アメリカのスーパーで定番の箱入り米料理「ライスアロニ(Rice-A-Roni)」。CMでケーブルカーが走り、「ザ・サンフランシスコ・トリート(サンフランシスコのごちそう)」のキャッチコピーで売られてきた、アメリカ西海岸の顔のような商品です。ところがそのレシピの源をたどると、行き着くのはサンフランシスコではなく、はるか遠い中東。しかも、ある女性の壮絶な人生がそこに隠れていました。
※注:ライスアロニ=米と細いパスタ(バーミセリ)を一緒に箱詰めし、付属の粉末スープで炊き込む、お湯を注ぐだけのインスタント米飯。1958年の発売以来アメリカの食卓の定番。
今日の知ってた?
🍚 「サンフランシスコのごちそう」として売られるライスアロニのルーツは、中東・レバント地方のピラフ。アルメニア系移民の女性が伝えたレシピが、ベイエリアのパスタ会社で1958年に商品化されたものだった。
背景:レシピを伝えた女性、パイラゾ・カプタニアン
物語の中心にいるのは、アルメニア人女性パイラゾ・カプタニアン。彼女は1915年のアルメニア人虐殺(ジェノサイド)の生存者でした。妊娠したまま故郷を追われ、トルコからシリアの砂漠を経てアレッポまで強制的に歩かされた、過酷な体験の持ち主です。後にその回想録を書き残し、虐殺の重要な記録として今も読み継がれています。
戦後アメリカに渡った彼女は、サンフランシスコで自宅の一室を若い夫婦に貸していました。それが、地元のパスタ会社「ゴールデン・グレイン社」の創業一家に嫁いだロイス・デドメニコと、その夫トム。カプタニアンは下宿人のロイスに、故郷の味であるアルメニア風ピラフの作り方を教えました。
もう少し詳しく
そのピラフは、米と細いパスタ(バーミセリ)をバターで炒めてから鶏のだしで炊く料理。これがライスアロニの直接の原型です。レバント地方には、米に砕いた細麺を混ぜて炊く家庭料理が古くからあり、カプタニアンが伝えたのもその系譜の一皿でした。
商品化したのはイタリア系移民の一家。ゴールデン・グレイン社(旧名グラニャーノ・プロダクツ社)は、イタリアから渡ってきたデドメニコ家が1912年にサンフランシスコで開いたパスタ工場が前身です。下宿先で覚えた米とパスタの料理を家族の食卓で再現していたところ、1958年、創業者の息子ヴィンス・デドメニコが「これを箱詰めにして売れないか」と発案。生のだしの代わりに乾燥スープの粉を同梱し、お湯で炊くだけのインスタント商品「ライスアロニ」が誕生しました。アルメニアの家庭料理と、イタリア移民のパスタ作りと、アメリカの大量生産が一つの箱で出会った一品だったのです。
海外の反応
1. 海外の名無しさん
いやでも、結局サンフランシスコで生まれた料理ってことだよね。それなら堂々と「サンフランシスコのごちそう」でいいんじゃないの。
2. 海外の名無しさん(>>1への返信)
そうそう、投稿主の言い方おかしいって。「サンフランシスコ発祥じゃない、サンフランシスコで発明されただけだ」って、それもう発祥では?
3. 海外の名無しさん(>>1への返信)
他の土地でも昔から米を使った料理はありました、なんて言い出したら、世界中の米料理が全部ケンカになっちゃうよ。
4. 海外の名無しさん
それを言うなら、ナパバレーのワインはイタリア系移民が開拓したから「ナパ産じゃない」って言ってるようなものだよね。さすがに無理がある。
5. 海外の名無しさん(>>4への返信)
その理屈だと、トマトを使うイタリアンソースは全部ペルー料理ってことになるぞ(トマトの原産地は南米なので)。笑
6. 海外の名無しさん(>>5への返信)
じゃがいももペルー原産だから、シェパーズパイは実質ペルー・アイルランドのフュージョン料理ということで決着だな。
7. 海外の名無しさん
投稿主さん、ニューヨーク・スタイルのピザについても衝撃の事実を教えてあげたいんだけど、心の準備はいい?
