「吹きかけた本人まで、狙った相手と同じくらい臭くなった」第二次大戦中にアメリカが極秘開発した”トイレの臭いスプレー”作戦の顛末とは?

「吹きかけた本人まで、狙った相手と同じくらい臭くなった」第二次大戦中にアメリカが極秘開発した"トイレの臭いスプレー"作戦の顛末とは? 歴史

第二次世界大戦のさなか、アメリカの諜報機関が大真面目に開発した”秘密兵器”がある。爆弾でも毒ガスでもない。中身は、トイレを煮詰めたような強烈な悪臭を放つ液体だ。これを占領下のフランスでドイツ軍の将校にこっそり吹きかけ、赤っ恥をかかせようというのである。名前は「Who, Me?(え、私?)」。ところがこの作戦、思わぬところでつまずいたとされる。

※注:OSS(戦略情報局)は、第二次世界大戦中の1942年にアメリカが設けた諜報機関。スパイ活動や破壊工作、占領地のレジスタンス(抵抗運動)の支援などを担い、戦後に発足したCIA(中央情報局)の前身とされる。

今日の知ってた?

🦨 第二次世界大戦中、アメリカの諜報機関OSS(戦略情報局)は、糞便のような強烈な臭いを放つ硫黄系の悪臭剤「Who, Me?(フー・ミー?)」を極秘に開発した。人の命は奪わない”非致死性”の化学兵器で、ポケットに入る小さな噴霧器に詰めて配り、占領地のドイツ軍将校にさりげなく吹きかけることになっていた。狙いは将校本人に恥をかかせ、ひいては占領軍全体の士気をくじくことだったとされる。

背景:「Who, Me?」とは

「Who, Me?」を手がけたのは、OSSの研究開発部門だ。この部署は、スパイやレジスタンスが敵地で使うための一風変わった道具を数多く考案していたことで知られる。英語版ウィキペディアによれば、開発にあたったのはマサチューセッツ工科大学(MIT)出身の化学者アーネスト・クロッカーだという。軍事研究の知られざる裏側を取材してきたアメリカの作家メアリー・ローチは、悪臭の液体を武器にする発想はもともとイギリスが先に手をつけていたもので、OSSがそれに目をつけたと紹介している。

使い手として想定されていたのは、ドイツに占領されたフランスで抵抗運動を続けていたレジスタンスの人々だ。人の多い場所で将校にそっと近づき、服にひと吹きして立ち去る。しばらくすると、将校の体からはひどい臭いが漂いはじめ、周りの人は顔をしかめて離れていく。武器で倒すのではなく、将校のプライドと威厳を削ることで占領軍の空気を悪くしようという、いわば心理戦の道具だった。

臭いのもとは、揮発しやすい硫黄の化合物だった。硫黄系の臭いと聞いてもピンとこなければ、腐った卵や温泉地に漂う硫黄のにおいを、もっと濃く、もっと不快にしたものを思い浮かべるとよいかもしれない。そこに糞便のような臭いが重なっていたというから、なかなかの代物である。

もう少し詳しく

名前の由来は「おならの犯人探し」。ローチによれば、「Who, Me?」という名前は、おならの犯人をめぐる英語圏の言い回しにかけたものだという。英語には「最初に『臭い』と言ったやつが犯人(He who smelt it, dealt it)」という決まり文句があり、日本語の「言い出しっぺ」とほぼ同じ発想だ(「言い出しっぺ」も、臭いと言い出した人こそおならの主、という意味から来ているとされる)。疑われて「え、私?」ととぼける、あのやりとりを思わせる名前というわけだ。

求められた性能は、意外なほど本格的。ローチが紹介したOSSの記録によれば、この悪臭剤には「気温21℃ほどで2時間は臭いが持続すること」「ドライクリーニングの溶剤や雨水にも耐えること」「使う側に跳ね返らないこと」といった条件が課されていた。吹きかけてすぐには臭わず、少し遅れて臭いが立ちのぼるようにして、実行役が怪しまれずに立ち去れるようにする工夫もあったとされる。

ところが、その「跳ね返らない」が守れなかった。硫黄の化合物は揮発しやすく、狙った相手にだけ臭いをとどめておくのは難しかった。英語版ウィキペディアでは、吹きかけた側まで標的と同じくらい臭くなってしまうことが多く、わずか2週間で失敗と判断されたと説明されている。ローチも、容器から中身が漏れたりしたたったりして、実行役の手に臭いが付いてしまう問題に悩まされたと語っている。もっともローチによれば、試験そのものは2年ほど続いたものの、実戦で使われることはなかったという。どのくらいの期間、どこまで試されたのかは、資料によって語られ方に幅がある。

