ニュージーランドには、地面を歩き回る在来の哺乳類が1種もいない——ネズミもシカもタヌキも、もともとは1匹もいなかった。その空席をまるごと埋めたのが鳥たちで、天敵のいない世界で「飛ぶ」ことすら捨て、キーウィのような飛べない鳥が独自に進化していった。
※注:ここでいう「キーウィ」は果物やニュージーランド国民の愛称ではなく、この国の固有種である飛べない鳥のこと。
今日の知ってた?
📏 ニュージーランドの在来哺乳類は、2種のコウモリと、アシカ・イルカ・クジラなどの海洋哺乳類だけ。陸に住む在来の哺乳類は1種も存在せず、その代わりに鳥類が地上のあらゆる役割を引き受けた。
背景:なぜ哺乳類がいなかったのか
ニュージーランドは、およそ8000万年前に超大陸ゴンドワナから切り離され、それ以来ずっと海に囲まれて孤立してきた。ネズミやシカのような陸生哺乳類は自力で海を渡れないため、この島には一度もたどり着けなかった。唯一の例外が、自分の翼で飛んでこられたコウモリ2種と、海を泳いでくるアシカ・イルカ・オットセイなどの海洋哺乳類。つまり「陸を歩く在来の哺乳類」という枠が、まるごと空席のまま残されたのだ。
もう少し詳しく
鳥が哺乳類の役割を丸ごと引き受けた。捕食者となる哺乳類がいない世界では、地上を歩き回っても襲われない。だから多くの鳥が「飛ぶ」という高コストな能力を手放し、キーウィやカカポ(飛べない夜行性のオウム)、タカヘ、そして絶滅した巨鳥モアなど、地上で暮らす鳥が次々と生まれた。モアは最大で3メートルを超える巨体に育ち、それを狩っていたのが史上最大級の猛禽ハスト鷲。ふつうなら哺乳類が占める「草食獣」や「頂点捕食者」の椅子に、鳥がそのまま座っていたのだ。
ところが人類の到来で楽園は一変する。およそ700年前にたどり着いた人々、そして後の入植者たちは、ネズミ・ポッサム・オコジョ・野良猫といった哺乳類を持ち込んだ。地上で無防備に暮らし、地面に巣を作る在来の鳥たちは、こうした新参の捕食者にまったく対抗できなかった。モアもハスト鷲も姿を消し、キーウィすら絶滅の淵に立たされている。現在は「2050年までに外来捕食者ゼロ」を掲げた大規模な保全計画が進むなど、失われた鳥の王国を守る取り組みが続いている。
海外の反応
1. 海外の名無しさん
想像してみてほしい。1320年ごろ、初めてこの島に上陸したポリネシアの航海者の気持ちを。小さな熱帯の島々しか知らなかった彼らの目の前に、雪をかぶった山、森、間欠泉、フィヨルドが広がっていた。しかも自分たちは、その大地に足を踏み入れた最初の「哺乳類」だったんだ。足元を飛べない鳥が走り回る、まさに鳥の王国だよ。
2. 海外の名無しさん(>>1への返信)
そこにハスト鷲がいたと思うとゾッとする。立った状態で1.5メートル、翼を広げれば人の身長より大きい。史上最大級の猛禽が、獲物めがけて空から降ってくるんだから。
3. 海外の名無しさん(>>1への返信)
そしてその楽園に人間が着いてから100年ほどで、巨大なモアも、それを狩っていた鷲もまとめて絶滅させてしまった。ほんの一瞬の出来事だったんだよな。
4. 海外の名無しさん
うちの叔父さんは哺乳類だしニュージーランド生まれだから、この話はどう考えても嘘だと思う。
5. 海外の名無しさん(>>4への返信)
「在来種」は『そこで生まれた』という意味じゃないぞ。それを言い出したら、地球上のあらゆる動物が在来種になってしまう。
6. 海外の名無しさん(>>4への返信)
叔父さん、実はトカゲなんだよ。本人がまだ気づいていないだけで。
7. 海外の名無しさん
もっと面白いのは、化石記録を見ると、その昔ニュージーランドにも哺乳類がいたってこと。少なくとも1700万年前の地層から1種見つかっている。つまり哺乳類は必ずしも世界中を支配する運命じゃない、っていう証拠なんだよね。
8. 海外の名無しさん(>>7への返信)
しかもその哺乳類、今の3グループ(単孔類・有袋類・有胎盤類)のどれにも属さない独自の系統だったらしい。完全に絶滅した「第4の枝」みたいなもので、想像するとワクワクする。
9. 海外の名無しさん
ニュージーランドは本当にすごい。人間を除けば頂点捕食者がいないし、攻撃的な陸上動物もいない。毒を持つ生き物も、内気な小さいクモが1種いるくらい。オーストラリア人の自分からすると、どこでも気軽にハイキングできるのが信じられないよ。
