ロンドン郊外の空を、黄緑色の鳥の群れが甲高い声で鳴きながら横切っていく。正体はインコだ。イギリスでは、もともと南アジアやアフリカにすむワカケホンセイインコが野生化して住みつき、繁殖しているつがいだけで推定1万2000組にのぼる。「ジミ・ヘンドリックスがインコを放したのが始まり」という有名な噂もあるが、研究者が本気で調べてみると、話はもっと地味なものだった。
今日の知ってた?
🦜 イギリスには野生化したインコ「ワカケホンセイインコ」が定着していて、ロンドン郊外などでは大きな群れが飛んでいく姿を見ることができる。英国鳥類学協会(BTO)の推定では、国内で繁殖しているつがいはおよそ1万2000組。1983年には500羽ほどと見積もられていたので、40年ほどで大きく数を増やしたことになる。
背景:ワカケホンセイインコとは
ワカケホンセイインコは、尾まで含めると全長40センチほどになる大きめのインコだ。全身が鮮やかな黄緑色で、くちばしは赤い。オスの首には黒とピンク色の輪のような模様があり、これが名前の「ワカケ(輪掛け)」の由来になっている。原産地はインドやスリランカなどの南アジアと、アフリカの一部。飼い鳥として世界中に出回った結果、逃げ出したり放されたりした鳥が、原産地の外でも5大陸の30か国以上に定着している。
イギリスでの記録は19世紀までさかのぼる。1855年にはイングランド東部のノーフォークで記録が残っており、その後も各地でたびたび目撃されてきた。ただ、長いあいだ定着には至らず、ロンドンで野生の群れが自力で繁殖を続けるようになったのは1960年代の終わりごろとされる。そこから1983年に約500羽、1996年に約1500羽と増え続け、いまはロンドンとケント州のサネット地方を中心に、マンチェスターやバーミンガム、スコットランドのグラスゴーといった各地の都市でも見られるようになった。
南国の鳥が、なぜイギリスの冬を越せるのか。イギリスの冬は雨がちで、極端に冷え込む日はそれほど多くない。そのうえ都市部には、住宅の庭に置かれた野鳥用の餌台など食べ物が多く、それが冬越しを支えていると考えられている。
もう少し詳しく
「ジミヘンが放した」説は本当か。イギリスのインコには、定着のきっかけをめぐる有名な噂がいくつもある。「1960年代にジミ・ヘンドリックスがロンドンのカーナビー・ストリートでつがいを放した」「1951年の映画『アフリカの女王』の撮影中に逃げ出した」「1970年代に西ロンドンのサイオン・パークで、飛行機から落ちた破片が鳥小屋を壊した」「1987年の大嵐で鳥小屋が壊れた」といったものだ。
ロンドン大学クイーン・メアリー校などの研究チームは2019年、これらの説を検証した結果を発表した。使ったのは、連続事件の発生地点の分布から犯人の拠点を絞り込む「地理的プロファイリング」という犯罪捜査の手法だ。1968〜2018年のインコの目撃記録5000件以上を分析したところ、噂に出てくる場所は、どれも広がりの起点として浮かび上がらなかった。1804〜2008年の新聞記事も調べたが、噂どおりの脱走や放鳥を伝える記事は1本も見つからなかったという。研究チームの結論は、ペットの鳥が何十年にもわたって、うっかり逃げたり、わざと放されたりを繰り返した結果、というものだった。1929〜1931年と1952年には、鳥からうつる感染症「オウム病」で人が亡くなったというニュースが大きく報じられており、それが飼い主に鳥を手放させた可能性もあると指摘している。
ハヤブサの献立まで変えた。2023年に発表された研究によると、新型コロナのロックダウン中、ロンドンのハヤブサは獲物に占めるハトの割合が約15%分減り、代わりにホシムクドリ(約7%分)とインコ(約3%分)が増えていた。人出が減って食べ残しやゴミが少なくなり、それを当てにしていたハトが街の中心部から減ったためと考えられている。
