映画史にこれほど少ない音符で観客を震え上がらせた曲があるだろうか。『ジョーズ』のあの「ダァン……ダァン……」というたった2音のテーマ。じつは作曲家ジョン・ウィリアムズがそれを初めて監督に弾いて聞かせたとき、相手は「冗談だろ」と笑ったという。今や誰もが知るあの旋律は、危うくボツになりかけていた。
今日の知ってた?
🎬 ジョン・ウィリアムズが『ジョーズ』(1975)の2音だけのテーマをスティーヴン・スピルバーグ監督に初めて聞かせたとき、監督は冗談だと思って笑い、もっとメロディアスな曲を期待していた。ウィリアムズは「あなたが今見せてくれたあの映画に、あなた自身が洗練された上品なアプローチを取ったわけではないでしょう」と返したという。結果、この2音テーマは映画音楽史に残る名曲となり、アカデミー作曲賞を受賞した。
背景:ジョン・ウィリアムズと『ジョーズ』とは
ジョン・ウィリアムズは『スター・ウォーズ』『E.T.』『インディ・ジョーンズ』『ジュラシック・パーク』『ハリー・ポッター』など、誰もが一度は耳にした映画音楽を半世紀以上にわたって生み出してきた巨匠だ。アカデミー賞には50回以上ノミネートされ、受賞は5回。存命の作曲家として最多級のノミネート記録を持つ。
一方の『ジョーズ』は、当時まだ20代の新人監督スティーヴン・スピルバーグが手がけたサメ映画で、世界初の「サマーブロックバスター(夏の大ヒット作)」として映画産業のあり方を変えた一本。製作当時のスピルバーグはまだ実績の少ない若手で、すでにオスカー受賞歴のあるウィリアムズの方が格上の存在だった。
もう少し詳しく
「2音」が生まれた理由。ウィリアムズが選んだのは、低い2つの音(ミとファ)を交互に鳴らし、サメが迫るにつれてテンポを上げていくというシンプルきわまりない構造だった。スピルバーグが期待していたのは、もっと旋律的で「いかにも音楽」という曲。だからピアノで2音を弾かれたとき、てっきりイントロのジョークだと思ったらしい。
壊れまくった機械ザメ。じつはこの2音テーマ、結果的に映画を救うことになる。撮影に使われた機械仕掛けのサメ(愛称「ブルース」)が海水で何度も故障し、サメ本体をまともに映せないシーンが続出。そこでスピルバーグは「サメを見せずに恐怖を煽る」演出に切り替えざるを得なくなった。姿の見えないサメの接近を観客に伝えたのが、まさにあの2音だったのだ。プロップ(小道具)より音楽の方が、はるかに重い仕事をこなしたことになる。
ドヴォルザークの影。この旋律のルーツとして、しばしばドヴォルザークの交響曲第9番『新世界より』の冒頭が引き合いに出される。実際に似ているのは出だしのほんの数秒で「盗作」と呼べるものではないが、クラシックの語法を映画に持ち込むのはウィリアムズの得意技。彼自身、後年のインタビューで先人たちからの影響を率直に語っている。
海外の反応
1. 海外の名無しさん
個人的に好きなスピルバーグ&ウィリアムズの逸話は『シンドラーのリスト』の依頼の時。スピルバーグが作曲を頼んだら、ウィリアムズは「君にはもっといい作曲家が必要だ」と言ったんだ。スピルバーグの返しが最高でさ。
2. 海外の名無しさん(>>1への返信)
「わかってる。でもそういう連中はもうみんな死んでるんだ」だろ?あの返しは映画史に残る殺し文句だと思う。
3. 海外の名無しさん(>>1への返信)
存命で最高の作曲家だと伝える、これ以上ないくらい遠回しな言い方だよね。スピルバーグも粋すぎる。
4. 海外の名無しさん(>>1への返信)
自分もウィリアムズに同意するわ。あのスコアは本当に素晴らしかったし、それでもまだ「もっといい曲があったはず」と思わせるレベルだった。
5. 海外の名無しさん
極論じゃなく本気で言うけど、あのテーマ曲がなかったら『ジョーズ』はあそこまでの大ヒットにはなってないと思う。映像より音が怖い。
6. 海外の名無しさん(>>5への返信)
スター・ウォーズもそうだし、ジュラシック・パークも、ハリー・ポッターも……あれ、ちょっと待てよ、全部ウィリアムズじゃないか。
7. 海外の名無しさん(>>6への返信)
