「8か月のうちに元メンバー3人が亡くなり、3人とも名前はボブだった」フリートウッド・マックの奇妙な偶然

「8か月のうちに元メンバー3人が亡くなり、3人とも名前はボブだった」フリートウッド・マックの奇妙な偶然 音楽・エンタメ

2011年の秋から2012年の初夏にかけて、フリートウッド・マックに在籍したミュージシャンが3人続けて亡くなった。在籍していた時期も国もばらばらで、3つの死のあいだに関係はない。ただ、共通点が一つだけあった。3人とも、名前がボブだった。

※注:フリートウッド・マックは1967年にロンドンで結成されたバンド。1977年のアルバム『噂(Rumours)』が世界的な大ヒットとなり、「Go Your Own Way」「Dreams」などで知られる。ただし結成当初はブルース色の濃い演奏をしていて、デビュー期と全盛期ではメンバーもサウンドもほとんど別のバンドになっている。

今日の知ってた?

🎸 2011年10月18日から2012年6月7日までの8か月足らずのあいだに、フリートウッド・マックに在籍した3人のミュージシャンが相次いで亡くなった。初代ベーシストのボブ・ブランニング(68歳)、1972〜73年に在籍したギタリストのボブ・ウェストン(64歳)、1971〜74年に在籍したボブ・ウェルチ(66歳)。3つの死に互いの関係はなく、共通していたのは名前だけだった。

背景:メンバーが入れ替わり続けたバンド

この話が成立してしまう理由は、フリートウッド・マックというバンドの成り立ちにある。1967年にロンドンで生まれたときの中心はギタリストのピーター・グリーンで、当時はブルースを演奏するバンドだった。そこから数えて、正式メンバーとして名前が挙がるミュージシャンは十数人にのぼる。加入と脱退を繰り返しながら60年近く動き続けた結果、「元メンバー」という肩書きを持つ人がかなりの人数いる、というのが前提としてある。

バンド名は、ドラムのミック・フリートウッドとベースのジョン・マクヴィー、二人の名字を並べたものだ。ところがおかしなことに、名前の由来になったマクヴィーは、バンドが動きはじめた時点ではまだ加入していなかった。前のバンドを辞める踏ん切りがつかず、返事を保留していたのである。その空席を埋めるために呼ばれたのが、一人目のボブ——ボブ・ブランニングだった。

その後、1970年にクリスティン・マクヴィーが加わり、1974年末にリンジー・バッキンガムとスティーヴィー・ニックスが加入して、1977年の『噂』で世界的な成功に届く。デビューから10年で、メンバーもジャンルも国(イギリスからアメリカへ)も入れ替わっていた。3人のボブは、いずれもこの大成功の前に、それぞれ別の時期にバンドを離れている。

もう少し詳しく

ボブ・ブランニング(1943〜2011)——3か月だけの初代ベーシスト。1967年7月から9月まで、ジョン・マクヴィーが加入するまでのつなぎとしてベースを弾いた。デビューシングルと、翌年のファーストアルバム収録曲「Long Grey Mare」に演奏が残っている。バンドを離れたあとは教職に進み、ロンドン南部で3つの学校の校長を務めた。同時にブリティッシュ・ブルースの研究者・書き手としても知られ、1990年にはフリートウッド・マックの公認伝記も執筆している。2011年10月18日、心臓発作で死去。68歳だった。

ボブ・ウェストン(1947〜2012)——バンドを空中分解させた2年足らず。1972年から73年にかけて在籍したギタリストで、アルバム『Penguin』『Mystery to Me』に参加した。スライドギターやバンジョーまで持ち出す器用な奏者で、クリスティン・マクヴィーとのデュエットも残している。ところが1973年のアメリカ・ツアー中、ミック・フリートウッドの妻ジェニー・ボイドとの関係が発覚。フリートウッドが「もう一緒にはやれない」と告げ、ウェストンは脱退、ツアーもそのまま中止になった。2012年1月3日、連絡が取れないことを心配した友人の通報を受けた警察が、ロンドンの自宅で亡くなっている彼を発見した。64歳。病気によるものと報じられている。

