「ゴミ箱がレッドブルの空き缶だらけなら、みんな飲んでるに違いない」そう思わせるために缶を仕込んだという話、本当にあったのか?

「ゴミ箱がレッドブルの空き缶だらけなら、みんな飲んでるに違いない」そう思わせるために缶を仕込んだという話、本当にあったのか? 文化・社会

ゴミ箱の中がレッドブルの空き缶だらけなら、それだけ大勢が飲んでいる人気の飲み物に見える。1990年代、イギリスで売り出したばかりのレッドブルが、中身のない空き缶をわざと街のゴミ箱に入れて回った、という話がある。マーケティングの成功例としてよく語られる逸話だが、レッドブル自身はこの話を公式に認めていない。

今日の知ってた?

🥫 1990年代半ば(よく語られるのは1994年)、レッドブルがイギリスで発売されて間もないころ、中身のない空き缶をロンドンのゴミ箱にわざと入れて回り、「もうみんな飲んでいる」ように見せかけた――という話が、マーケティングの逸話として広く語られている。

ただし、レッドブルはこの話を公式には認めていない。年や、缶を置いた場所(ナイトクラブの周り、駅前、大学の近くなど)も、紹介する記事によってまちまちだ。

背景:レッドブルとは

レッドブルは、オーストリアの飲料メーカーと、その主力商品であるエナジードリンクの名前だ。ルーツはタイにある。創業者のディートリッヒ・マテシッツは1980年代の初め、出張で訪れたタイで、現地で売られていた栄養ドリンク「クラティンデーン」に出会った。時差ボケに効いたのがきっかけだったと伝えられている。クラティンデーンはタイ語で「赤い野牛」の意味で、これを英語にしたのが「レッドブル」だ。

マテシッツはタイの製造元と組んで会社を立ち上げ、味を欧米人の好みに合わせて手直ししたうえで、1987年にオーストリアで発売した。その後1990年代のうちに、ドイツやイギリス、アメリカへと販路を広げていく。イギリスへの進出は1994年ごろとされるが、資料によって1年ほど前後する。

日本とも縁がある。日本語版ウィキペディアによると、クラティンデーンが出たころのタイでは、大正製薬の栄養ドリンク「リポビタンD」が市場をほぼ独占していた。マテシッツ自身も雑誌のインタビューで、商品づくりでは日本のリポビタンDから大きな影響を受けたと語っているという。そのレッドブルが日本で売られ始めたのは、本国での発売から18年後の2005年12月。まずクラブやバーに置かれ、2006年4月から関東・関西のセブン-イレブンに並んだ。2013年3月のキリンビバレッジの発表によると、同社の自動販売機でも5月から売られることになり、当時の日本のエナジードリンク市場は、各社が新商品を出した2012年に772万ケースと、前年の2倍以上に伸びる見込みだった。2025年9月からは、自販機での販売権がサントリー食品インターナショナルに移り、約35万台の自販機で順次扱いが始まっている(日本経済新聞による)。

もう少し詳しく

空っぽのゴミ箱より、あふれたゴミ箱。逸話の筋書きはこうだ。見慣れない缶の飲み物が店に並んでいても、わざわざ手に取る人は少ない。そこで、人が大勢集まる場所のゴミ箱に、飲み終えたように見える空き缶を入れておく。それを目にした人は「あの飲み物、流行ってるのか」と受け取る、という仕掛けである。

「みんなが選んでいるなら、良いものなんだろう」という心理。人は迷ったとき、周りの人の行動を判断の手がかりにしやすい。心理学では「社会的証明」と呼ばれる働きで、空いている店より混んでいる店に入りたくなるのも同じ理屈だ。この逸話がマーケティングの記事でくり返し紹介されるのは、その心理をひと目でわかる形で説明できるからでもある。

本当にやったのかは、はっきりしない。この話は海外のマーケティング系の記事やSNSで何度も取り上げられてきたが、レッドブルが認めたわけではなく、当時の報道や関係者の証言といった裏付けも見つけにくい。紹介する記事によって、年が1993年だったり1994年だったり、缶を置いた場所がゴミ箱だったりクラブ前の歩道だったりと、細部がそろっていない。実話というより、語り継がれるうちに形が整った「伝説」に近いと受け止めておくのがよさそうだ。

確かに続けてきたのは「タダで配る」作戦。一方で、レッドブルが無料配布に力を入れてきたことはよく知られている。大学生を「スチューデント・マーケター」として雇い、キャンパスで試飲を広めてもらう仕組みは、いまも公式の求人ページで募集が続いている。屋根に巨大な缶の模型を載せた小型車のミニで街を回り、試飲用の缶を配って歩く部隊も、あちこちの国で見かける。エクストリームスポーツの大会を自ら主催するなど、広告枠を買うだけではない売り込み方で知られる会社でもある。

