「2つの星が触れ合い、1つの大気を共有する」ピーナッツ形の”接触連星”とは?…最後は合体して赤く光るらしい

くっつき合ってピーナッツ形になった2つの星 自然・科学

夜空の星はどれも点にしか見えませんが、その中には、2つの星がくっつき合ってピーナッツのような形になっているものがあります。「接触連星」と呼ばれる星です。海外の掲示板でこの話が紹介されると、豆のダジャレと「じゃあ最後は合体するの?」という素朴な疑問で盛り上がりました。

今日の知ってた?

🥜 2つの星が、表面が触れ合うほど近くを回り合い、外側のガスがあふれて1つの大気を共有している星がある。全体の形はピーナッツの殻のようで、「接触連星」と呼ばれる。2008年には、こうした星が実際に合体して、明るさが約10等級(およそ1万倍)跳ね上がったとみられる例も観測されている

背景:接触連星とは

宇宙には、2つの星が互いの周りを回る「連星」がたくさんあります。たいていは2つの星の間に十分な距離がありますが、なかには間隔がきわめて狭く、星の表面どうしが触れ合ってしまっているものがあります。これが接触連星です。この呼び名は、天文学者のジェラルド・カイパーが1941年に使い始めたとされています。

連星のそれぞれの星には、自分の重力でガスを引き留めておける範囲があり、これを「ロッシュ・ローブ」と呼びます。2つの星を囲む8の字形の見えない器のようなものです。接触連星では、2つの星がどちらもこの器いっぱいまでふくらみ、あふれた外側のガスが2つの星をまとめて包んでいます。ポーランドのワルシャワ大学が運営する観測計画OGLEの解説は、こうした星を「両方の星がロッシュ・ローブを満たし、物理的に接触している」系と説明しています。

ガスの外套を共有しているので、2つの星は質量が違っても表面の温度がほぼそろいます。大きい星から小さい星へガスと熱が流れ込み、ならされてしまうためです。外から見ると、ひとつながりの大きな星がピーナッツのような形で回っている、という姿になります。

接触連星のほとんどは、地球から見て2つの星が互いを隠し合う「食連星」として見つかっています。こうした星は、代表格の星の名前を取って「おおぐま座W型変光星」と呼ばれます。2つの星はとても近いので、ひと回りするのにかかる時間は短く、多くは1日足らずです。分類のうち、比較的温度の高い型は0.4〜0.8日、温度の低い型は0.22〜0.4日ほどで1周します。

ふつうの食連星は、片方の星が前を横切るときにだけ急に暗くなります。ところが接触連星は、潮汐の力で引き伸ばされた細長い形のまま回るので、こちらに見せる面積が絶えず変わり、明るさが休みなく波打つように変化します。2つの星の温度がほぼ同じなので、交互にやってくる2回の暗くなる時の深さも、ほぼ同じになります。この独特の変化の仕方が、遠くの点にしか見えない星を「ピーナッツ形だ」と見分ける手がかりになっています。

もう少し詳しく

最後は合体するのか。接触連星の状態は、短いものでも数百万年、長いものでは数十億年続くと考えられています。ただし、ずっとそのままでいられるわけではありません。ガスのやり取りや、外へ逃げていく角運動量(回転の勢い)のために、2つの星の軌道は少しずつ縮みうると考えられていて、その行き着く先が合体です。その瞬間を、天文学者は実際にとらえています。さそり座の「V1309さそり座」という星です。2008年9月に、ふだんより約10等級(明るさでおよそ1万倍)明るくなって発見されました。

