「骨に負荷がかかると、体はここを厚くしておこうと判断する」年々減っていく骨量は押し返せるらしい

「骨に負荷がかかると、体はここを厚くしておこうと判断する」年々減っていく骨量は押し返せるらしい 技術・発明

骨は、いちど出来上がったら死ぬまでそのまま——というものではないらしい。中では古い部分を壊す細胞と、新しくつくる細胞が今日も働いていて、そのバランスは年齢とともに「壊す」側へ静かに傾いていく。ところが重いものを持ち上げて骨に負荷をかけると、体は「ここは厚くしておこう」という向きに建て替えの方針を変える。海外の掲示板に投稿されたこの話は2万を超える支持を集め、コメント欄には自分の骨をめぐる報告と、少しばかり後味の悪い副産物の話が並んだ。

※注:以下はスレッドで語られた内容をまとめたもので、特定の運動や量を勧めるものではない。骨の状態は年齢・性別・体質・持病・服薬などで大きく変わり、すでに骨がもろいと診断されている人が急に重い負荷をかけるのが適切とは限らない。実際に何をどれだけやるかは医療者と相談してほしい。

今日の知ってた?

🦴 人は加齢とともに少しずつ骨量を失っていく。ただし筋力トレーニングでその流れを押し返せるとされる。ウェイトを持ち上げたときに骨にかかる力そのものが体への信号になり、骨をより厚く、より強く作り直す方向へ働くという。

背景:骨は「生きている組織」だった

学校の理科室に置いてある骨格標本のせいか、骨はカルシウムでできた硬い部品、というイメージを持っている人は多いと思う。実際にはそうではなく、骨の中では今この瞬間も工事が続いている。古くなった骨を溶かして片づける破骨細胞と、そこへ新しい骨を積み直す骨芽細胞が交代で働き、体じゅうの骨が少しずつ入れ替わっていく。この絶え間ない建て替えを骨のリモデリングと呼ぶ。

※ 破骨細胞=古い骨を分解する細胞。骨芽細胞=新しい骨をつくる細胞。この二つの働きの差し引きが、そのまま骨量の増減になると説明される。

若いうちは「つくる」ほうが「壊す」ほうを上回るので骨は増えていく。骨量は20代のあいだにピークを迎え、そこから先は緩やかに減っていくと説明されることが多い。減り方は一定ではなく、女性は閉経の前後にエストロゲン(女性ホルモンの一種)が減る時期があり、そこで骨量の低下が速まるとされる。骨粗鬆症の患者に女性が多いと言われるのは、このあたりが関係している。

では、なぜ運動が効くのか。骨は加わった力に応じて自分の構造を変える、という考え方は古くからあり、19世紀ドイツの外科医ユリウス・ヴォルフの名をとってヴォルフの法則と呼ばれている。よく使う方向には材料が足され、使われない方向からは引き上げられる。骨は、体が受けている力の記録として形を変えていく建物のようなものだ、という見方である。

もう少し詳しく

なぜ「重い」ほうがいいのか。信号になるのは、骨に伝わる力の大きさだと説明される。歩くだけでも骨には負荷がかかるが、体が毎日慣れている程度の刺激には反応が鈍い。ウェイトを使う運動の利点として挙げられるのは、狙った部位の骨に、日常では出てこない大きさの負荷を届けられることだ。走る、跳ぶ、縄跳びのように短い衝撃を繰り返すやり方も骨には効くとされるが、この場合は脚に偏りやすい。上半身の骨にまで負荷を配れるかどうかが、コメント欄でも論点になっていた。

負荷が消えるとどうなるか。この理屈がいちばん分かりやすく現れるのが宇宙飛行士である。無重力では骨にかかる負荷がほぼ消えるため、地上では考えられない速さで骨量が落ちることが報告されている。国際宇宙ステーションに大きな運動器具が積み込まれ、乗組員が毎日そこで時間を使っているのは、この対策のためだと説明される。負荷を抜くと骨が減る、という裏側からの証拠として、しばしば引き合いに出される話だ。

骨は貯蔵庫でもある。スレッドで最も支持を集めたコメントが持ち出したのは、少し後味の悪い話だった。体はカルシウムと鉛を厳密には見分けられないとされ、取り込まれた鉛の大半は骨に蓄えられていく。そして加齢で骨が溶けていくとき、そこにしまわれていた鉛が血液のほうへ戻ってくる、というのである。子どものころに高い濃度の鉛を浴びた世代ほど、この「返却」が問題になりうる、という指摘だった。

※ 鉛の主な曝露源として長く問題視されてきたのが、有鉛ガソリンと古い塗料である。日本では有鉛ガソリンが1970年代から段階的に減らされ、1980年代に姿を消したとされる。

