「みんなが大好きなあのディズニー映画が、舞台になった本場の国では大コケしていた」——1997年に公開されたミュージカルアニメ『ヘラクレス』は、明るい音楽とコミカルな演出で世界的な人気作になった。ところがギリシャ神話の“地元”であるギリシャでは、文化当局や親たちから猛烈な批判を浴び、アテネの劇場は記録的なガラガラだったという。
※注:主人公の名前「ヘラクレス」は実はローマ神話での呼び名で、ギリシャ神話での本来の名前は「ヘラクレース(Heracles=“ヘラの栄光”という意味)」。日本語ではどちらも「ヘラクレス」と訳されることが多いので、この記事でも基本は「ヘラクレス」で統一します。
今日の知ってた?
📏 1997年公開のディズニー映画『ヘラクレス』は、神話の本場ギリシャで酷評された。文化当局や親たちが「古代神話を単純化し、歪めている」と非難してボイコットが起き、アテネの劇場では記録的な低観客動員を記録したと伝えられている。
背景:ディズニー版と本物のギリシャ神話
ディズニー版『ヘラクレス』は、天界の王ゼウスと女神ヘラの息子として生まれたヘラクレスが、オリンポスの乗っ取りをたくらむ冥界の神ハデスの陰謀で人間界に落とされ、数々の試練を乗り越えて英雄になる——という、明るく前向きなヒーローものだ。悪役ハデスの早口なまくし立てや、ゴスペル調で歌う女神たち(ミューズ)の陽気さは、今も名シーンとして語り継がれている。
ところが、これが本家のギリシャ神話とはかなり違う。まず大きいのが「悪役の入れ替え」だ。原典では、ヘラクレスの母親はヘラではない。彼はゼウスと人間の女性との間に生まれた子で、そのためゼウスの正妻ヘラに激しく憎まれ、生涯にわたって迫害され続ける。つまり本当の“黒幕”はハデスではなくヘラの方なのだ。皮肉なことに、ギリシャ名「ヘラクレース」は「ヘラの栄光」という意味なのに、当のヘラは彼を殺そうとし続けた張本人、という構図になっている。
もう一つがハデスの扱い。ギリシャ神話のハデスは、冥界を治める神ではあっても“悪魔”ではない。むしろ比較的公正で理性的な神とされ、キリスト教の悪魔(サタン)のような存在ではなかった。「ハデス=悪の親玉」というイメージは、後世のキリスト教文化の中で少しずつ作られていったもので、ディズニーはそのイメージをさらに広めた形になる。
もう少し詳しく
本当のヘラクレスの物語は、かなり暗い。ヘラの呪いで正気を失ったヘラクレスは、自らの妻や子どもを手にかけてしまう。神話でおなじみの「12の試練(功業)」も、実はその罪をあがなうための贖罪として課されたものだ。最期も英雄的な大団円とは程遠く、毒による激しい苦しみの末に命を落とす。とても子ども向けのハッピーな物語には、そのまま持ってこられない筋書きなのだ。
「ローマの英雄を、ギリシャの英雄として売った」という不満も。「ヘラクレス(Hercules)」はローマ名で、ギリシャでの本来の名は「ヘラクレース(Heracles)」。アメリカではローマ名の方が圧倒的に浸透しているためディズニーはそちらを採用したが、ギリシャ側から見れば「自分たちの英雄の名前も神話の中身も別物にされた」と映った。文化当局や親たちが「神話を単純化・歪曲している」と反発したのには、こうした背景がある。
海外の反応
1. 海外の名無しさん
正直、ディズニーは翻案した物語のほとんどを大なり小なり歪めてるよね。それがもう彼らのお家芸みたいなもの。今さらヘラクレスだけ槍玉に挙げるのもなあ、って気はする。
2. 海外の名無しさん(>>1への返信)
いや、でも子ども向けアニメから、ヘラクレスが正気を失って自分の家族を手にかける話とか、ゼウスの数々の女性関係を全部カットしたのには、さすがに理由があると思うぞ…。
3. 海外の名無しさん
細かいことを言うと、あの映画って主人公はローマ名の「ヘラクレス」なのに、周りの神様はギリシャの神々っていう、ちょっとちぐはぐな構成なんだよね。
4. 海外の名無しさん(>>3への返信)
アメリカだと、みんなこの英雄をローマ名の「ヘラクレス(Hercules)」で覚えてるんだよ。もしギリシャ名の「ヘラクレース(Heracles)」でタイトルを付けてたら、今度は「名前が間違ってる」って叩かれてたと思う。
5. 海外の名無しさん(>>3への返信)
ローマ名の方を残したくせに、ヘラを主人公の優しいお母さんにしちゃったのが一番笑えるんだよな。ギリシャ名の「ヘラクレース」って「ヘラの栄光」って意味なのに、本家のヘラは生涯かけて彼を殺そうとしてた張本人なんだから。
