『ダークナイト』でバットマンを演じたアカデミー賞俳優、クリスチャン・ベール。ふだん乗っているのは、中古で買ったトヨタのピックアップトラックだという。この話が海外の掲示板で広まると、同じ車に長く乗っている持ち主たちが次々に名乗り出た。本人は実際にどう語っているのか。確かめられた範囲でまとめる。
※注:元スレッドのタイトルは「クリスチャン・ベールは、中古で買った2003年式のトヨタ・タコマに20年以上乗り続けている」。このうち「2003年」「中古」は、本人が2019年のインタビューで口にしている。「20年以上」は、本人が2016年に語った「13年乗っている」から数えた場合の年数で、2019年より後に本人がこの車について語った資料は、記事を書いた時点では確認できなかった。この記事では、本人の発言で確かめられた範囲を事実として扱う。
今日の知ってた?
🚙 俳優クリスチャン・ベールは、中古で買ったトヨタのピックアップトラック「タコマ」に長年乗り続けている、と本人がインタビューで語っている
🗓️ 2016年3月、米ニュースサイトの取材に「中古で買って、もう13年乗っている」と話した(逆算すると、手に入れたのは2003年ごろ)
🎬 2019年、映画『フォードvsフェラーリ』の宣伝中のインタビューでは、聞き手に「2006年のトラック」と言われ、「2003年のだよ。しかも中古だ」と言い直した
🏍️ 気に入っている理由は、荷台にバイクを積めること、傷が付いても気にならないこと、誰も盗もうとしないこと
❓ 今も手放していなければ20年を超える計算になる。ただし、2019年より後に本人が語った資料は確認できていない
背景:トヨタ・タコマとは
タコマは、トヨタ自動車が主に北米で製造・販売しているピックアップトラック(運転席の後ろに、屋根のない荷台が付いた車)である。日本では正規販売されておらず、国内を走っているのは並行輸入された少数だけだ。
源流は、世界各地で売られ、日本でもおなじみのピックアップトラック「ハイラックス」にある。北米ではハイラックスが「トヨタ・トラック」「トヨタ・ピックアップ」といった名前で売られていたが、1995年、その後継として北米向けに新しく開発されたのがタコマだった。英語版ウィキペディアによると、北米ではピックアップトラックを仕事や農作業の道具としてではなく、ふだんの乗用車として使う人が多い。そのためタコマは、頑丈さや積める荷物の重さよりも、乗り心地、操縦性、快適さ、安全性を優先して設計された。車名は、米ワシントン州にそびえるレーニア山を、先住民が呼んでいた名前にちなむ。
初代(1995〜2004年モデル)は「コンパクト」、2代目からはひと回り大きい「ミッドサイズ」に分類される。2003年の車なら初代にあたる。米自動車メディア「The Drive」は写真をもとに、ベールの1台を、改良後の初代(2001〜2003年モデル)で、後輪駆動の「プリランナー」というグレード、エンジンは3.4リッターのV6と見ている。
北米での人気は今も高い。米自動車メディア「TFLtruck」のまとめでは、2025年の米国での販売台数は約27万4600台で、同じ中型ピックアップトラックの中で最も多かった。
コメント欄には、ほかにもトヨタの車名がいくつか出てくる。「4Runner(フォーランナー)」は、日本で2009年まで「ハイラックスサーフ」の名前で売られていたSUVの、海外での名前。「ランドクルーザー」は、日本でもよく知られた四輪駆動車である。
もう少し詳しく
本人は何と言っているのか。The Drive(2022年9月の記事)は、米ニュースサイト「デイリー・ビースト」が2016年3月に載せたインタビューでの発言を、次のように引用している。「バイクが大好きだから、トラックの荷台に積むんだ。実用的だし、友だちはみんな、物を運ぶのにこの車を当てにしている。一度ピックアップトラックを持ったら、ほかの車には戻れないよ。それに、傷が付いたって気にならない。誰も盗もうとしないし、金目の物が積んであるとも思われない。中古で買って、もう13年乗っている」。
