国土のわずか12%に、人口の半分以上と、GDPの52%以上。韓国のソウル首都圏をめぐる数字を並べられると、「東京一極集中」という言葉が急におとなしく聞こえてくる。日本もかなりのものだと思っていたが、隣の国の集中度はもう一段上だった。地図を塗り分けてみると、その意味が体感として分かってくる。
※注:ここでいう韓国の「首都圏」は、ソウル特別市・仁川(インチョン)広域市・京畿道(キョンギド)の3つを合わせた地域を指す。韓国語では「수도권(スドクォン)」と呼ばれ、日本の「一都三県」に近い感覚の言い方。
今日の知ってた?
📏 韓国のソウル首都圏(ソウル・仁川・京畿道)は、国土の約12%の面積しかないのに、人口の半分以上が住み、GDPの52%以上を生み出している。
背景:ソウル首都圏とは
韓国の国土面積はおよそ10万平方キロメートル。日本の約4分の1で、北海道と九州を足したくらいの広さに、約5,100万人が暮らしている。そのうちソウル・仁川・京畿道の3地域を合わせた首都圏は、面積にして全体の1割強。ここに人口の半分以上が集まっている。首都圏の人口シェアが5割を超えたのは2019年前後とされ、その後もじわじわ上がり続けているという。
比較のために日本を並べてみる。東京・神奈川・埼玉・千葉のいわゆる一都三県は、国土のおよそ3.6%におよそ3割の人口。ただしこの手の数字は、首都圏をどこまでと数えるかで簡単に動く。首都圏整備法の定義(1都7県)で取れば面積比はおよそ1割、人口比は3割台半ばになる。経済規模のシェアも統計の取り方で幅が出るが、一都三県で3割前後とされることが多い。
つまり、面積あたりの詰まり具合だけを見るなら日本の一都三県のほうが密で、国全体に占める人口と経済のシェアで見ると韓国の首都圏が突出している、という整理になる。とくにGDPの52%超という数字は、「国の経済の半分がこの一角で回っている」ということで、日本の3割前後とは景色がだいぶ違う。
もう少し詳しく
そもそも平地が少ない。韓国は国土のおよそ7割が山地とされる。地図の上では空いて見える場所も、実際には急斜面や谷で、街を広げられる土地ではないことが多い。首都圏は漢江(ハンガン)下流に開けた平野の上に乗っていて、人が住める条件のいい土地がもともと偏っている、という地理的な下地がある。
戦後の復興と開発の経緯。朝鮮戦争後の復興期から1960〜70年代の経済開発にかけて、インフラや産業への投資がソウルとその周辺に集中的に振り向けられた、という見方が一般的だ。1970年代には農村の近代化を進める運動も行われ、地方の生活環境はかなり改善したとされるが、その頃には条件のよい仕事の多くがすでに首都圏に集まっていた、と指摘されることがある。
進学と就職の二段構え。難関とされる大学、大企業の本社機能、放送・音楽・出版といった文化産業が首都圏に密集している。進学で一度出て、就職でそのまま残る。この二段階で地方から人が抜けていく構造は、韓国でも「地方消滅」という言葉とともに社会問題として語られている。
分散させようという動きもある。2012年に発足した世宗(セジョン)特別自治市には、中央省庁の多くが移転している。行政機能をソウルの外に出して集中をやわらげようという試みだが、人口と経済の重心はそう簡単には動かないというのが、これまでのところの実感らしい。
海外の反応
1. 海外の名無しさん
面積の12%に半分以上って、地図で色を塗ってみたら国のかなりの部分がほぼ真っ白になるってことだよな。数字で言われるより塗り絵にしたほうが効く。
2. 海外の名無しさん(>>1への返信)
韓国は国土の7割くらいが山地だと聞いた。住める平地がそもそも限られているから、白く残る部分の多くは人が住めない斜面ということになる。
3. 海外の名無しさん
インドネシアのジャワ島も似たようなもので、国土の7%ほどしかない島に人口の56%くらいが住んでいるらしい。島がある国は集中しやすいのかもしれない。
4. 海外の名無しさん(>>3への返信)
