冷戦のさなか、アメリカは宇宙から敵地の写真を撮っていた。だがデジタルもインターネットも無い時代、その写真フィルムをどうやって地上に持ち帰ったか——「衛星から宇宙で射出して、落ちてくるのを飛行機が空中でキャッチする」という、まるでアクション映画みたいな方法だったと聞いたら信じられるだろうか。
※注:レトロロケットとは、進行方向と逆向きに噴射して減速するための小型ロケットのこと。落下してくるカプセルの速度を落とす役目を担った。
今日の知ってた?
📏 1960年代アメリカの偵察衛星「CORONA(コロナ)」は、撮影した写真フィルムを金属カプセルに詰めて宇宙で射出。レトロロケットで減速し、耐熱シールドで大気圏に再突入させ、太平洋上空でパラシュートを開いたところを、フックを付けた改造輸送機(C-119/C-130)が空中で引っかけて回収していた。
背景:偵察衛星CORONAとは
CORONA(コロナ)は、アメリカが1959年から1972年まで運用した世界初の実用偵察衛星計画。主にソ連や中国の軍事施設を宇宙から撮影し、冷戦下の「相手が何を持っているか」を探る目的で使われた。今なら衛星が撮った画像はそのまま電波で地上に送るのが当たり前だが、当時はCCDのようなデジタル撮像センサーがまだ存在せず、画像を電波で送れるほどの通信帯域も無かった。
そこで採られたのが、原始的だが確実な方法——「撮ったフィルムそのものを物理的に地球へ落として回収する」という力技だった。衛星は高性能なカメラでフィルムに撮影し、そのフィルムをカプセルに封入して宇宙から投下したのである。
もう少し詳しく
問題は「どう受け取るか」だった。カプセルはレトロロケットで減速したあと、耐熱シールドに守られながら猛スピードで大気圏に突入し、高度が下がるとパラシュートを開く。だが海に落ちれば回収に時間がかかり、機密フィルムが敵の手に渡る恐れもある。そこでアメリカは、落下してくるパラシュートを飛行機で空中キャッチするという離れ業を編み出した。輸送機の後部から複数のフックを付けた鋼鉄ケーブルを垂らし、パラシュートの傘に引っかけて丸ごと巻き上げるのだ。
もし飛行機がキャッチに失敗しても対策はあった。カプセルは着水後しばらく浮くが、栓に仕込まれた塩の塊が海水で溶けると穴が開いて沈むようになっており、敵に拾われる前に自沈する仕組みだった。宇宙開発とアナログ技術と職人芸が奇妙に同居した、冷戦ならではのシステムである。
海外の反応
1. 海外の名無しさん
こんなアクション映画みたいな任務を実際にこなしたパイロットがいるって、すごすぎる。しかも今その辺の人に「昔あれ、俺がやってたんだ」って言っても、誰も信じてくれないだろうな。
2. 海外の名無しさん(>>1への返信)
帰りの飛行機でたまたま隣に座った人が、まさにその関係者だった。機密解除の記念イベント帰りだったらしいんだけど、本人はずっと自分のアマチュア無線機の話をしてて笑ったよ。
3. 海外の名無しさん
最初、回収カプセルには「米政府の所有物、開けるな」みたいな脅し文句が書いてあったらしい。でも漁師が拾って、罰を恐れて隠しちゃう事件が続いて、「無傷で大使館に届けたら高額報酬」って親切な文言に変えたら、一気に戻ってくるようになったとか。
4. 海外の名無しさん(>>3への返信)
え、そんな一言変えるだけで結果が変わるの面白すぎる。ちなみに報酬って、実際いくらくらい出たんだろう。
5. 海外の名無しさん(>>4への返信)
たしか1万ドルだったはず。当時の貨幣価値を考えると、かなりの大金だよね。
6. 海外の名無しさん(>>3への返信)
「酢より蜂蜜の方が蜂はたくさん捕まえられる」ってやつだな。脅すより得を見せた方が、結局は人が動くという。
7. 海外の名無しさん
恥ずかしながらこの回収方法、ゲームの『Black Ops 2』のカットシーンで初めて知ったわ。てっきりフィクションの演出だと思ってたら、実話ベースだったのか。
8. 海外の名無しさん(>>7への返信)
映画『ダークナイト』で香港から男を連れ出すあのシーンも、まさにこの空中回収システムだよ。
9. 海外の名無しさん(>>7への返信)