2019年には、映画『フォードvsフェラーリ』(ベールは実在のレーサー、ケン・マイルズを演じた)の宣伝中に受けたインタビューの映像が広まった。聞き手が、ハリウッドスターはいちばんいい車に乗っているものだと思われがちだ、と水を向けると、ベールは「何が言いたいの。タコマはいちばんいい車じゃないって?」ととぼけてみせる。聞き手が「2006年のトラック」と言うと、「2003年のだよ。しかも中古だ」と言い直した。聞き手の言葉を受けた訂正なので、車の年式のことと読める。共演のマット・デイモンが「彼がまだあれに乗っている理由を教えよう。いつか荷台にバイクを積めると思っているからだ」と口をはさむと、ベールは、いまはバイクを禁じられているが、いつかまた積める日が来ればと思っている、彼の言うとおりだ、と認めた。
「20年以上」はどこまで確かめられるか。2016年3月の時点で「13年」なので、手に入れたのは2003年ごろになる。2003年の車をそのころ中古で買ったのなら、買ったときはかなり新しかったはずだ。2019年にもまだ乗っていたから、少なくとも16年ほどは乗り続けていたことになる。The Drive は2022年の記事で、ベールがこのトラックと一緒にいるところを長年撮影されてきた、と書いている。今も手放していなければ23年ほどになり、元スレッドのタイトルと合う。ただ、2019年より後に本人が語ったものは見つけられなかった。乗っている期間を「約10年」とする記事もあるが、引用されている本人の言葉は「13年」である。なお、本人は「この1台しか持っていない」とは言っていない。The Drive も、タコマを「ふだん使いの車のひとつ」と書いている。
頑丈さで知られる初代にも、弱点はあった。ベールの1台より少し前の年式の話になるが、トヨタは2008年、1995〜2000年モデルのタコマ約81万台を対象に、車体を支えるフレームがさびて穴があく不具合への保証を15年に延ばした。修理できないほど傷んだ車は、中古車価格の指標で「状態良好」とされる額の1.5倍で買い取る、という対応だった。当時の報道によると、トヨタは、製造時の防錆処理が不十分だったことが原因で、不具合は冬に凍結防止の塩を道路にまく地域にほぼ限られる、と説明している。
里子のきょうだいが一緒に暮らせる「村」。コメント欄では、ベールが里子の支援に取り組んできたことにも触れられている。米国では、親元で暮らせなくなった子どもが里親に預けられるとき、きょうだいが別々の家庭に分かれてしまうことがある。ベールは、妻のシビさんや医師のエリック・エスライリアンさんらと非営利団体「トゥギャザー・カリフォルニア」を立ち上げ、カリフォルニア州ロサンゼルス郡のパームデールに、きょうだいが離ればなれにならずに暮らせる住宅群を作った。地元紙「アンテロープ・バレー・プレス」によると、着工は2024年2月。1戸に里子6人が暮らす住宅が12戸と、約650平方メートルのコミュニティセンターなどを建てる計画で、費用はエスライリアンさんの見積もりで約2200万ドル、大半を寄付でまかなうという。同紙の記事でベールは「ここまで来るのに16年かかった」と話している。FOXテレビのロサンゼルス局によると、2026年9月9日に開所式が開かれた。
海外の反応
1. 海外の名無しさん
この投稿が言いたいのは要するに、タコマはいいトラックで、いつまでも走り続けるってことだろ。
2. 海外の名無しさん(>>1への返信)
この投稿は、トヨタの提供でお送りしました。最新の2027年モデルの試乗は、ぜひお近くの販売店で!(※リースは審査を通過したお客様に限ります。各種条件・適用除外あり)
3. 海外の名無しさん
02年式のいちばん安いグレードのタコマに、もう24年乗ってる。これ以上信頼できる車は想像がつかない。たぶん、自分より長生きするよ。
4. 海外の名無しさん(>>3への返信)