骨の量はどうやって測るのか。コメント欄では「自分の数値がいくつだった」という話が普通に飛び交うが、これはDXA(デキサ)と呼ばれる検査で測った値を指している。弱いX線を二種類使って腰椎や太ももの付け根を撮り、骨の量を数値にする方法だ。アメリカでは一定の年齢や条件を満たすと公的な医療保険の対象になる仕組みがあり、健康診断の延長のような感覚で受けている人が多い。日本でも骨粗鬆症の診断や経過観察のために医療機関で受けられ、自治体の検診に骨密度測定が含まれていることもある。

※ DXA=二重エネルギーX線吸収測定法。骨密度の測定方法としては最も広く使われているとされるが、機械や測定部位が変わると数値も動くため、比較するときは同じ条件で測るのが原則とされる。

ただし、話はそこまで単純ではない。骨量に効いてくる要因は運動だけではなく、年齢、性別、遺伝的な体質、飲んでいる薬、持病などが複雑に絡む。コメント欄には20代で骨粗鬆症と言われ、原因が今も分からないまま検査を続けている人が何人も現れた。「歳をとったら鍛えればいい」という一行にまとめてしまうと、こぼれ落ちる人がかなりいる話でもある。

海外の反応

1. 海外の名無しさん
体はカルシウムと鉛をうまく見分けられないらしくて、取り込んだ鉛をカルシウムのつもりで骨にしまい込む。で、年をとって骨が減っていくとき、そこにしまわれていた鉛が血液のほうへ戻ってくる。子どものころに高い濃度の鉛を浴びた人ほど、この戻ってくる分が大きくなる。豆知識としては後味が悪すぎる。

2. 海外の名無しさん(>>1への返信)
「面白い豆知識」の棚に置くにはつらすぎる内容だ。ただ、知らなかったことを確実にひとつ知ったので、そこは評価しておく。

3. 海外の名無しさん(>>1への返信)
最初の一行だけ読んで、年をとるほどウルヴァリンみたいな金属の骨格に近づけるのかと一瞬わくわくした。すぐに、彼はあの超回復能力があるから金属中毒で死なずに済んでいるんだった、と思い出して静かになった。

4. 海外の名無しさん
週に4〜5日、本気で重いものを持ち上げ始めた。プロテインを飲んで、牛乳も飲んで、マルチビタミンも入れて、歩数もしっかり稼いだ。始めておよそ4か月、30年ぶりに骨を折りました。

5. 海外の名無しさん(>>4への返信)
落ちが予想外すぎる。ソファに座っていたら骨がポテトチップスみたいに崩れたのか、それともダンプカーに轢かれたのか、どっちの話なのかそこは書いていってほしい。

6. 海外の名無しさん(>>5への返信)
ボートの斜路で滑って、ライフジャケットを着たままアルミの手すりに落ちました。肋骨が一本。骨のせいではないと自分では信じている。

7. 海外の名無しさん
自分は重度の骨粗鬆症と言われていたけど、数値がかなり戻った。診断が出たときは、もうこのまま下がる一方なんだと勝手に思い込んでいたので、あの通知の受け取り方はもう少し落ち着いてよかったなと今は思っている。

8. 海外の名無しさん(>>7への返信)
何をやったのか具体的に知りたい。運動の中身は?サプリは飲んだ?薬は使った?このあたりで話がまるごと変わってくるので、差し支えない範囲で教えてほしい。

9. 海外の名無しさん(>>7への返信)
横から失礼。骨密度の検査は測る機械や部位が変わると数字も動くので、一回の比較だけで良くなった悪くなったと決めないほうがいい、と主治医に言われたことがある。あと薬を併用していたかどうかで話がまったく変わるので、そこは聞いておいたほうがいいと思う。

10. 海外の名無しさん
テニスも骨にはいいらしい。硬いコートを走って止まって、という衝撃が効くという話を聞いた。うちの母は40年続けていて今75歳だけど、骨密度が同年代の平均をかなり上回っていると病院で言われたそうだ。

11. 海外の名無しさん(>>10への返信)
そのお母さん、周りの人の骨密度をこっそり吸い取っているだけでは。40年分だとすると相当な人数になるぞ。

12. 海外の名無しさん
気になっているのは、自重トレーニングも同じ扱いでいいのかというところ。腕立てや懸垂と、重いバーベルを担ぐのとで、骨への効き方に違いがあるのかどうか。

13. 海外の名無しさん(>>12への返信)
要は骨に負荷をかけられるかどうかだと理解している。重い重量を担ぐか、走る・縄跳びのように短い衝撃を繰り返すか。ウェイトの利点は、全身の骨をひととおり狙って刺激できることだと思う。縄跳びは脚にはよく効くけど、背中や腕の骨まではなかなか届かない。だから自重でも、懸垂や跳ぶ動きまでやるなら話は別だし、高齢者向けに売られている水中体操のような低負荷のものだと、そこは期待しにくいはず。

