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「ガソリンとマグネシウムの粉で、あの閃光を作った」CGを使わずに核実験の場面を撮った映画の裏側…?

「ガソリンとマグネシウムの粉で、あの閃光を作った」CGを使わずに核実験の場面を撮った映画の裏側…? 自然・科学

映画「オッペンハイマー」でトリニティ実験の場面を観た人の多くが、同じことを口にした。「あれ、思っていたのと違う」。クリストファー・ノーラン監督は、あの場面をCG(コンピューターグラフィックス)に頼らずに撮ったと語っている。ガソリン、黒色火薬、マグネシウム、アルミの粉、水槽の中を漂うインク——現場でひたすら燃やし、撮り、重ねた素材の集合体だ。ところが海外の掲示板では、その手間への称賛よりも先に、驚くほど辛口の感想が並んだ。

※注:「CG」と「VFX(視覚効果)」は同じ意味ではない。「CGを使っていない」は「視覚効果を一切使っていない」ということではなく、実際に撮影した素材をデジタルで重ね合わせる作業は行われている。

今日の知ってた?

📏 「オッペンハイマー」(2023年)のトリニティ実験の場面は、ガソリン・黒色火薬・マグネシウム・アルミ粉による大規模な実写爆発と、水槽で撮った微細な素材を組み合わせて作られた。ただしノーラン監督の「CGは使っていない」という発言は独り歩きし、視覚効果監修のアンドリュー・ジャクソンが「視覚効果がないという意味に受け取られているが、それは明らかに違う」と訂正している。実写素材の合成を含む視覚効果カットは約200にのぼる。

背景:ノーラン監督が「CGは使わない」と言った理由

トリニティ実験は1945年7月16日、アメリカ・ニューメキシコ州の砂漠で行われた人類初の核実験だ。その3週間後に広島と長崎に原子爆弾が投下された。映画「オッペンハイマー」は、この実験の瞬間を物語の頂点に置いている。

ノーラン監督は以前から実写志向で知られる。本人はこの方針について、コンピューターで描いた映像はどうしても安全に見えてしまい、現実のものが持つ脅威が画面に出ない、という趣旨の説明をしている。そこで視覚効果監修のアンドリュー・ジャクソンに「CGなしでトリニティ実験を再現できるか」と持ちかけたところから、この場面の作業が始まった。

結果として組まれたのは、ひとつの巨大な爆発ではなく、大小いくつもの燃焼を撮り分けて重ねる方式だった。大きいほうは砂漠で大量の燃料を燃やし、上昇気流で自然にきのこ雲の形が立ち上がるのを待つ。閃光の強さと色を出すために、アルミの粉とマグネシウムを混ぜた。小さいほうは、まるで理科の実験である。

もう少し詳しく

準備期間の2か月は、ひたすら素材集めだった。特殊効果を担当したスコット・フィッシャーのチームは、撮影が始まる前からピンポン球をぶつけ合わせ、壁に絵の具を投げつけ、マグネシウムを溶かした発光する液体を作っては撮っていた。クラウドタンク(水と比重の違う液体を層状に入れた水槽。雲や煙の動きを小さく再現するために使う古典的な手法)には65ミリのIMAXカメラを向け、糸で吊って回転させたビーズ、アルミの薄片、木片、燃えるテルミットなどを次々に撮影した。手のひらほどの現象を、巨大な何かに見せるための在庫作りだ。

爆発を大きく見せた種明かしは、強制遠近法だった。(強制遠近法=手前のものを大きく、奥のものを小さく配置して、実際とは違う大きさに見せる遠近の錯覚。ハリウッドで最も古い手のひとつ)実際の爆発装置をカメラの近くに、鉄塔の模型をその奥に置く。それだけで、数メートルの炎が数百メートルの火球のように見える。特別な機械もソフトも要らない。