しかもジャワ島の人口はロシア一国より多い。面積は100分の1以下なのに。地図を眺めているだけでは絶対に気づけない種類の数字だと思う。
5. 海外の名無しさん(>>4への返信)
「ジャワ」と書いてあるのを見て、真っ先にプログラミング言語のほうを思い浮かべた自分はもう手遅れだ。島の話をしていたのか。
6. 海外の名無しさん
モンゴルのウランバートルは国土のわずか0.3%の面積に人口のおよそ半分、GDPの6割ほどが集まっていると読んだことがある。こうなると桁がひとつ違う。
7. 海外の名無しさん(>>6への返信)
モンゴルの場合は地理の事情が大きいと思う。冬の寒さと草原の広さを考えると、都市以外の場所に人が集まる仕組みを作るほうが難しい。
8. 海外の名無しさん
フランスのイル・ド・フランス地域圏も、面積は国土の2%程度なのにGDPの3分の1くらいを占めている。パリ一極集中と言われるだけのことはある。
9. 海外の名無しさん(>>8への返信)
イギリスも南東部とロンドンを足すとイングランドの人口の3分の1くらいになる。首都に寄っていくこと自体は、わりとどこの国でも起きていることなんだよな。
10. 海外の名無しさん
個人的には、首都圏がGDPの52%「しか」ないほうが意外だった。造船や自動車や石油化学の拠点は南部の地方都市にあるから、その分が首都圏の外に出ているんだと思う。
11. 海外の名無しさん(>>10への返信)
たしかに港がないと重工業は成り立たない。大きな工場が海沿いの地方に散っているおかげで、経済のほうは人口ほど極端には偏っていないという見方はできそう。
12. 海外の名無しさん
韓国を旅行すると山が本当にきれいなんだけど、近づくと傾斜がとんでもない。急に80度くらいの岩壁が立ち上がってくる。あれを見ると、人が平地に集まる理由が理屈じゃなく分かる。
13. 海外の名無しさん
タイのバンコクも似た感じで、経済の相当な部分が首都圏に寄っている。第二の都市との差が極端に大きい国というのは、世界中にけっこうある。
14. 海外の名無しさん
日本も人のことは言えなくて、東京・神奈川・埼玉・千葉の4つで国土の3.6%ほどに人口の3割が住んでいる。面積比で見るならむしろこっちのほうが詰まっている。
15. 海外の名無しさん(>>14への返信)
同じ集中でも形が違う気がする。東京は郊外まで鉄道が伸びて薄く広がっていくけれど、ソウル首都圏はもっと半径が短くて濃い。暮らしてみると通勤の感覚がだいぶ違う。
16. 海外の名無しさん
地方出身だと実感としてよく分かる話だと思う。大学で一度出て、就職でそのまま残って、気づくと帰る理由がなくなっている。人が減った街には仕事がないから戻れない。
17. 海外の名無しさん(>>16への返信)
役所の機能が世宗(セジョン)市に移ったあとも、家族はソウルに残したままという人が多いと聞いた。職場が動いても暮らしの重心はそう簡単には動かないらしい。
18. 海外の名無しさん
京畿道から都心まで片道90分かけて通っている知り合いがいる。家賃を取るか通勤時間を取るかという選択を、何百万人が毎朝やっているということなんだよな。
19. 海外の名無しさん
集中しすぎた首都は物理的にも限界が来る。ジャカルタは地下水の汲み上げと開発の重みで沈み続けていて、とうとう首都を別の場所に移すことになった。
20. 海外の名無しさん
大都市に人が集まるのは世界共通だけど、程度がある線を越えると国の形そのものが変わってくる。そこがこの数字の面白いところだと思う。比率にすると景色が違って見える。
まとめ
国土の約12%に人口の半分以上、そしてGDPの52%以上。ソウル首都圏の集中度は、東京圏を見慣れた目にもはっきり極端に映る。ただコメント欄では、ジャワ島、ウランバートル、パリ、ロンドン、バンコクと似た構図の国が次々に挙がり、「首都に寄る」こと自体は珍しくないことも見えてきた。違うのは程度と、山がちな地形や戦後の開発の経緯といった、その国ごとの事情のほうだった。


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