「え、ビーツって土の味じゃないの?」パクチーが石けんの味になる人がいるように、ビーツにも“土の味しかしない人”がいた

「え、ビーツって土の味じゃないの?」パクチーが石けんの味になる人がいるように、ビーツにも“土の味しかしない人”がいた 自然・科学

ビーツを食べると「土の味しかしない」という人がいる一方で、「甘くておいしい」という人もいます。海外の掲示板では「ビーツが土の味に感じられるのは体の仕組みによるもので、パクチーが石けんの味に感じられるのと似た話」という投稿に、1,800件を超えるコメントがつきました。あの土の味の正体は何なのか、本当に“生まれつき”で決まるのか。分かっていることと、まだ分かっていないことを整理します。

※注:ビーツ(ビートルート)は赤紫色の根菜で、ウクライナやロシアなど東欧で食べられている煮込みスープ「ボルシチ」の、あの赤い色のもとです。日本ではまだ馴染みが薄いですが、欧米ではサラダやロースト、酢漬けなどでふつうに食べられています。パクチーは英語圏では「シラントロ」「コリアンダー」と呼ばれます。

今日の知ってた?

🌧️ ビーツの「土の味」の正体は、ジオスミンという匂いの物質。雨上がりの土の匂いや、日本の水道水でときどき問題になるかび臭の原因物質としても知られている。

🌱 ジオスミンは土の中の微生物がつくる物質として知られるが、ビーツは自分の体でつくっている。微生物のいない無菌の環境で育てても含まれるので、洗っても落ちない。

👃 人の鼻はこの匂いにきわめて敏感で、水1リットルに4〜10ナノグラム(1ナノグラムは10億分の1グラム)溶けているだけで気づく。どこまで薄くても感じ取れるかには個人差がある。

🧬 パクチーの「石けん味」は、約2万6,000人を対象にした遺伝子調査で、匂いを感じ取る受容体の遺伝子の近くに関係する違いが見つかっている。一方、ビーツの土臭さの感じ方が遺伝で決まるかどうかを直接確かめた研究は、まだ見当たらない。

背景:ビーツと「大地の匂い」ジオスミン

ビーツは、北海道で砂糖の原料として栽培されているテンサイ(砂糖大根)や、葉を食べるフダンソウと同じ種の植物です。根を食べる用、砂糖をとる用、葉を食べる用と、用途ごとに品種が分かれてきました。根の濃い赤紫色は「ベタニン」という色素によるもので、ボルシチが鮮やかな赤になるのもこのためです。

土臭さのもとであるジオスミン(水道の分野では「ジェオスミン」と書かれることが多い)は、1965年にアメリカの研究者らが名づけた物質で、名前はギリシャ語の「大地」と「匂い」を組み合わせたものです。土の中の放線菌(ストレプトマイセスなど)や、湖やダムで増える藍藻類(シアノバクテリア)がつくり出し、乾いた地面に雨が降ったときに立ちのぼる匂いのもとのひとつになっています。コイやナマズなど淡水魚の「泥臭さ」の原因としても知られています。日本の水道でも、水温が上がって藍藻類が増えると、ジオスミンや2-MIBという物質による「かび臭」が出ることがあり、2004年からはどちらも水1リットルあたり10ナノグラム以下という水質基準が設けられています。

ビーツの土臭さについては、長いあいだ「土の微生物由来のものが根に付いたり入り込んだりしているのでは」と考えられてきました。しかし2003年に、ビーツ自身がジオスミンをつくっていることを示す研究が発表され、その後アメリカのウィスコンシン大学のチームが、高温で殺菌した土や、微生物のいない無菌の培養容器で育てたビーツにもジオスミンが含まれることを確かめています。ビーツの土の味は、泥の洗い残しではありません。

