アルファベットの順序、3,400年変わらない理由は誰も知らない【海外の反応】

歴史

毎日見ているはずの「A・B・C…」。その並び順がなぜこの順番なのか、実は学者にも分かっていない。ただし、紀元前14世紀に地中海東岸の都市ウガリットで書かれた文字表の時代から、最初の2文字「アルプ(牛)」「ベート(家)」を冒頭に置く順序は変わっていない。海外掲示板では「フェニキア人ありがとう」「順番はあのABCソングのせい」など、軽い驚きと言語学トリビアで賑わった。

今日の知ってた?

🔤 アルファベットの並び順がこの順序である理由は、現代の学者にも分かっていない。ただし最初の2文字(牛=アレフ/アルプと、家=ベート)が冒頭に来る並びは、順序が確かめられる最古の例である紀元前14世紀のウガリット(現在のシリア)の文字表以来、3,400年近く変わっていない。

「アルファベット」という単語自体がギリシャ語のアルファ(α)+ベータ(β)から来ており、フェニキア語のアレフ(雄牛)+ベート(家)が語源。

背景:ウガリットの文字表からの3,400年

アルファベットの祖とされるのは、紀元前1900〜1400年頃のシナイ半島で使われた原シナイ文字(プロト・シナイ文字)だ。これがフェニキア文字を経由し、ギリシャ文字、ラテン文字(現在の英語アルファベット)、ヘブライ文字、アラビア文字、キリル文字へと枝分かれした。ただし英語版ウィキペディアの「アルファベット順」の項目によると、原シナイ文字が何文字あったのか、どんな順に並べられていたのかは分かっていない。

順序が分かる最古の証拠は、楔形のアルファベット。並び順をはっきり確かめられる最古の資料は、紀元前14世紀の都市ウガリットから出土した、文字を順に書き並べた粘土板(アベセダリウム)だ。米国聖書考古学協会の解説によれば、ウガリットの王宮の書記たちは、粘土に楔(くさび)を押しつける楔形文字の書き方で、30文字だけのアルファベットを使っていた。見た目は楔形文字でも、文字の並びと名前は、エジプトのセラビト・エル・カディムの鉱山で使われた絵文字のアルファベットと一致している。つまり順序は、文字の形が楔に変わっても受け継がれていたことになる。この文字は紀元前12世紀ごろ、都市の衰退とともに消えた。ウガリットには、今の「abc」型とは別の、南アラビア文字につながる並び方の文字表も残っている。

面白いのは、そこから派生した体系の多くで「最初の数文字の順序」がほぼ一致していること。ヘブライ語:アレフ・ベート・ギメル・ダレット(A・B・G・D)/ギリシャ語:アルファ・ベータ・ガンマ・デルタ(A・B・G・D)/ラテン語:A・B・C・D。3,400年経って民族も宗教も国家も入れ替わったのに、「最初の4文字の順序」だけは生き残った。

なぜ順番が必要だったのか。英ケンブリッジ大学で古代の文字を研究するフィリッパ・スティール博士のチームは、2016年に始めた研究計画の発表で、ウガリットの文字表は書記の教育や訓練に使われたものだと説明している。発表文は、アルファベットに決まった順序があるという考え方には「かなりの社会的な重要性があったに違いない」としている。ただし、なぜ牛と家から始まるこの並びになったのかは、いまも分かっていない。

もう少し詳しく

「アルファベット」の語源は「牛・家」。 フェニキア語のアレフは「雄牛」を意味し、文字の元になった象形文字は牛の頭を逆さにした形(現代のAを上下逆にすると牛の角に見える)。ベートは「家」で、四角い建物を表す象形文字が起源。つまり「アルファベット」を直訳すると「ウシイエ」または「牛舎」だ。

楔形になって、牛の形は消えた。 米国聖書考古学協会の解説によると、ウガリットの書記たちは、鉱山の労働者や隊商が使っていた絵のような文字を、自分たちの楔形の書き方に「翻訳」した。その結果、文字の名前(牛、家…)と見た目の結びつきは失われたが、名前と順序だけは残った。紀元前13〜12世紀のカナンでは、都市の書記が使う楔形のアルファベットと、隊商の文字から来た線のアルファベットが並んで使われていたという。形よりも先に、並び順と名前が受け継がれていたというのは、なかなか不思議な話である。

