アメリカで人気の鉄板焼きレストラン「ベニハナ」。シェフが目の前でエビを宙に放り、卵を片手でくるくる回し、火柱を上げる――あの派手なショーを、英語圏では当たり前のように「hibachi(ヒバチ)」と呼ぶ。ところが日本語の「火鉢」は、本来は炭を入れて手をかざす暖房器具のこと。料理する道具ではないのだ。この“ちょっとした勘違い”が海外の掲示板で2,600以上の支持を集め、コメント欄は言葉の壮大なすれ違い大会になっていた。
※注:ベニハナは1964年にニューヨークで創業した、シェフが客席の鉄板で調理パフォーマンスを見せる日本食レストランチェーンのこと。
今日の知ってた?
📏 英語圏で「hibachi(火鉢)レストラン」と呼ばれる店は、実は道具の名前を取り違えている。火鉢は炭で暖を取る暖房器具であって調理用ではなく、炭火で焼くのは七輪。ベニハナが使う平らな金属の台は鉄板なので、正確には「鉄板焼き(teppanyaki)レストラン」と呼ぶべき、という話。
背景:火鉢・七輪・鉄板はどう違う?
三つとも炭や火が関わる道具だが、役割はまるで別物だ。火鉢は陶器や木の箱に灰を敷き、炭を埋めて暖を取るための調度品。冬場に手をかざしたり、上にやかんを置いて湯を沸かす程度のことはあっても、その上で肉や野菜を焼くようには作られていない。一方、本格的に網で食材を焼くための炭火コンロが七輪。そしてベニハナのシェフが包丁を振るうのは、炭ではなくガスや電気で熱する大きな鉄板で、これを使った料理が「鉄板焼き」だ。つまり「hibachi」と呼ぶのは、暖房器具の名前で焼肉店を指しているようなもの、というわけである。
もう少し詳しく
なぜアメリカで「火鉢」の名が定着したのか。諸説あるが、ベニハナのような店が広まった時代に、客席で炭火を使う卓上コンロ(七輪に近いもの)も「hibachi grill」として一緒に売られ、「日本風の鉄板コンロ=hibachi」というイメージが混ざって広まった、というのが有力な見方だ。面白いのは、当のベニハナ自身が公式サイトやメニューで堂々と「sizzling hibachi favorites」「5-Course Hibachi Entrées」と書いていること。つまり“間違い”を本家が公式採用してしまっている。
地域差も大きい。コメント欄では「西海岸やニューヨークでは teppanyaki と呼ぶ」「火鉢呼びは南部や中西部に多い」といった証言が相次いだ。日系移民が多いハワイでは「teppanyaki」が一般的で、こちらでは「hibachi」はビーチや庭で使う小型コンロを指すという。同じ国の中ですら呼び名が割れているのだ。
海外の反応
1. 海外の名無しさん
ようこそ、素晴らしき「外来語」の世界へ。ある言葉が別の言語に入ると、元の意味を失い、一部のうるさ型を激怒させる。君もよく知ってる例があるよ。「decimate」だ。ラテン語では「十分の一を取り除く」って意味なのに、英語では「壊滅させる」になってる。だから火鉢は「正しくもあり、間違ってもいる」。面白いだろ?
2. 海外の名無しさん(>>1への返信)
「チャイティーって“お茶お茶”って言ってるだけじゃん!!」とか得意げに言う連中、言語が違えば言葉の意味も違うって発想がないんだよな。
3. 海外の名無しさん(>>2への返信)
「チャイ=お茶」「ナン=パン」を理由にチャイとナンを注文してくる客には、スナップル(清涼飲料)とベーグルを出してやることにしてる。文句あるか。
4. 海外の名無しさん(>>2への返信)
自分にとってバーガーは「焼いた挽き肉のパティをパンに挟んだもの」。鶏のひと切れを挟んだらそれはチキンサンドだ。なのに世界の一部は挽き肉でもないのに「チキンバーガー」と呼ぶ。狂気だよ!(※半分冗談です)
5. 海外の名無しさん(>>4への返信)
冗談抜きで君は正しい。ターキーバーガーは挽いた七面鳥、黒豆バーガーは潰した豆。でもフィッシュサンドやチキンサンドはひと切れの肉だろ。パティが入ってこそバーガーだ。そうじゃないなら俺の昼飯も「ピーナッツバター&ジェリーバーガー」になっちゃうぞ。
6. 海外の名無しさん
うちの近所のレストランは、ちゃんと自分のことを「teppanyaki(鉄板焼き)レストラン」って看板に出してるよ。
7. 海外の名無しさん(>>6への返信)
だよね、別に珍しいことでもない。きちんと呼んでる店はちゃんとある。
8. 海外の名無しさん(>>6への返信)
ディズニーワールドのエプコット(※テーマパーク内の各国パビリオン)の日本エリアにあるこの手の店は「Teppan Edo(鉄板江戸)」って名前で、正しい呼び方を使ってる。味も本当に美味いから、行く機会があったら寄ってみて。
9. 海外の名無しさん(>>6への返信)