カメラの回転数も武器になった。IMAXカメラは最大で毎秒48コマ、35ミリのカメラは毎秒150コマで回された。高いコマ数で撮った映像を通常の速度で再生すると、動きがゆっくりになる。炎や煙は、ゆっくり動くほど「重く、大きい」と脳が判断する。時間を引き延ばすことで質量を捏造しているわけだ。

そして、それらを一枚の絵にしたのはデジタルの作業だった。合成を担当したのは視覚効果会社のDNEG。実写の大爆発を整えてタイミングを調整し、そこにミニチュアの衝撃波、水中で渦を巻くインク、舞い上がる砂ぼこり、水中の小さな爆発といった素材を重ねている。つまり「CGで爆発を描いた」わけではないが、「コンピューターを使っていない」わけでもない。ここが、後にジャクソンが訂正することになった部分だ。

最後まで残った難問は、炎そのものだった。建物や車は100分の1の模型で作れる。だが炎と煙は縮尺できない。小さな火は小さいなりの速さで揺れ、小さいなりの粒で渦を巻く。ハイスピード撮影である程度はごまかせても、完全には消えない。「ミニチュアの炎」という物は、この世に存在しないのである。

賞レースの結果も、この話には付いてくる。「オッペンハイマー」は2024年のアカデミー賞で作品賞・監督賞・主演男優賞・助演男優賞・撮影賞・編集賞・作曲賞の7部門を受賞した。一方で視覚効果賞はノミネートすらされていない。その年の視覚効果賞を受賞したのは、35人ほどの少人数チームが手がけた日本映画「ゴジラ-1.0」だった。

海外の反応

1. 海外の名無しさん
ああ、CGを使っていないのはすぐ分かったよ。だって核爆発にまったく見えなかったからね。あそこまで手間をかけたのに、出てきた画は「大きめの焚き火」だった。

2. 海外の名無しさん(>>1への返信)
比べるのは酷かもしれないけど、1991年の「ターミネーター2」の核爆発のほうが、体感で何倍も怖かった。あれは30年以上前の映像なんだぞ。

3. 海外の名無しさん(>>2への返信)
ちなみにあの「ターミネーター2」の場面、ミニチュアの街と実写の閃光に加えて、崩れていくビルには当時としては最先端のデジタル処理が入っている。実物一本槍で作られた場面ではないんだ。

4. 海外の名無しさん
トリニティ実験の描写に関しては、デヴィッド・リンチが「ツイン・ピークス」の続編でやったほうが圧倒的に上だと思う。あの回だけで一本の映画として成立していた。

5. 海外の名無しさん(>>4への返信)
あの場面は、ペンデレツキの「広島の犠牲者に捧げる哀歌」を丸ごと一曲流し続けるんだよな。爆発の見た目で勝負していないから、逆にずっと怖い。音の選び方だけで勝っている。

6. 海外の名無しさん
映画そのものは本当に素晴らしいんだ。ただ、あの場面でふっと現実に戻ってしまった。2時間半かけて積み上げてきた緊張が、あそこで一度落ちた感じがする。

7. 海外の名無しさん
こだわりは尊敬する。でも、賢く控えめにCGを使うことの何がいけないんだ。ノーラン監督は他の作品ではちゃんと使っているのに、この映画だけ完全にゼロを目指した理由が最後まで分からなかった。ちなみに自分は最大級のスクリーンで3回観た人間だ。

8. 海外の名無しさん
どう見てもガソリンの炎だった。人類史上いちばん恐ろしい瞬間のはずが、映画でよく見る普通の爆発になってしまっていたのが残念でならない。

9. 海外の名無しさん
擁護すると、本物のトリニティ実験の記録映像と見比べたら、火球の形と広がっていく順番はかなり忠実だった。狂っているのはスケール感だけなんだ。そして、それは仕方がない。

10. 海外の名無しさん(>>9への返信)
そう、炎は縮尺できないからね。小さい火は小さい火の速さで揺れるし、渦の粒も大きく見える。ハイスピードで撮って時間を引き延ばせば少しは誤魔化せるけど、無から質量は生まれない。

