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「目を閉じて見えるあの『黒』、実は本物の黒じゃない」脳が一度も受け取れない色の話…?

「目を閉じて見えるあの『黒』、実は本物の黒じゃない」脳が一度も受け取れない色の話…? 技術・発明

「目を閉じてみて」と言われたら、たいていの人は真っ暗な黒を思い浮かべる。でも実は、その黒は本物の黒ではないらしい。完全な暗闇に置かれても、私たちの脳は一度も「真っ黒」を受け取ったことがない——今日の知ってた?は、まぶたの裏にいつもある薄灰色の話だ。

※注:アイゲングラウ(Eigengrau)=ドイツ語で「固有の灰色」。Eigen(固有の・自前の)+ grau(灰色)の合成語で、「脳が自前で作り出している灰色」というニュアンス。

今日の知ってた?

🌑 目を閉じたときに見える「黒」は、本当の黒ではなくアイゲングラウ(=固有の灰色)と呼ばれる暗灰色。完全な暗闇でも網膜は休まず微弱なランダムノイズを発火し続けるため、脳は決して「真の黒」を受け取れず、薄暗い灰色のノイズの下限を見せられている。よく #16161D あたりの濃い灰青で表現され、真の黒(#000000)よりもわずかに明るい。

背景:アイゲングラウとは

そもそも私たちは、光が網膜に届いて初めて「見える」と思いがちだ。だが視覚はそんなに律儀ではない。光が一切ない状態でも、網膜の視細胞(とくに暗所で働く桿体細胞)は完全には黙らず、ごく弱い信号を出し続けている。これを「暗ノイズ」と呼ぶ。

原因の一つが、光を感じる分子(視物質)の「勝手な反応」だ。本来は光子が当たって反応するはずの分子が、まれに自分の体温=熱エネルギーだけで化学変化を起こしてしまう。網膜にはそれが「本物の光」なのか「体温による誤作動」なのかを区別する手立てがない。結果として、暗闇でも視覚系には常に薄いノイズが乗り続けることになる。

だから脳が受け取る信号の最低値は、決してゼロ(真の黒)にはならない。いつも微妙に底上げされた、薄暗い灰色のところで止まる。この「自前で作られた灰色の下限」こそがアイゲングラウだ。真っ暗な部屋でも、洞窟の奥で目を閉じても、私たちは生まれてから一度も完全な黒を見たことがない、というわけである。

もう少し詳しく

暗闇の灰色は、半分は「体温」でできている。このノイズの正体は、知ると少し美しい。光を感じる分子が、光子ではなく自分の体の熱でまれに反応してしまい、網膜はそれを本物の光と取り違える。つまり目を閉じて見えるあの灰色には、「自分が生きていて温かいこと」が光として記録されたぶんが混じっている。冷たい機械のセンサーには出ない、生き物ならではのノイズだ。

コントラストがあると、もっと黒い黒が見える。不思議なことに、明るい点と並んでいると、暗い部分はアイゲングラウより深く沈んで見える。星明かりの夜空の「黒」が好例だ。これは視覚が、絶対的な明るさよりも「差(コントラスト)」を測る装置だから。逆に手掛かりのない一様な暗闇では差を取りようがなく、ノイズの下限がそのまま灰色として顔を出してしまう。

ディスプレイの「黒」は、脳の黒に勝てない。有機EL(OLED)が画素を完全に消して”真の黒”を出しても、見ている側の網膜はその上から灰色のノイズを足してしまう。ノイズは画面(センサー)ではなく、受け手である網膜の下流で生まれるからだ。世界一黒い塗料ベンタブラックで作った箱に密閉されても結果は同じ。外の光をどれだけ遮断しても、自分の配線が生むこの灰色からは逃げられない。人間にとっての”真の黒”は、原理的に到達できない壁の向こうにある。

