台所に出たネズミを追い払うのに、なぜ昔から「毒(殺鼠剤)」が定番なのでしょうか。その効きめの裏には、ネズミの体の意外な特徴が隠れています。じつはネズミは、哺乳類のなかでも数少ない「吐けない動物」。一度飲み込んだ毒を、自分の力で外に出すことができないのです。
今日の知ってた?
🐀 ネズミ(と多くのげっ歯類)は、嘔吐ができない数少ない哺乳類。飲み込んだ毒を吐き戻して助かる、という芸当ができないため、体内に入った毒はそのまま効き続ける。これが殺鼠剤がよく効く理由の一つです。
背景:ネズミはなぜ吐けない?
嘔吐は、じつは高度に組み立てられた反射です。脳(延髄)にある嘔吐中枢が、横隔膜・腹筋・胃の動きを一気に協調させ、胃の中身を一気に逆流させる。ところがネズミには、この嘔吐を引き起こしてまとめ上げるための神経の「配線」がそもそも備わっていません。加えて体の作りも吐き戻しに向いておらず、胃の入り口(噴門※)の筋肉がとても強く、食道も長いため、いったん入った物を上へ押し戻す圧力をかけにくいのです。神経と構造の両面から、ネズミは「吐けない」体になっている、というわけです。ちなみに馬も吐けない哺乳類として有名で、こちらは噴門の筋肉が強すぎることが主な理由とされています。
※ 噴門:胃の入り口、食道と胃のつなぎ目のこと。
もう少し詳しく
「慎重な食べ方」との合わせ技。ネズミは新しい餌に強い警戒心(新奇恐怖)を持ち、まずはほんの少しだけ味見して、体調を崩さなければ後日また食べに来ます。この習性のおかげで、口にした直後に気分が悪くなるような即効性の毒は「これは危ない」と学習されて避けられてしまう。そこで長く使われてきたのが、ワルファリンに代表される抗凝固系の殺鼠剤です。少しずつ体に溜まって数日かけて内出血を起こすため、ネズミは毒と体調不良を結びつけられず、警戒せずに何度も食べてしまう。しかも吐き戻せないので、いったん十分な量を口にすればもう手遅れ、というわけです。
殺鼠剤が世界的な薬になった話。このワルファリン、もとをたどると1940年代のアメリカで、腐った牧草(スイートクローバー)を食べた牛が次々と出血死する謎の病気の原因物質から生まれました。研究チームがその成分を突き止め、殺鼠剤として実用化したのが始まりです。その後、ある兵士がワルファリンで自殺を図って失敗し、ビタミンK(解毒剤)で回復した出来事をきっかけに「人間にも安全に使えるのでは」と臨床応用が進みます。心臓発作を起こしたアイゼンハワー米大統領の治療に使われたことでも知られ、いまや血液を固まりにくくする薬の定番として世界中で処方されています(WHOの必須医薬品リストにも入っています)。ネズミを殺す毒と、人の命を救う薬。その境界がこれほど薄いというのは、なかなか考えさせられる話です。
海外の反応
1. 海外の名無しさん
そもそも「吐けない哺乳類」ってけっこういて、馬もその一つなんだよね。人間みたいに、ヤバい物を食べても吐き出して助かる、っていう芸当ができない生き物なんだ。
2. 海外の名無しさん(>>1への返信)
だから馬用の毒は馬によく効くわけだ。……って、よく考えたら当たり前のことを言ってるだけだったな。すまん。
3. 海外の名無しさん(>>1への返信)
馬って本当に設計がガバガバすぎない?吐けない、脚を一本痛めただけで命に関わる、消化器官も弱い。よく今まで絶滅しなかったもんだと逆に感心するよ。
4. 海外の名無しさん
ネズミが賢いのは食べ方にも出てて、新しい餌はまず少しだけかじって、体調が悪くならなければ後日また戻ってくる。だから即効性の毒だと「これは危険だ」と学習して二度と口にしないんだ。
5. 海外の名無しさん(>>4への返信)
なるほど、それでジワジワ効くタイプの毒が主流なのか。一回目では気づかないうちに体に蓄積していく仕組みなんだね。ネズミの賢さを完全に逆手に取ってるわけだ。
6. 海外の名無しさん
実はネズミ捕りの毒だったワルファリンが、いまや世界で一番使われてる血液サラサラ薬なんだよね。毒と薬は紙一重ってこういうことか、と読んでいて妙に納得した。
7. 海外の名無しさん(>>6への返信)
しかも心臓発作のあとのアイゼンハワー大統領が使ってた薬でもあるらしいよ。殺鼠剤から大統領を救う薬へ、って冷静に考えるとすごい出世物語だ。
8. 海外の名無しさん
最近のネズミはワルファリンへの耐性がついてきていて、昔ほど効かない個体が世界中で増えてるんだって。まさにイタチごっこ、いや、ネズミごっこか。
