「毛皮で稼ぐはずが、20頭が10万頭に」アルゼンチンが南米の果てに放したビーバーが、森の姿まで変えてしまった話

「毛皮で稼ぐはずが、20頭が10万頭に」アルゼンチンが南米の果てに放したビーバーが、森の姿まで変えてしまった話 自然・科学

毛皮産業を起こすために、南米大陸の南の果てに放された、わずか20頭のビーバー。商売はうまくいかず、残されたビーバーだけが天敵のいない森で増え続けた。その結果、いまでは森の姿そのものが変わってしまったという。海外の掲示板では「そもそも、なぜ毛皮は売れなかったのか」という疑問に、意外な答えが寄せられた。

今日の知ってた?

🦫 1946年、アルゼンチンは毛皮産業を起こそうと、カナダからビーバー20頭を輸入し、パタゴニアの南端に放した。計画は失敗に終わり、天敵のいない土地でビーバーは10万頭を超えるまでに増えた。その影響は「最終氷期以来最大の、亜南極の森林改変」と呼ばれている。

背景:ビーバーの毛皮と、南米の果ての計画

ビーバーは、北米などにすむ大型のネズミの仲間だ。カナダを代表する動物として知られ、川沿いの木をかじり倒してダムを造り、水をせき止めて自分たちの住みかになる池を作る。周りの環境を丸ごと作り変えてしまうことから、「生態系のエンジニア」と呼ばれることもある。

その毛皮は、かつて大きな富を生んだ。水をはじく密な毛はフェルトの材料に向いていて、ヨーロッパではビーバーの毛で作った帽子が長く流行した。この需要が、北米の毛皮交易を支えていた。

その「毛皮で稼ぐ」発想を、南米の最南端に持ち込もうとしたのがアルゼンチンだった。舞台は、パタゴニアの南端、マゼラン海峡の南に広がるティエラ・デル・フエゴ(フエゴ島とその周辺の島々)。アルゼンチンとチリにまたがる寒冷な土地で、南極に近い「亜南極」の森が広がっている。ここに、カナダから運ばれたビーバー20頭が放された。

もう少し詳しく

毛皮ビジネスはなぜ失敗したのか。元スレのコメント欄では、主に2つの理由が挙がった。1つは、地元にはビーバーの毛皮を欲しがる人がおらず、需要のある市場まで運ぶにはお金がかかりすぎた、という説明。もう1つは、現地の冬が原産地ほど厳しくないため、毛皮の価値を決める密な下毛が十分に育たず、品質が落ちた、という説明だ。いずれにしても、ビーバーは毛皮にされることなく、森に残された。

天敵のいない森で、20頭が10万頭超に。北米では、オオカミやクマといった肉食獣がビーバーを襲う。ところがティエラ・デル・フエゴには、そうした天敵がいない。狩られることも食べられることもないまま、ビーバーは数を増やし続け、10万頭を超えるまでになったとされる。

「最終氷期以来最大の森林改変」と呼ばれる理由。ビーバーは木をかじり倒してダムを造り、せき止めた水で周りの森を水浸しにする。北米の木々はビーバーと長く共存してきたため、倒されても再生しやすいとされる。一方、ティエラ・デル・フエゴのナンキョクブナなどの森は、ビーバーのいない環境で育ってきた。いったん倒されたり水に沈んだりすると元に戻りにくく、枯れ木の立つ湿地や草地に変わってしまった場所もあるという。この変化の大きさが、「最終氷期以来最大」とまで言われるゆえんだ。

国境を越えて広がるビーバー。ビーバーは泳ぎが得意で、生息域はアルゼンチン側からチリ側や周辺の島々へと広がった。現在はアルゼンチンとチリが協力して駆除に取り組んでいるが、広くて人の少ない土地だけに、一筋縄ではいかないようだ。

海外の反応

1. 海外の名無しさん
で、結局どうして毛皮ビジネスは失敗したの?ビーバーが10万頭まで増えたってことは、材料はいくらでも手に入ったはずでしょ。

2. 海外の名無しさん(>>1への返信)
ウィキペディアによると、地元ではビーバーの毛皮に需要がなくて、欲しがる市場まで運ぶと高くつきすぎたらしい。近くに買う人がいるかどうかも確かめずに連れてきたって、なかなかすごい話だよ。

3. 海外の名無しさん(>>2への返信)
需要がなかったというより、品質の問題だったと聞いてる。現地は、ビーバーの原産地に比べるとずっと暖かい。冬にマイナス20度くらいの寒さが続かないから、毛皮の価値を決める密な下毛が育たなくて、売り物にならなかったんだ。

4. 海外の名無しさん(>>3への返信)
いい情報をありがとう。自分はウィキペディアに書いてあったことをそのまま書いただけなんだ。リンク先まで読みに行く人って、あまりいないからさ。

5. 海外の名無しさん(>>4への返信)
どういたしまして。周りにビーバーがたくさんいる農場で育って、昔から夢中だったから、たまたま知ってたんだ。暖かい気候のせいで皮も毛も脂っぽくなって、処理しにくいうえに少し臭うらしい。体もカナダの仲間より大きくなってるそうだよ。子どもの頃に、ビーバーを追ったIMAXのドキュメンタリー映画を観たのがハマったきっかけだと思う。

6. 海外の名無しさん
ビーバーの毛皮が儲かったのは、そもそもビーバーがほとんど獲り尽くされていたヨーロッパへ高く売れたからなんだよね。でも1940年代後半のヨーロッパは戦争が終わったばかりで、ぜいたく品の毛皮を大量に買う余裕なんてなかった。ビーバー景気自体、その100年くらい前にはもう下り坂だったし。

