オスがいなくても、メスだけで卵を産み、生まれてくるのは母親そっくりのクローン。そんな「全員メス」のヤモリが実在する。オガサワラヤモリ(英名モーニングゲッコー)は、単為生殖というしくみで自分のコピーを増やし続ける生き物だ。
※注:単為生殖(たんいせいしょく)=オスの精子による受精なしに、メスの卵だけから子が育つ繁殖のしくみ。生まれる子は基本的に母親と同じ遺伝情報を持つ「クローン」になる。
今日の知ってた?
📏 オガサワラヤモリ(モーニングゲッコー)は、オスを必要とせずメスだけで繁殖する単為生殖(Parthenogenesis)のヤモリ。多くの個体群はメスだけで構成され、卵から生まれるのは母親のクローン。しかも、この種は他の手段を持たない絶対的単為生殖(obligate parthenogenesis)を行う約50種の動物のひとつとされる。
背景:単為生殖とは
ふつう、動物は「オスの精子」と「メスの卵」が合わさって子をつくる。これが有性生殖だ。ところが単為生殖では、メスの卵だけから子が育つ。受精という手順を飛ばすので、生まれてくる子は母親とほぼ同じ遺伝情報を持つクローンになる。オガサワラヤモリのような「絶対的単為生殖」の種では、これが例外ではなく唯一の繁殖方法。つまり、群れにオスが一匹もいなくても、世代はちゃんと続いていく。
実はトカゲや両生類には、状況に応じて単為生殖に切り替えられる種がそこそこいる。有名なのはコモドオオトカゲで、オスのいない飼育環境で突然メスが妊娠して飼育員を驚かせた例が知られている。映画『ジュラシック・パーク』で恐竜が勝手に増えてしまう設定も、この発想がベースになっている。
もう少し詳しく
「モーニング(喪に服す)ゲッコー」という名前の由来。この種が見つかったとき、研究者たちはオスがまったく見当たらないことに驚いたという。「彼女たちはオスの不在を嘆き、喪に服しているのではないか」——そんな印象から「モーニングゲッコー」と呼ばれるようになった、という逸話が語られている。実際には嘆くどころか、彼女たちはオスなしで淡々と繁殖を続けているわけだが、名前だけが少し物悲しい。
飼うと、爆発的に増える。ペットとして人気だが、オスがいらない=つがいを揃える必要がないため、一匹からでも勝手に数が増えていく。飼育者の間では「気づいたら数えきれないほどになっていた」という話が定番だ。一方で、全員がほぼ同じ遺伝子を持つということは、新しい病気が一つ流行ると群れごと一気にやられかねない、というもろさも抱えている。バナナのカベンディッシュ種が単一品種ゆえに病害に弱いのと、構図はよく似ている。
「完全にメスだけ」は厳密には少し注釈が必要。大まかには「全員メスの種」と紹介されることが多いが、ごくまれにオスが生まれることもあるという。ただしそのオスは数も少なく、繁殖能力を持たない(不妊の)ことが多いとされ、種の存続にはほぼ関わっていない。だから実質的には「メスだけで回っている種」と言ってよい。
海外の反応
1. 海外の名無しさん
オスなしで増えるって字面はすごいけど、要は「母親の遺伝子をそのままコピーし続ける」ってことだよね。短期的な生き残りには最強だけど、遺伝的な多様性をどんどん削っていく賭けでもある。有性生殖がわざわざ手間をかけてオスとメスを混ぜてるのは、まさにその多様性のためなんだから。
2. 海外の名無しさん(>>1への返信)
そうそう、新種の病気が一発来たら全滅しかねないのが怖いところ。みんな同じ遺伝子だから、一匹が弱い病原体に、ほぼ全員が同じように弱い。
3. 海外の名無しさん(>>2への返信)
これ完全にバナナのカベンディッシュ問題と同じ構図だよね。世界中のスーパーのバナナがほぼ単一品種だから、専用の病気が広がるとごっそりやられる。クローンで増やすって、便利な分こういうリスクとセットなんだな。
4. 海外の名無しさん
彼女たちは文字どおり「男なんていらない、自立した強い女たち」の集団ってことか。なんかかっこいいな。オスの存在をきれいさっぱり進化の歴史から外してきたわけで。
5. 海外の名無しさん(>>4への返信)
全員が女王様だな。誰にも頭を下げず、自分のコピーで王朝を築いていくスタイル。
6. 海外の名無しさん
ペットとして3年前に幼体を3匹からスタートしたんだけど、今は30匹?50匹?正直もう何匹いるのか分からない。脱走した赤ちゃんがしょっちゅう猫のおやつになってる。見つけたら捕まえるようにしてるけど、たぶん見つける1匹の裏で気づかないのが3〜5匹はいる。
7. 海外の名無しさん(>>6への返信)
うわ、君の地域でこの子たちが外来種扱いになってないことを祈るよ…。脱走して野生化したら、オスいらずでどんどん増えるんだから手がつけられなくなりそう。
8. 海外の名無しさん(>>7への返信)
今のところは外来種じゃない…今のところはね。という不穏な言い方になってしまうのがこの種のこわさ。
9. 海外の名無しさん
