RSSヘッドライン

「脱線した機関車を、画面に入ってきた大きな手が線路に戻した」1953年の生放送、映像は一秒も残っていない

「脱線した機関車を、画面に入ってきた大きな手が線路に戻した」1953年の生放送、映像は一秒も残っていない 技術・発明

1953年、イギリスのBBCが子ども向けにある特別番組を生放送した。原作は、日本でも「きかんしゃトーマス」でおなじみの、あの機関車たちの絵本シリーズ。撮影に使われたのは小さな模型だった。そして本番中、その模型が線路から外れた。生放送である。次の瞬間、画面には大きな人間の手がぬっと入ってきて、機関車を線路に戻したという。しかもこの放送、映像は一秒も残っていない。

※注:「失われたメディア(ロストメディア)」とは、確かに公開されたはずなのに、現物が一つも見つかっていない映像や音声のこと。近年はネット上の有志が古い資料を持ち寄って捜索している。

今日の知ってた?

📏 1953年にBBCで生放送された機関車の特番で、模型が脱線し、人間の手が画面に入って線路に戻した——とされる。語り手はその間、必死に話をつないだという。放送の録画は残っておらず、それが実際に放送された数少ない証拠のひとつが、当時の新聞「デイリー・ヘラルド」の記事の切り抜きだけ、という話だ。

背景:テレビがまだ「その場限り」だった時代

原作となった絵本シリーズは、イギリスの牧師ウィルバート・オードリーが1940年代半ばから書き始めたもので、テレビ番組より本のほうがずっと先にある。1953年といえば、エリザベス女王の戴冠式が中継され、イギリスの家庭にテレビが一気に広がっていった年だ。つまりこの特番は、テレビというものがまだ「生放送で流れて、そのまま消えていくもの」だった時代の産物になる。当時は録画技術そのものが高価で、番組を残すという発想が制作側にも視聴者側にもほとんどなかった。だから「あの日あれを見た」という記憶と、新聞の記事だけが後に残る。

もう少し詳しく

元スレのタイトルには、コメント欄から訂正が入った。海外の掲示板で話題になったときの見出しは「トーマスの生放送特番」だったのだが、ファンサイトの資料を持ち出した人によれば、番組の題名は『3だいの機関車』にあたるもので、トーマス自身はこの放送に登場していなかったらしい。脱線したのはヘンリーという別の機関車で、しかもその回は、原作で最も暗い話として知られる「かわいそうなヘンリー」——言うことを聞かない機関車が、罰としてトンネルにレンガで塗り込められてしまう話——だったという。よりによってその回で本物の事故が起きた、というわけだ。

語り手は誰だったのか。この手の話が出ると英語圏では必ず「ナレーションはリンゴ・スターだったのか」という冗談が出るのだが、彼が語りを担当したのは1984年に始まった新しいシリーズのほうで、1953年当時はまだ十代だった。この生放送の語りを務めたのは、当時の子ども番組でおなじみだったジュリア・ラングだったとされる。脱線した数秒間、彼女が何を言ってその場をしのいだのか——記録が残っていないので、誰にも分からない。

そして肝心なのは、確かめる手段がないということ。BBCは初期の番組を大量に失っている。テープやフィルムが高価だったため、使い回しや廃棄が当たり前に行われ、後年になって「あれもこれも残っていない」と気づく事態になった。この特番も例外ではなく、映像は現存しない。残っているのは新聞記事と、断片的な記録写真とされるものだけ。だからこの話は「確実にこうだった」と言い切れる部分が驚くほど少なく、それがかえって、いろんな人の想像力に火をつけている。

海外の反応

1. 海外の名無しさん
鉄道模型をやってる人間にとっては、これずっと昔からある冗談なんだよ。脱線した車両を戻すために上から降りてくるでかい手のことを、みんな「神の手」と呼んでる。まさかそれが1953年の生放送で全国に披露されていたとは。

2. 海外の名無しさん(>>1への返信)
「もし神が実在するとして、その神は鉄道のことにしか興味がない」って考えると、急に世界の見え方が整理されてくるな。脱線したときだけ手を差し伸べてくれる神、悪くないと思う。

3. 海外の名無しさん(>>1への返信)
原作を書いたのはそもそも牧師なんだから、公式設定として「神の手が助けた」で押し通せたはずなんだよな。生放送の事故を教義で処理できる児童番組、たぶん後にも先にもこれだけだと思う。

4. 海外の名無しさん
BBCは昔、テープが高いという理由でモンティ・パイソンの唯一のテープに上書きしようとしたことがある。それを知ったテリー・ギリアムが全部買い取って難を逃れた。しかも支払った額は、新品のテープ代とほぼ同じだったらしい。

5. 海外の名無しさん(>>4への返信)
それがあの時代のBBCの標準だったからな。フィルム代を惜しんで消された番組が山ほどある。人気コメディのシリーズがまるごと消えたなんて話も普通に出てくる。今から思うと信じられない判断だよ。

6. 海外の名無しさん
消えた番組といえば、行方不明のドクター・フーの回を探す活動が今も続いてる。世界のどこかの倉庫や個人のコレクションから、忘れられた頃にひょっこり出てくることがあるんだよ。