10. 海外の名無しさん(>>9への返信)
野生のブタと、発情期のシカだけは避けたほうがいいけどね。あいつらだけは別枠だから油断禁物。
11. 海外の名無しさん
これはうちの生態系の根っこの部分なんだ。天敵の哺乳類がいなかったから、キーウィやカカポみたいに地面で暮らす鳥がたくさん進化した。その代わり、ポッサムやオコジョ、飼い猫みたいな外来の哺乳類にはめっぽう弱い。田舎ではポッサム狩りがごく普通の娯楽で、肉を使うわけでもなく、ただただ数を減らすのが大事なんだよ。
12. 海外の名無しさん(>>11への返信)
オコジョ(ストート)は本当に深刻な問題だよね。鳥をごっそり減らして、キーウィをあと一歩で絶滅させかけた。小さいくせに恐ろしい存在だよ。
13. 海外の名無しさん
ということは、今はもう哺乳類がわんさかいて、在来種を食い荒らしてるってことか……。せっかくの鳥の楽園が。
14. 海外の名無しさん(>>13への返信)
在来の野生動物たちの心の声「うわ、ネズミが来た……終わった」。人が来る=ネズミが来る、で何もかもひっくり返ってしまったんだ。
15. 海外の名無しさん(>>13への返信)
ニュージーランドは「外来動物を持ち込むな」の反面教師そのものだよ。ヘラジカ、シカ、タール、シャモア、オコジョ、フェレット、ワラビー、ネズミ、野良猫、ウサギ……全部そろって生態系をめちゃくちゃにした。
16. 海外の名無しさん
ハワイの唯一の在来哺乳類も、実はコウモリなんだよね。ハワイアン・ホアリーコウモリという1種だけ。結局、海を越えて自力でたどり着けるのがコウモリくらいしかいなかった、ってことなんだろうな。
17. 海外の名無しさん(>>16への返信)
しかもハワイには在来の両生類も陸生の爬虫類もいない。その点ニュージーランドにはトゥアタラという爬虫類がいて、これがまた最高にかっこいいんだ。
18. 海外の名無しさん
意外なことに、トカゲはやたら多くて全部で126種もいる。それに、7000万年以上前にほかのカエルと分かれた独自のカエルが、いまも4種ちゃんと残ってるんだよ。
19. 海外の名無しさん(>>18への返信)
トゥアタラは面白いよ、そもそもトカゲですらないんだ。恐竜より古い系統の生き残りで、インバーカーギルの博物館には30匹くらい飼われた展示がある(正直、あの町で唯一の見どころかもしれない)。
20. 海外の名無しさん
モアが絶滅したのって、たった600年くらい前なんだよな。ちょうどグーテンベルクが活版印刷を発明したのと同じころ。そう考えると、つい最近まで生きていたんだって実感が湧いてくる。
21. 海外の名無しさん
ちなみに今でも、いちばん背の高い人間より翼幅の広い鳥はちゃんと存在する。ワタリアホウドリなんて、翼を広げると3.6メートル(12フィート)にもなる。さすがにモアを狩っていた鷲ほど怖くはないけどね。
22. 海外の名無しさん(>>21への返信)
そのアホウドリ、ニュージーランドには世界で唯一、本土に営巣するコロニーがあるんだよ。離島じゃなくて本土でその姿を見られるのは、ここだけなんだ。
23. 海外の名無しさん
いつも不思議なんだけど、外国の人はなんで「キーウィバード」って呼ぶんだろう。こっちではただの「キーウィ」だし、果物のほうはちゃんと「キーウィフルーツ」って呼び分けてるんだよ。
24. 海外の名無しさん
ニュージーランドには、ジャマイカ1国ぶんくらいの広さのフィヨルドランドという地域があって、そこがまるごと国立公園になっている。哺乳類のいない鳥の王国の名残が、今もそこに静かに息づいているんだ。
まとめ
天敵となる陸の哺乳類が一切いなかったからこそ、ニュージーランドの鳥たちは「飛ぶ」ことをやめ、地面を歩く暮らしへと独自に進化した。だが人類とともにやってきたネズミやオコジョ、ポッサムが、その無防備な楽園を一気に塗り替えてしまう。コメント欄では、モアやハスト鷲への郷愁、外来種問題への危機感、そして「叔父さんは哺乳類だ」的な軽口までが入り混じり、遠い島国のちょっと変わった進化史に、世界中が「へえ」とうなずいていた。

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