ボブ・ウェルチ(1945〜2012)——黄金期の扉を開けて、自分は入らなかった人。1971年から74年まで在籍し、『Future Games』『Bare Trees』など5枚のアルバムに参加した。「Sentimental Lady」「Hypnotized」など自作曲も多い。彼の最大の功績とされているのが、バンドの拠点をイギリスからロサンゼルスへ移すよう強く押したことだ。この移転がなければ、現地でバッキンガムとニックスに出会うこともなく、『噂』も生まれていない。ただし本人は二人の加入直前に脱退している。その後はソロで成功し、1977年のアルバム『French Kiss』はプラチナ、「Sentimental Lady」の再録音版は全米8位を記録した。2012年6月7日、ナッシュビルの自宅で亡くなっているのが見つかった。66歳。その3か月前に受けた脊椎の手術は思うような結果にならず、これ以上の回復は見込めないと医師から告げられていたと報じられている。

※ 3人の死因はそれぞれ異なり、互いに関連はない。時期が重なったことと名前以外に共通点はない。

海外の反応

1. 海外の名無しさん
自分がこの話で一番驚いたのは、名前が揃っていたことより、そもそもフリートウッド・マックにボブが3人もいたことのほうだった。ウェルチしか知らなかった。

2. 海外の名無しさん(>>1への返信)
ウェルチは歌もギターも前に出る役どころだったし、脱退後もソロでヒットを出しているから名前が残っている。ブランニングは3か月、ウェストンも2年に満たない。同じ「元メンバー」でも露出の量が違いすぎる。

3. 海外の名無しさん
そもそもメンバーの出入りが激しすぎるバンドだからな。歴代の在籍者を並べたら十数人になる。母数がそれだけあれば、同じ名前が3人いること自体はそこまで異常な話じゃない。

4. 海外の名無しさん(>>3への返信)
名前の配分でいうと「マック」は二人(ジョンとクリスティン)いて、「フリートウッド」は一人(ミック)しかいない。バンド名の内訳の時点でもう偏っている。

5. 海外の名無しさん(>>4への返信)
どこかの並行世界では「ミック・マック」という名前で活動していたのかもしれない。語呂は悪くないと思う。ただ『噂』が4000万枚売れる名前かと言われると自信はない。

6. 海外の名無しさん
1940年代前後に生まれた英米の男性にとって、ロバートは一、二を争うくらいありふれた名前だった。だから3人揃うこと自体は言うほど珍しくない。奇妙なのは、それが8か月に固まったことのほうだ。

7. 海外の名無しさん(>>6への返信)
確率の話をされてもやっぱり落ち着かないのが人間だと思う。宝くじは誰かに必ず当たると分かっていても、隣の家で3回続いたら理屈より先に眉をひそめる。

8. 海外の名無しさん
いっそバンド名を「フリートウッド・ボブ」にしておけば、こういうときに話が早かったのに。三人ぶんまとめて説明がつく。

9. 海外の名無しさん(>>8への返信)
その名前だと、地元のステーキ屋で今夜も演奏している「ボブズ・ファイアウッド・マック」と区別がつかなくなる。ああいう惜しい名前のコピーバンドは本当にどこにでもいる。

10. 海外の名無しさん
映画『スパイナル・タップ』を思い出した人、正直に手を挙げてほしい。架空のロックバンドに密着したという体裁の作品で、歴代のドラマーが次々と不可解な死に方をしていく設定だった。

11. 海外の名無しさん(>>10への返信)
ここから先はその映画の話です、と先に断っておく。園芸中の不可解な事故、ステージ上での自然発火。死因の欄がとにかく渋滞していた。

12. 海外の名無しさん(>>11への返信)
公式発表では「吐瀉物を喉に詰まらせた」。ただし本人のものではなかった、というくだりがあの映画で一番の名台詞だと思っている。

13. 海外の名無しさん(>>12への返信)
そのあとに「吐瀉物からは指紋が採れないからね」と続けて締めるところまでがセットだ。何度観ても同じところで笑ってしまう。