狙う相手はドイツ軍だけではなかった。ローチは、この悪臭剤をフランスだけでなく中国の抵抗組織にも渡し、ドイツ軍や日本軍の将校に使わせる構想だったとも述べている。

何十年たっても、臭いは健在。ローチは著書『兵士を救え! マル珍軍事研究』(村井理子訳)の取材で、保管されていた古いサンプルを自宅のデッキで開けてみたそうだ。すると、しばらく誰もデッキに出られなくなり、本人もえずいてしまったと語っている。

「最悪の臭い」の研究はその後も続いた。悪臭を人を傷つけない兵器として使うというアイデアは、戦後も消えなかった。2001年の英科学誌ニューサイエンティストの記事によれば、アメリカのモネル化学感覚研究所では、文化の違いを超えて誰もが嫌がる臭いを探す研究が行われていた。「米国政府標準トイレ悪臭」と呼ばれる調合臭と、改良版の「Who, Me?」は、調べたどの集団の人にも同じように不快に受け止められたという。

海外の反応

1. 海外の名無しさん
ウィキペディアの続きがいちばん笑える。「ただしこの実験はごく短命に終わった。揮発性の高い硫黄化合物は制御が難しく、たいていは吹きかけた側も標的と同じくらい臭くなった。わずか2週間で失敗と結論づけられた」だって。

2. 海外の名無しさん(>>1への返信)
想像してみてほしい。将校にひと吹きして、何食わぬ顔で立ち去る。作戦は成功だ。で、ひと息ついてタバコをくわえた瞬間、自分の指先からトイレそのものの臭いがするんだよ。

3. 海外の名無しさん(>>2への返信)
子どもの頃、手のひらにおならを閉じ込めて友達の鼻先でパッと開くいたずらをやったけど、あれと同じだな。自分の手も臭くなるのはわかってる。それでも相手の顔を見られれば満足なんだ。

4. 海外の名無しさん(>>1への返信)
開発チームの家族も大変だったと思う。「なんで毎日トイレみたいな臭いで帰ってくるの?」と聞かれても、「国家機密だから言えない」としか答えられないんだから。

5. 海外の名無しさん(>>4への返信)
「機密だから」で押し通されたところで、毎晩トイレの臭いをまとった夫が帰ってくる事実は変わらないからな。ドイツ軍の士気より先に、家庭の平和が崩れそう。

6. 海外の名無しさん
それにしても、発想がやけに具体的だよな。「将校を倒す」でも「基地を爆破する」でもなく、「将校をトイレの臭いまみれにして恥をかかせる」なんだから。

7. 海外の名無しさん(>>6への返信)
たぶん、人がトイレがらみで恥をかく話にやたら執着している科学者がいたんだよ。そいつが上層部をうまく言いくるめて、莫大な研究費を自分の趣味に回したに違いない。

8. 海外の名無しさん(>>7への返信)
要するに「軍用グレードのおならスプレー」か。研究費は一流、開発は二流、容器を納めたのは最安値で入札した業者。だから中身が漏れて自分の手まで臭くなるんだよ。

9. 海外の名無しさん(>>6への返信)
思いつきの一発ネタじゃなくて、けっこう本気の計画だったらしいよ。メアリー・ローチの本によると、フランスだけじゃなく中国の抵抗組織にも渡して、日本軍の将校に使わせる構想まであったとか。

10. 海外の名無しさん
実行部隊の名前は「言い出しっぺ特殊部隊」で決まりだな。英語でも「最初に臭いと言ったやつが犯人」って言うし、臭いの兵器を扱う部隊にこれ以上ふさわしい名前はない。

11. 海外の名無しさん(>>10への返信)
それなら作戦名は「否定したやつこそ犯人作戦」だな。英語には「言い出しっぺ」への返し文句もあって、「え、私?」ととぼけたやつこそ怪しい、ってことになってる。兵器の名前の「Who, Me?」はまさにそれだよ。

12. 海外の名無しさん
地味にきついのは、相手が将校だってところだと思う。部下は上官に面と向かって「臭いです」とは言えないから、みんな黙って少しずつ距離を取るだけ。本人だけが理由に気づかないまま一日が過ぎていく。

