「Beat up Martin(マーティンをぶちのめせ)」が「Eat up Martha(マーサを食べちゃえ)」に…iPhone開発陣が恐れたシンプソンズネタ

「Beat up Martin(マーティンをぶちのめせ)」が「Eat up Martha(マーサを食べちゃえ)」に…iPhone開発陣が恐れたシンプソンズネタ 技術・発明

アメリカの長寿アニメ『ザ・シンプソンズ』に、アップルの手書き入力端末「ニュートン」をからかったギャグがある。「Beat up Martin(マーティンをぶちのめせ)」と書いたメモが、端末に読み取らせると「Eat up Martha(マーサを食べちゃえ)」に化けてしまう、というものだ。この一発ネタは、何年もたってiPhoneを作っていたアップルの技術者たちの間でも、ずっと語り継がれていたという。

今日の知ってた?

✍️ 『ザ・シンプソンズ』には、アップルの携帯端末「ニュートン」が、手書きの「Beat up Martin(マーティンをぶちのめせ)」を「Eat up Martha(マーサを食べちゃえ)」と読み違えるギャグがある。ニュートンの手書き認識の精度の低さを皮肉ったものだ。何年もたってiPhoneを開発していたアップルの技術者たちは、このネタが頭から離れず、「Eat Up Martha」を「文字入力がうまくいかないこと」を指す社内の決まり文句にしていた。

背景:ニュートンとは

ニュートン(Newton MessagePad)は、アップルが1990年代に売り出した携帯情報端末(PDA)だ。電子手帳を大きくしたような板状の端末で、キーボードは付いていない。付属のペンで画面に直接文字を書くと、端末がその筆跡を読み取って活字に変換してくれる。この「手書き認識」が最大の売りで、いまのタブレットやスマートフォンの先祖のような存在だった。

ところが、その手書き認識が評判を落とした。書いた言葉が似ても似つかない別の言葉に化けることがあり、それが笑いの種になってしまった。時事ネタや流行りの製品を容赦なくいじることで知られる『ザ・シンプソンズ』も、そこを見逃さなかったわけだ。

もう少し詳しく

何がそんなに面白いのか。「Beat up Martin」と「Eat up Martha」は、英語で書くと見た目がよく似ている。「Beat」は先頭の「B」が抜ければ「Eat」になり、「Martin」は語尾が崩れれば「Martha」に見える。ほんの数文字の違いなのに、意味は「マーティンをぶちのめせ」という物騒なメモから、「マーサを食べちゃえ」という何が何だか分からない指示に変わってしまう。「惜しいのに、意味は大外れ」という手書き認識のもどかしさを、ひと言で表したギャグだった。

iPhoneの開発現場で生きていた「Eat Up Martha」。アップルでiOSのエンジニアリング部門のディレクターを務めたニティン・ガナトラ氏は、当時をこう振り返っている。「社内の廊下でも、キーボードについて話しているときも、しょっちゅう『Eat Up Martha』という言葉が聞こえてきた。キーボードは完璧に仕上げる必要があった。この端末で文字入力がちゃんと機能するようにしないと、『ほら、またEat Up Marthaが来たぞ』となってしまうからだ」。iPhoneは物理キーボードを持たず、画面に表示されるキーボードを指でタッチして文字を打つ。ペン入力で笑われた失敗を、指での入力で繰り返すわけにはいかなかったのだろう。

ただし、世間の評価は辛口だ。この証言を紹介した海外の記事は、「見事なことに、アップルはそんなことをまったく成し遂げられず、悪名高い自動修正機能はネット上で数えきれないほどの笑いを生んできた」と皮肉っている。自動修正(オートコレクト)とは、打ち間違えた単語を端末が自動で直してくれる機能のこと。元スレのコメント欄でも、ニュートンの思い出話より「今のiPhoneの自動修正はひどい」という愚痴のほうに共感が集まった。

ニュートンの名誉のために。コメント欄では、ニュートンの手書き認識は後の世代でかなり改善されたものの、初期モデルで付いたイメージを覆すには至らなかった、という指摘も出ていた。

海外の反応

1. 海外の名無しさん
アップルの技術者があのギャグにうなされてたっていうのは、いい話だと思う。でも自分のiPhoneのひどいキーボードを見てると、とてもそうは思えないんだよな。

2. 海外の名無しさん(>>1への返信)
なぜか、文字の修正機能はiPhoneが出た頃より悪くなってる気がする。昔のほうが、まだこっちの言いたいことを分かってくれてた。

3. 海外の名無しさん(>>2への返信)
あと1文字で正しい単語になるのに、自動修正が「そんな単語、見たことも聞いたこともありません」って顔で、候補のひとつも出してこないときがたまらないね。

4. 海外の名無しさん(>>3への返信)
正しく綴ったのに別の単語に変えられるのもある。こっちが元に戻すと、また間違ったほうに直してくる。しかも何語か前の単語までさかのぼって、意味不明な言葉に書き換えてたりするんだよ。

5. 海外の名無しさん
スペルチェックの全盛期は2005年ごろで、そこから毎年ひどくなってる。この主張は絶対に譲らない。「were(〜だった)」と「we’re(私たちは〜)」の違いを分かってる端末に、いまだに出会ったことがない。

6. 海外の名無しさん(>>5への返信)
本当にそれ。うちの携帯は、文の頭に「we’re」が来ることを頑として認めてくれない。英語を話す人なら誰でも普通に使う書き出しなのに。