在来の生き物との関係は。華やかで人気もある一方、インコは木の穴に巣を作るため、同じように穴を使う在来の鳥やコウモリと、巣の場所や餌を取り合うことが心配されている。
実は日本にもいる。同じワカケホンセイインコは日本でも野生化している。飼い鳥が逃げ出すなどして1960年代から関東で野生化が始まったとされ、1969年には東京都内の野外で初めて確認された。東京工業大学(現・東京科学大学)の大岡山キャンパスのイチョウ並木は大きなねぐらとして知られ、夕方になると1000羽を超える群れが集まってきた。その後ねぐらの場所は移り変わっているが、2023年の報道では、東京を中心に神奈川・埼玉にまたがる約2000羽のグループがいるとされている。
海外の反応
1. 海外の名無しさん
マンチェスターに住んでるけど、毎晩うちの上を群れで飛んでいくよ。ロンドンだけの話じゃないんだよね。
2. 海外の名無しさん(>>1への返信)
同じマンチェスターに5年住んでて、周りはみんな「見たよ」って言うのに、こっちは一度もお目にかかったことがない。なんで自分だけ避けられてるんだ。
3. 海外の名無しさん
「ときどき見られる」は間違いじゃないけど、控えめすぎる。南ロンドン、とくに環状高速道路のM25やケント州との境に近いあたりに住んでたら、1日に何回も群れが飛んでいくのを見るよ。
4. 海外の名無しさん(>>3への返信)
先週クロイドンのアディントンに行ったら、どの木にも100羽ずつくらいとまってたと思う。1980年ごろ、あの辺りで初めて見かけたときは、珍しくて足を止めたくらいだったのに。
5. 海外の名無しさん
姿も見るけど、それ以上に声が聞こえる。とにかくうるさい。群れが近くの木に降りてきたら、窓を閉めてても鳴き声が響いてくる。
6. 海外の名無しさん(>>5への返信)
鳥をペットで飼うときも必ず言われるやつだね。ほとんどの鳥は叫ぶ。それも大声で、しょっちゅう。もとは飼い鳥なんだから、静かなわけがないよ。
7. 海外の名無しさん(>>5への返信)
うちの周りなんてこいつらだらけだけど、街のほかの音と比べて特別うるさいとは思わないな。車やサイレンの音より、あのキュルキュルいう鳴き声のほうがよっぽどいい。それにかわいいし。
8. 海外の名無しさん
地元のFacebookグループに、週に1回は「インコが逃げちゃった方いませんか?」って投稿が上がる。写真を見ると、毎回こいつら。
9. 海外の名無しさん(>>8への返信)
「ご心配どうも。でも俺たちに飼い主なんていないんで。——ロンドン野良インコ連合より」
10. 海外の名無しさん(>>8への返信)
こっちも同じだよ。テキサス州のオースティンだと、迷子扱いされるのは野生化したオキナインコ。ただ、たまに本物の迷子のオウムやオカメインコが群れに紛れ込んでて、「何があった?ここどこ?」って顔してる。
11. 海外の名無しさん(>>8への返信)
スコットランドのアバディーンで、川沿いを歩いてたら、インコより一回り大きいボウシインコのつがいにぶつかられそうになったことがある。誰かのペットだと思って動物保護団体に連絡したら、「野生化した群れがいるのは知ってるけど、なかなか捕まえられない。どこか暖かい場所の近くで何度も冬を越してるみたい」って返事が来た。
12. 海外の名無しさん
少なくとも20年前からいるよ。子どもの頃、母親が「ほら、インコよ」って指さして教えてくれたのを覚えてる。噂ではペットショップの店主が何羽か放して、そこから増えたって話だったけど、本当かどうかは知らない。前の職場では、暖かいからか煙突の上にずらっと並んでて、朝それを見るだけでちょっと元気が出た。
13. 海外の名無しさん(>>12への返信)
個人的にいちばん好きな俗説は、ジミ・ヘンドリックスがカーナビー・ストリートで2羽放したってやつ。ロックスターが逃がした鳥が、いまや数万羽になってるなんて、話として出来すぎてる。
