引っ越しの片付けで「これ捨てよっかな」と手にした古い宗教画。台所の壁にずっと飾ってあった、煤けた小さな板絵。鑑定に出してみたら――13世紀イタリアの巨匠チマブーエの真作で、世界に15点しか現存しない超レア物件。最終落札額は2680万ドル(約30億円)。あなたの台所の壁、本当に大丈夫ですか?
※注:チマブーエは「西洋絵画の出発点」と呼ばれる13世紀フィレンツェの画家。あのジョット※の師匠とも言われる人物。
※ ジョット:14世紀初頭のイタリアの画家。ルネサンス絵画の先駆者として知られる。
今日の知ってた?
📏 引っ越し準備中の北仏の女性宅で、ホットプレートの真上に飾られていた小さな板絵(約25×20cm)が、13世紀の巨匠チマブーエ作《嘲弄されるキリスト》と判明。2019年の競売で予想額の4倍以上、2420万ユーロ(約2680万ドル)で落札された。
背景:チマブーエとは
本名チェンニ・ディ・ペポ。1240年頃フィレンツェ生まれ。中世末期からルネサンス黎明期にかけて活動した画家で、それまで主流だったビザンティン様式の硬い宗教画に、はじめて「人間らしい表情」「立体的な空間」を持ち込んだ革新者。後にフレスコ画の傑作を残すジョットを弟子に取ったとも伝えられ、美術史の教科書には必ず最初のほうに登場する大物だ。ところが現存作はわずか15点ほど。今回見つかった《嘲弄されるキリスト》は8場面構成の祭壇画(ディプティク)の一部とされ、同じシリーズで所在が判明しているのは他に2点だけだった。
もう少し詳しく
発見の経緯。北フランス・コンピエーニュ近郊に住む90歳前後の女性が引っ越し準備のために家財を整理していたとき、家族が「念のため見てもらおう」とオークション会社の鑑定人を呼んだのがきっかけ。本人は「いつから家にあったか覚えていない」と語ったという。台所のホットプレートの真上、何十年も油煙にさらされ続けた状態だった。
サザビーズ顔負けの落札劇。2019年10月、パリ近郊アクト・ボードワンでの競売で、ロンドンの古美術商ファブリツィオ・モレッティが2人のコレクターの代理として2420万ユーロで落札。事前予想は400万〜600万ユーロだったため、実に4倍超のサプライズ価格となった。「手にした瞬間、思わず泣きそうになった。チマブーエはすべての始まりだ」とモレッティは語っている。
そしてフランスが「国宝」指定。落札直後、フランス政府はこの作品を「国家的至宝」に指定し、30か月間の国外持ち出し禁止令を発動。その間にルーヴル美術館が買い取り資金を集め、2023年に正式にコレクション入りを発表。現在はチマブーエ作《マエスタ》とともに展示される予定となっている。
ちなみに元の持ち主は……。女性は売却から2日後に亡くなり、3人の相続人が遺産を受け継いだ。長年お金の心配をしながら暮らしてきた可能性が高く、コメ欄では「数十年間、調理コンロの上に2000万ユーロをぶら下げて生きていたなんて……」と切ない声が相次いだ。
海外の反応
1. 海外の名無しさん
「持ち主の女性は売却の2日後に亡くなり、3人の相続人が遺産を受け継いだ」――ありがとうママ。じゃあねママ。タイミング良すぎるだろ……。
2. 海外の名無しさん(>>1への返信)
売却前に亡くなってくれてたら相続税の評価額が跳ね上がる前で済んだのに、っていう冗談がアメリカで流行ってるやつ。本人にとっては笑い事じゃないけど。
3. 海外の名無しさん(>>2への返信)
「ねえママ、相続評価額のリセットが必要なんだ。これ飲んでくれる?」みたいな黒いジョーク、アメリカ人ほんと好きよね。
4. 海外の名無しさん
13世紀の絵画の「最初の所有者」だって? それヴァンパイアじゃん。700年前から飾ってましたって、もはやホラー。
5. 海外の名無しさん
かわいそうな女性だな……。何十年もお金の心配で頭を悩ませてたかもしれないのに、解決策と人生を変える鍵が、ずっと目の前の壁にぶら下がってたなんて。
6. 海外の名無しさん(>>5への返信)
ルーマニアでは何十年もドアストッパーに使われてた石が100万ドルの隕石だった、って事件もあったね。世界はそういう「気づかれざる宝」で出来てる。
7. 海外の名無しさん(>>6への返信)
記事の最後の一文がいい。「これだけのお金があれば、あといくつドアストッパーが買えるだろうか」って。皮肉が効いてる。
8. 海外の名無しさん
