「当局からの報告です。墓場から死者が蘇り、生者を襲っています」——2013年2月11日、アメリカの5つのテレビ局で、この一文が本物の緊急警報とまったく同じ警報音、同じテロップの書式で流れました。放送を乗っ取った人物は、13年が経った今も特定されていません。
※注:アメリカの緊急警報システム(EAS)は、竜巻警報や避難指示を全放送局に強制的に割り込ませて流すための仕組みで、日本でいえば緊急地震速報やJアラートに当たります。番組は自動的に中断され、あの独特の警報音と決まった書式のテロップが出る。つまりこの日に視聴者が見たのは、ネットのいたずら動画ではなく、本物の災害警報と一字一句同じ形式の画面でした。
今日の知ってた?
📺 2013年2月11日、アメリカの複数の州にある5つのテレビ局の緊急警報システムが乗っ取られ、「当局からの報告です。墓場から死者が蘇り、生者を襲っています」という偽の警報が、本物とまったく同じ形式で放送された。原因は警報を送り出す機器がインターネットから触れる状態に置かれ、初期パスワードのまま使われていたことだと報じられている。実行犯は今も特定されていない。
背景:アメリカの緊急警報システムとは
アメリカの緊急警報システム(EAS)は、1990年代後半に本格運用が始まった全国規模の警報網です。テレビ、ラジオ、ケーブル、衛星放送の事業者は、指定された警報を受け取ったら番組を中断して流す義務を負っています。運ばれるのは竜巻や鉄砲水の警報、子どもの誘拐を知らせる手配、そして大統領による全国向けの告知。日本でいえば緊急地震速報やJアラートに近い位置づけだと考えると、感覚がつかみやすいはずです。
仕組みの中心にあるのは、各放送局に置かれた小さな箱です。警報のデータを受け取ると、あの独特の警報音と決まった書式のテロップを自動的に送り出す。局のスタッフが原稿を読み上げるわけではなく、機械が受け取ったものをそのまま流します。一刻を争う情報だからこそ、人の判断をあいだに挟まない設計になっているわけです。
そしてこの「人が挟まらない」という長所は、そのまま弱点でもありました。箱に嘘の警報を入れることさえできれば、放送局の誰も内容を確かめないまま、そのとおりの画面が各家庭のテレビに届いてしまいます。
もう少し詳しく
流れた文面は、ゾンビ映画の脚本そのものだった。放送された警報は「墓場から死者が蘇り、生者を襲っている」と告げたあと、行動指示まで続いていたと報じられています。曰く、これらの遺体に近づいたり取り押さえようとしたりしないこと。極めて危険とみなされていること。画面に流れる続報を待つこと。本物の避難指示とまったく同じ淡々とした調子で、ありえない内容が並んでいたわけです。もちろん実際には何も起きておらず、あくまで放送の中身だけの話でした。
信じてしまった人は、実際にいた。乗っ取られたのはモンタナ州やミシガン州など、いずれも地方の小規模な局だったと報じられています。放送を見た人からは問い合わせの電話がかかり、モンタナ州のある市では警察が「本当なのか」と尋ねる通報を受けたと伝えられました。局側はまもなく「緊急事態は発生していません」という訂正を出しています。なお、この件で死傷者が出たという話がネット上に流れることがありますが、確かな出典は見当たりません。
入り口は、変更されていない初期パスワードだったとされる。警報を送り出す機器は、遠隔で操作できるようインターネットに接続されていることがあります。ところが出荷時の初期パスワードがそのまま使われている例が珍しくなく、この事件でもそこが突かれたと報じられました。事件後、アメリカの通信規制当局は放送事業者に対し、パスワードの変更と機器を外部から直接触れない場所に置くことを求める注意喚起を出しています。技術的に高度な攻撃というより、玄関の鍵が配布時のまま回っていた、という種類の話でした。
実行犯は、今も特定されていない。逮捕や起訴が公表されたという情報はなく、動機も分かっていません。誰かの悪ふざけだったのか、警報システムの穴を見せつけるための行為だったのか、判断できる材料は表に出ていないままです。アメリカの放送ジャックには1987年にシカゴで起きた有名な前例もありますが、そちらもいまだに犯人が判明していません。
海外の反応
1. 海外の名無しさん
モンタナに住んでいて、あの放送を実際に見た。番組の途中で突然警報音が鳴って、画面の上を文字が流れ始めたときは本気で心臓が止まりかけたよ。そのままネットを開いて「本当に死者が蘇っているのか」を確認した。
2. 海外の名無しさん(>>1への返信)
その確認手順が妙に冷静で笑ってしまった。自分だったら窓の外を覗いて、何も起きていないことを確かめるだけで精一杯だったと思う。
3. 海外の名無しさん(>>1への返信)
怖いのはまさにそこなんだよな。竜巻警報のときと同じ音、同じテロップ、同じ割り込み方。形式が完全に本物で、中身だけがゾンビだった。あれを見て一瞬でも信じない人のほうが少ないと思う。
4. 海外の名無しさん
局はすぐ訂正を出したらしいけど、その訂正が届く前にテレビを消して外の様子を見に行った人もいたはずで、そこを想像すると笑いきれないものがある。
5. 海外の名無しさん