北朝鮮と韓国は同じ文字を「違う順序」で並べる。 ハングルは同じ文字体系だが、辞書の並べ方が南北で異なる。違いが大きいのは、ㄲ・ㄸのような濃音(息を詰めて強く出す子音)の置き場所だ。韓国ではㄱのすぐ後ろにㄲが来るように、もとの子音の直後に並べる。北朝鮮では濃音を子音の後ろのほうにまとめて置く。1933年の朝鮮語の綴字法統一案は、基本の子音と母音の順は定めたが、濃音をどこに入れるかは決めていなかった。

英語アルファベットは大きく変化してきた。 1911年版のブリタニカ百科事典によると、Zはもともとラテン文字の中にあったが、初期のラテン語でその音がrに変わったため使い道がなくなり、いったん外されて、空いた場所にGが入った。紀元前1世紀になって、ギリシャ語から入った言葉を正確に書き表すため、ZはYと一緒に末尾へ戻された。1911年版ブリタニカの「Y」の項目によれば、それまでのローマ人は、たとえばギリシャ語の人名ピュロスを「Burrus」と書いていたが、文字が増えたことで「Pyrrhus」と書き分けられるようになった。Zが最後にいるのはそのためだ。同じ百科事典は、U・V・W・Yの4つは、もとをたどればギリシャ文字のウプシロン(Υ)という1つの文字から分かれたものだとしている。ウプシロンは、フェニキア文字で6番目にあったワウにあたる文字だとされる。「順序が変わってない」というのは「冒頭4文字くらいの話」で、後半は実は結構いじられている。

海外の反応

1. 海外の名無しさん
豆知識:北朝鮮と韓国は同じ文字(ハングル)を使うが、字母の順序が違う。

2. 海外の名無しさん(>>1への返信)
それは確かに豆知識。賭けてもいい、順序を変えたのは北朝鮮側だ。

3. 海外の名無しさん(>>2への返信)
ウィキペディアに「南北朝鮮の言語の違い」専用ページがある。実際、北朝鮮側が変えた。

※注:1933年の朝鮮語の綴字法統一案は、濃音(ㄲなど)をどこに並べるかを決めておらず、南北がそれぞれ別の並べ方を採った。どちらか一方が「変えた」とは言い切れない。

4. 海外の名無しさん(>>2への返信)
キム家のうち誰かが書き間違えた日があって、その間違いを正解にするために国全体で順序を変えた説、結構あり得る。

5. 海外の名無しさん
とりあえずフェニキア人に感謝しておく、念のため。

6. 海外の名無しさん(>>5への返信)
私はレバノン人。先祖を代表して、どういたしまして。「フェニキア」=現在のレバノン地域。

7. 海外の名無しさん(>>5への返信)
1年間で太陽が昇る方角の星座の進行を辿ると、だいたいアルファベットがゼロから再現できるという仮説論文がある。「アレフ=牛=牡牛座」とかそういう話。

8. 海外の名無しさん
コメディアンのスティーヴン・ライトの名言:「アルファベットの順序、なぜあの順番なんだろう? あの『ABCの歌』があるからかな?」

9. 海外の名無しさん(>>8への返信)
そりゃ「ABC」の歌だ、「DML」の歌じゃないからな(笑)。

10. 海外の名無しさん(>>8への返信)
「ABCの歌」ってモーツァルトの「きらきら星」と同じメロディだから、モーツァルトはフェニキア人から3,000年越しでメロディをパクった、ということになる。

11. 海外の名無しさん
ヘブライ文字の最初も「アレフ・ベート・ギメル・ダレット」つまりA・B・G・D。完全に同じじゃないけど、似すぎていて数千年前の起源が辿れる。