ええ……なんか魔法みたいな作曲家がいるんだなあ、ふーん、そうかそうか(震え声)。
8. 海外の名無しさん
スピルバーグの脳内ではこんな会話だったんだろうな。「ジョン、曲はさすがに2音より長くしないと」って。
9. 海外の名無しさん(>>8への返信)
「わかった、じゃあ2回弾くよ」
10. 海外の名無しさん(>>8への返信)
「よし、繰り返してだんだん速くしていこう」――これだけで世界中の人間がサメを怖がるようになったんだから恐ろしい。
11. 海外の名無しさん
これをスピルバーグへのマウントみたいに笑う人もいるけど、本当に大事なのは「彼が自分の間違いを認められた」ところだと思う。最初の反応は最悪だったのに、考えを変えて、結果は不朽の名作になった。
12. 海外の名無しさん(>>11への返信)
映画の現場で働いたことがあるけど、最初のビジョンに固執して、共同作業者のいいアイデアが見えなくなる監督は本当に多い。素直さって才能のうちだよ。
13. 海外の名無しさん
忘れちゃいけないのは、この時点でウィリアムズはもう大御所だったってこと。『屋根の上のバイオリン弾き』でオスカーも獲ってる。一方のスピルバーグは長編4本目の若造で、誰も名前を知らなかった。立場が逆なんだよね。
14. 海外の名無しさん(>>13への返信)
そう考えると、若手監督に向かって「あんたの映画は上品じゃなかっただろ」と言い返したウィリアムズの胆力よ。しかも正論なのがすごい。
15. 海外の名無しさん
じつはあの機械ザメが壊れまくってたおかげで、あの2音が本来の何倍も働くことになったんだよね。小道具より音の方が緊張感を作ってた。
16. 海外の名無しさん(>>15への返信)
故障した小道具が映画史に残る演出を生んだって、なんとも皮肉で美しい話だ。見えないものほど怖い。
17. 海外の名無しさん
『ジョーズ』なんて一度も観たことないのに、なぜか「ダァン……ダァン……」だけは生まれた時から知ってる気がする。文化に溶け込みすぎだろ。
18. 海外の名無しさん
偉大な映画監督の条件のひとつは、いつ謙虚になっていつ大胆になるかを見極められること。このケースでスピルバーグは賢く謙虚を選んだ、というだけの話。
19. 海外の名無しさん
あの旋律、ドヴォルザークの『新世界より』が元ネタって聞いたことある。最初の数秒だけだけど。
20. 海外の名無しさん(>>19への返信)
冒頭以外は全然似てないけどね。クラシックから着想を得るのはウィリアムズの十八番で、盗作とは違う。むしろ伝統の引用だよ。
21. 海外の名無しさん
今日ジョン・ウィリアムズの話を見るの2回目なんだけど、誕生日でもなんでもないのにこれは何かの前触れなのか……ちょっと落ち着かない。
22. 海外の名無しさん
スピルバーグがOK出したのって、ウィリアムズに「上品じゃなかっただろ」と言われて泣いて吐いた後だよね、たぶん。自分なら言われた瞬間に死んでる。その後も二人は何十本も一緒に作るんだから人生わからない。
23. 海外の名無しさん
2音であれだけ世界を支配した曲、ほかに思いつかない。強いて言えばベートーヴェンの「運命」の冒頭くらいか。少ない音ほど刺さる。
24. 海外の名無しさん(>>23への返信)
プールに入る前に頭の中で勝手に流れ始める曲、世界中であれだけだと思う。海が一気に怖くなる魔法の2音。
25. 海外の名無しさん
天才同士がぶつかって、片方が引いて、結果みんなが幸せになる。こういう創作の裏話を聞くと、名作って奇跡の積み重ねなんだなと改めて思う。
まとめ
世界一有名な恐怖の2音は、最初は「冗談だろ」と笑われ、危うく没になりかけていた――。コメント欄では『シンドラーのリスト』など他のウィリアムズ&スピルバーグ逸話で盛り上がる一方、「機械ザメの故障が逆にあの音を主役にした」「自分の間違いを認めた監督の素直さこそ偉い」と、名作誕生の裏にあった人間ドラマに感心する声が多く集まった。少ない音ほど深く刺さる、という不思議を実感させる一件だ。

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