もう少し詳しく

ジオスミンを受け取る鼻のセンサーは、2024年に特定された。人の鼻には約400種類の嗅覚受容体(匂いの分子をキャッチするセンサー)があります。ドイツ・ミュンヘン工科大学にあるライプニッツ食品システム生物学研究所のチームが、遺伝子の違いによるタイプ違いも含めて616種類の人の嗅覚受容体を調べたところ、実際に匂いとして感じる程度の濃度のジオスミンに反応したのは「OR11A1」ひとつだけでした。ほかの哺乳類と比べると、人やサルの受容体はむしろ鈍いほうで、砂漠にすむカンガルーネズミの受容体は人の約100倍敏感に反応したといいます。

遺伝の関与をうかがわせる手がかりはあるが、直接の証拠はまだない。2019年にアメリカの研究チームが332人の嗅覚受容体の遺伝子を調べた研究では、このOR11A1のタイプの違いによって、同じく土っぽい匂いの物質「2-エチルフェンコール」を感じる強さが変わることが分かっています(この物質もOR11A1を刺激します)。ただし、報告されたのは2-エチルフェンコールについての結果で、ジオスミンそのものについてではありません。「OR11A1の違いによってビーツが土の味になる」ことを直接確かめた研究は、調べた範囲では見つかりませんでした。今のところ言えるのは、「ジオスミンの感じ方には個人差があり、遺伝子が関わっている可能性もある」というところまでです。

「土臭い=嫌い」とも限らない。ウィスコンシン大学のチームが2022年に発表した、農家や消費者と一緒に品種を選んでいく研究では、ジオスミンの量は好き嫌いを決める中心的な要因ではなく、実際の含有量と「土っぽい」と感じる度合いの関係もばらばらでした。好まれるかどうかに効いていたのは、甘みが強いこと(プラス)と苦みが強いこと(マイナス)だったといいます。品種による差もあり、4品種を比べた研究では、紅白の渦巻き模様で知られるイタリアの品種「キオッジャ」のジオスミン量が、定番の赤い品種「デトロイト・ダーク・レッド」の約2.7倍でした。同大学のアーウィン・ゴールドマン教授らは、土臭さを「ほうれん草くらい」に抑えた、生でかじれる品種も育成しています。

パクチーの石けん味も、遺伝だけで決まるわけではない。パクチーについては2012年、アメリカの遺伝子検査会社23andMeの研究者らが、ヨーロッパ系の約1万4,600人の回答を分析し、別の約1万1,900人で結果を確かめた研究があります。見つかったのは11番染色体の、嗅覚受容体の遺伝子が8つ集まった場所にある1か所の違いで、そのなかの「OR6A2」は、パクチーの香りのもとになるアルデヒド類によく反応する受容体です。ただし、よくある遺伝子の違い全体で説明できる部分は1割に満たない(約9%)と見積もられています。カナダの20代1,639人を対象にした調査では、パクチーが苦手な人の割合は東アジア系で21%、ヨーロッパ系で17%だったのに対し、パクチーをよく使う食文化をもつ南アジア系では7%、ヒスパニック系では4%、中東系では3%でした。遺伝に加えて、食べ慣れているかどうかも関わっていると考えられています。ちなみに日本でも、パクチーの若い葉にはカメムシに似た匂いがあるとして、「カメムシソウ」という別名で呼ばれることがあります。

海外の反応

1. 海外の名無しさん
え、それって本当なの? 自分は完全に“土の味がする側”なんだけど、ビーツってのは誰が食べても土の味がするものだと思ってた。昔付き合ってた相手に「土の味なんかしない、頭おかしいんじゃない?」って言われたのを、いまだに根に持ってるぞ。

2. 海外の名無しさん(>>1への返信)
同じく。何年も「みんなよくあんなものを飲み込めるな」って不思議でしょうがなかった。土の味がしない人がいるなら、その人たちの口の中では一体何の味がしてるのか教えてほしい。