11. 海外の名無しさん
そもそも「CG不使用」は宣伝文句の側面が強い。この規模の映画で視覚効果ゼロなんて存在しないよ。「ダンケルク」だって同じで、実物にこだわった結果、浜辺も空もやけに寂しい画になっていた。良い映画だったけどね。

12. 海外の名無しさん(>>11への返信)
実際、この映画の視覚効果監修が後から「視覚効果がないという意味に取られているが、それは明らかに違う」とわざわざ訂正している。合成した視覚効果カットは200近くあるらしい。

13. 海外の名無しさん
CGを避けたかったのなら、いっそ当時の記録映像をそのまま使えばよかったのに。昔の映画はみんなそうしていたし、それでも「CGゼロ」は達成できたはずだ。

14. 海外の名無しさん(>>13への返信)
それはそれで難しいと思う。当時の記録映像は白黒で解像度も低いから、大判フィルムで撮った他の場面と並べた瞬間に画質が落ちて見える。資料映像を挟むという演出にするなら別だけどね。

15. 海外の名無しさん
「爆発の見栄えはこの映画の主題じゃない」という擁護をよく見かける。物語の焦点はあくまで一人の科学者の内面で、派手さは意図的に削いだんだ、という理屈だ。

16. 海外の名無しさん(>>15への返信)
その理屈は分かるけど、自分は逆だと思う。この世のものとは思えない、常識の外側にある光景として映らないのなら、それこそ物語として失敗じゃないか。彼が何に打ちのめされたのかが伝わらない。

17. 海外の名無しさん
音響設計だけは文句なしに素晴らしかった。閃光の後に音がまったく無くなって、遅れて衝撃波が届くまでの間。あの空白の時間は劇場でしか味わえないものだった。

18. 海外の名無しさん
予告編に使われていたスローモーションの火球、あれは本当に見事だったんだよ。誰かが当時の記録映像を丁寧に研究して再現したのが分かる出来だった。だからこそ、本編の落差がこたえた。

19. 海外の名無しさん(>>18への返信)
編集班は相当苦労したらしくて、撮った爆発の一部を逆再生して使っている箇所まであるという話まで出ていた。素材の限界を編集で埋めるのは、昔から続く現場の知恵ではあるけどね。

20. 海外の名無しさん
辛口の意見が多いけど、自分は実物を撮ったこと自体には価値があると思っている。実際に燃えた物を大判フィルムで記録した画には、後から描いた映像には出ない粒立ちと不安定さがある。好みの問題かもしれないが。

21. 海外の名無しさん
面白いのは、この年の視覚効果賞を取ったのが日本の「ゴジラ-1.0」だったこと。35人ほどのチームで、予算はハリウッド大作の10分の1以下だ。オッペンハイマーのほうは、そもそもノミネートすらされていない。

22. 海外の名無しさん(>>21への返信)
結局、観客も審査員も「実物かCGか」では判断していないんだよな。画面に出てきたものが本当にそう見えるかどうか、それだけが問われている。手法の潔さは、それ自体では評価にならない。

まとめ

ガソリンとマグネシウム、水槽の中のインク、糸で吊って回すビーズ。「オッペンハイマー」のトリニティ実験は、驚くほど地道な手作業の積み重ねから生まれた。ただし「CGを使っていない」という言葉は、現場の視覚効果監修が後から訂正したとおり、「視覚効果を使っていない」という意味ではない。そして掲示板に並んだのは、手間への称賛よりも「炎は縮尺できない」という物理の壁への冷静な観察と、実物志向を宣伝文句として売ることへの疑いだった。作り方の潔さと、画面に映ったものの説得力は、別々に評価されている。

元ソース: クリストファー・ノーランは「オッペンハイマー」のトリニティ実験を、CGを使わず実写の爆発とミニチュアとカメラ内効果の組み合わせで再現したと知った

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