「赤い新星」の正体が分かった。V1309さそり座は、たまたまOGLEが2001年8月から観測を続けていた範囲に入っていました。ポーランドのコペルニクス天文学センター(トルン)とOGLEのチームが、爆発前の7年分の記録を調べたところ、もとの姿は約1.4日で1周する接触連星で、その周期がだんだん短くなっていたことが分かりました。2011年に天文学の専門誌『アストロノミー&アストロフィジックス』に載った論文です。明るさが本格的に上がり始めたのは2008年3月で、爆発後の観測では、連星らしい明るさの波打ちは見られなくなりました。2つの星が1つになったと考えられます。それまで「赤い新星(明るい赤色新星)」と呼ばれ、原因がはっきりしなかった現象が、接触連星の合体で説明できることを示した例で、OGLEの解説は、この星を赤い新星を理解するための「ロゼッタ・ストーン」と呼んでいます。

「2022年に合体」の予言と、12時間のずれ。2017年には、米国カルヴァン大学の天文学者ラリー・モルナーのチームが、接触連星「KIC 9832227」の周期が17年間の観測で縮んでいるとして、2022年ごろに合体して赤い新星になると予測し、話題になりました。ところが翌2018年、米サンディエゴ州立大学の大学院生クエンティン・ソシアらが、計算の土台にした古い観測記録の一つに誤りがあることを突き止めます。2004年に発表された観測カタログで、日付の表し方の取り違えから、食の時刻が12時間ずれて記されていたのです。米天文誌『スカイ&テレスコープ』によれば、その誤った時刻だと星は地平線の下にあり、観測できるはずがありませんでした。NASAエイムズ研究センターの未公表の2003年のデータも加えて計算し直すと、合体が数年後に迫っているという根拠は崩れました。この反論は同じ2018年に専門誌『アストロフィジカル・ジャーナル・レターズ』に載り、実際に2022年に合体は起きていません。

くっついた天体は星だけではない。「接触した2つの塊」という形は、太陽系の小さな天体でもよく見つかります。NASAの探査機ニューホライズンズが2019年1月1日に接近した、海王星より遠くの小天体アロコスは、長さ約35キロの雪だるまのような形をしています。NASAは2020年、2つの塊がもともと別々にでき、近くを回り合ったあと、ゆっくりとくっついたとする分析を発表しました。燃える星どうしのピーナッツと、凍った小天体の雪だるま。大きさも成り立ちも違いますが、「2つが1つに近づいていく」という同じ形が、宇宙のあちこちに現れているわけです。

海外の反応

1. 海外の名無しさん
え、連星?タイトルだけ見て、てっきり宇宙に巨大なピーナッツが浮いてる話かと思ってワクワクしたのに。

2. 海外の名無しさん(>>1への返信)
がっかりするな。連星があれば、そのうちピーナッツはいくらでも生えてくるよ。数十億年ほどかかるけどね。

3. 海外の名無しさん(>>2への返信)
どういう理屈だよ。説明してくれ。

4. 海外の名無しさん(>>3への返信)
ピーナッツってのは、星の光を浴びると増えていく有機生命体の一部だからな。星がなきゃ始まらない。

5. 海外の名無しさん
星どうしがくっついてピーナッツ形になってるとか、ナッツすぎる話だな(英語で「ナッツ」は「どうかしてる」の意味もある)。

6. 海外の名無しさん(>>5への返信)
細かいこと言うと、ピーナッツは木の実のナッツじゃなくて、マメ科の豆の仲間なんだよな。地面の下で実るし。

7. 海外の名無しさん(>>6への返信)
へえ、それは知らなかった。星の話を読みに来て豆の知識が増えるとは。いや、豆知識ってそういう意味じゃないか。

8. 海外の名無しさん
恒星でも接触連星になるなんて知らなかった。小惑星や彗星では、2つの塊がくっついた形が妙にたくさん見つかってるらしいし、ブラックホールでも同じような状態がありうるっていう理論もあるそうだ。その中間の惑星くらいの大きさだと、近づきすぎた衛星は「ロッシュ限界」で引き裂かれるはずなのに。本当の限界ってどこにあるんだろう。

9. 海外の名無しさん(>>8への返信)
ブラックホールの「接触」ってどういう意味になるんだ?事象の地平面どうしが重なるってこと?中身は体積ゼロの点だって話だし、あの規模だと時空がゆがみすぎて、何をもって「触れた」と言うのかも分からない。物理は素人だけど気になる。

10. 海外の名無しさん(>>9への返信)
だいたい合ってる、地平面が重なる。ただ「重なる」って言い方も正確じゃなくて、地平面の内側は外から一切分からないから、重なった部分とそれ以外を区別しようがない。外から見れば、8の字形の「何も出てこられない領域」がひとつあるだけなんだよ。

11. 海外の名無しさん
素朴な疑問なんだけど、そこまでくっついてるなら、なんでさっさと潰れて1個の大きな星にならないの?