3. 海外の名無しさん(>>2への返信)
自分には、とれたてのスイートコーンみたいな甘い味がする。塩とバターでローストすると最高なんだ。土の味に感じる人たちには本気で同情する。しかもニュージーランドに住んでたら、ハンバーガーにまでビーツの輪切りが挟まってくるから逃げ場がないよ。

4. 海外の名無しさん
ビーツは大好きだけど、普通に土の味はするよ。ただし“いい土”の味。雨上がりの畑みたいな匂いが、甘さと一緒にふわっと来る感じ。あれがたまらないんだよね。

5. 海外の名無しさん(>>4への返信)
自分もそれ。パクチーが自分の舌で石けんの味になってるのかは分からないけど、好きなのは確か。もし石けんの味なら、自分は石けんの味が好きってことになる。ビーツは間違いなく土の味で、でも好き。つまり自分は土の味が好きなんだと思う。

6. 海外の名無しさん
スレを読むまで、土の味がするのはよく洗われてないビーツに当たったからだと思ってた。泥がちゃんと落ちてなかったんだろうって。

7. 海外の名無しさん(>>6への返信)
自分が読んだ説明だと、土の匂いのもとになる物質は土の中の細菌がつくってて、ビーツにも同じ物質が入ってるって話だった。だったら、土じゃないところで育てれば土の味はしなくなるんじゃないの? 正直まだ納得してない。

8. 海外の名無しさん(>>7への返信)
それ、もう研究者がやってる。アメリカのウィスコンシン大学のチームが、高温で殺菌した土や、微生物のいない無菌の培養容器でビーツを育てて調べたら、ちゃんとジオスミン(土の匂いの成分)が入ってた。ビーツは自分でこの物質をつくってるんだ。だから洗い方の問題じゃないんだよ。

9. 海外の名無しさん
子どものころ、ビーツは土の塊にしか思えなかった。それが大人になったら好物のひとつになったんだよね。でもパクチーだけは今でも石けん。どっちも“体質”で片づけられがちだけど、ビーツとパクチーは別物なんじゃないかな。

10. 海外の名無しさん(>>9への返信)
年をとると嗅覚は全体的に少しずつ鈍くなっていくって言うし、それもあるのかもね。ジオスミンの感じ方だけが変わるのかどうかは知らないけど。あとは単純に、何度も食べてるうちに慣れたってのも大きそう。

11. 海外の名無しさん
パクチーは最高においしいと思うのに、ビーツはまるっきり土。どうやら自分は“石けん遺伝子”は持ってなくて、“土遺伝子”だけ持ってるらしい。

12. 海外の名無しさん(>>11への返信)
“土遺伝子”はちょっと先走りかも。パクチーの石けん味のほうは大規模な遺伝子調査で関係する違いが見つかってるけど、ビーツの土臭さを感じるかどうかを遺伝子で調べた研究は、探した限り見当たらなかった。土の匂いを受け取る鼻のセンサー自体、2024年に特定されたばかりなんだよ。今のところ言えるのは「人によって感じ方が違う」までだと思う。

13. 海外の名無しさん
土も石けんも両方感じる側の人間です。土の味がしない人たちにとって、ビーツって何の味なの? 靴?

14. 海外の名無しさん(>>13への返信)
パクチーが石けんで、ビーツが土なんでしょ? じゃあ両方いっぺんに口に入れれば、石けんが土を洗い流してくれて、ちょうど普通の味になるんじゃない?