ホットプレートの真上に飾ってあったって書いてあるんだが……修復家、これからどれだけ仕事することになるんだ。油と煤で大変なことになってそう。
9. 海外の名無しさん(>>8への返信)
逆に油の膜が空気を遮断して、酸化を防いでくれてた可能性すらあるって専門家が言ってた。料理の煙って案外悪くないのかもしれない。
10. 海外の名無しさん
こういう話を聞くと、世界中で毎年どれだけの「お宝」が遺品整理で捨てられてるんだろうって考えちゃう。「おばあちゃんのダサい絵? ゴミ箱にポイ!」って感じで失われた名画、絶対あるよ。
11. 海外の名無しさん(>>10への返信)
これ、まさに今うちで起きてる! 義母が美術史家でかつコレクター気質だったんだけど、家を整理してたら謎の絵が大量に出てきて。本棚の奥から1948年のオークションのパンフが出てきて、ようやく素性が判明した。リアル「なんでも鑑定団」だよ。
12. 海外の名無しさん
1280年頃に描かれた絵が、どういう経路でフランスのおばあちゃんの台所まで辿り着いたのか、その700年の旅路を全部知りたい。映画化希望。
13. 海外の名無しさん(>>12への返信)
2つの世界大戦で人がたくさん亡くなって、家を片付けた家族が「これ何かわからん」って二束三文で売っぱらったケース、欧州にはめちゃくちゃ多いらしいよ。19〜20世紀前半は中世絵画が完全に流行遅れで、そこらの古道具屋に普通に転がってた時代もあった。
14. 海外の名無しさん
作品サイズが約25×20cmだって! そんな手のひらサイズで30億円。アートの値段って本当に不思議。大きさじゃないんだなって改めて思う。
15. 海外の名無しさん
彼女、90歳まで生きたんだよね。一生お金の心配してたかもしれないのに、頭の上に20億円が常にぶら下がってたって思うと切なすぎる。
16. 海外の名無しさん(>>15への返信)
そして売却の数日後に亡くなる、っていうこの結末。神様もうちょっと粋な脚本書けなかったの?って言いたくなる。
17. 海外の名無しさん
画家がフィレンツェの人なのに、フランス政府が「国家的至宝」に指定するの、ちょっと面白くない? いや、判断としては正しいんだけど。
18. 海外の名無しさん(>>17への返信)
「フランスの土地で何百年も愛されてきた」っていうのも文化財の評価軸の一つだから、まあアリ。ルーヴルに収まる以上、人類全体としては勝ちでしょう。
19. 海外の名無しさん
国宝指定された結果、金持ちコレクターの邸宅に飾られる代わりに、ルーヴルで公開される運命になったの最高じゃん。世界中の人が見れるのが一番いい。
20. 海外の名無しさん
こういうの聞くと、お金って本当に「実在」してるのか?って気分になる。同じ板きれが、捨てる寸前のゴミから30億円に変わる瞬間に立ち会ってるわけで。
21. 海外の名無しさん
うちのおばあちゃん残したのは古いビニールの造花とアシュトレイだけ。なぜ私のおばあちゃんはチマブーエを集めなかったのか。先見の明がなさすぎる。
22. 海外の名無しさん(>>21への返信)
わかる。うちのじいちゃんが残した「これは価値が出るぞ」って言ってた切手帳、調べたら全部ただの記念切手だった。世代間で受け継がれる「自信満々のガラクタ」あるある。
23. 海外の名無しさん
台所に700年前の祭壇画を飾るセンス、逆にすごい。本人はたぶん「なんか古そうで雰囲気あるから」くらいの気持ちだったんじゃないかな。
24. 海外の名無しさん
鑑定人に見せてみよう、って提案した家族のファインプレーがすべて。普通は「いや捨てちゃおうよ」で終わってる。「念のため」の一言が30億円を救った。
25. 海外の名無しさん
家を片付けるとき、絶対に「これは古いから一応見てもらおう」って気持ちを忘れちゃダメだ、って教訓。今度実家帰ったら台所の絵全部チェックする。
まとめ
引っ越しの片付けで捨てられそうになった台所の小さな宗教画が、まさかの13世紀チマブーエ作で約30億円――。ホットプレートの真上で何十年も煤を浴び続けていた事実、売却2日後の急逝、そしてルーヴル収蔵までの劇的な展開に、コメ欄は「世界には気づかれぬ宝が眠っている」「家を片付ける時は必ず鑑定を」という声で溢れた。あなたの実家の壁、案外本物かもしれませんよ。

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