12. 海外の名無しさん(>>11への返信)
回ってる勢いのエネルギーが大きくて、それがまず抜けないといけないから。惑星どうしなら擦れ合ってすぐ減速しそうだけど、星は言ってみれば巨大なガスのふわふわだから、こすれ合っても大してブレーキがかからない。

13. 海外の名無しさん(>>11への返信)
いずれはそうなるよ。ただ、星の重さ次第で、それが数百万年後か数十億年後かってスケールの話。

14. 海外の名無しさん(>>13への返信)
でも2008年のさそり座の星みたいに、まさに合体の瞬間を見られた例もあるんだよな。たまたま何年も前から観測されてた場所だったっていう運の良さがすごい。

15. 海外の名無しさん
つまり、うちの太陽は連星じゃない、ノンバイナリーってこと?

16. 海外の名無しさん(>>15への返信)
天文学的には正しい分類なのが腹立つ。

17. 海外の名無しさん
アッシュとエンバー、愛してる……(このスレを見て真っ先にあのゲームを思い出した人、絶対いるはず)

18. 海外の名無しさん(>>17への返信)
アウターワイルズ、愛してる!あの2つの星、片方からもう片方へ砂が柱になって流れていくのを初めて見たとき鳥肌が立った。あれは惑星だけど、まさにこのスレの話だよな。

※ 『アウターワイルズ』は2019年発売の宇宙探査ゲーム。作中の「アッシュ・ツイン」と「エンバー・ツイン」は、間近で回り合う双子の惑星として描かれている。

19. 海外の名無しさん
「もう星の話はおしまい!」「ピーナッツいる人ー?」

※ 映画『プリンセス・ブライド・ストーリー』で、韻を踏むのをやめろと叱られた男が、懲りずに韻で返すやり取りのもじり。

20. 海外の名無しさん
それだけ近くで回ってたら、とんでもない量の角運動量を抱えてることになるな。1日足らずで1周って、巨大な星がやる速さじゃないだろ。

21. 海外の名無しさん
まあ星なんて、要するに宇宙に浮かんだでっかい燃える火の玉みたいなもんだしな。

22. 海外の名無しさん(>>21への返信)
正確には「白熱したプラズマのもや」な。昔の歌で太陽を「白熱したガスの塊」って歌ってたら、同じバンドが後で「いや、ガスじゃなくてプラズマだった」って訂正の歌を出したんだよ。

※ 米国のバンド、ゼイ・マイト・ビー・ジャイアンツの曲。科学的な誤りを自分たちで正し直した曲として知られる。

23. 海外の名無しさん
2022年に合体するって予言された星の話、日付の書き方の取り違えで12時間ずれてたのが原因だったんだよな。宇宙のスケールの話が、表計算のミスみたいな理由でひっくり返るのが好き。

まとめ

2つの星が表面を接し、1つのガスの外套を共有してピーナッツ形になる「接触連星」。数百万年から数十億年続くとされ、2008年にはV1309さそり座で実際の合体がとらえられた一方、「2022年に合体」という予言は古い記録の12時間のずれが原因で外れました。コメント欄は豆のダジャレで始まり、ブラックホールの「接触」とは何か、なぜすぐ1つにならないのかという素朴で鋭い疑問へと広がっていきました。

参考資料

元ソース: 今日知った話:2つの星が表面を接するほど近くを回り、1つの大気を共有してピーナッツ形になる「接触連星」

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