車にまるで興味のない人間がいるってことを、どうして分かってもらえないんだろうね。自分は運がよかったのか馬鹿だったのか、人目を引く高級車に何台か乗っていたことがある。あれは本当に面倒だった。気にしてくるのは男ばかりで、ほぼ全員が、張り合ってくるか、値踏みしてくるか、さりげなく自慢してくるかのどれか。車体を鍵で引っかかれて傷を付けられたのも、一度や二度じゃない。スーパーやショッピングモールの駐車場には、とても停められなかった。今は自分もトヨタのトラックに乗ってる。もう何年もね。すごく気に入ってるよ。ガソリンスタンドで金をせびられることも、張り合ってこられることもなくなった。
5. 海外の名無しさん
気持ちは分かる、あれは頑丈なトラックだからね。うちのは05年式のタコマで、エンジンは4リッターのV6、走行距離は24万マイル(約39万km)。故障ゼロ、大きな修理もゼロ。新しいトラックに買い替える気はあるんだけど、どうせなら車輪が外れるまで乗ろうと思っていて……それなのに、いつまでたっても走り続けるんだ。
6. 海外の名無しさん(>>5への返信)
うちの車は25年ものだよ。新車を買う余裕はある。でも、今の車が問題なく走るのに、苦労して稼いだ金をわざわざ新車に使う理由がない。見た目もまだまともだし、エアコンも窓もちゃんと動く。20年ずっと同じ整備士に面倒を見てもらってる。それに、どこかにぶつけても気に病まずに済む。新車だったら、その日一日が台無しだろ。
7. 海外の名無しさん
この話はもう数えきれないほど見たけど、出どころがRedditじゃないものを一度も見たことがない。本人がそう言ったことはあるの? それとも、タコマを運転しているところを一度撮られただけで、まわりが話を作り上げたの?
(追記)気になって少し調べてみた。2016年に本人が、バイクを運ぶためにタコマを長年持っている、傷が付いても気にならないから気に入っている、と話している。2019年の『フォードvsフェラーリ』の宣伝のときにも、タコマの話をしている。ただ、投稿主の言う「20年以上」、つまり今もその車を持っているのかどうかは、どこを探しても分からなかった。
8. 海外の名無しさん(>>7への返信)
『フォードvsフェラーリ』のころのインタビューで、ネットで広まった場面があるよ。聞き手が「映画スターはいちばん豪華な車に乗っているものでしょう」と言ったら、ベールが気を悪くしたふりをして、自分のタコマを得意げに自慢するんだ。
9. 海外の名無しさん
2003年式に20年以上ということは、中古といっても、手に入れたときはかなり新しかったはずだよね。
10. 海外の名無しさん(>>9への返信)
かなり新しかったとしても、中古を選ぶこと自体が、ハリウッドの人気俳優らしくないと思う。最新型の高級車以外に乗っているのもそう。それにベールは、里親のもとで暮らすきょうだいが離ればなれにならないように、カリフォルニアに「村」を作った人でもある。何年もかけて取り組んできた、本当に立派な目標だよ。財産を子どもたちのために使う人のことは、心から尊敬する。
11. 海外の名無しさん
それだけの資産があったら、自分もたぶん古いタコマに乗るな。……いや、うそをついた。古いランドクルーザーにする。
12. 海外の名無しさん(>>11への返信)
そこが自分とクリスチャン・ベールの違いだな。それだけの金があったら、自分は中古のハイラックスを輸入するよ。
※注:ハイラックスは、北米では1995年にタコマへ切り替わったため、現在の米国では新車で売られていない。
13. 海外の名無しさん(>>11への返信)
年を取って老後の蓄えができてくると、新しい車を買うより、素性のよく分かっている今の車の修理にお金をかけるようになったよ。きちんと手入れをして、ディーラーに修理を任せないようにすれば、そのほうがずっと安く済む。新車でも、新車に近い中古でも楽に買えるんだけど、どんな車に当たるかは乗ってみるまで分からないからね。最後に新しめの車に買い替えたのは、前の車との距離を自動で保ってくれるクルーズコントロールが欲しかったとき。あれは世界が変わる。
14. 海外の名無しさん
