「なぜ『世界中の人が100億円ぶん節約できた』と書かないんだ」シャインマスカットの話、海外では真逆に読まれていた

「なぜ『世界中の人が100億円ぶん節約できた』と書かないんだ」シャインマスカットの話、海外では真逆に読まれていた 文化・社会

「シャインマスカットが海外で勝手に作られている」——この話は、日本ではもう何度もニュースになってきた。おなじみと言っていい。ところが同じ出来事が海外の掲示板に持ち込まれたとき、4000を超える支持と350件以上の書き込みが集まった先で起きていた議論は、日本で見慣れたものとほとんど逆を向いていた。「日本は気の毒だ」ではない。「そもそも、果物に使用料を取るって何なんだ」である。この記事の読みどころは、事実そのものよりも、そこから先にある。

※注:ここでいうロイヤリティとは、品種を開発した側が、その品種を栽培・販売する人から受け取る使用料のこと。また本文中の「年間およそ100億円」は確定した被害額ではなく、あくまで試算・推計である。この記事は特定の国での栽培を非難する趣旨のものではなく、品種を守る制度がどう働き、どこに抜けがあったのかを整理する読み物として書いている。

今日の知ってた?

🍇 シャインマスカットは日本で育成された品種だが、のちに主要な産地となった海外では、品種登録の手続きが取られていなかった。品種の権利は国ごとに登録して初めて効力を持つため、よその国で栽培され販売されても、日本側は使用料を請求する立場に立てない。これによって失われているとされる金額は、年間およそ100億円と試算されている。

背景:品種の権利は、国境を越えない

ある品種を法的に守りたければ、その国の制度に出願して登録してもらう必要がある。逆に言えば、日本で登録されているというのは「日本国内では守られる」という意味しか持たない。隣の国で同じ品種が植えられていても、その国で登録していなければ、止める根拠がそもそも存在しないのである。一枚持っていれば世界中どこでも通用する、という性質のものではない。

しかも、この手続きには時間の壁がある。多くの国の制度では、すでに広く出回ってしまった品種をあとから「新しい品種」として登録するのは難しい。つまり「外に出てしまったから、これから登録しよう」は、たいていの場合もう間に合わない。守るための手続きには、守るべき時期がある。

ブドウという作物の性質も、この話に効いている。ブドウは種をまいて増やす作物ではなく、枝を一本持っていって接ぎ木や挿し木をすれば、遺伝的にまったく同じ木をいくらでも増やせる。りんごも桃も同じで、果樹はだいたいそういうものである。だから一度外に出てしまえば、あとは物理的に止める手立てが残らない。

そう考えると、この出来事は「盗まれた」の一言で説明できる事件というより、「守るための事務手続きが、間に合う時期に取られていなかった」という、かなり地味な話でもある。派手さがないぶん、同じことは他の品種でも起こりうる。

もう少し詳しく

「年間およそ100億円」は、確定した損失額ではない。この種の数字は、海外でどれだけの面積が植えられ、どれだけ出荷されているかを見積もり、そこに「本来なら取れたはずの使用料の率」を掛けて出す。つまり、もし全部きちんと徴収できていたら、という仮定の上に立った数字である。実際に誰かの口座から100億円が消えたわけではないし、前提を少し動かせば額も動く。金額が大きいぶん独り歩きしやすい数字なのだが、海外の掲示板でいちばん多くの支持を集めた反論も、まさにこの一点に向けられていた。

日本側もその後、制度を手直ししている。2020年に種苗法が改正され(施行は2021年から段階的に行われた)、登録品種について、育成した側が海外への持ち出しを制限できるようになった。ただしこれは、これから生まれてくる品種を守るための備えであって、すでに海外で広く植えられてしまったものを取り戻す仕組みではない。この種の制度は、後追いで効かせるのが構造的に難しい。今回の話で本当に高くついたのは、金額よりも「順番」だったということになる。