12. 海外の名無しさん(>>11への返信)
ギリシャ語も同じ。アルファ・ベータ・ガンマ・デルタでA・B・G・D。

13. 海外の名無しさん(>>11への返信)
面白いのは、Cはもともとギリシャ語のガンマの西方版で「g」と「k」両方の音を表してた。後に「C」に縦棒を足した形で「G」が独立して、音が分離された。

14. 海外の名無しさん
順序の理由は「あの歌」のせいだと真面目に思ってる。フェニキア語版のABCソングが当時あったに違いない。

15. 海外の名無しさん(>>14への返信)
モーツァルトが「きらきら星」でフェニキア人をパクってる説、強くなってきた。彼を何様だと思ってるんだ。

16. 海外の名無しさん
待って、「アルファベット」って文字通り「ABCのこと」って意味なのか?

17. 海外の名無しさん(>>16への返信)
正確には「アルファ・ベータ」。ラテン語ベースなら「アベセダ」と呼ぶのが正しい。スペイン語では実際に「abecedario(アベセダリオ)」と呼ばれてる。

18. 海外の名無しさん(>>16への返信)
英語にも「abecedarian」(アルファベットを教える人)という単語がある。日常では使わないが。

19. 海外の名無しさん
何らかの順序で並んでないと辞書も作れない。順序自体は何でもいいんだよ、本質的には。

20. 海外の名無しさん(>>19への返信)
「何らかの順序で並んでないと」と決めつけるのが面白い。順序がないアルファベット体系も理論上はあり得たわけで。

21. 海外の名無しさん
古代エジプト語で「アルプ」は牛、「ベート」は家を意味した。だから「アルファベット」は文字通り「牛舎」。

※注:アルプ(アレフ)とベートは古代エジプト語ではなく、フェニキア語などセム系の言葉。

22. 海外の名無しさん(>>21への返信)
「牛・家」? 牛が住む家か……つまり牛舎だな。ジェシー・ピンクマン(米ドラマ『ブレイキング・バッド』のキャラ)の言ってたことは間違ってなかった、ただ誤解されただけだ。

23. 海外の名無しさん
英語アルファベットは順序が「ほぼ変わってない」と言うけど、結構変わってる。3番目はCとGに分裂、6番目はYに分かれ、後にYからU・V・Wが派生。Zはギリシャ語から導入されて最後尾に追放。今の順序は3,400年の編集履歴の最終版。

24. 海外の名無しさん
アメリカ人は「Z」を「ジー」と読み、イギリス人は「ゼッド」と読む。ビー・シー・ディー・ジーで韻を踏んでる方がアメリカ式の方が自然な気がするが、語源的にはギリシャ語の「ゼータ」由来でゼッドの方が古い。

25. 海外の名無しさん
キリル文字の「アズブカ」も同じ命名。А(アズ)+ Б(ブキ)の最初の2文字を並べた呼び名。世界中の文字体系がフェニキア式の「最初の2文字を並べた名前」を踏襲している。

26. 海外の名無しさん
明らかにアルファベット順に並んでるんだろ。🤦‍♂️

まとめ

「アルファベットの順序の理由は誰も知らない」という事実は、3,400年前から変わらない冒頭の「A・B・C・D」が世界中の文字体系(ラテン・ヘブライ・ギリシャ・キリル)でほぼ一致しているという驚きの裏返しでもあった。コメ欄では「フェニキア人ありがとう」「ABCソングのせい」「太陽が昇る方角の星座を辿ると再現できる」など、半分本気・半分ジョークの仮説が次々飛び出した。

「アルファベット」が文字通り「牛・家」つまり「牛舎」を意味すること、北朝鮮と韓国がハングルを違う順序で使うこと、Zは追放されて末尾に来たことなど、関連トリビアも続々。3,400年前のウガリットの書記たちがすでに使っていた順序を、いまも世界中の小学生が暗唱している。

参考資料

元ソース: TIL アルファベットの並び順の理由は不明、ただし紀元前14世紀の原シナイ文字以来「アルプ・ベート」が冒頭の順序は変わっていない(元投稿)

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