験談へと転がっていった。
※注:元のスレッドでは、ダンゴムシが「roly-poly(ローリー・ポーリー)」と呼ばれている。つつくと丸まることから付いた英語の呼び名のひとつで、コメント欄ではほかの呼び名も次々に出てくる。
今日の知ってた?
🦐 ダンゴムシは昆虫ではなく甲殻類。エビやカニと同じ甲殻類のなかの、等脚目(ワラジムシ目)というグループに属している。昆虫の脚が6本なのに対して、ダンゴムシの脚は7対14本ある。
同じ等脚類には、海岸の岩場にいるフナムシ、湿った物陰にいるワラジムシ、そして深海にすむダイオウグソクムシがいる。
背景:ダンゴムシとはどんな生き物か
日本で「ダンゴムシ」と呼ばれ、庭や公園でいちばんよく見かけるのは、オカダンゴムシ(学名 Armadillidium vulgare)という種だ。体長は1〜1.5センチほど。朽ち木や落ち葉、石の下など湿り気のある物陰にすみ、昼間は目立たず、夜になると活発に動く。腐りかけた落ち葉や草、昆虫の死骸などを食べ、ときにはイチゴなどの農作物や園芸植物をかじることもある。
分類のうえでは、節足動物のなかの甲殻類で、等脚目(とうきゃくもく。ワラジムシ目とも呼ぶ)に入る。エビ、カニ、ヤドカリも同じ甲殻類だが、こちらは十脚目という別のグループで、その名のとおり胸の脚は5対10本。ダンゴムシは胸の7つの節に1対ずつ、合わせて7対14本の脚を持つ。大きくくくれば「エビやカニの仲間」だが、細かく言えば「エビと同じ甲殻類の、別の一派」という関係になる。
身近すぎて意外だが、オカダンゴムシはもともと日本にいた生き物ではない。百科事典はユーラシア大陸の原産としていて、名古屋市衛生研究所は「外来種で、日本には明治以降に入ってきたものと考えられている」と説明している。いまでは世界中に分布を広げていて、アメリカでも事情は同じだ。フロリダ大学の解説は、ダンゴムシは「ヨーロッパから持ち込まれた」としている。
「昆虫ではない」と書いたそばから話をややこしくするが、遺伝子を比べる近年の系統解析では、昆虫そのものが甲殻類にごく近いことが分かってきた。昆虫はかつてムカデなどの多足類に近いと考えられていたが、いまは「甲殻類のなかから陸に上がった一系統」とみる説が広く受け入れられている。JT生命誌研究館は、これまでの研究を総合すると、ムカデエビという甲殻類が昆虫にもっとも近いと考えられる、と説明している。この見方に立つと、ダンゴムシも昆虫も大きくは同じまとまり(汎甲殻類)の一員で、そのなかでダンゴムシはエビやカニと同じ枝に、昆虫は別の枝にいることになる。
もう少し詳しく
陸に上がっても、息は「脚」でする。等脚類の多くは海にすみ、おなか側にある板のような脚(腹肢)を、泳ぐことと呼吸の両方に使っている。陸で暮らすダンゴムシでは、この腹肢のうち前の2対に、空気を取り込むための細かい管の集まり(擬気管)ができている。肉眼でも白く見える部分がそれで、ダンゴムシはここで空気呼吸をしている。
卵は、おなかの袋で育てる。等脚類の雌は、胸の脚の付け根に「育房」という袋ができ、産んだ卵をそこで抱える。ダンゴムシの場合、1か月ほどすると白くて小さな子どもが出てくる。等脚類の子どもは親に似た形をしているが、袋から出た時点では最後の1対の脚がまだ現れていない。
脱皮は、後ろ半分と前半分の2回に分ける。ダンゴムシはフナムシやワラジムシと同じく、まず体の後ろ半分の殻を脱ぎ、数日おいてから前半分を脱ぐ。体の半分だけ白っぽくなった個体を見かけることがあるのは、このためだ。脱いだ殻は自分で食べてしまう。