何と言われようと、90年代後半から2000年代前半のタコマ、4Runner(日本でいうハイラックスサーフ)、シビック……というより、あのころの車はどれも、デザインと使い勝手の頂点にあったと思う。そのあとに来たのが、タッチパネル、ボタンの廃止、月額料金を払わないと使えない機能、車まるごとのコンピューター化(しかもプラスチック製)。フロントガラス1枚の交換に、「センサーが付いているので」という理由で4,000ドルもかかるようになった。ベールさん、そのタコマはどうか最後まで乗りつぶしてください。
15. 海外の名無しさん(>>14への返信)
タコマは作りからして別物だから、その気持ちはよく分かる。ほとんど手がかからないし、まず壊れない。
16. 海外の名無しさん
本当にいいトラックだし、みんなそれを知っている。うちには2002年式のタコマがあって、走行距離はまだ14万マイル(約22万5000km)。状態もきれいだ。中古車市場では、自分の2013年式ハイランダー(トヨタのSUV)の倍の値段が付く。
17. 海外の名無しさん
信じられないかもしれないけど、車にまったく興味のない人間もいるんだよ。今の車は乗り心地がよくて、行きたい場所まで確実に走ってくれて、必要なことは全部こなしてくれる。長く乗ってきたぶん、隅々まで分かっているという安心感もある。正直、古くなっていつか動かなくなる、ということさえなければ、ずっとこの車に乗っていたい。
18. 海外の名無しさん(>>17への返信)
念のため言っておくと、タコマや4Runnerに乗っている人の大半は、むしろ車にこだわりのある人たちだよ。あの手の車には独特の雰囲気があって、いろんな理由で熱心なファンが大勢いる。
19. 海外の名無しさん
タコマ乗りなら、この話は間違いなくみんな知ってた。ベールが乗っている初代こそ、自分たちの多くがタコマを欲しくなったきっかけなんだ。自分の場合は、同じアパートの住人が乗っていたオフロード仕様のタコマだった。もっと上の世代だと、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のマーティのトラックだね。あれはタコマじゃないけど。
※注:映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(1985年)で主人公マーティが憧れる黒い四輪駆動のピックアップトラックは、1985年式のトヨタ車。北米でタコマの名前が使われるようになる前の、ハイラックスの北米版にあたる。
20. 海外の名無しさん
ポール・アレンのトヨタを見せてもらおうか。
※注:ベール主演の映画『アメリカン・サイコ』(2000年)の有名な場面のもじり。主人公が同僚たちと名刺の出来を競い、「ポール・アレンの名刺を見せてもらおうか」と言って、その出来ばえに動揺する。
21. 海外の名無しさん
いやいや、みんな、これを真に受けちゃだめだろ……。2003年式のタコマを「持っている」のは本当かもしれない。でも、ふだんの足がそれ1台きりだなんて、とても思えないよ。
22. 海外の名無しさん(>>21への返信)
人目を引かないためじゃないかな。クリスチャン・ベールに似た男が、くたびれたタコマを運転しているなんて、誰も思わない。完璧な変装だよ。
23. 海外の名無しさん
だってロサンゼルスだろ。あれだけ穏やかな気候なら、たいていの車は20年くらいもつよ。
24. 海外の名無しさん
へえ。自分はくたびれたホンダのCR-Vにもう30年乗ってるけど、誰も褒めそやしてはくれないな。
25. 海外の名無しさん(>>24への返信)
こっちは1998年式のトヨタ4Runnerに乗ってるんだけど、誰も自分のことは投稿してくれないんだよな。
まとめ
クリスチャン・ベールは、中古で買ったトヨタのピックアップトラック「タコマ」に長年乗っていると、自分の口で語っている。今も乗っていれば20年を超えるが、そこまでは確かめられなかった。コメント欄には「24年乗っている」「走行24万マイルで故障ゼロ」という持ち主の声が並び、「ふだんの足がそれ1台とは思えない」という冷静な指摘もあった。日本では売られていないトヨタ車が、海の向こうで「自分より長生きする」とまで言われている。

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