乗っ取られたのが全部地方の小さな局だったという点が引っかかる。予算がぎりぎりで、機器の管理まで手が回っていなかったんじゃないかな。
6. 海外の名無しさん(>>5への返信)
田舎の局で働いていたことがあるけど、あの環境は本当に人も金も足りない。うちの局も一度、情報流出を起こしている。直接の原因だと言い切るつもりはないけれど、無関係だとも思えないんだよね。
7. 海外の名無しさん(>>5への返信)
まあ田舎のほうが墓地は多いわけで、その意味ではむしろ的確な放送だったということになるのかもしれない。
8. 海外の名無しさん
警報を送り出す機械は、外から触れる状態のまま置かれていることが珍しくないらしい。出荷時のパスワードが変わっていないというだけで、扉が開いてしまうわけだ。
9. 海外の名無しさん(>>8への返信)
高速道路の電光掲示板もだいたい同じ構造だよ。鍵は箱の扉についているだけで、中の操作盤の暗証番号は説明書に載っているまま、という現場が普通にある。
10. 海外の名無しさん
緊急警報システムそのものが欠陥品みたいに言われがちだけど、実際には今かなり信頼性が高い。よく引き合いに出される全国一斉テストの失敗は、条件が重なった一回限りの事故だった。
11. 海外の名無しさん(>>10への返信)
数年前にハワイで「弾道ミサイルが向かっている。ただちに避難せよ。これは訓練ではない」という警報が誤って全島に流れた件があったよね。あれは本当に大騒ぎになった。
12. 海外の名無しさん(>>11への返信)
ただ、あれは鳴らした側の操作ミスであって、警報を届ける仕組み自体はむしろ完璧に働いた。鳴るべきでないときに鳴るのと、鳴るべきときに沈黙するのと、どちらが人を死なせるかといえば明らかに後者だと思う。どちらも良くないのは前提として。
13. 海外の名無しさん
1987年にシカゴで起きた放送ジャック事件を思い出した。仮面をかぶった男が二つの局の電波に割り込んで、意味不明なことを喋って消えたやつ。あれも結局犯人は分からずじまいだった。
14. 海外の名無しさん(>>13への返信)
そろそろ名乗り出て動機を語ってほしい。時効が来ていて罪に問われないなら失うものは何もないはずだし、こちらは経緯を聞きたくて仕方がない。
15. 海外の名無しさん
「乗っ取られた」ということにされているだけで、本当は当局が握りつぶした事実のほうなんだろう。この手の話は昔から相場が決まっている。
16. 海外の名無しさん(>>15への返信)
出た、その言い回し。あとは葉巻をくわえた男が部屋の隅に黙って立っていれば、役者がひととおりそろうことになる。
17. 海外の名無しさん
いたずらとしては最高の部類だと思う。誰も傷つけず、後片付けも簡単で、それでいて13年経ってもこうして語り継がれている。完成度が高い。
18. 海外の名無しさん(>>17への返信)
いや、最高ではないよ。心臓の悪い人が見ていたかもしれないし、慌てて危ないことをする人だっている。面白さと安全さは別々に評価すべきだと思う。
19. 海外の名無しさん
「信じた人が銃を持ち出して死者が出た」という尾ひれをどこかで読んだけれど、探しても出典が見つからない。ああいう話は一度出回ると事実として定着してしまうから厄介だ。
20. 海外の名無しさん(>>19への返信)
自分も同じ話を見かけて調べた。該当する事件は見当たらなかったよ。ゾンビの噂に噂が重なるという、なかなか出来のいい入れ子構造ではある。
21. 海外の名無しさん
これだけの事件が当時ほとんど大きなニュースにならなかったのが不思議でならない。もう地上波をリアルタイムで見ている人が減っていた、ということなんだろうか。
22. 海外の名無しさん(>>21への返信)
地方局の放送にゾンビ警報を流しても、届く相手が数えるほどしかいない。乗っ取った側から見れば、労力に対していちばん割の合わない仕事だったかもしれないね。
23. 海外の名無しさん
アメリカのメタルバンドの曲に、これとそっくりな警報アナウンスから始まるものがある。放送を仕込んだ人がそこから文面を持ってきたのかは分からないけれど、聞き比べると妙な気分になる。
24. 海外の名無しさん
この事件でいちばん怖いのは、次に本物の警報が出たときに「またあれか」と思う人が増えることだと思う。狼が来たと嘘をついた少年の話そのもので、警報への信頼は一度削れると簡単には戻らない。
まとめ
2013年2月11日、アメリカの5つの地方局で、本物と同じ形式の緊急警報が「墓場から死者が蘇っている」と告げました。原因は警報を送り出す機器が初期パスワードのまま放置されていたことだと報じられ、実行犯は今も特定されていません。コメント欄では実際に放送を見た人の証言と「いたずらとして完成度が高い」という声が並ぶ一方、「面白さと安全は別」という反論や、噂に勝手な尾ひれがつく怖さを指摘する声も出ていました。
元ソース:2013年2月11日、アメリカ各地の5つのテレビ局が乗っ取られ「墓場から死者が蘇り、生者を襲っています」という緊急警報が流れた。犯人は今も捕まっていないと知った

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