オーストラリアでも「teppanyaki」って呼ぶよ。「hibachi」の語を見るのは、実際にバーベキューコンロが売られてるときくらいだな。
10. 海外の名無しさん
アジアで育ったけど、日本食レストランはどこでも「teppanyaki」って呼ばれてた。逆に「hibachi」って聞かれても、現地の人は何のことだか分からないと思う。
11. 海外の名無しさん
アメリカ在住。これまで4つの州に住んだけど、どこでも「teppanyaki レストラン」って呼んでた。同じアメリカでも地域によるみたいだね。
12. 海外の名無しさん(>>11への返信)
火鉢呼びは東アジア系移民が少ない南部や中西部に多い印象。西海岸では teppanyaki が普通で、南部に行くまで hibachi なんて聞いたこともなかった。ニューヨークでも teppanyaki のほうをよく見るよ。
13. 海外の名無しさん
ハワイは日系移民と文化が濃いから、この手の店は普通に「teppanyaki」って呼ぶよ。「hibachi」も使うけど、こっちだとビーチや裏庭で使う小さなコンロのこと。「七輪」って言葉は聞いたことないなあ。ハワイでは外来語が地元のピジン(※混成言語)になる過程で、発音しやすいほうが正しい語に取って代わるんだ。タコを「he’e」じゃなく「tako」、それを英語で「squid(イカ)」とも呼んだりね。
14. 海外の名無しさん
細けえことはいい。とにかく俺の顔めがけてエビを投げてくれ。それでいい。
15. 海外の名無しさん
うちの両親は本物の火鉢を持ってる。今や植木鉢兼・電池入れの引き出しと化してるけどね。本来の使い方からはだいぶ遠い。
16. 海外の名無しさん
日本人だって負けてない。向こうでは食べ放題のビュッフェを、料理の種類に関係なく「バイキング」って呼んでるんだから。北欧のバイキングは関係ないだろ。
17. 海外の名無しさん(>>16への返信)
本当は「スモーガスボード(※北欧式の食べ放題)」って呼びたかったらしいけど、発音が難しすぎて諦めたって話だよ。それでバイキングになった。
18. 海外の名無しさん
「モンゴリアンバーベキュー」を発明したのは台湾の実業家だって知ってた? モンゴルもバーベキューも、わりとどうでもよかったらしい。
19. 海外の名無しさん(>>18への返信)
モンゴリアンバーベキュー、あれ緊張するんだよな。どのソースをどれだけ入れればいいのか分からない。こっちはモンゴリアンバーベキューのプロじゃないんだぞ。
20. 海外の名無しさん
イタリア語で「peperoni(ペペローニ)」はピーマンとか唐辛子のことなんだよ。なんで英語圏ではピザに乗ってるピリ辛サラミの名前になってるのか、未だに分からない。
21. 海外の名無しさん(>>20への返信)
100年くらい前の誰かがサラミを「ペペローニ」って呼んじゃって、それがそのまま定着しただけだよ。最初の一人の勘違いが歴史を作る。
22. 海外の名無しさん
フランスは北米への意趣返しに「タコス」って言葉を盗んでいった。あっちの人たちはタコスのことをブリトーだと思ってる。もう何が何だか分からない。
23. 海外の名無しさん
そもそも英語の「entree(アントレ)」もそうだよね。フランス語では前菜なのに、アメリカ英語ではメインディッシュを指す。なんでアメリカ人はメインのことをアントレって呼ぶんだ? 意味が真逆じゃないか。
24. 海外の名無しさん(>>23への返信)
古典フランス料理では、アントレはメインの前に出る“しっかりした肉料理”だったんだ。やがて食事が簡素化していく中で、ヨーロッパは「最初の一皿」をアントレと呼び続け、アメリカとカナダは「しっかりした肉料理」のほうをアントレと呼び続けた。それで両者の意味がずれた、というわけ。
25. 海外の名無しさん
日本ではソープランドが、80年代半ばまで「トルコ風呂」と呼ばれてたらしいよ。トルコ大使館が抗議して、ようやく名前が変わったとか。外来語の取り違えって、たまに国際問題にまで発展するんだな。英語の「decimate」を信号処理で「データを間引く」意味に使うのを知ったら、語源マニアは卒倒するだろうけど。
まとめ
「火鉢」は本来、炭で暖を取る暖房器具であって調理器具ではなく、炭火焼きは七輪、平らな金属台での料理は鉄板焼き――この道具名の取り違えが話の核心。コメント欄は怒るどころか、チャイ・ナン・ペペローニ・アントレ・バイキングと、世界中の“言葉の勘違い”を持ち寄る品評会になり、「外来語は元の意味を失ってこそ外来語」というおおらかな結論に着地していた。間違いを指摘するより、すれ違いそのものを面白がる空気が心地よい。


コメント
確かにアメリカ南部のある都市には、「Sushi&Hibachi」と書かれたレストランが多かった気がする。
何で火鉢なんだろうと思ったが、そういうことだったのか・・・