学生マーケターは発売の年から。レッドブルの公式サイトによると、2025年に世界で売れたレッドブルは139億6900万缶。それだけの規模になっても、地道な配布はやめていない。公式の求人ページによると、大学生に「翼を授ける」この仕組みは発売と同じ1987年から続いていて、いまは世界で4,000人を超える「スチューデント・マーケター」が、キャンパスの内外でブランドを広めている。配って回るミニのほうにも仕掛けがある。日本語版ウィキペディアによると、屋根の巨大な缶は飾りで、その下には製品を400〜480本ほど冷やしたまま運べる冷蔵庫が積んである。日本の車はナンバーがすべて「・283」で、キャッチコピー「レッドブル、翼を授ける。」の「つばさ」にかけてあるという。

「翼を授ける」をめぐる裁判。宣伝のうまさで知られる会社だが、その宣伝文句が裁判になったこともある。2014年10月の英BBCによると、アメリカの消費者が2013年、「レッドブル、翼を授ける」という宣伝は不正確だとして訴えた。本当に羽が生えるという意味でないのは当然で、普通のコーヒー1杯より元気が出ると受け取られる宣伝なのに、それが事実と違う、という主張だった。レッドブルは和解に応じ、2002年から2014年までにアメリカで買った人に、10ドルの現金か15ドル分の製品を渡すことになった。総額は1300万ドルとみられた。ただし会社は「訴訟の費用と手間を避けるため」の和解だとして、宣伝や表示は常に正確だったと非を認めていない。

海外の反応

1. 海外の名無しさん
10年くらい前のクリスマス直前、ウェストバージニア州の高速道路沿いの休憩所に寄ったら、駐車場でレッドブルをタダで配ってた。長距離を運転してる人ばかりの場所で配るなんて、うまいこと考えるなと感心したよ。

2. 海外の名無しさん(>>1への返信)
それよりもうちょっと前の話だけど、うちの大学のキャンパスにはレッドブルの車が回ってきて、天使の羽をつけたきれいなお姉さん2人が缶を配ってたな。

3. 海外の名無しさん(>>2への返信)
オーストラリアでも見かけるよ。ミニを改造したような車で、屋根にでっかいレッドブルの缶が載ってるやつ。音楽フェスなんかでは今も普通に配ってる。さすがに羽はもうつけてないけど。

4. 海外の名無しさん(>>2への返信)
アイダホ州のボイシ州立大学にも配りに来てた。しかも473mlの大きい缶。体重54kgで、カフェインにほとんど慣れてなかった当時の自分には強すぎて、その晩はずっと天井を見つめてた。

5. 海外の名無しさん(>>2への返信)
15年前、大学でレッドブルの「学生ブランドマネージャー」(学内でレッドブルを広める係)をやってた。時給10ドルで週10時間、パーティーやイベントやライブで缶を配る仕事。給料は安かったけど、人生でいちばん楽しいバイトだった。
学生の社交クラブが集まるイベント週間には、会社からDJブースと缶1000本が送られてきた。ところがブースを使うには結局DJを自腹で雇うはめになって、最後は警察が来て缶を押収された。で、クビになった。まあ仕方ない。
追記:ちなみに俺はきれいなお姉さんじゃなくて、35歳の男です。DMはもう送ってこないでください。

6. 海外の名無しさん(>>1への返信)
タバコ会社も昔はバーやライブハウスで同じことをやってたよ。自分はマルボロ派だけど、キャメルを2箱タダでくれるって言われたら、忠誠心なんてその場で消える。今はたぶん法律でアウトだろうな。

7. 海外の名無しさん
まだそこまで有名じゃなかったころは、屋根に巨大な缶を載せた車で走り回って、店やバーやレストランに何ケースもタダで置いていってたよね。あの飲み物を広めようと、本気で手間をかけてたのがわかる。

8. 海外の名無しさん(>>7への返信)
25年くらい前、地元の小さなスキー場にも配りに来てた。自分ときょうだいはどっちもまだ10歳くらいで、「なにこれ、まずい!」って大嫌いだったんだよな。今では大好物なんだけど。

9. 海外の名無しさん
ビーチで水着姿のレッドブルガールズが缶を配ってた。みんな感じがよくて、きれいな人たちだった。一緒にいた彼女もそこにはしっかり気づいてたみたいで、あとから何回か……いや、何千回かその話を蒸し返された。

10. 海外の名無しさん(>>9への返信)
自分もこの前ビーチで配ってるのを見たけど、若くて見た目のいい人にしか渡してなかった。……俺はもらえなかった。

11. 海外の名無しさん
2000年代の初めに、大学生を雇ってクラスメートにひたすら配らせたのが、成功の大きな理由だと思う。あの会社のマーケティングは、昔からどこか一枚上手なんだよな。