15. 海外の名無しさん
パクチーが苦手って言うたびに「ああ、石けんの遺伝子を持ってるんだね」って言われるのにうんざりしてる。そうかもしれないし、違うかもしれない。オリーブが嫌いな人だっていくらでもいるでしょ。みんなと同じ味がしてて、単に好きじゃないだけかもしれないじゃないか。

16. 海外の名無しさん(>>15への返信)
実際そうらしいよ。パクチーの大規模な遺伝子調査でも、よくある遺伝子の違い全体で説明できるのは1割に届かないって見積もりだった。遺伝はあくまで一因で、慣れとか、育った家でどれくらい食べてたかとかも効いてるんだろうね。

17. 海外の名無しさん
メキシコ料理店で最初に出てくるチップス用のサルサ、なんでみんなあれを平気で食べてるのか何年も謎だった。後味が石けんなんだよ。原因はパクチーだった。しかも自分にとっては、石けんというより草とカメムシを混ぜたような味。

18. 海外の名無しさん(>>17への返信)
カメムシはけっこういい線いってるらしい。パクチーの香りのもとになってるアルデヒド類って成分の一部は、カメムシが出す臭いにも含まれてるんだって。似た系統の成分は石けんの香料にも使われてるから、人によって“石けん”になったり“虫”になったりするんだろうね。

19. 海外の名無しさん
雨上がりの土の匂いに、周りの誰より早く気づくタイプなんだけど、あの匂いのもとのひとつもジオスミンなんだってね。ビーツが土の味しかしないのも納得。一応プロの料理人で世界中の料理を食べてきたけど、どうしても受けつけないのはビーツとナスだけ。ナスのほうも誰か解明してくれ。

20. 海外の名無しさん(>>19への返信)
自分は逆で、ビーツはベビーコーンみたいな味しかしない。むしろ土の味がしてほしいくらい。雨が降ってあの匂いがしてくると、なぜか土を食べたくなるんだよね。自分でも理由は分からない。

21. 海外の名無しさん
土の味がしない側からすると、ビーツってほんとにおいしい野菜なんだけどな。土の味がする人たちに質問。酢漬けのビーツでも、やっぱり土の味がするの?

22. 海外の名無しさん(>>21への返信)
酢漬けならだいぶマシ。ジオスミンは酸性だと分解されやすいらしくて、コイみたいな川魚の泥臭さを酢で和らげるのと同じ理屈なんだとか。自分も生やローストは無理だけど、ピクルスなら食べられる。

23. 海外の名無しさん
黄色いゴールデンビーツなら、あの成分が少なかったりするのかな? あれなら食べても、庭の土をカップ1杯食べたみたいな気分にはならないんだよね。

24. 海外の名無しさん(>>23への返信)
色というより品種の差が大きいみたい。4品種を比べた研究だと、紅白の渦巻き模様のキオッジャがいちばん多くて、定番の赤い品種の3倍近くあったらしい。ウィスコンシン大学では、土臭さを「ほうれん草くらい」まで抑えた、中身が黄色からオレンジ色の品種まで作ってる。生のままかじれるくらいクセがないんだって。

25. 海外の名無しさん
ロシアに数か月住んでたことがあって、ビーツを山ほど食べた。自分には土の味で、ロシアの人たちはなんでこんなのが好きなんだろうと思ってた。あと、ボルシチを食べまくるとおしっこが真っ赤になるって誰も教えてくれなかった。ロシアの病院で死ぬんだと本気で覚悟したよ。あとで調べたら、ビーツの色素がそのまま出てくる人がいるだけで、たいていは心配いらないらしい。

まとめ

ビーツの土の味の正体はジオスミンで、ビーツはそれを自分でつくっています。感じ方に個人差があるのは確かですが、パクチーのように遺伝子との関係まで調べられた段階には、まだ届いていません。コメント欄では「土の味だからこそ好き」「何年も我慢して食べていた」という正反対の声が並び、同じ野菜でもここまで別の体験になるのかと驚く人が続出しました。

元ソース: ビーツが一部の人に土の味に感じられるのは生物学的な理由によるもので、パクチーを石けんの味だと感じる人がいるのと似ていると知った

コメント

  1. Reddit名無しさん says:

    土の匂いはともかく味を知っている奴はそんなに多くは無いだろ

  2. Reddit名無しさん says:

    個人的にはクサすぎてダメだった