ディズニープラスの大ヒットドラマ『マンダロリアン』に登場した、緑色の小さな赤ちゃん「グローグー」(通称ベビーヨーダ)。あの愛らしい仕草はCGではなく、職人が動かす実物の人形(パペット)で撮られていた。じつはその裏で、「人形を諦めてCGに差し替えよう」とする現場を一言で黙らせた男がいる——ドイツの伝説的監督、ヴェルナー・ヘルツォーク。彼の放った言葉は「お前たちは臆病者だ。そのまま残せ」だった。
※注:マンダロリアン=スター・ウォーズの実写ドラマ。グローグー(ベビーヨーダ)はその主人公の相棒となる小さな宇宙人。
今日の知ってた?
🎬 『マンダロリアン』の撮影現場で、監督のジョン・ファヴロー(『アイアンマン』)とデイヴ・フィローニ(『クローン・ウォーズ』)は、当初グローグーの人形シーンをCGに差し替える前提でも撮影していた。だがゲスト出演していたヴェルナー・ヘルツォークがそれを見て一言、「You are cowards. Leave it.(お前たちは臆病者だ。そのまま残せ)」。この一喝で人形続投が決まり、世界中が惚れた“あのベビーヨーダ”が誕生した。
背景:ヴェルナー・ヘルツォークとはどんな人物か
ヴェルナー・ヘルツォークは1942年生まれのドイツ人映画監督。『アギーレ/神の怒り』『フィツカラルド』『グリズリーマン』など、フィクションとドキュメンタリーの境界をぶち破る作品で知られる映画史の生けるレジェンドだ。撮影のためにアマゾンの密林を実際に蒸気船で越えさせたり、賭けに負けて自分の革靴を本当に煮て食べたりと、エピソードのどれもが現実感を疑うレベル。インタビュー中に銃で撃たれた直後、「大したことない」と言ってそのまま喋り続けた逸話もある。
そんな“映画の鬼”が、『マンダロリアン』シーズン1で謎めいた帝国残党「クライアント」役としてカメオ出演していた。役柄もすごいが、現場での発言力は出演者というより一介の哲学者である。
もう少し詳しく:なぜ人形のままが正解だったのか
“CG前提の保険撮影”が常識になっていた現場。当時のハリウッドでは、たとえ人形やセットがあっても「あとからCGに差し替えられるように、人形を外したテイク」を一応押さえておくのが定番だった。フィローニはアニメ畑出身(フル3DCGの『スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ』を10シーズン以上手がけた)こともあり、最終的にグローグーもCGに置き換える可能性を残していたという。
ヘルツォークが感じた「実体の力」。制作ドキュメンタリーによれば、現場のヘルツォークはカメラが止まっている間もパペットに直接話しかけ、しまいには人形そのものに演技指導を始めていたという。役者として人形を“同僚”扱いするうちに、本物が画面に存在することの強さを誰よりも理解していた。
結果、世界が惚れた。シーズン1放送直後、SNSはベビーヨーダ一色になった。後にファヴロー自身も「あの判断は完全に正しかった」と認めている。もしCGに差し替えられていたら、目元のディテールが過剰に作り込まれ、“ちょっと不気味な小さい老人”になっていた可能性も指摘されている。
海外の反応
1. 海外の名無しさん
「お前たちは臆病者だ」のところ、ヘルツォークの低音ボイスで完全に脳内再生された。あの人が言うとガチで効くやつ。
2. 海外の名無しさん(>>1への返信)
ドイツ訛りで「Lif itttt(リーフ・イット)」って聞こえてくるよね。文字で読んだだけなのに音声付き。
3. 海外の名無しさん
ヴェルナー・ヘルツォークに面と向かって「お前は臆病者だ」と言われるほどこの世で刺さる言葉、なかなか無い。
4. 海外の名無しさん(>>3への返信)
あの監督、クラウス・キンスキーっていう超危険人物と自分の意志で5本も映画作ってるからな。恐怖というOSが入ってない。
5. 海外の名無しさん
メイキングで人形遣いさんが言ってたけど、ヘルツォークはパペットに直接話しかけて、しまいには人形のほうに演技指導してたらしい。やっぱり実体のあるものは違う。
6. 海外の名無しさん(>>5への返信)
マペット効果ってやつだよね。カメラ止まってても「もう一人の俳優」として扱っちゃう。役者として一流の人ほどあれにハマる印象ある。
7. 海外の名無しさん