8. 海外の名無しさん(>>7への返信)
頼むからアレもレバントのピラフがルーツだったとか言わないでくれ。もう何を信じればいいのか分からなくなる。
9. 海外の名無しさん
アルメニア系アメリカ人が作ったとしても、それはやっぱりアメリカ人が作ったってことだよ。移民が母国の食文化を持ち込んで根づかせる、それこそがこの国の料理そのものなんだから。
10. 海外の名無しさん(>>9への返信)
本当にこれ。アメリカの「名物料理」をたどると、だいたいどこかの移民の家庭の味に行き着くんだよね。むしろそこが面白いところ。
11. 海外の名無しさん
レシピうんぬんより、伝えたのがジェノサイドの生存者だったって部分で手が止まった。砂漠を歩かされて生き延びた人が、遠いアメリカで家庭の味を残してたんだ……。
12. 海外の名無しさん(>>11への返信)
箱入りインスタント米飯の裏に、こんな重い歴史が眠ってるとは思わなかった。次に食べるときは絶対に味が違って感じると思う。
13. 海外の名無しさん
レバント地方出身だけど、記事にあるあの料理、ピラフって言うより「米にバーミセリを混ぜて炊いただけのやつ」だよ。うちでは普通に毎日の白米感覚で出てくる。
14. 海外の名無しさん(>>13への返信)
地元の人からすると、ごちそうでも何でもない日常のごはんなんだね。それがアメリカでは特別な「トリート」として売られてるの、ちょっと面白い。
15. 海外の名無しさん
アルメニアの家庭料理+イタリア移民のパスタ工場+アメリカの乾燥スープ。出自を並べただけで、もう完全にアメリカという国の縮図みたいな一皿だな。
16. 海外の名無しさん
要するに、お母さんが下宿先で習ったピラフを家で作る→息子が同じ味を出そうと鶏スープの粉を足す、って流れでしょ。アメリカの「中華風チャプスイ」とかと同じ、移民の家庭から生まれた料理の典型例だと思う。
17. 海外の名無しさん
そもそも「サンフランシスコのごちそう」って、別に「発祥はサンフランシスコです」とは一言も言ってないんだよね。「サンフランシスコの人が好きな味」くらいの意味で受け取ればいいのでは。
18. 海外の名無しさん(>>17への返信)
言われてみればそうだ。キャッチコピーに発祥を読み取ってたのはこっちの勝手な思い込みだったかもしれない。
19. 海外の名無しさん
実は似た話で「フルーツロールアップ」っていうお菓子もある。レバノンの伝統菓子「アマルディーン」を作ってた一家が、輸入が滞ったから自前で似たものを作って売り出したのが原型らしい。中東発のアメリカ菓子、けっこうあるんだよ。
20. 海外の名無しさん(>>19への返信)
アメリカの加工食品、掘っていくと中東や地中海にたどり着くパターン多すぎでは。スーパーの棚が急に世界史の教科書に見えてきた。
21. 海外の名無しさん
こういう「定番商品の意外なルーツ」系の話、何回聞いても飽きないな。身近なものほど背景を知らないで食べてるんだなって毎回思う。
22. 海外の名無しさん
ピラフは中央アジア発祥で、記事のレバントの米料理とはまた別物だよ、っていう指摘もコメ欄にあった。料理の系統って本当にややこしくて、簡単に「○○がルーツ」とは言い切れないのが奥深い。
23. 海外の名無しさん
正直、子どもの頃から何百回も食べてたのに、ルーツを考えたことなんて一度もなかった。今日いちばんの「へえ」をもらった気分。
まとめ
「サンフランシスコのごちそう」ライスアロニは、ジェノサイドを生き延びたアルメニア女性が下宿人に伝えた家庭のピラフを、イタリア系移民のパスタ会社が1958年に商品化したもの。コメント欄では「結局サンフランシスコ発祥では」というツッコミ合戦で盛り上がりつつ、レシピの背後にいた女性の壮絶な人生に静かに胸を打たれる人も多く、身近な加工食品が世界史とつながっていることへの素朴な驚きが広がっていました。


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