6. 海外の名無しさん
この映画への唯一の不満は、「ハデス=悪者」ってイメージを世間に定着させちゃったこと。本当のハデスは冥界を治めるすごく理性的な神で、宮殿の壁は地中の宝石や鉱物で覆われた、世界一美しい王国の主なんだよ。
7. 海外の名無しさん(>>6への返信)
ハデスが悪く描かれてるのは、要するにオリンポス側のプロパガンダってやつだよな。勝った側が歴史を書くってことさ。
8. 海外の名無しさん(>>6への返信)
分かる。俺もつい最近まで、ハデスがギリシャ版のサタンみたいな存在じゃないって知らなかった。実際はかなり穏やかで、話の分かる神様なんだよね。
9. 海外の名無しさん(>>6への返信)
まあ擁護すると、ハデスはこの千年くらいずっとキリスト教文化の中で悪役ポジションに押し込められてきたからね。そのイメージをディズニーだけのせいにするのは、ちょっと酷かも。
10. 海外の名無しさん
これは内緒の話なんだけど、この前ハデス本人に会ったら、ジェームズ・ウッズ(映画版ハデスの声を担当した俳優)に声を当てられたことを、めちゃくちゃ恥ずかしがってたよ。
11. 海外の名無しさん(>>10への返信)
ジェームズ・ウッズって人間性はかなりアレだけど、あのキャラの声だけは本当に完璧にハマってたよな。あの早口でまくし立てるハデスは、彼にしか出せなかったと思う。
12. 海外の名無しさん
ヘラクレス、普通に名作だったじゃん。救いのない原典の“現実”より、よくできた“物語”の方が好きな、ただのアホなアメリカ人でごめんね。
13. 海外の名無しさん
ギリシャ人だけど、正直そんなに大きな批判があった記憶はないな。むしろ同時期の他のディズニー映画と同じくらい、普通にヒットしてたと思う。「炎上」って書いてる記事、探しても海外メディアのが数本見つかっただけだった。
14. 海外の名無しさん(>>13への返信)
47歳のギリシャ人だけど同意。批判してたのはテレビの討論番組くらいで、ほとんどの人は子どもと一緒に観て、そのまま忘れてったよ。
15. 海外の名無しさん
音楽が本当に良くて、今でも一番好きなディズニー映画。ただ大人になってから、本物のヘラクレスの話がどれだけ違うか知って、正直ちょっと騙された気分になったな。
16. 海外の名無しさん(>>15への返信)
それな。ストーリーの評価は人によって分かれても、あのサントラだけは文句なしの名盤だと思う。
17. 海外の名無しさん
あの映画、プロットはもう完全に二次創作の域だよね。だって本当の神話だと、ヘラクレスを苦しめる黒幕はハデスじゃなくてヘラなんだから。
18. 海外の名無しさん
これって、同じ神話でも文化によって全然違う重みを持つことのいい例だよね。片方には無害な創作アレンジに見えても、もう片方には自分たちの歴史や伝統を歪められたように感じる。
19. 海外の名無しさん
高校のラテン語の授業で、この映画を2日かけて観て、ひたすら神話的な間違いを指摘していく時間があったな。ツッコミどころのリストがとにかく膨大だった。
20. 海外の名無しさん
アニメ映画であってドキュメンタリーじゃないんだから、そこまで目くじらを立てなくてもいいのに…とは正直思ってしまう。
21. 海外の名無しさん
まだ観たことないんだけど、ギリシャ在住の友達はみんな大好きって言ってるんだよね。この前も勧められたし、そのうち観てみようかな。
22. 海外の名無しさん
結局のところ、良い物語のためなら事実なんて気にしない——その姿勢って、話を盛りまくった古代ギリシャ人自身とそっくりだよね。
まとめ
神話の“本場”だからこそ、単純化されたアレンジが我慢ならなかった——というのが今回の話。ただしコメント欄では、「実際はそこまで炎上してない」「批判してたのはテレビの討論番組くらい」というギリシャ人本人の証言も多く、騒動の規模そのものを疑う声も目立った。一方で「本当の悪役はハデスじゃなくヘラ」「音楽だけは文句なしの名盤」といった、神話マニアと映画ファンの温度差がにじむコメントが並んだのも印象的だった。
元ソース: 1997年に公開されたディズニー『ヘラクレス』は本場ギリシャで酷評され、ボイコットとアテネでの記録的な低観客動員を招いた

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