14. 海外の名無しさん(>>13への返信)
夢を壊して悪いけど、研究者が犯罪捜査で犯人の拠点を割り出す手法を使って目撃記録を分析したら、ジミヘン説も映画の撮影所説も、起点としてはまったく浮かび上がらなかったらしい。実際はペットが逃げたり放されたりが何十年も積み重なった結果なんだってさ。ロマンがないね。
15. 海外の名無しさん
オランダにも、もう何年も前からいるよ。家の隣の公園には、朝と夕方に決まって群れがやってくる。それにしても、あいつら本当に声が大きい。
16. 海外の名無しさん(>>15への返信)
オーストラリアでキバタンの群れの声を聞いてから言ってくれ。あれは、やかましいいたずらっ子に羽が生えたような連中だよ。インコなんてかわいいもんだ。
17. 海外の名無しさん
ちょうど昨日、オランダのハールレムでものすごい数を見た。何年か前、少し離れた場所で見かけたときは数十羽だったのに、明らかに増えてる。オランダの気候でこんなに元気にやれるのが驚きだよ。ほかの鳥たちが歓迎してるかどうかは知らないけど。
18. 海外の名無しさん(>>17への返信)
鳥は人間が思ってるよりずっと寒さに強いんだ。イギリスやオランダの冬は、凍えるというより湿っぽいだけだし、都市には餌がたっぷりあるから、太って冬を乗り切れる。ただ、在来の鳥と木の穴を取り合うって話もあるから、手放しで喜べるかは微妙なところ。
19. 海外の名無しさん
ドイツのライン地方にもたくさんいるよ。お隣ベルギーのブリュッセルでは、1970年代に動物園つき遊園地のオーナーが「街をカラフルにしたい」って40羽ほど放したのが始まり、と言われてる。
20. 海外の名無しさん(>>19への返信)
ヨーロッパだけじゃないよ。東京にも同じインコが野生化してて、大学のキャンパスの並木に夕方すごい数が帰ってくる動画を見たことがある。遠く離れた日本でも、ロンドン郊外と同じ光景が見られるのが面白い。
21. 海外の名無しさん
うちの地域には、野生のが6500羽くらい飛び回ってる。夕方、緑色の群れが空を横切っていくのを見ると、けっこう絵になるんだよ。
22. 海外の名無しさん(>>21への返信)
美しい鳥ですよね、ノルウェージャン・ブルー。見事な羽でしょう?
23. 海外の名無しさん(>>22への返信)
それ『空飛ぶモンティ・パイソン』の「死んだオウム」のコントだろ。買ったオウムが死んでたと客が文句を言いに来ても、店主が「休んでるだけです」「見事な羽でしょう」とごまかし続けるやつ。元気に生きてる野生のインコに使うなよ。
24. 海外の名無しさん
コロナ禍のロンドンでは、ハヤブサがインコを前より多く食べるようになったんだって。いつも狙ってるハトが、ゴミや食べ残しが減った街の中心部からいなくなったから。
25. 海外の名無しさん(>>24への返信)
インコを特集したイギリスのドキュメンタリーでは、いまやハヤブサは選べるならハトよりインコを狙う、なんて言ってた。好みの問題かは怪しいけど、あの派手な緑色で群れてギャーギャー鳴いてたら、そりゃ見つかりやすいよな。
まとめ
ロンドン郊外を飛ぶ黄緑色のインコの群れは、いまやイギリスの都市の見慣れた風景になった。「ジミヘンが放した」というロマンのある噂は研究で裏付けられず、実際はペットの脱走や放鳥が長年積み重なった結果らしい。コメント欄では「うるさい」「かわいい」の両派に分かれつつ、オランダやドイツ、アメリカからも「うちの街にもいる」という声が集まった。東京でも同じ鳥が群れで暮らしていると思うと、遠い国だけの話ではなさそうだ。
元ソース: イギリスには野生化したインコが大量に住みついていて、ロンドン郊外では大きな群れが飛んでいく姿を見られることがある

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