メタルギアのフルトン回収も忘れないであげて。人や物を風船で空に上げて飛行機が回収するあれ、元ネタは実在の技術なんだよね。
10. 海外の名無しさん
太平洋に落ちてくるって分かってるなら、ソ連が先に奪おうと待ち構えたりしなかったのかな。
11. 海外の名無しさん(>>10への返信)
当時のレーダーは基本、見通し線しか届かないから、太平洋のど真ん中で正確な時刻と座標を張るのはほぼ不可能。しかも横取りなんてやったら米側は戦争行為とみなすだろうし、どっちも直接ぶつかるのは避けたかったはずだよ。
12. 海外の名無しさん(>>10への返信)
ただ、着水エリアの近くにソ連の潜水艦がうろついているのを米軍が確認した例が、一度か二度あったらしい。取り逃がしを狙って監視してた可能性はあるみたい。
13. 海外の名無しさん
この技術、開発したのはニューヨーク州ロチェスターのコダックなんだよね。フィルムもカメラ技術も、社内の立ち入り禁止フロアで極秘に作ってたらしい。あのフィルムのコダックが、と思うとなんだか胸熱だ。
14. 海外の名無しさん(>>13への返信)
そのコダックが後に電子カメラを発明して、しかもその技術が最終的に自社を倒産に追い込むことになるんだから、皮肉なものだよ。
15. 海外の名無しさん(>>14への返信)
厳密には技術そのもののせいじゃなくて、使い方を読み違えたんだ。カメラ付き携帯やネットでの写真共有を完全に軽視して、みんな店頭のプリント機に来ると思い込んでいた。
16. 海外の名無しさん
タイトルはちょっと正確じゃないな。データが全く送れなかったわけじゃなくて、テレメトリ(機体の状態信号)は送れてた。送れなかったのは画像の方。CCDみたいなセンサーがまだ無くて、通信帯域も細すぎたのが原因なんだ。
17. 海外の名無しさん(>>16への返信)
一応ビジコン管っていうアナログの撮像管はあったんだよ(ボイジャー探査機のカメラの原型でもある)。でも解像度が低いうえに1点ずつ走査するのに時間がかかって、高速で自転する地球を上から撮るには全く使い物にならなかった。
18. 海外の名無しさん
この回収作戦、当時のUFO目撃談をかなり生んでるらしい。夜間はパラシュートが見えるようにカプセルへストロボを付けてたから、光ったパラシュートが円盤に、ライトを点けて近づく飛行機が三角形のUFOに見えたとか。真相はこれかと思うと面白い。
19. 海外の名無しさん
500kg近い鉄の塊が空から落ちてくるのを、フックだらけの鋼鉄ケーブルで引っかけるって…。輸送機の後部でその作業を見てた人の気持ちを想像すると、物理も危険度もヤバすぎて震えるわ。
20. 海外の名無しさん
うちの父方の祖父母、二人ともこのプロジェクトに関わってたんだけど、機密解除されるその日まで、お互いが同じ計画にいたことをまったく知らなかったんだ。それくらい徹底した機密だったんだな。
21. 海外の名無しさん
これ映画『Ice Station Zebra(邦題:氷原の対決)』のプロットまんまだよね。まさに落ちてきたフィルムを米ソが奪い合う話だった。
22. 海外の名無しさん(>>21への返信)
気になって今調べてみたら、本当にその通りの筋書きでびっくりした。公開当時の観客は、モデルになった実話を知らずに観てたわけか。
23. 海外の名無しさん
結局この手の関係者って、アマチュア無線好きが多いんだよな。無線家が存在する最大の理由は、無線家同士で無線の話をするためだって冗談があるくらいだし。
まとめ
デジタルもネットも無い時代、宇宙で撮った写真フィルムをカプセルで射出し、飛行機が空中でフックキャッチして回収していた——という冷戦アメリカの離れ業「CORONA」計画。コメント欄は「映画かゲームでしか知らなかった実話だ」という驚きと、コダックの関与やUFO目撃談への発展、そして「実際にこれをやった人が身近にいた」という体験談で盛り上がった。ハイテクとアナログと職人芸が同居した、無茶で美しい技術への敬意が滲む反応が印象的だった。

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