14. 海外の名無しさん
念のため書いておくと、実際の3人はそれぞれまったく別の事情で亡くなっている。映画のドラマーの話と地続きにしてしまうのは、さすがに違うと思う。

15. 海外の名無しさん
自分が一番驚いたのはブランニングだ。3か月だけベースを弾いて辞めたあと、教師になってロンドンで小学校の校長まで務めている。人生の第二幕が渋すぎる。

16. 海外の名無しさん(>>15への返信)
しかも校長を務めたのは3つの学校。ブリティッシュ・ブルースの研究者としても知られていて、バンドの公認伝記まで書いている。辞めたあとに一番きちんと歴史を残した人かもしれない。

17. 海外の名無しさん
ブランニングの立ち位置がまた切ない。バンド名の由来になるベーシストの返事待ちのあいだの代役として呼ばれて、実際に返事が来たら交代。自分の名字がバンド名に入る可能性は最初からゼロだった。

18. 海外の名無しさん
ウェルチはもっと評価されていい。拠点をロンドンからロサンゼルスに移すよう押したのが彼で、その移転があったからバッキンガムとニックスの加入につながった。つまり『噂』の下地を作った側の人間だ。本人はその直前に抜けているけれど。

19. 海外の名無しさん(>>18への返信)
それなのに1998年にバンドが殿堂入りしたとき、初期メンバーで彼だけ名前が入らなかった。印税をめぐる訴訟のあとだったからだ、と本人はインタビューで語っている。功績と扱いが噛み合わない典型例だと思う。

20. 海外の名無しさん
「Sentimental Lady」がフリートウッド・マック時代の曲だと、この歳になるまで知らなかった。ソロ版しか聴いたことがなかったので、完全に彼一人の作品だと思い込んでいた。

21. 海外の名無しさん(>>20への返信)
元は1972年のアルバム『Bare Trees』に入っていて、ヒットしたソロ版のほうは録り直し。しかもその録り直しにミック・フリートウッドとクリスティン・マクヴィーが参加している。抜けたあとも縁は切れていなかったわけだ。

22. 海外の名無しさん
ウェストンの一件はそれだけで一本の映画になる。ツアー中にドラマーの妻との関係が発覚して脱退、ツアーは中止。挙げ句、翌年にはマネージャーが別のミュージシャンを集めて「フリートウッド・マック」名義のアメリカ・ツアーを強行している。

23. 海外の名無しさん(>>22への返信)
その偽物のほうが困ったことに演奏はうまくて、会場の客はふつうに盛り上がっていたという証言が残っている。おかしいと気づいたのは主催者だけだった、というのが一番おかしい。

24. 海外の名無しさん
この話をきっかけに、久しぶりに『噂』を通しで聴き直した。ついでに『Bare Trees』も。名前が三つ並んだだけの偶然から入って、結局アルバムを掘ることになるのが音楽の話のいいところだと思う。

まとめ

2011年10月18日から2012年6月7日までの8か月足らずのあいだに、フリートウッド・マックに在籍した3人が相次いで亡くなった。3か月だけの初代ベーシストで、その後は小学校の校長になったボブ・ブランニング。2枚のアルバムに参加し、ドラマーの妻との関係でバンドを離れたボブ・ウェストン。バンドをロサンゼルスへ導き、黄金期の下地を作りながら直前に抜けたボブ・ウェルチ。3つの死に互いの関係はなく、時期が重なったこと以外の共通点は名前だけである。コメント欄は「そもそもボブが3人いたことを知らなかった」という驚きから始まり、架空バンドを扱った映画の脱線をひとしきり通ったあと、代役から校長になった男の第二の人生や、殿堂入りに名前が入らなかったウェルチの評価へと流れていった。偶然の一致から入って、気づけばバンドの歴史そのものを掘っている。

元ソース: フリートウッド・マックに在籍した3人が、8か月のあいだに相次いで亡くなっていた。3つの死に互いの関係はなく、3人とも名前はボブだった

コメント