そして、海外のコメント欄が反応していたのは、実は日本の話ではなかった。ここが日本の読者にとって一番おもしろいところだと思う。350件以上並んだ書き込みのうち、シャインマスカットそのものを話題にしていたものは驚くほど少ない。かわりに出てくるのは、種子会社モンサント(現在はバイエル傘下)の名前であり、キウイを世界に売っているニュージーランドのゼスプリであり、インドの農家とスナック菓子メーカーが争ったジャガイモの品種の話である。つまり、日本で「日本が損をした話」として読まれる記事が、向こうでは「そもそも農作物に知的財産権を認めるのは是か非か」という、まったく別の議論の入口として消費されていた。日本のニュースが使う「流出」「守れなかった」という語り口は、あちらにはほぼ存在しない。

「1房100ドル」というイメージのずれも起きている。海外に伝わる日本の果物は、たいてい箱に入った贈答用の写真とセットである。デパートの果物売り場に並ぶものと、ふだんスーパーの棚に積まれているものとでは、同じ名前でも値段の桁が違う。この食い違いはコメント欄でも実際に起きていて、「ブドウ1房が100ドル?」と驚く人に対して、日本の食材を扱う店で普通に買っているという人が静かに訂正を入れていた。高級果物というイメージだけが先に届いてしまうと、話の前提そのものがずれていく。

海外の反応

1. 海外の名無しさん
果物にロイヤリティって、どうやってかけるんだ。あと、そのブドウの親戚には払わなくていいのか。いとこにあたるブドウとかいるだろ。

2. 海外の名無しさん(>>1への返信)
おいおい、その質問をしていいのは俺だけだぞ。その問いの権利は俺が持ってるんだから、使用料を払ってもらおうか。

3. 海外の名無しさん(>>1への返信)
笑い話にしてるけど、君がふだん食べてる農産物のかなりの部分には、すでに何らかの権利が設定されていて、その分が値段に乗ってる。気づいていないだけで、この仕組みの中ですでに暮らしているんだよ。

4. 海外の名無しさん
果物の海賊版で裁判が起きる時代になるのか。畑に踏み込んで「この木、正規品ですか」と確認して回る職業を想像してしまった。

5. 海外の名無しさん(>>4への返信)
「あなたは車を盗まないでしょう」で始まる、あの海賊版防止のCMを思い出した。ブドウ版だと「あなたはブドウをダウンロードしないでしょう」になるわけか。いや、ダウンロードできるなら普通にする。

6. 海外の名無しさん(>>4への返信)
これ、仮定の話じゃないんだよ。植物をめぐる裁判はすでに山ほど起きている。種子の会社が、収穫した実から次の種を採れないようにする方向へ進んだのも、いちいち使用料を追いかけるより供給そのものを握ったほうが早いからだと言われている。

7. 海外の名無しさん(>>6への返信)
一応補足しておくと、その「次世代が育たない種子」は商用化されたことがない。2006年に国連の場で凍結が決まって以降、研究もほとんど進んでいないはずだ。実際に使われているのは、一代限りで性質がそろう交配種と、特許による保護のほうだよ。

8. 海外の名無しさん
このタイトルの立て方がどうしても引っかかる。起きたことは「登録しなかった」だけなのに、「100億円を失った」と書かれると、誰かが日本から金を奪っていったように読めてしまう。

9. 海外の名無しさん(>>8への返信)
なぜ「世界中の人が、本来なら日本に払うはずだった100億円ぶんを節約できている」と書かないんだろうね。同じ出来事の同じ数字なのに、主語をどっちに置くかだけで、正反対の記事が書ける。

10. 海外の名無しさん
「逸失利益」という言い方が昔から苦手だ。まだ手にしていない金を、もらえて当然だったものとして数えている。卵が孵る前にヒヨコの数を数えて、孵らなかったぶんを損害だと言っているのと変わらない。

11. 海外の名無しさん
そもそも、これだけ広まったのは使用料がかからなかったからでは。もし一房ごとに払う必要があったなら、農家は普通に別の品種を植えていたと思う。だから「100億円ぶんの取引が存在していたはず」という前提自体が現実的じゃない。

12. 海外の名無しさん
その理屈だと、俺が配信でアニメを一話見るたびに日本はまた100億円を失っているんだろうな。今月だけでもう国家予算くらい溶かしている計算になる。