脳内ではオビ=ワンの幽霊みたいに、どこからともなくヘルツォークの声が降ってくる映像で再生された。「使え……人形を使うんだ、臆病者よ……」
8. 海外の名無しさん
ヘルツォークがあの人形を選んだ理由のコメントが好き。「私は赤ちゃんを見たいのだ」だってさ。シンプル過ぎて逆に強い。
9. 海外の名無しさん(>>8への返信)
哲学書みたいな文章書く人なのに、現場では一行で核心突いてくるのほんと反則。
10. 海外の名無しさん
思い出してほしい。この人は「30トンの船をジャングルで引きずる映画」を撮るために、本物の300トンの船を本気でジャングルで引きずった男だぞ。臆病者呼ばわりする資格がある人類トップ10には入る。
11. 海外の名無しさん(>>10への返信)
270トン余分に積んで自分から難易度上げる発想がもう普通じゃない。
12. 海外の名無しさん
「気に入った。文句も言わないし、このまま使え」って言ったらしいの好きすぎる。新入りに対する町工場の親方の感想じゃん。
13. 海外の名無しさん(>>12への返信)
それと比べてCG背景の中、ランプ相手に一人で泣きながら演技してたガンダルフのおじいちゃん(イアン・マッケラン卿)よ……どっちが現場として健全なのか考えさせられる。
14. 海外の名無しさん
ヘルツォークが正しい。「何もない空間」に向かって演技して、観客に「何かある」と感じさせるのは無理がある。役者にも観客にも酷だよ。
15. 海外の名無しさん(>>14への返信)
まあボブ・ホスキンス(『ロジャー・ラビット』で全編CGキャラ相手に演技した名優)クラスなら別だけどね。あれは例外中の例外。
16. 海外の名無しさん
撮影現場でヘルツォークに「臆病者」って言われるの、ある意味この世で一番ヘルツォークらしい現象。あの人だけ別次元の人生歩んでる。
17. 海外の名無しさん
ヘルツォーク本人のニワトリ語りが好き。「ニワトリの目を覗き込んでみるといい。そこにあるのは底なしの愚かさだ」とかいう詩なのか悪口なのか分からん発言。
18. 海外の名無しさん(>>17への返信)
「ディズニーのプロデューサーを見るときも同じだ」みたいなオチを付けそうで怖い。冗談じゃなくマジで言いそうなのがすごい。
19. 海外の名無しさん
ヘルツォークって声だけで人を軽い鬱にできる男だぞ。その人がベビーヨーダに完全に心を奪われて「これを守れ」って動いたの、それだけで泣ける話だわ。
20. 海外の名無しさん
正直、人形じゃなかったらマンダロリアンはここまでヒットしてないと思う。CGモデルって誘惑に勝てなくて、皺とか質感を盛りすぎて、ちょっと気持ち悪い小ジジイになる未来しか見えない。
21. 海外の名無しさん(>>20への返信)
あとCGだと撮影終了後にプロモのテレビ番組に出れないからね。実体があるからこそ、ベビーヨーダはトークショーにも出れるアイドルになれた。
22. 海外の名無しさん
TIL(今日知った):ヘルツォークがマンダロリアン出てた事実のほうがびっくりなんだが。
23. 海外の名無しさん(>>22への返信)
あの人、想像のつかないドラマにフラッと出てくるんだよ。米コメディの『パークス・アンド・レクリエーション』、トム・クルーズ版の『リーチャー』、そしてマンダロリアン。出演リスト謎すぎる。
24. 海外の名無しさん
最近の一部のハリウッド勢、なんでもかんでもCGにしたがる風潮どうにかならんのか。実物で撮れるものは実物で撮ろうよ。
25. 海外の名無しさん
ヘルツォークの脳内ナレーション付きで読み返してほしい。「私はセットに到着し、その小さき緑の生き物と目を合わせた。おもちゃ屋の人形のような佇まいでありながら、その瞳は世界に見つけ出されることを切に願っていた——」みたいな。完全にドキュメンタリーが一本撮れる。
まとめ
「人形のままで撮れ。CGに逃げるな」——ヴェルナー・ヘルツォークの一言で守られた、世界が惚れたあのベビーヨーダ。海外コメ欄も「人形だからこそ可愛い」「ヘルツォークに臆病者って言われたら誰でも従う」と大盛り上がりだった。最新技術が万能の時代だからこそ、ベテランの「現場の勘」が効く瞬間がたまにある——そんなことを思わされる小さな逸話だった。


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