深海の巨大な仲間、ダイオウグソクムシ。等脚類で最大の種がダイオウグソクムシだ。鳥羽水族館(三重県鳥羽市)の生きもの図鑑によると、体長は20〜40センチ、最大で50センチ近くになり、メキシコ湾の深海にすむ。日本では、この鳥羽水族館にいた1匹が有名になった。「No.1」と呼ばれた雄で、2007年9月に同館へやって来て、2009年1月にアジを1匹食べたのを最後にエサを口にしなくなった。そのまま5年以上生き、2014年2月14日に死んだ。水族館の飼育日記によれば、来館時に1040グラムだった体重は、死んだときには1060グラム。解剖しても死因は分からなかった。同館ではおよそ20年のあいだに計37匹が飼育されたが、2026年7月に最後の1匹が死んでいる。
海外の反応
1. 海外の名無しさん
どうやら一番乗りみたいだから、お約束は自分が言っておかないとね。「エビは虫である」
2. 海外の名無しさん(>>1への返信)
細かいことを言うようだけど、正しくは「虫がエビである」だよ。以上、ご清聴ありがとうございました
3. 海外の名無しさん(>>1への返信)
さらに細かいことを言うと、英語で本当に「bug」と呼んでいいのは、昆虫の中でもカメムシ目のやつだけなんだけどね
※ 英語の「bug」は、ふだんは小さな虫全般を指す言葉として使われる。ただし昆虫学では、カメムシ目(半翅目)の昆虫を「true bug(本当の bug)」と呼んで区別する。
4. 海外の名無しさん
ここで驚いてる人は、昆虫も全部、厳密には甲殻類に含まれるって知ったらもっと驚くと思う。「ロブスターは海のゴキブリなのか」なんて題のポッドキャストの回があるくらいだ
5. 海外の名無しさん
ついでにもうひとつ。クロゴケグモの毒には、甲殻類にしか効かない成分が入ってるんだ。狙いはロブスターじゃなくて、ダンゴムシのほうらしいよ
※ クロゴケグモの仲間の毒には、相手によって効き方の違う複数の毒たんぱく質が含まれている。脊椎動物に効くもの、昆虫に効くもののほかに、甲殻類に効く「α-ラトロクルスタトキシン」が知られている。
6. 海外の名無しさん
ちなみに食べられるよ! おいしくないし、やめておいたほうがいいけど、なにしろタダだ。外に出て地面から拾うだけでいい
7. 海外の名無しさん(>>6への返信)
政府は隠したがってるけど、裏庭のダンゴムシは無料なんだ! うちには今6827匹いる。……冗談はさておき、見た目のきれいな観賞用の品種も売られてるよ。しかも、あっという間に増える
8. 海外の名無しさん(>>6への返信)
先にバターで炒めてから食べてる人の動画なら、YouTubeで見たことがある。そこまでして食べたいものなのかは、自分には分からないけど
※ 野外のダンゴムシを口にするのは勧められない。ワラジムシやダンゴムシの仲間は、土に含まれる鉛やカドミウムなどの重金属を体にため込むことが知られていて、土壌汚染の調査に使われるほど。鳥に寄生する寄生虫の幼虫を宿していることもあり、庭や畑にいるものには農薬が付いているおそれもある。
9. 海外の名無しさん
10代の頃にサバイバル講習に参加して、みんなでこれを食べてみたことがある。一応食べられるという話だったんだけど、確かに……ちょっとエビっぽい味がした。あと、木の味。食感は、ほぼゴマの殻だけを食べてる感じ
10. 海外の名無しさん
エビやロブスターに近いと言われても、ロブスターの味だけは絶対にしないと思うぞ
11. 海外の名無しさん(>>10への返信)
しないね。甲殻類というより、完全に虫の味だった。ソースは子どもだった頃の自分。ついでに言うと、エアガンの弾の代わりにもならない。銃身にはちょうど入る大きさなんだけどね
12. 海外の名無しさん
4歳くらいの頃、よく食べてた。ダンゴムシが大好きで、いちばん好きな生き物だったんだ。祖父母の家に行くたびに、地下室の窓のそばにすんでるダンゴムシたちに挨拶してた。で、4歳の自分にとっては、食べることが愛情表現のひとつだったらしい。おいしいからじゃなくて、好きすぎて食べてた。向こうがそれをどう思ってたかなんて、考えたこともなかったな
13. 海外の名無しさん