13. 海外の名無しさん(>>12への返信)
果物の海賊行為くらいは大目に見てほしい。存在しなかった利益のために怒ってくれと言われても、正直そこまで気持ちが動かないんだ。ブドウは今日もおいしい。

14. 海外の名無しさん
俺は基本的に、植物は自由なものだと思っている。誰かが囲い込んでいい対象だとは思えない。反論があるなら普通に聞きたいし、考えを変える用意もある。

15. 海外の名無しさん(>>14への返信)
じゃあ、新しい品種を作るための費用は誰が出すんだ。一つの品種を世に出すまでに何十年もかかることがある世界だぞ。他人が時間と金をかけたものにただ乗りできるなら、自分でやる側に回る理由が消える。

16. 海外の名無しさん(>>14への返信)
個人的には、作物の品種改良こそ公費でやって、成果は誰でも使える形で公開するのが一番いいと思っている。食べ物の話だからね。まあこう書くとすぐ変な思想扱いされるので、そろそろ黙って仕事に戻ります。

17. 海外の名無しさん
この掲示板は育成者権の話になると急に議論が雑になるな。よい品種を作った人に報いる仕組みがあるのは、発明や創作に権利を認めるのと同じ理屈だよ。新しい制度でもないし、遺伝子組み換えに限った話でもない。従来からある品種を育てるのも、自分で新しいものを作るのも、誰も止めてはいない。

18. 海外の名無しさん(>>17への返信)
理屈としては同意する。ただ、実際に配られる取り分が、畑で働いている人よりも権利を持っている側に大きく寄りがちなのも本当のところで、そこへの不信感が毎回この議論を荒らしているんだと思う。

19. 海外の名無しさん
この手の日本の高級果物は、そもそも海外で作られる前提で育てられていないんだよ。国内向けに、国内の売り方に合わせて作られてきたものだから、外に出た時点で話の前提が変わってしまう。

20. 海外の名無しさん(>>19への返信)
そして、そういう「外に出てしまった」が積み重なった結果、コーヒーは1ポンド1000ドルになっていないし、世界中の人がトウモロコシとジャガイモを知っている。作物が国境を越えたおかげで今の食卓があるという面は、忘れないでおきたい。

21. 海外の名無しさん
記事に1房100ドルと書いてあるんだけど、ブドウにその値段が付くのか。まだ信じきれていない。桃を金庫に入れて売る国だとは聞いていたけれど。

22. 海外の名無しさん(>>21への返信)
そんなにしないよ。うちの近所の日本食材の店に普通に並んでる。日本の果物は箱入りの贈答用の写真ばかり出回るから、値段のイメージが実物とずれていくんだと思う。あれは特別なやつの話。

23. 海外の名無しさん
日本産は高級店の値段、中国産は普通のブドウの値段、というのが実感に近い。韓国で作られているものも品質はかなりいい。マスカットは食べたいし家賃も払いたい、というだけの話なんだ。安く手に入るようになったことには、正直助かっている。

24. 海外の名無しさん
日本に住んでいるけど、この話はこっちだと「技術が外へ出ていってしまった」「守れなかった」という語り口で報じられることが多い。同じ出来事がこの掲示板だと「果物に権利を主張するな」という話になっていて、温度差がすごい。どちらが正しいという以前に、同じニュースを読んでいる気がしない。

まとめ

日本で育成された品種が、海外では登録されないまま広まり、使用料を請求する立場に立てなくなった——事実としてはそれだけの、事務手続きの話である。年間およそ100億円という数字も、確定した被害額ではなく「もし全部徴収できていたら」という仮定に立った試算にすぎない。おもしろいのは、その話を海外の掲示板に置いたときの跳ね返り方だった。集まった書き込みの大半はシャインマスカットを離れ、種子会社やキウイの独占、ジャガイモの訴訟へと流れ、最後は「そもそも農作物に権利を認めるべきなのか」という議論に着地していた。開発した側に報いる仕組みは要る、という声も、それでも植物は自由であるべきだ、という声も、どちらも同じくらいの重さで並ぶ。日本では「守れなかった」と語られる出来事が、外では「制度そのものへの疑問」の入口になっている。この温度差こそが、この話でいちばん知っておく価値のある部分かもしれない。