9. 海外の名無しさん(>>8への返信)
それもあって最近は、繁殖そのものを抑えるタイプの薬や、天敵に二次被害が出にくい方式が研究されてるみたい。毒でゴリ押しする時代じゃなくなってきてるんだね。
10. 海外の名無しさん
げっ歯類はほとんど全部吐けないんだけど、ジャコウネズミだけは吐けるらしくて、そのおかげで吐き気止めの研究にひっぱりだこなんだって。地味にすごく働いてるんだな。
11. 海外の名無しさん(>>10への返信)
「ネズミ」って名前がついてるけど、ジャコウネズミは実はげっ歯類じゃないんだよね。どちらかというとモグラの仲間に近い。名前にまんまと騙されるやつ。
12. 海外の名無しさん
えっ、じゃあネズミって喉の「オエッ」ってなる反射が無いってこと…?想像したら自分の喉のあたりまで妙にざわざわしてきた。落ち着かない。
13. 海外の名無しさん(>>12への返信)
逆に言えば、どんなにマズい物でも一度飲み込んだら二度と戻せないってことだからね。人間の「オエッ」がどれだけ命を守ってくれてるか、改めて実感するよ。
14. 海外の名無しさん
ふと真面目に気になったんだけど、ネズミって気持ち悪くなったとき一体どうするの?吐けないなら、あの最悪な不快感を延々と我慢するしかないわけでしょ。
15. 海外の名無しさん(>>14への返信)
病院に行くしかないよね。まあネズミ専門の内科があるのかどうかは知らないけど、行けるものなら本人だってとっくに行ってると思うよ。
16. 海外の名無しさん(>>14への返信)
答え:ひたすら耐える。だからこそ最初の「毒見」であそこまで慎重になる方向に進化したわけで、話が全部きれいに一本の線でつながってるんだよな。
17. 海外の名無しさん
ネズミはゲップも出来ないらしいよ。だからどんなに可愛い顔でおねだりされても、僕のビールを一口だけ分けてあげるわけにはいかないんだ。ごめんな。
18. 海外の名無しさん
「乾いた生米を食べさせるとネズミの胃が膨らんで破裂する」って話、あれ完全なデマだからね。ネズミは頑丈な歯で米を細かくすり潰してから飲み込むから、普通に消化しちゃう。
19. 海外の名無しさん(>>18への返信)
助かった、危うく残酷なうえに効きもしない方法を信じるところだった。この手のデマって、なぜか妙にリアルな設定つきで広まるから厄介なんだよな。
20. 海外の名無しさん
昔ペットのネズミを飼ってたんだけど、喉に何か詰まらせたとき用に「体を勢いよく振る」っていうネズミ版ハイムリッヒ法があるんだよ。ソースは元飼い主の私。
21. 海外の名無しさん(>>20への返信)
元飼い主の実体験ソース、いちばん説得力あるやつだ。正直、獣医の論文より先にこっちを信じてしまう自分がいる。
22. 海外の名無しさん
もし人間がペットや実験動物として役立ててなかったら、ネズミも「美味しくて食べられる大型動物」みたいにとっくに絶滅してた…とはならないか。あいつら本当にしぶといからな。
23. 海外の名無しさん
「馬のように健康」ってことわざを考えた人、絶対いいクスリでもキメてただろ。吐けないし脚を折ったら死ぬ生き物の、どのあたりが健康の象徴なんだよ。
24. 海外の名無しさん
研究によると、ネズミが吐けないのは「自分の口に入れた物が美味しくないかもしれない」という可能性を脳が受け入れられないからだそうだ。食い意地だけで生きてる。
25. 海外の名無しさん
さっそく明日、職場で雑学として披露させてもらおう。「ネズミは吐けない」から始まる話、殺鼠剤から大統領の薬まで、意外と深いところまで潜っていけるぞ。
まとめ
ネズミが殺鼠剤に弱いのは、単に「毒に弱い」からではなく、飲み込んだ物を吐き戻せない体のつくりと、慎重すぎる食べ方という二つの特徴が重なった結果でした。しかも、その代表的な毒であるワルファリンは、いまや世界中で使われる血液の薬でもある——毒と薬の境界の薄さには驚かされます。コメント欄も「吐けない体って想像すると落ち着かない」「馬の設計もひどい」という素朴な驚きと、殺鼠剤が薬になった逆転劇への感心でにぎわっていました。台所の小さな侵入者にも、知れば知るほど奥深い生き物の理屈が詰まっているようです。

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