12. 海外の名無しさん(>>11への返信)
それ、今もちゃんと続いてるよ。公式の求人ページに「スチューデント・マーケター」って名前で、キャンパスでレッドブルを広める学生の募集が載ってる。

13. 海外の名無しさん
昔は大学生にケースごと渡して、パーティーで配らせてたって話を聞いたことがある。条件は「タダでもらったとは言わないこと」。たぶん、みんながお金を出して買うほど人気なんだと思わせたかったんだろうね。ゴミ箱の空き缶と発想は同じだ。

14. 海外の名無しさん(>>13への返信)
友だちが学生の社交クラブに入ってて、モンスターエナジーを25ケースくらいもらってた。そのうち15ケースは、俺たちが自分らのパーティー用に持っていった。あいつ、クラブ活動にはあんまり熱心じゃなかったんだよな。

15. 海外の名無しさん
この話、マーケティングの記事では定番だけど、本当にやったっていうソースってあるのかな。レッドブル側が認めたって話は聞いたことがないし、年も場所も紹介する人によって微妙に違う気がする。

16. 海外の名無しさん(>>15への返信)
作り話だったとしても、30年たってもこうやって語られてる時点で、宣伝としては大成功なんだよな。空いてる店より混んでる店に入りたくなるのと同じで、理屈としては誰でも納得できるし。

17. 海外の名無しさん
ミシガン州でやってたら最高だったのに。あそこは空き缶を返すと1本10セント戻ってくるから、ゴミ箱が宝の山になる。

18. 海外の名無しさん(>>17への返信)
『となりのサインフェルド』(アメリカの人気コメディ)で、クレイマーとニューマンが空き缶を集めてミシガンまで運ぼうとする回があったな。あの2人ならこのゴミ箱を見逃さない。

19. 海外の名無しさん(>>17への返信)
厳密には、ミシガン州内で買った缶じゃないとお金は戻ってこないはずだけどね。まずレッドブルがどこで缶を仕入れたかを調べるところから始めないと。

20. 海外の名無しさん
レッドブルなんて、大学に入るまで見たこともなかったよ。1994年なんてそれよりずっと前だし、そんなに昔からある飲み物だったのか。

21. 海外の名無しさん(>>20への返信)
それはお前がゴミ箱の中をちゃんと見てなかったからだよ(こめかみを指でトントン)。

22. 海外の名無しさん(>>20への返信)
アメリカで売られるようになったのは90年代の後半だから、アメリカにいたならそう感じるのも当然だと思う。空き缶の話も、舞台はイギリスってことになってるし。

23. 海外の名無しさん
2001年、空軍のIT担当としてボスニアに派遣されてた。当時はマウンテンデューが大好きだったんだけど、向こうじゃ1缶1ドル以上するうえに、しょっちゅう売り切れる。そんなとき、イタリア兵がレッドブルを1本くれたんだ。基地内のドイツ系の売店だとレッドブルは1缶20セントくらいで、すっかりハマった。
ところが任務を終えてミシシッピ州のビロクシに戻ったら、レッドブルを置いてる店はガソリンスタンドが1軒だけ。毎回在庫を買い占めるもんだから、しまいには店長と会って追加の発注を相談するようになった。楽しい時代だったよ。

24. 海外の名無しさん
大学で教授との面談を待ってたときの話。待合スペースのテーブルに雑誌や本が置いてあって、暇つぶしに1冊開いたら、中をくり抜いた偽物の本で、レッドブルが2缶入ってた。販売員もいない、ただ本の中に缶が隠してあるだけ。強烈に印象に残ったし、その週のマーケティングの授業では、まさにこの宣伝のやり方が話題になった。

25. 海外の名無しさん
自分の画面だと、この投稿のすぐ下にレッドブルの広告が出てきて笑った。宣伝にとんでもない額をかけてるって聞くけど、こういうことか。昔の話を読んでるだけなのに、しっかり逃げ道をふさがれてる。

まとめ

1990年代半ばのイギリスで、レッドブルが空き缶をゴミ箱に仕込んで人気を演出した――広く語られるこの話は、レッドブルが公式に認めておらず、細部も語り手によって違う「伝説」に近い。一方、巨大な缶を載せた車や学生スタッフによる無料配布は実際に続いてきた作戦で、コメント欄にはタダでもらった思い出や、配る側だった人の失敗談が次々と寄せられた。

参考資料

元ソース: 「1994年、レッドブルは空き缶をゴミ箱に入れておく宣伝キャンペーンをしていた」という海外掲示板の投稿

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