目を閉じてしばらくすると見える光の模様。暗闇でじっとしていると、チカチカした光や幾何学模様が浮かぶことがある。これは眼内閃光(フォスフェン)と呼ばれ、一様な灰色のアイゲングラウとはまた別の現象だ。視神経の自発的な活動や、目を押したときの圧力などが「光」として感じられている。明るい空をぼんやり見たときに自分の網膜の血管が影として浮かぶ「プルキンエの樹」もこの仲間で、普段は脳が消してくれているものが、ふとした拍子に見えてしまう瞬間だ。

海外の反応

1. 海外の名無しさん
今まさに目を閉じて確かめてみたけど、言われてみれば確かに「真っ黒」じゃない。うっすらザラついた灰色というか、砂嵐の一番暗いやつというか。今まで黒だと思い込んでいただけだった。

2. 海外の名無しさん(>>1への返信)
映画監督のデヴィッド・リンチは、撮影で「真の黒」じゃなくてこのアイゲングラウを狙うように照明部へ指示していたらしい。夢の中の暗がりに近いから、という理由で。あの独特の不穏さの正体がこれだったのかと腑に落ちた。

3. 海外の名無しさん
試してみたい人へ。真っ暗な部屋で目が慣れたあと、ぼんやり見えるあの「砂嵐」は部屋のものじゃなくて、自分の網膜が暗闇で勝手に発火している光だ。洞窟で目を閉じても完全な黒は一生体験できない、と考えると不思議になる。

4. 海外の名無しさん(>>3への返信)
逆に言うと、生まれつき全く視覚がない人は「黒」すら見えないらしい。暗闇を見ているんじゃなくて、本当に何もない。視覚があるからこそ灰色が見える、というのは完全に盲点だった。

5. 海外の名無しさん
ちょっと待って、つまり僕の目には耳鳴りみたいなものが常時鳴ってるってこと…? 視界版のホワイトノイズが一生消えないと聞くと、急に気になって眠れなくなりそうだ。

6. 海外の名無しさん(>>5への返信)
その「視界の砂嵐」がずっと強く見える人もいて、視覚スノーと呼ばれる症状なんだそうだ。多くの人にとっては気づかない程度の薄さで済んでいるだけで、誰の目にも原理的には同じノイズが乗っている。

7. 海外の名無しさん
この話で一番ぐっときたのは、ノイズの正体が「体温」だというところ。網膜の光を感じる分子が、光子ではなく自分の体の熱でまれに勝手に反応して、網膜はそれを本物の光と区別できない。暗闇の灰色は、半分は「生きて温かいこと」が光として記録されたものなんだ。

8. 海外の名無しさん(>>7への返信)
それを知ってから目を閉じると、ただの暗闇じゃなくて「自分が生きている証拠を見ている」みたいでちょっと感動する。詩的すぎる生理現象だと思う。

9. 海外の名無しさん
もう網膜を有機ELパネルに換装してほしい。画素を完全に消せば真っ黒が出せるんだから、目もそうしてくれと。科学よ、頼む。

10. 海外の名無しさん(>>9への返信)
残念ながら有機ELの目に換えても無駄で、脳がその上から灰色のノイズを足してくる。ノイズはセンサー(網膜)より下流で生まれるから、入力をいくら真っ黒にしても出力は灰色止まり。配線そのものを替えないと無理なんだ。

11. 海外の名無しさん
面白いのは、コントラストがあると逆にアイゲングラウより黒い黒が見えること。星明かりの夜空みたいに明るい点と並ぶと、暗い部分はもっと深く沈んで見える。視覚は絶対的な明るさより「差」を測っているからなんだよね。

12. 海外の名無しさん
「アイゲングラウ」、デスメタルバンドの名前にしたら格好良すぎる。固有の灰色って意味なのに、響きが完全に終末感をまとっている。先に商標を取っておきたいレベルだ。

13. 海外の名無しさん(>>12への返信)
じゃあエモバンドは「イントリンシック・グレイ」、ポストハードコアは「スタティック・フロア(ノイズの下限)」で決まりだな。ジャンルごとにバンド名が用意できる豆知識、地味に強い。