元ソース: シャインマスカットは海外で品種登録されなかったため海外での使用料を受け取れず、他国での栽培・販売によって年間およそ100億円が失われているという

コメント

  1. Reddit名無しさん says:

    ま~たパテントの概念が無いドジンが騒いでんのか

  2. Reddit名無しさん says:

    モンサントじゃあるまいし、日本がマスカット利権独占してる訳でも、普通のマスカットの流通邪魔しながらやってる訳でもないのにな
    発想が「何も生み出す気の無いヤツ」のソレ過ぎて引く…

  3. Reddit名無しさん says:

    開発費とか費用が回収できないことに頭が回らないのかな?
    まあ、自分らの仕事にまともに賃金が支払われないことを受け入れられるならまだ言う権利はあるかもしれんが。
    実際は自分勝手なだけだからなあ。

  4. Reddit名無しさん says:

    この件に関しては日本に甘さがあったとはいえ、移民がこのレベルの遵法精神じゃ治安が悪化するのは明白だわ

  5. Reddit名無しさん says:

    たぶん品種改良というものを知らない後進国の奴らがいて、
    自分の国に勝手に生えてる植物にカネとるとは何事か、というおバカな低次元の話になってるんだろうな
    南国の奴らは畑になってるものは勝手に採って食ってもいいと思ってるしな

  6. Reddit名無しさん says:

    まぁコメントしている外国人達も自国から産まれた産品の特許やらが外国で無視されたら日本人と同じ怒りを感じるだろうけどね。そこに思い馳せる事が出来ないのが彼ららしくはある。

  7. Reddit名無しさん says:

    食べ物は神が与えてくれた物って教えが強すぎて、人が努力して生み出した物だとは認めにくいのかもね

  8. Reddit名無しさん says:

    日本から毎年そのお金を盗んでるが正しい

  9. Reddit名無しさん says:

    畑で作業した人に利益がいかない?じゃあシャインマスカットじゃないブドウを栽培すればいいじゃない。
    何故そうしないのか。シャインマスカットがおいしいから高くても売れるからだよね?
    ブドウとシャインマスカットの違いは畑で育てた人が生み出したの?違うよね?研究者だよね?

    ここまで説明ししないと海外の人はわからないんだろうな。

  10. Reddit名無しさん says:

    「不味くなったけど安くなった」もんで喜ぶ人種とは相容れんわw

  11. Reddit名無しさん says:

    ※6
    だって、自分の国で特許が取れるほど技術も頭もあるわけじゃないからね
    (全体の質はともかく)物を作り出す側の国になった中国見てみろよ、今になって海賊版に顔真っ赤にして取り締まってるぞ

    所詮外人なんて、あの中国人以下の方が多数派なんだわ

  12. Reddit名無しさん says:

    きちんと育てられなかった低品質なシャインマスカットが多いから、何百万人もの人が詐欺に遭ったとも言えるんじゃないか?

  13. Reddit名無しさん says:

    品種改良の大変さやかかるコストを知らないからこんな事が言えるし、盗んでも作物のクオリティはそのまま続いていくんだと思っているから試行錯誤や学ぶ事をしない。

  14. Reddit名無しさん says:

    間抜けのクソジャップは常に泣き寝入り

    ↑単なる煽り文句か?、これに関して反撃や完璧な防御策を一切聞かない

  15. Reddit名無しさん says:

    賛成してるのシナ人と黒人と南米と中東とグエンとアングロサクソンでしょ

  16. Reddit名無しさん says:

    海外の名無し=支那チョン

  17. Reddit名無しさん says:

    アメリカ人は「自分の周りのもの」がどうやってそこに来てるのかを
    一切理解できない/理解する気がない『子供』が多いからな。
    「泥棒する自由」を認めたら店が全部なくなるって
    因果関係すら理解できない動物ばっかだから。