13. 海外の名無しさん
第二次世界大戦から冷戦の初めごろって、突拍子もないアイデアを思いつく人にとっては最高の時代だったんだろうな。「聞いてくれ、ワニに爆弾をくくりつけて泳がせるんだ」「採用!」みたいなノリを想像してしまう。

14. 海外の名無しさん(>>13への返信)
「隣の部署は暗号の解読やレーダーの改良をやってるそうだ。で、うちは?」「ドイツ軍の将校がうんこ臭くなったらどうなるか、です」。そのときの会議室の空気を想像するだけで笑える。

15. 海外の名無しさん(>>14への返信)
でも冷静に考えると、誰も死なずに相手の心だけ折れるなら、戦争の道具としてはかなり平和的な部類じゃないか。うまくいっていたら、案外すごい発明として語り継がれていたかもしれない。

16. 海外の名無しさん(>>15への返信)
平和的なのは将校の側だけで、吹きかける市民のほうは命がけだったと思う。恥をかかされた将校が、近くにいた人を片っ端から疑いはじめたら洒落にならない。しかも自分の手まで臭かったら、一発でバレるし。

17. 海外の名無しさん
なんとなく、CIAが薬品を使ってキューバのカストロのひげを抜け落ちさせようとした話を思い出した。ひげがなくなれば国民から尊敬されなくなる、という理屈だったらしい。冗談みたいだけど、本当に検討されたと言われてるんだよ。

18. 海外の名無しさん(>>17への返信)
CIAのカストロ暗殺計画は、とにかく迷作ぞろいだと言われてるからな。毒入りのミルクシェイクとか、結核菌をしこんだダイビングスーツを贈るとか、どれも発想が斜め上なんだよ。

19. 海外の名無しさん(>>18への返信)
もうほとんど『ロードランナー』のワイリー・コヨーテの世界だよ。爆発する葉巻を渡す案まであったと言われているし、アニメのギャグみたいな作戦を大の大人が本気で会議にかけていたんだと思うと味わい深い。

20. 海外の名無しさん
ローチが紹介していたOSSの条件がじわじわくる。「21℃で2時間は臭いが続くこと」「ドライクリーニングでも雨でも落ちないこと」。この仕様書を真顔で書いて、真顔で承認した人たちがいるんだよな。

21. 海外の名無しさん(>>20への返信)
臭いが少し遅れて出るようにして、吹きかけた人が逃げる時間を稼ぐ工夫まであったらしいね。そこまで考え抜いたのに、肝心の容器から中身が漏れて自分の手が臭くなるんじゃ、全部台なしだ。

22. 海外の名無しさん
今では似たようなものがジョークグッズの店で普通に売られてるのが面白い。当時の極秘兵器が、いまやパーティーのいたずら用品になってるんだから。

23. 海外の名無しさん(>>22への返信)
アメリカには、その名もずばり「液体のお尻」みたいな名前のいたずら用悪臭スプレーがあるんだけど、第二次世界大戦の頃にもうご先祖様がいたとは知らなかった。しかも国の予算で作られてたなんてね。

24. 海外の名無しさん
ローチが古いサンプルを開けたら、しばらく誰もデッキに出られなかったって話がいちばんすごいと思う。何十年も経っているのに、まだ現役で人をえずかせるんだから、臭いの強さだけは本物だったんだろう。

25. 海外の名無しさん
結局、実戦ではろくに使われなかったかもしれないのに、80年後にこうして世界中で笑いのネタにされてる。恥をかかせるはずが、いちばん恥をかいたのは開発チームのほうだったのかもしれないな。

まとめ

第二次世界大戦中、アメリカの諜報機関OSSは、糞便のような悪臭を放つ「Who, Me?」を開発し、ドイツ軍の将校に吹きかけて恥をかかせる作戦を考えた。しかし揮発しやすい硫黄の化合物は扱いが難しく、吹きかけた側まで臭くなる弱点を抱えたまま、実戦で成果を上げることはなかったとされる。コメント欄では、「言い出しっぺ」にも通じる命名のセンスや、機密を理由に家族へ臭いの説明ができない開発者を想像する冗談で盛り上がった。誰も傷つけずに心を折る発想を「意外と平和的」と見る声がある一方、吹きかける役の市民こそ危なかったのでは、と指摘する人もいた。

元ソース: 「Who, Me?(え、私?)」は、糞便の強烈な臭いがする硫黄系の非致死性化学兵器として極秘に作られた。ポケットに入る噴霧器で支給され、ドイツ軍将校にさりげなく吹きかけて恥をかかせ、ひいては占領下のドイツ軍の士気をくじく狙いがあった

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