そもそも「モーニング(喪に服す)ゲッコー」って名前がいい。発見当時、研究者がオスの少なさに驚いて「オスがいないのを嘆いているに違いない」と勝手に解釈したのが由来らしい。実際は嘆くどころか、淡々と一人で増やしてるだけなのにね。
10. 海外の名無しさん(>>9への返信)
人間が勝手に「かわいそう」と物語をつけただけで、本人(本ヤモリ?)からすれば余計なお世話だよな。名前って大体こういう人間側の思い込みでつくんだよね。
11. 海外の名無しさん
トカゲや両生類って、わりとこの単為生殖ができる種が多いんだよね。動物園のコモドオオトカゲのメスが、オスがいないのに妊娠して飼育員がびっくりした、って話を読んだ記憶がある。
12. 海外の名無しさん(>>11への返信)
それ『ジュラシック・パーク』の重要な伏線でもあるやつだ。「生命は道を見つける」ってセリフ、まさにこれのことだったんだなと今さら腑に落ちた。
13. 海外の名無しさん
一点だけ補足すると、モーニングゲッコーは「絶対的単為生殖」のグループで、これが唯一の繁殖手段。一方コモドみたいに「オスがいないときだけ仕方なく単為生殖する」のは条件的単為生殖で、別物なんだ。絶対的にやる種は全動物で50種ほどしかいないらしい。
14. 海外の名無しさん(>>13への返信)
なるほど、「いざという時の保険」としてやるのと、「最初からそれしか道がない」のとでは意味が全然違うわけね。後者はもう進化的に振り切ってる感じがしてすごい。
15. 海外の名無しさん
ちょっと厳密な話をすると、紹介では「完全にメスだけの種」って言われがちだけど、ごくまれにオスも生まれるらしいよ。ただ数も少なくて繁殖能力もないことが多いから、種の存続にはほとんど関わってないってだけで。
16. 海外の名無しさん(>>15への返信)
へえ、じゃあオスが完全にゼロってわけじゃないのか。存在はするけど誰からも必要とされてない、っていうのもそれはそれで切ない立場だな…。
17. 海外の名無しさん
人間も理屈の上では似たようなこと(遺伝子を半分にせず自分だけで…)ができそうな気がしてしまうけど、肝心の「子をつくる」部分が哺乳類だと無理なんだよね。哺乳類は仕組み上どうしても父方・母方両方の遺伝子が要る。だからこの芸当はトカゲたちの特権。
18. 海外の名無しさん
そういえば90年代のサンフランシスコに「ウィップテイル・リザード・ラウンジ」っていうレズビアン向けのクラブがあったんだよ。名前の由来は、これまたオスがいなくて単為生殖するトカゲ(ハシリトカゲの一種)から。会報のタイトルがそのまま「Parthenogenesis(単為生殖)」だったというセンスの良さ。
19. 海外の名無しさん(>>18への返信)
オスなしで増えるトカゲが二種類も話に出てくるとは。一回ならまだしも二回別々に進化してるの、地味にすごくない?自然って同じアイデアを何度も再発明するんだな。
20. 海外の名無しさん
子を一匹つくるのにもエネルギーは要るわけで、脱走した赤ちゃんが食べられる話はちょっと切ない。とはいえ食べた側からすると、産むのに使ったエネルギーの一部を回収してるだけで、新しく増えてるわけじゃないんだよな。自然のエネルギー収支はシビアだ。
21. 海外の名無しさん
クローンで増えるって聞くとSFみたいだけど、現実にうちの近所の壁にもこの子たちがいると思うとなんか不思議。同じ顔の姉妹が何百匹も壁を走り回ってるって、考えると軽くホラーでもある。
22. 海外の名無しさん
爬虫類の性別は染色体だけじゃなくて、卵が育つときの「温度」で決まる種もいるって聞いた。人間の感覚で「オス・メス」を当てはめると、爬虫類の世界はけっこう前提が違っていておもしろい。
23. 海外の名無しさん(>>22への返信)
そうなんだよね、ワニやカメだと砂の温度で子の性別が変わったりする。だから「全員メス」みたいな現象も、哺乳類の常識で考えると驚くけど、爬虫類だと案外起こりうる範囲なんだろうな。
24. 海外の名無しさん
名前は「喪に服す」なのに、やってることは一人で淡々と王朝を築く最強の自給自足。このギャップが好き。誰も嘆いてないどころか、たぶん一番たくましい生き方をしてる。
25. 海外の名無しさん
今日もまた、自分が世界のことを何も知らないんだと気づかされた。壁にいるちっちゃいヤモリ一匹に、こんな進化の物語が詰まってるとはね。いい豆知識をありがとう。
まとめ
オガサワラヤモリ(モーニングゲッコー)は、オスを必要とせずメスだけのクローンで増える絶対的単為生殖のヤモリ。コメント欄では「強く自立した女たちだ」というユーモアの一方で、遺伝的多様性の低さゆえのもろさ(バナナのカベンディッシュ問題との類似)を心配する声、名前の物悲しい由来への注目、ペット飼育での爆発的繁殖の体験談まで、素朴な驚きと知的な脱線が入り混じった反応が並んだ。
元ソース: 今日知った話:モーニングゲッコーは「単為生殖」で自分のクローンを産み、オスなしで繁殖する全員メスのヤモリだった


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