14. 海外の名無しさん
洞窟探検で全部のライトを消したことがある。最初は普通の暗闇なんだけど、十秒くらいすると急に闇が迫ってくる感じがして落ち着かなくなった。脳が「外から信号が来ていない」と気づいた瞬間だったのかもしれない。

15. 海外の名無しさん
自分は目を閉じると灰色じゃなくて、波打つ光とか万華鏡みたいな模様が見える。人によって見えているものが全然違うのが面白い。みんな同じ灰色を見ていると思い込んでいた。

16. 海外の名無しさん(>>15への返信)
それも近い仲間で、目を閉じてしばらくすると見えるチカチカした光は眼内閃光(フォスフェン)と呼ばれる現象だ。アイゲングラウの一様な灰色とは別物で、視神経の自発的な活動などが「光」として感じられているらしい。

17. 海外の名無しさん
技術的に言うと「黒じゃない」というより「これが測定上の黒の下限」って話だよね。これより暗い入力は全部この灰色まで持ち上げられる。カメラで言うと、ゲインを上げすぎて暗部にノイズが乗っている状態に近い。

18. 海外の名無しさん(>>17への返信)
まさにゲインの上げすぎ。しかも自分では下げられないという。一生オートで微妙にザラつく仕様の標準搭載カメラ、それが俺たちの目というわけだ。

19. 海外の名無しさん
つまり世界一黒い塗料ベンタブラックで作った箱に入って洞窟で密閉されても、この灰色からは逃げられないわけだ。外の光をいくら遮断しても、ノイズは自分の中で生まれているんだから当然か。

20. 海外の名無しさん
「目を閉じている」と思っているけど、実際はまぶたの裏を見ているだけ、という言い回しを思い出した。今回の話を踏まえると、まぶたの裏すら見ていなくて、自分の網膜の自家発電を見ているんだな。

21. 海外の名無しさん
子どもの頃、目をぎゅっと押すと光の模様が広がるのが好きだった。あれも外の光じゃなくて、圧力で網膜が刺激されて「光」と勘違いしているやつだと後で知って、自分の体って勝手に光を作るんだなと驚いた。

22. 海外の名無しさん
明るい空をぼーっと見ていると、たまに自分の網膜の血管が影みたいに浮かんで見えることがある(プルキンエの樹というらしい)。普段は脳が消してくれているものが、ふとした拍子に見えてしまう瞬間って不思議だ。

23. 海外の名無しさん(>>22への返信)
それも内視現象の仲間だね。普段は「動かない影」として脳が無視するよう学習しているけど、光の当たり方が変わると一瞬だけ検閲が外れる。自分の目の中を自分で覗いている感覚で、ちょっとゾクッとする。

24. 海外の名無しさん
結局、有機ELが「完全な黒」を誇っても、見ている側の脳が灰色を足している以上、人間にとっての”真の黒”は原理的に到達不可能ということか。技術がどれだけ進んでも越えられない壁があるの、なんだか味わい深い。

25. 海外の名無しさん
この話を知ってから目を閉じると、これまでの「ただの暗闇」が「自分の網膜が一生懸命ノイズを出している画面」に見えてきて、なんだか愛おしくなった。知らなくても困らないけど、知ると世界の見え方(文字通り)が少し変わる、いい豆知識だった。

まとめ

目を閉じて見える「黒」は、本物の黒ではなくアイゲングラウ=固有の灰色だった。完全な暗闇でも網膜は休まず微弱なノイズを発火し続け、その正体は半分が自分の体温。脳は生まれてから一度も真の黒を受け取れず、薄暗い灰色がいつもまぶたの裏にある。海外コメ欄も「生きてる証拠を見ているみたい」「有機ELの目に換えても無駄」と、詩的な感心と理系の脱線が入り混じる反応で盛り上がっていた。

元ソース: 今日知った話:目を閉じて見える「黒」は本物の黒ではなくアイゲングラウ(固有の灰色)だった(r/todayilearned)

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