7. 海外の名無しさん(>>6への返信)
海外の放送局に送られたコピーが生き延びてるパターンだよな。オーストラリアやナイジェリアの局の棚から見つかったり、廃棄する代わりに持ち帰った職員の家から出てきたり。捨てなかった人が結果的に文化を守ってる。

8. 海外の名無しさん
イギリスの警察ドラマなんて、全800話のうち400話以上が残っていないと言われてる。数字を見た瞬間に、これは「何本か紛失した」って話じゃなくて「半分の記憶が丸ごと消えた」って話なんだと分かった。

9. 海外の名無しさん
生放送でこう言ったんじゃないかと勝手に想像してる。「そして——ああ、なんということでしょう、ヘンリーは線路から外れてしまいました。しかし優しい巨人がそっと手を差し伸べ、彼をもとの線路の上に戻してくれたのです」

10. 海外の名無しさん(>>9への返信)
それを本番の数秒でひねり出せたなら語り手は天才だし、ひねり出せなくて黙り込んだのだとしたら、それはそれで見てみたかった。どっちだったのか永遠に分からないのがつらいところ。

11. 海外の名無しさん
このとき13歳だったリンゴ・スターは、何と言えばいいのかまるで分からなかっただろうな。あの落ち着いた声で「まあ、こういうこともありますよね」って言われる場面を想像してしまった。

12. 海外の名無しさん(>>11への返信)
一応補足しておくと、リンゴが語りをやったのは1984年から始まった新しいシリーズのほう。1953年の放送で語っていたのはジュリア・ラングという別の人だとされてる。混同されがちなので念のため。

13. 海外の名無しさん(>>12への返信)
書いた本人はもちろん冗談のつもりだったと思うけど、こういう補足があると助かる人は絶対いるからありがたい。おかげでこの番組の年齢を今日はじめてちゃんと理解した。

14. 海外の名無しさん
「おまえは混乱と遅延を引き起こし、さらに視聴者が物語を信じる気持ちまで壊した」って、あの太った偉い人に叱られる場面が完全に頭に浮かんだ。罰として本当にトンネルに塗り込められそう。

15. 海外の名無しさん
ちょっと詳しい話をすると、この放送の題名は『3だいの機関車』のほうで、トーマスは実は一度も出ていないらしい。そして脱線したのはヘンリーで、放送されていたのは彼がトンネルに塗り込められる、あの陰気な回だったという。

16. 海外の名無しさん(>>15への返信)
三十年ぶりにあの話を思い出したけど、子ども向けとしてはもともと相当に重い筋書きなんだよな。それが生放送中に物理的にも崩壊したと考えると、出来すぎていて逆に笑ってしまう。

17. 海外の名無しさん
正直に言うと、新聞の切り抜き一枚しか証拠がないというのが引っかかってる。当時の記者が現場を見ずに面白おかしく書いた可能性だって残るわけで、細部まで本当だったかは誰にも確かめようがない。

18. 海外の名無しさん(>>17への返信)
その慎重さは正しいと思う。ただファンの資料サイトには当時の記録写真とされるものも並んでいて、放送があったこと自体はだいぶ裏が取れてきているらしい。手が映った瞬間の映像だけが、どうしても出てこない。

19. 海外の名無しさん
当時のテレビは「消費するもの」ではなく「体験するもの」だったんだと思う。後から見返す文化がそもそも存在しないなら、テープを取っておく理由も生まれない。腹は立つけど、当時の判断としては筋が通ってはいた。

20. 海外の名無しさん
やり直しが一切きかない放送って、作る側にとっては地獄だけど見る側には最高だったんだろうな。今のように何度でも撮り直せる時代には、こういう伝説はもう生まれようがない。

21. 海外の名無しさん
原作者は模型や線路の細部にうるさい人だったと聞くから、この事故を見ていたなら相当に腹を立てたはずだ。放送後に局へ手紙を書いていたとしても、まったく驚かない。

22. 海外の名無しさん
映像が残っていないおかげで、この話はいつまでも各自の頭の中で最高の形で再生され続けるんだよな。実際に見たら案外あっさりしていて拍子抜けするかもしれない。残っていないことが、この話のいちばんいいところなのかもしれない。

まとめ

1953年、BBCの生放送で模型の機関車が脱線し、人間の手が画面に入ってそれを線路に戻した——という話。番組の録画は現存せず、それを裏づける数少ない材料が当時の新聞記事の切り抜きだった、というところがこの話の芯になっている。コメント欄では、鉄道模型の世界で昔から「神の手」と呼ばれてきた冗談に沸く人、初期のBBCが大量の番組を消してしまった歴史を悔しがる人、そして「証拠が一枚の切り抜きだけなら細部までは信じきれない」と冷静に線を引く人が並んだ。最後にはむしろ、残っていないからこそ各自の想像の中で完璧に再生され続けるのだ、という妙に納得のいく結論に落ち着いていた。

元ソース: 1953年にBBCで生放送された機関車の特番で模型が脱線し、人間の手が線路に戻した。その放送は現存していない

コメント