映画やドラマで誰かが電話をかけるとき、その番号、よく聞くと「555」から始まっていませんか。実はあれ、ほとんどが実在しない「フィクション専用」の番号。北米では、わざわざ役者が口にしても誰も迷惑しないよう、特定の番号帯が公式に予約されているんです。
※注:北米(アメリカ・カナダなど)の電話番号は「市外局番3桁+局番3桁+加入者番号4桁」で構成される。ここでいう「555」は中央の局番にあたる部分。
今日の知ってた?
📏 北米では 555-0100 から 555-0199 までの100個 が、映画・テレビ・広告などのフィクション用に公式に予約された「絶対につながらない番号」になっている。それ以外の555番号には、番号案内の555-1212のように実際に使われてきたものがある。
背景:なぜ「555」だったのか
昔のアメリカの作品では、登場人物が口にした電話番号がたまたま実在していて、その番号の持ち主に見知らぬ視聴者からの電話が殺到する、というトラブルが何度も起きていました。そこで「この局番なら絶対に誰の家にもつながらない」という安全地帯として広く使われるようになったのが「555」だったわけです。やがて制作現場の暗黙のルールとして定着し、観客の側も「555=作り物の番号」と無意識に学習していきました。
北米の電話番号を管理する団体NANPA(北米番号計画管理者)の資料などをまとめた英語版ウィキペディアによると、電話会社がテレビや映画の制作者に555を使うよう勧めるようになったのは、遅くとも1960年代のことです。早い例として、1961年の映画『The Second Time Around』の555-3485、1962年の『パニック・イン・イヤー・ゼロ』の555-2106が挙がっています。それより前は、脚本家が「QUincy」や「ZEbra」のような架空の局名をでっち上げることもありました。当時のダイヤルにはQとZの文字が無かったので、絶対に実在しない番号になるという理屈です。
当時の電話番号は、局番の頭の2桁を「KLondike(クロンダイク)」のような単語の頭文字で表すのが普通でした。ダイヤルの穴の横には数字と一緒にアルファベットが振ってあり、KもLも「5」の穴にあります。つまり「KLondike 5」は「555」のこと。1970年代半ばごろまでの作品に出てくる「KLondike 5-◯◯◯◯」は、555を昔の書き方で言い表したものなのです。
有名な実例が、トミー・トゥートーンの1981年のヒット曲「867-5309/Jenny(ジェニー)」。これは555ではなく具体的な番号を歌詞にしてしまったため、全米のあちこちで「その番号」を実際に持っていた人に「ジェニーいる?」というイタズラ電話が殺到し、番号変更を余儀なくされた人まで出たと言われています。実在番号をうっかり使うリスクは、こういう形で現実になるのです。
もう少し詳しく
「555」全部がニセモノではない。厳密にフィクション専用なのは、あくまで 555-0100〜555-0199 の100個だけ。「市外局番+555-1212」は、昔から電話番号の案内サービス(番号案内)の番号として使われてきました。だから「555を見たら全部ウソ」というのは、半分正解で半分間違い、というのが面白いところ。
555を「情報サービスの番号」にする計画もあった。NANPAの説明によると、1994年から、555で始まる番号をさまざまな情報サービス用に貸し出す仕組みが始まりました。たとえば「555-TAXI」のように、全国どこからでも同じ番号でタクシー会社につながる、といった使い方を想定したものです。ところが実際にはほとんど広まらず、2016年5月に業界の番号委員会が「その役目はほかの技術で果たされた」と判断し、同年9月に米連邦通信委員会(FCC)が承認しました。いまは555の番号はすべてNANPAの在庫に戻され、番号案内の555-1212などを除いて使われていません。一方で、555-0100〜0199の100個は、これからもエンタメと広告のために予約されたまま残ります。
実在しうる番号を映して起きた騒ぎ。コメント欄にも出てくる2003年の映画『ブルース・オールマイティ』は、555を使わなかった失敗例として有名です。英映画誌フィルム・ストーリーズの記事によると、劇場公開版では神様の番号として「776-2323」がポケベルの画面に大きく映りました。これを見た観客が実際にかけてみたため、全米のあちこちの市外局番で、この番号の持ち主に電話がかかるようになりました。フロリダのガラス工房には「神様をお願いします」という電話が1時間に最大20件かかり、ノースカロライナでは「ブルース」という名の牧師にも電話が来ました。配給のユニバーサルは番号の選び方を謝罪し、ビデオ版とテレビ放映版では、予約枠の中の555-0123に差し替えています。
日本のドラマや映画ではどうしているのか。日本には北米のような「フィクション専用局番」の公式予約枠はありません。その代わり制作現場では、下4桁を「0000」にしたり、現実には割り当てがほぼない局番を選んだり、画面に映る番号を一部ぼかすといった工夫で、実在の番号に当たらないよう配慮するのが一般的とされています。仕組みは違っても「視聴者が本物の誰かに電話してしまわないように」という発想は、洋の東西を問わず同じなんですね。
海外の反応
1. 海外の名無しさん
えっ、待って。むしろ「実在する555番号がある」ことのほうが衝撃なんだけど。あれ全部ニセモノだと思って生きてきた。
2. 海外の名無しさん(>>1への返信)
わかる。今日いちばんの「知らなかった」はそっちだよね。100個だけが予約済みで、残りは普通に生きてる番号って言われると逆に怖い。