14. 海外の名無しさん
これ、歳を重ねる女性にはとくに大事な話だと思う。有酸素運動だけで済ませてしまう人が多いけれど、骨がもろくなりやすいのはこちら側なので、負荷をかける運動も入れておきたいところ。

15. 海外の名無しさん(>>14への返信)
30代でウェイトを始めて、いま50が近い。正直、いちばん手強いのは筋肉ではなく腱と関節のほうだった。膝の軟骨も椎間板も年々すり減るし、何年も真面目に続けているとひじに厄介な炎症も出てくる。痛みを我慢して押し切るのだけはやめたほうがいい。腱は筋肉よりずっと治りが遅い。

16. 海外の名無しさん
おすすめに流れてきたので書くけど、自分は27歳で骨粗鬆症です。原因は今のところどの医者にも分かっていない。年をとると減る、という話の外側にいる人間もそれなりにいるので、若いから関係ないとは思わないでほしい。

17. 海外の名無しさん(>>16への返信)
それはつらいですね。自分は48歳で重度と言われて、原因を探して何年も検査を受けたけれど答えは出ていません。最近ようやく骨をつくる方向の薬を始めたところで、今は結果を待っています。そちらはどういう方針で進めているんですか。

18. 海外の名無しさん
理屈は分かるし否定もしないけど、自分は三年きちんと続けて、検査の数値はほぼ横ばいのまま。周りには半年で目に見えて上がった人もいて、体質や遺伝で決まる部分もかなり大きいんだろうな、というのが正直な感想。

19. 海外の名無しさん(>>18への返信)
横ばいというのは、失敗という意味ではないのでは。何もしていなければ三年ぶんきっちり下がっていた可能性のほうが高いわけで、同じ数値を保てているなら、それはそれで効いている、という見方もできる気がする。

20. 海外の名無しさん
研究の仕事をしている立場から言うと、カルシウムはビタミンDと一緒に摂るほうが骨の入れ替わりには効きやすい。日光を浴びるだけでビタミンDが十分足りている人は、思っているほど多くないと思う。

21. 海外の名無しさん(>>20への返信)
方向としては同意だけど、具体的な量を掲示板の書き込みで決めるのだけはやめたほうがいい。ビタミンDは摂りすぎても困る種類のもので、腎臓の持病や飲んでいる薬によって適量が変わる。足りているかどうかは血液検査で分かるので、まず測って、それから医師と相談するのが順番だと思う。

22. 海外の名無しさん
最近の痩せ薬で体重を落としている人は、ここをまるごと見落としがちだと思う。急に落とすと脂肪だけでなく筋肉も骨も一緒に減っていく。薬なしで減量している自分も同じで、途中から筋トレを足さないと、鏡の中がどんどん頼りない見た目になっていった。
※ 話題になっているのは、海外で肥満の治療にも使われているGLP-1受容体作動薬と呼ばれる種類の薬のこと。

23. 海外の名無しさん
つまり、骨があるから我々は弱いということだ。骨を捨てれば無敵になれる。人類はいつまで体の中に時代遅れの硬い棒を抱えているつもりなんだ。

24. 海外の名無しさん
筋トレは筋肉の話だとずっと思っていたので、骨の話でもあると知って見え方が変わった。この前、80代の親に運動を始めさせる様子を記録した動画を見たけれど、そこまで来ても体つきと動き方が変わっていくのが面白かった。今日やったぶんの成果が十年後、二十年後に出てくるというのは、ほとんど積立に近い。

まとめ

骨は完成した部品ではなく、壊す細胞とつくる細胞が今も交代で働いている建設現場で、そのバランスは加齢とともに「壊す」側へ傾いていく。負荷をかけると体は骨を厚くする方向に舵を切る、というのが今回の話の核心だった。コメント欄は、骨粗鬆症の数値が戻ったという報告、40年テニスを続けた75歳の母親の話、逆に三年やっても横ばいだという声が並び、思いのほか静かな情報交換になっていた。その一方で「筋肉より先に腱と関節が音を上げる」「20代で骨粗鬆症と言われて原因も分からない」といった、簡単に一般化できない事情も次々に出てくる。そして最も多くの支持を集めたのは、骨に蓄えられた鉛が骨と一緒に溶け出してくる、という誰も聞きたくなかった補足だった。

元ソース: 人は加齢とともに少しずつ骨量を失っていくが、筋力トレーニングでこれを押し返せる。ウェイトを持ち上げたときに骨にかかる力が信号となり、体は骨をより厚く強く作り直す

コメント

  1. Reddit名無しさん より:

    骨量だけでは不十分で骨質も考えて初めて骨強度につながる