「肉が足りない」「川が水草で埋まって船が通れない」——20世紀初頭のアメリカが、この二つの難題に本気で出した答えが、まさかの「アフリカからカバを輸入して食肉にする」だった。しかもこの計画、ただの与太話ではなく、あと一歩で議会を通りかけていた。南部ルイジアナがカバ肉の一大産地になりかけた、嘘みたいな本当の話。
今日の知ってた?
🦛 1910年、アメリカ議会で「カバをルイジアナの湿地に輸入して食肉として養殖する」法案(通称アメリカン・ヒッポ・ビル、H.R. 23261)が真剣に審議され、あと一歩で可決されかけた。狙いは深刻な肉不足の解消と、水路を覆い尽くす外来種ホテイアオイの駆除を同時に片付ける、一石二鳥の作戦だった。
背景:肉不足とホテイアオイ問題
20世紀初頭のアメリカは、人口の急増に牛肉の供給が追いつかず、深刻な「肉不足(ミート・クエスチョン)」に直面していた。食肉の価格は高騰し、安くて新しいタンパク源を見つけることが、新聞でも繰り返し論じられる国家的な関心事になっていた。
同じころ、南部ではもう一つの厄介者が暴れていた。観賞用としてアメリカに持ち込まれた水草ホテイアオイ(ウォーター・ヒヤシンス)だ。繁殖力が異常に強く、ルイジアナの川や運河を分厚いマット状に覆い尽くして船の航行を妨げ、水中の在来の魚や植物を窒息させていた。
ここで一人の政治家がひらめく。ルイジアナ選出の下院議員ロバート・ブルサードだ。「アフリカのカバを連れてくれば、あの厄介な水草を食べてくれる。そのカバを食肉にすれば肉不足も解決する」——一石二鳥どころか一石三鳥のアイデアだった。
もう少し詳しく
かつての敵同士が手を組んだ。この計画を強力に後押ししたのは、アメリカの伝説的スカウトフレデリック・バーナムと、ボーア戦争でかつて彼を暗殺しようとした元ボーア軍スパイフリッツ・デュケーヌだった。一度は殺し合った二人が、なぜか「カバ養殖」の夢で意気投合し、議会の委員会で並んで証言までしている。セオドア・ルーズベルト元大統領も乗り気で、ニューヨーク・タイムズ紙はカバ肉を「レイク・カウ・ベーコン(湖の牛のベーコン)」と呼んで応援した。
では、なぜ実現しなかったのか。法案はあと一歩のところで可決を逃し、その後うやむやのうちに立ち消えていった。第一次世界大戦が近づいて議会の関心がそれたこと、そして牛や豚の大規模畜産・鉄道輸送・冷蔵技術が一気に発達し、わざわざ危険なカバを飼わなくても安い肉を全国に安定供給できるようになったことが大きい。
もし実現していたら…?正直、ぞっとする結末も想像できる。カバは愛嬌のある見た目に反して世界で最も危険な動物の一つで、アフリカでは年間およそ500人がカバに命を奪われているとされる。これはライオンやワニによる死者より多い。気性が荒く、時速30キロを超える速さで突進し、巨大なアゴで人もボートも簡単にへし折る。そんな動物がルイジアナの湿地で野生化していたら——コロンビアでパブロ・エスコバルが残した「コカイン・ヒッポ」のような事態が、もっと大規模に起きていたかもしれない。
海外の反応
1. 海外の名無しさん
カバのリブアイステーキがどんな味なのか、急に猛烈に気になってきた。誰か実際に食べたことある人いないの?
2. 海外の名無しさん(>>1への返信)
どうせ「鶏肉っぽい」って言うんでしょ。世の中の珍しい肉、なぜか最終的に全部チキン味に着地するの法則。
3. 海外の名無しさん
当時のニューヨーク・タイムズが本気でカバ肉を「レイク・カウ・ベーコン(湖の牛ベーコン)」って呼んでたの、ネーミングセンスが渋滞してて逆に好き。
4. 海外の名無しさん(>>3への返信)
「湖の牛ベーコン」、字面のパワーが強すぎる。スーパーの精肉コーナーに並んでたら確実に二度見する自信あるわ。
5. 海外の名無しさん
この話、ちゃんと最後まで読むとマジで頭おかしいレベルで面白いから全員に読んでほしい。なんせ元敵同士のスパイ二人が絡んでくる展開なんだ。
6. 海外の名無しさん(>>5への返信)
ボーア戦争でお互いを暗殺しようとした男二人が、数年後に「カバを食肉にしよう」で意気投合して議会証言してるの、脚本だったら現実味がないとボツになるやつ。
7. 海外の名無しさん
みんな味の話で盛り上がってるけど、カバって地上で最も人を殺してる大型動物の一つだからな?アフリカじゃ年間500人くらいやられてるんだぞ。
8. 海外の名無しさん(>>7への返信)
ライオンより全然多いんだよね。見た目はずんぐりした水牛なのに、中身は怒れる戦車。縄張りに入った瞬間、ボートごと真っ二つにされる。
9. 海外の名無しさん
南ルイジアナ住みだけど、頼むからウチの裏の沼にカバを放流するのだけはやめてくれ。お前は何様だ、パブロ・エスコバルか?