7. 海外の名無しさん
アルゼンチンでは、ビーバーはカピバラと同じで「かわいくておとなしい動物」と見られていることが多いんだ。そういうのを気にしない猟師にとっても、フエゴ島の森は冬だと0度から1度くらい。凍えるような森の奥まで入って、たいして金にならない動物を狩ろうとは、なかなか思わないよ。

8. 海外の名無しさん(>>7への返信)
寒い、儲からない、しかも相手はかわいい。駆除する側のやる気が出ない理由が三拍子そろってるな。

9. 海外の名無しさん
20頭って、国を挙げた大事業というより「誰かがやってみたかった」くらいの数だよね。ミニバンの荷台に収まっちゃう。「うまくいけばラッキー、ダメでもたいしたことにはならないだろう」くらいの軽いノリだったんじゃないかな。

10. 海外の名無しさん(>>9への返信)
ビーバー20頭を運ぶ費用のほうが、採算や環境への影響をきちんと調べる費用より安かったんだろうね。で、その「たいしたことにはならない」の結果が10万頭だよ。

11. 海外の名無しさん(>>9への返信)
日本にも似た話がある。ある実業家がアメリカでブラックバス釣りを楽しんで、持ち帰って湖に放したんだ。結局それを食べたがる人もほとんどいなくて、何十年もたった今では深刻な生態系の問題になってる。

12. 海外の名無しさん
誰かこのビーバーたちをどこかへ連れていってくれ…と言いたいところだけど、10万頭もいたら連れていく側が先に音を上げるな。

13. 海外の名無しさん(>>12への返信)
先に言っておくと、全部追い出すのは次の氷期までかかるかもしれない。なにしろ相手は「最終氷期以来」の大工事をやってのけた連中だからね。

14. 海外の名無しさん
冷静に考えると、計画そのものは大成功なんだよな。ビーバーはちゃんと増えた。毛皮を取るっていう肝心の部分を、誰もやらなかっただけで。毛皮が欲しいなら自分たちで狩るしかないのに、いもしない天敵が数を減らしてくれるのを待ってどうするんだよ。

15. 海外の名無しさん(>>14への返信)
ビーバーはネズミの仲間だけあって、とにかくよく増える。もともとそこにいる動物なら、獲りすぎないように管理すれば長く使える資源になるんだけどね。問題は、あそこでは完全によそ者だってことだ。

16. 海外の名無しさん
ビーバーの毛皮は、本当はもっと見直されていいと思う。ビーバーの帽子や手袋、裏地にビーバーを使ったブーツは、今まで身につけた中でも指折りの暖かさだった。地球に優しくと言いながら、石油から作った合成素材ばかり買うのもどうなんだろう。

17. 海外の名無しさん(>>16への返信)
合皮にも同じことが言えると、いつも思う。自分の本革のジャケットは、15年ほぼ毎日着てもまだ現役だ。合皮だったらとっくにボロボロになって、プラスチックのかけらをまき散らしてたはず。

18. 海外の名無しさん
英語だと、張り切り屋のことを「eager beaver(やる気満々のビーバー)」って言うけど、この20頭はまさにそれだったんだろうな。新天地でちょっと張り切りすぎた。

19. 海外の名無しさん
皮肉なことに、北米には毛皮を売るために南米からヌートリアが持ち込まれて、オレゴン州なんかで手に負えなくなってる。毛皮目当てで、北米と南米がお互いのネズミの仲間を押しつけ合っただけっていう。

20. 海外の名無しさん(>>19への返信)
ヌートリアは日本にもいるよ。やっぱり毛皮用に持ち込まれたものが野生化して、西日本の川辺に住み着いてる。どこの国も、同じところでつまずいてるんだな。

21. 海外の名無しさん
スペイン人がアメリカ大陸にブタを置いていったのと似てるな。入植者の食料になるはずが、今では大陸じゅうで生態系を荒らす大問題になってる。

22. 海外の名無しさん(>>21への返信)
しかも、あれはもっとたちが悪い。わざと島なんかにブタを放して増やしておいて、航海の途中で立ち寄って食べる「補給所」代わりにしてたんだ。

23. 海外の名無しさん
コロンビアにも似た問題がある。麻薬王パブロ・エスコバルが私設動物園に連れてきたカバが、彼の死後に野放しになって、天敵がいないせいで川で増え続けてるんだ。

24. 海外の名無しさん(>>23への返信)
あの水辺の悪魔みたいな生き物に、そもそも天敵なんているの?本場のアフリカでも、大人のカバに手を出す動物なんてほとんどいないって聞くけど。

25. 海外の名無しさん
じゃあ天敵のオオカミを連れてくればいい…と言いかけたけど、それで今度はオオカミが増えたらどうするんだって話だよね。オーストラリアで害虫退治のために放したオオヒキガエルが大繁殖したのを思うと、外来種の後始末を別の外来種にやらせるのはやめたほうがいい。

まとめ

1946年、毛皮産業を起こそうとアルゼンチンが南米の最南端に放したビーバー20頭は、商売にはならず、天敵のいない森で10万頭を超えるまでに増えた。コメント欄では「なぜ毛皮が売れなかったのか」に関心が集まり、「暖かすぎて毛皮の質が落ちた」という説明が注目を浴びた。コロンビアのカバや北米のヌートリアなど、似た事例も次々と挙がった。日本のアライグマやブラックバスもそうだが、「試しに持ち込んでみた」生き物は、何十年も後に土地の姿まで変えてしまうことがある。

元ソース: 1946年、アルゼンチンは毛皮産業を始めようとカナダからビーバー20頭をパタゴニアに輸入した。計画は失敗し、天敵のいない土地でビーバーは10万頭超に増え、「最終氷期以来最大の亜南極の森林改変」と呼ばれる事態を招いた

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