しかも海の中には、比較的巨大な近い親戚がいるんだよね。ダイオウグソクムシっていうんだけど
14. 海外の名無しさん(>>13への返信)
「比較的巨大」なんて控えめな言い方はしなくていい。あいつらは文句なしにバカでかいよ
15. 海外の名無しさん(>>13への返信)
小さいほうの愛称が「ローリー・ポーリー」なら、あのでかいのは正式名の「ローランド・ポーランド」さんだな
16. 海外の名無しさん
ローリー・ポーリー? うちでは子どもの頃からずっと「ピルバグ」(pill bug)だったな。ちょっと触っただけで、丸い錠剤(pill)みたいにくるっと丸まるから。まあローリー・ポーリーでも通じるけどね。ところで、ロブスターとエビなら喜んで食べるけど、こいつだけは絶対に食べない
17. 海外の名無しさん(>>16への返信)
うちはずっとローリー・ポーリーだったよ。アメリカ南東部では、ごく普通の呼び方だと思う
18. 海外の名無しさん(>>16への返信)
球の形をした錠剤なんて、生まれてこのかた見たことがないんだけど。丸まってないときの姿を上から見ると錠剤みたいな形だから、そう呼ぶんだと思ってた
19. 海外の名無しさん(>>16への返信)
アイルランドとイギリスでは「ウッドライス」(woodlice。1匹なら woodlouse)と呼ぶよ。直訳すると「木のシラミ」だけど、シラミとは何の関係もない。たぶんこの「louse」は、昔は小さな虫全般をひとまとめに指す言葉だったんじゃないかな
20. 海外の名無しさん
ローリー・ポーリー? そんなかわいい名前で呼ぶのか。自分なら「スレーター」(slater)って呼ぶところだよ
21. 海外の名無しさん(>>20への返信)
こっちもスレーター。ちょっと上品ぶりたいときだけ「ウッドラウス」って言う
22. 海外の名無しさん
イギリス人だけど、これでもう決めた。「イギリスの物の名前は変だ」ってアメリカ人にからかわれても、今後は一切相手にしない。ローリー・ポーリーなんて呼んでる人たちに言われたくないよ
23. 海外の名無しさん
へえ、これがアメリカにもともといた生き物じゃないなんて、今日初めて知った。ここカリフォルニアではどこにでもいるから、外来種だなんて考えたこともなかったよ
24. 海外の名無しさん(>>23への返信)
それなら、陸にすむダンゴムシやワラジムシの仲間に、珍しい品種や改良品種がいることも知ってほしいな。「ラバーダッキー」「チェリーブロッサム」「シャイニーゲーター」あたりで検索してみて。観賞用のエビと同じで、変わった色や大きさのものが選び抜かれて作り出されてるんだ
25. 海外の名無しさん
子どもの頃、石をひっくり返しては何十匹も集めてたけど、正直あいつらのことは昔から信用してなかった。どこか怪しいとずっと思ってたんだ。まさかエビの親戚だったとはね
まとめ
ダンゴムシは昆虫ではなく、エビやカニと同じ甲殻類のうち等脚目というグループの一員で、脚は14本。深海にはダイオウグソクムシという巨大な仲間がいる。コメント欄は「エビは虫」の冗談から、ローリー・ポーリー、ピルバグ、ウッドラウスと呼び名の違いで盛り上がり、子どもの頃に食べていたという告白まで飛び出した。植木鉢の下の小さな生き物が、少しだけ海の生き物に見えてくる。

コメント
庭でよくダンゴ虫を拾ったな~、足の数?当然知っているわいw
ナナツバコツブムシ(七葉小粒虫)は、ダンゴムシやフナムシと同じ等脚目(とうきゃくもく)コツブムシ科に属する小型の甲殻類
YouTube 広島ニュースTSS 生物に急速に侵食され「やがて消えゆく島」 その謎と伝えたい思い …
YouTube 【公式】HOME広島ニュース 原因はある生き物だった…消えゆくホボロ島
しってるけど。
海老・蟹が陸にいて、木についてたり、ジメジメしたとこにいたら、お前らは食べる気になる?