10. 海外の名無しさん(>>9への返信)
エスコバルはコロンビアにたった4頭入れただけだぞ。それが今や200頭超の群れになって暴れ回ってる。近親交配のせいでますます凶暴になってるらしい。
11. 海外の名無しさん(>>10への返信)
普通のカバですら手に負えないのに、向こうのは「コカイン・ヒッポ」だからな。アメリカでやってたら「コカイン田舎カバ」が誕生してたわけだ。地獄絵図すぎる。
12. 海外の名無しさん
ルイジアナといえばワニだけど、カバが来たらワニなんて瞬殺だろ。あのアゴで大きいワニも真っ二つにして、そのまま踏み潰してミンチにするぞ。
13. 海外の名無しさん(>>12への返信)
ワニは水から出て放っておけば基本襲ってこないけど、カバは縄張り意識が異常に強くて、足も速いし大きいワニの5倍はある。そもそも勝負にすらならない。
14. 海外の名無しさん
カバの群れを馬に乗って追い込むカウボーイ、想像しただけでシュールすぎる。投げ縄が通用するような重さじゃないだろ、あれ。
15. 海外の名無しさん
味うんぬん以前に、カバは生態系への破壊力もえげつないからな。とんでもない量のフンをするせいで水質が一気にやられて、在来の生き物が死んでいく。
16. 海外の名無しさん
そもそも発端のホテイアオイ問題が本当に深刻だったんだよな。川という川が分厚い水草のマットで埋め尽くされて、船が一切通れなくなってた。
17. 海外の名無しさん(>>16への返信)
外来種を別の外来種で駆除しようって発想、だいたい悲劇に終わるやつ。アフリカのナイルパーチ事件とか、オーストラリアのオオヒキガエルを思い出して震えるわ。
18. 海外の名無しさん
オーストラリアなんてサトウキビの害虫退治にオオヒキガエルを放したら、肝心の害虫はそのままでカエルだけが国中に大繁殖したからな。人類、学習しなさすぎる。
19. 海外の名無しさん
これが実現しなくて本当によかったとしか言いようがない。アメリカ南部の湿地が野生のカバだらけになる未来、ただのホラーでしかないだろ。
20. 海外の名無しさん(>>19への返信)
ハイウェイに「カバ横断注意」の標識が立って、I-10が大渋滞する世界線か。観光名所にはなったかもしれないけど、その分の犠牲も多そうだな。
21. 海外の名無しさん
この法案、あと一票二票のところまで本当に行ったっていうのが一番こわい。当時の議員のノリ次第では、今ごろ普通にスーパーでカバ肉が売られてた可能性があるわけだ。
22. 海外の名無しさん
実際にアフリカでカバを狩ったハンターによると、味は高級牛と淡白な豚の中間くらいで、しかもよく霜降りになってるらしい。正直、ちょっと食べてみたい自分がいる。
23. 海外の名無しさん
肉不足を野生の猛獣で解決しようとする発想がもう100年前のアメリカって感じで最高だな。結果的に冷蔵技術と畜産が間に合って、人類はカバと共存せずに済んだわけだ。
まとめ
肉不足と外来種の水草という二つの難題を、まさかの「カバ輸入」で一気に片付けようとした1910年のアメリカ。元敵同士のスパイ、元大統領、大新聞まで巻き込んだこの計画は、あと一歩で現実になりかけて消えていった。コメント欄も「味は気になる」「でもカバは想像以上に危険」「実現しなくて本当によかった」と、好奇心と恐怖が入り混じった反応で大盛り上がり。歴史の「もしも」を覗くたびに、冷蔵庫とスーパーに並ぶ牛肉のありがたみが、ほんの少しだけ増す話だった。


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