7. 海外の名無しさん(>>6への返信)
「学習データでは、文頭は75%の人がwe’reじゃなくwereを使っています。よって、ユーザーのほうが間違っています」ってことなんだろうね。正しいかどうかじゃなくて、多数決なんだよ。みんなが同じ間違いをすれば、AIは自信満々にそっちを正解にしてくる。

8. 海外の名無しさん
3年くらい前から、目に見えて悪くなった。「I(私は)」と打つと、半分くらいの確率でキーボードの隣にある「o」に変わる。おかげで「やあ、oは今お店にいるよ」みたいなメッセージを送る羽目になってる。

9. 海外の名無しさん(>>8への返信)
うちのは、ときどき単語の存在そのものを忘れる。「some」っていう超基本の英単語を、わざわざユーザー辞書に登録したよ。毎回「直された」のを戻すのに疲れて。hellとwellとitsも、アポストロフィを付けた別の単語に勝手に変えられる。

10. 海外の名無しさん
アップルさんへ。私が打ちたいのは「hell yeah(最高だぜ!)」です。「he’ll yeah」なんていう意味の分からない言葉を書きたい日は、一生来ません。

11. 海外の名無しさん
改めて見ると、よくできたギャグだよね。Beat→Eatは頭のBが消えただけ、Martin→Marthaも最後がちょっと違うだけ。見た目はほぼ同じなのに、「ぶちのめせ」が「食べちゃえ」になって、物騒さの方向がおかしくなってる。

12. 海外の名無しさん(>>11への返信)
暴力を振るうはずのメモが、なぜか人食いの指示に進化してるのがじわじわくる。マーティンは助かったけど、代わりにマーサって人が危なくなった。

13. 海外の名無しさん
iPhoneの開発者たちが、廊下で「Eat Up Marthaだけは出すなよ」って言い合ってたところを想像すると笑える。アニメの一発ギャグが、世界的な企業の品質目標になってたわけだ。

14. 海外の名無しさん
紹介記事の「見事なことに、アップルはそんなことをまったく成し遂げられず」って一文、最高だな。筆者は絶対、楽しみながら書いてたと思う。

15. 海外の名無しさん(>>14への返信)
で、そういう皮肉をiPhoneで書き込むと、なぜか自分の文章まで誤変換されてて、最後に「iPhoneから送信」って付いてるところまでがお約束。

16. 海外の名無しさん
あれは自動修正(オートコレクト)じゃなくて、自動改悪(オートコラプト)機能って呼ぶべきだと思う。直してくれた回数より、壊された回数のほうが多い。

17. 海外の名無しさん(>>16への返信)
「Autocorrupt function(自動改悪機能)」って打とうとしたら、「Autocoerce funk shun」になった。音だけ似た謎の単語の寄せ集め。言ったそばからこれだよ。

18. 海外の名無しさん
ニュートンの肩を持つと、後の世代のモデルは手書き認識がかなり良くなってたんだ(当時としてはね)。でも、初期のモデルで世間に植え付けたイメージは、もう取り返しがつかなかった。

19. 海外の名無しさん(>>18への返信)
スティーブ・ジョブズはニュートンを毛嫌いしてたけど、たぶん自分がアップルを離れてた間に生まれた製品だったからだと思う。ニュートンは早すぎただけで、目指してた姿は、のちのiPhoneそのものだったんだよ。

20. 海外の名無しさん
ニュートンの読み違いネタはこれだけじゃない。「Egg Freckles(卵のそばかす)」なんていう珍変換もあって、ニュートン用語集のサイトにちゃんと項目として載ってるくらいだ。

21. 海外の名無しさん
初代パームパイロット(ニュートンと同じ時代のPDA)の専用文字を思い出して、トラウマがよみがえった。ちゃんと読み取ってもらうために、決められた一筆書きのアルファベットを覚えなきゃいけなかったんだよ。

22. 海外の名無しさん(>>21への返信)
あの文字を練習するためのゲームがあったのを覚えてる。夢中でやったけど、結局最後までうまく書けるようにはならなかった。

23. 海外の名無しさん
iPhone以前、ガラケーのT9(数字キーの押し方から英単語を予測する入力方式)を知ってる同志はいるかい?「年齢を言わずに年がバレることを言って」って聞かれたら、自分はいつも「T9が何か知ってる」って答えてる。

24. 海外の名無しさん(>>23への返信)
パーカーのポケットや机の下で、画面を見ずに何回押せば目当ての単語が出るか、指が全部覚えてたよね。授業中でも音を立てずに速く打てる、ちょっとした超能力だった。

25. 海外の名無しさん
日本に住んでるけど、日本語の変換も相当なものだよ。同じ読みの言葉が多すぎて、「貴社の記者が汽車で帰社した」なんて例文があるくらい。仕事のメールで「記者の皆さま」を「汽車の皆さま」で送りかけたことがある。

まとめ

「ぶちのめせ」が「食べちゃえ」に化ける――『ザ・シンプソンズ』が笑いにしたニュートンの手書き認識の弱点は、何年もたってiPhoneを作る技術者たちの戒めとして生き続けていた。もっともコメント欄でいちばん共感を集めたのは「そのわりに今の自動修正は……」という愚痴で、パームパイロットやT9の思い出話も飛び出した。入力の道具がペンから指に変わっても、文字入力のもどかしさは形を変えて続いているようだ。

元ソース: 『ザ・シンプソンズ』に、アップルのニュートンが「Beat up Martin」を「Eat up Martha」と読み違えるギャグがある。何年も後、iPhoneを開発していた技術者たちはこのネタが頭から離れず、「Eat Up Martha」が文字入力の失敗を指す決まり文句になっていた

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