3. 海外の名無しさん(>>1への返信)
通信エンジニアを20年やってた俺ですら、555は全部架空だと思い込んでたよ…。職業すら関係ないレベルの思い込みだった。
4. 海外の名無しさん
言われてみれば、映画で電話番号が出るシーン、ほぼ確実に555始まりだ。一度気づくともう555にしか目がいかなくなる呪いをかけられた気分。
5. 海外の名無しさん
アプリ全盛の今だからどうでもいいけど、もし555の番号で恋愛してたら詰むよな。「番号教えて」「555-◯◯◯◯だよ」「あ、こいつ脈なしの偽番号渡してきたな…」って勝手に勘違いされる。
6. 海外の名無しさん(>>5への返信)
それで縁が切れたカップル、歴史上に絶対何組かいると思う。本物の番号なのに架空番号扱いされて振られる悲劇。
7. 海外の名無しさん
10年くらい前に、あるドラマのVFX班で働いてたんだけど、ホワイトボードに「使っていい架空番号の範囲」がデカデカと書いてあったよ。画面に偽番号を映すとき、間違って実在番号を出さないための保険だった。
8. 海外の名無しさん(>>7への返信)
現場の知恵だなあ。一回でも本物を映したら、その番号の人に視聴者から電話が殺到するわけだもんね。ホワイトボード運用、地味に賢い。
9. 海外の名無しさん(>>7への返信)
ジェニーに電話してほしくなかったってこと?(867-5309ネタ)
10. 海外の名無しさん
古い番号案内サービスが昔まさに555-1212だったのを覚えてる。ネット時計なんてなかった時代、これに電話して家中の時計を合わせてたんだよ。
※注:555-1212は電話番号を調べる「番号案内」の番号で、時刻を知らせるサービス(時報)の番号ではない。
11. 海外の名無しさん(>>10への返信)
それそれ。1961年あたりから番号案内がずっとこの番号だったはず。実在する555の代表格だね、皮肉なことに。
12. 海外の名無しさん
昔のテレビ、たとえば「アイ・ラブ・ルーシー」だと番号が「KLondike 5(クロンダイク5)」って表記だったの覚えてる人いる?
13. 海外の名無しさん(>>12への返信)
今ダイヤルの文字盤で確認した。KとLって…数字に直すと5と5じゃん。つまりKLondike 5 = 55…。今ぜんぶ腑に落ちた。長年の謎が解けた瞬間。
14. 海外の名無しさん
「ラスト・アクション・ヒーロー」でこの豆知識を学んだ俺が通りますよ。劇中で「映画の中だから番号は全部555なんだ」みたいなメタ展開があった気がする。
15. 海外の名無しさん
え、みんな普通に使ってる番号だよね?俺がこれまでもらった番号、全部555始まりだった気がするんだけど。
16. 海外の名無しさん(>>15への返信)
前半は完全に信じたわ。「全部555始まり」のオチで全力で笑った。それ全部ニセ番号渡されてるんよ…。
17. 海外の名無しさん(>>15への返信)
かけても誰も出ないの、地域のせいじゃなくて君が架空の人生を送ってるからだよ。優しく言うけど。
18. 海外の名無しさん
「ブルース・オールマイティ」で神様の電話番号が555-0123だったの好きだったなあ。ちゃんと予約枠の中の番号を使うあたり律儀。
19. 海外の名無しさん(>>18への返信)
ちなみにあれ、最初の劇場公開版では実在しうる番号を使ってて、その番号の家にイタズラ電話が殺到。ソフト版で慌てて差し替えたって話があるよ。まさに本記事の教訓そのもの。
20. 海外の名無しさん
ドラマの登場人物の番号を実際に通じる本物として設定して、視聴者がかけるとそのキャラの留守電が流れる、って演出をやった作品もあったよね。あれは逆方向の遊びで好きだった。
21. 海外の名無しさん
その番号、番組終了後に解約されて、次に割り当てられた一般人が永遠にファンからの着信に苦しむことになるんだよな…。気の毒すぎる。
22. 海外の名無しさん
今日の「知らなかったのは1万人に1人」枠、たぶん俺です。50年近く生きてきて初めて知った。生きてればまだ学ぶことがあるもんだ。
23. 海外の名無しさん
そもそも最近の若い世代は、ドラマでも電話番号を手で押すシーンをあまり見ないから、555ネタ自体に触れる機会が減ってると思う。連絡先は全部登録済みだし、番号を手入力した記憶がもう何年もない。
24. 海外の名無しさん(>>23への返信)
たしかに。番号を「覚える」「打ち込む」って行為が消えつつあるから、フィクション番号という文化ごと忘れられていくのかもね。ちょっと寂しい豆知識。
25. 海外の名無しさん
日本のドラマだと下4桁を0000にしたり、わざと存在しない局番にしたりするって聞いた。国は違っても「本物にかけさせない」工夫は一緒なんだな。
まとめ
北米でフィクション専用に予約されているのは555-0100〜0199の100個だけで、それ以外の555番号は実在することもある、という「半分正解」の豆知識。コメント欄では「むしろ実在するほうが衝撃」という声が大勢を占め、VFX現場のホワイトボード運用や古い番号案内サービスの思い出、ジェニーの歌のイタズラ電話エピソードまで、世代を超えた電話番号トリビアで盛り上がった。
参考資料
- NANPA(北米番号計画管理者)「555の番号について」(英語)
- フィルム・ストーリーズ「『ブルース・オールマイティ』が神様の電話番号を公開してしまったとき」(2021年・英語)
- ディクショナリー・ドットコム「867-5309」(英語)
- 英語版ウィキペディア「555(北米番号計画)」(英語)
元ソース: 映画の電話番号555がフィクション専用という話


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