「史上初の月面カラー生中継は、飛行士がカメラを太陽に向けた瞬間に終わった」アポロ12号の、あまりに人間らしい失敗

thumb-2010 歴史

1969年11月、人類は二度目の月面着陸に成功した。アポロ12号である。今回の目玉は、アポロ11号では白黒だった月面からの生中継が、史上初めてカラーで届くこと。世界中の茶の間がその瞬間を待っていた。ところが中継は、始まってまもなく突然終わってしまう。原因は機械の故障でも通信のトラブルでもなく、宇宙飛行士のちょっとした手元のミス。カメラのレンズが、向けてはいけないものに向いてしまったのだ。

今日の知ってた?

📺 1969年のアポロ12号で、月面に降り立った宇宙飛行士アラン・ビーンは、カラーテレビカメラを設置する途中で誤ってレンズを太陽の方向へ向けてしまった。強烈な光でカメラの心臓部である撮像管が焼き付いて故障し、史上初の「カラーでの月面生中継」はその時点で打ち切りに。世界中の視聴者は、残りの月面活動を音声と、後から公開される写真で追うことになった。

背景:史上初の「カラー月面中継」だった

1969年7月、アポロ11号が月に降りた瞬間の生中継を、世界中の何億人もの人々が見守った。ただしあの映像は、ざらついた白黒だった。その4か月後に打ち上げられたアポロ12号は、人類二度目の月面着陸であると同時に、「今度はカラーで月を見せる」という期待を背負ったミッションでもあった。搭乗したのはピート・コンラッド船長、司令船を担当するリチャード・ゴードン、そして着陸船パイロットのアラン・ビーン。月面からのカラー生中継は、これが史上初になるはずだった。

当時のテレビカメラの心臓部は、「撮像管」と呼ばれる真空管の一種である。レンズから入った光を感光面で受けて映像信号に変える仕組みで、これが強い光に極端に弱い。太陽のような強烈な光源をまともに捉えると、感光面が焼き付いてしまい、二度と元には戻らない。

そして月面には、光を和らげてくれる大気も雲もない。地球にいるとき以上に、太陽は「カメラを向けてはいけない相手」だった。設置作業のわずかな手元の狂いが、そのまま取り返しのつかない故障につながる環境だったのである。

もう少し詳しく

中継はあっけなく終わった。最初の船外活動で、ビーンはカラーカメラを三脚へ据え付ける作業を担当していた。その途中、レンズが太陽の方向を向いてしまう。画面は乱れ、映像はそのまま戻らなかった。地上管制とやり取りしながらあれこれ試し、しまいには岩石採取用のハンマーでカメラを軽く叩いてもみたが、焼き付いた撮像管が直るはずもない。月面からのテレビ中継はここで打ち切りとなった。

ビーンは打ち上げの時点で、すでにミッションを救っていた。実はアポロ12号は、打ち上げ直後にサターンVロケットへ雷が直撃し、機体から送られてくるデータが大混乱に陥ったミッションでもある。このとき管制官のジョン・アーロンが出した「SCEをAUXへ」という復旧指示は、あまりに無名の手順で、船長のコンラッドですら「何のことだ」と返したと伝えられる。そのスイッチの場所を即座に思い出し、切り替えたのがほかならぬビーンだった。この対応がなければ打ち上げは中止になっていた可能性が高い。カメラの一件だけを切り取って「そそっかしい人」と評するのは、少々気の毒なのである。

その後のビーンは、月を描く画家になった。ビーンは月面を歩いた4人目の人類である。NASAを離れた後は本格的に絵の道へ進み、以後何十年にもわたって月をテーマにした絵を描き続けた。テレビカメラで月を映すことに失敗した男が、まったく別の方法で人々に月を見せ続けたことになる。この転身は、元スレのコメント欄でも「詩的だ」と評判だった。

海外の反応

1. 海外の名無しさん
宇宙飛行士だって、たまには手元が狂う。人類の上澄みを煮詰めたような人たちでもこうなんだから、なんだか少し安心する話だよ。

2. 海外の名無しさん(>>1への返信)
これは学校の授業で教えるべき話だと思うんだ。「どんなに優秀な人でも失敗する。そして失敗しても、その後の人生はちゃんと続く」っていう最高の教材になる。むしろ、この話を今まで一度も聞いたことがなかったのが不思議なくらいだ。

3. 海外の名無しさん(>>2への返信)
うちの親は真逆の教育方針でね。ミスするたびに「そんなんじゃ大学も無理、就職も結婚も無理」と言われて育った。今では家族の中で一番ちゃんと就職して結婚してるのが俺だから、あれはあれで効いたのかもしれないが。

4. 海外の名無しさん
ビーンのカメラ受難はこれだけじゃないぞ。月面では自分を撮るために持ち込んだカメラ用のタイマーを紛失してるし、地球への帰還時には、船内で外れた別のカメラが頭を直撃してる。そして宇宙飛行士を引退した後、彼は画家になった。

5. 海外の名無しさん(>>4への返信)
宇宙飛行士にカメラマンの訓練をさせるからこうなるんだよ。逆にすればよかったんだ。カメラマンを探してきて、そいつに宇宙飛行士の訓練をさせればいい!

6. 海外の名無しさん(>>5への返信)
やめろ、それはもう『アルマゲドン』だ。ベン・アフレックが「石油掘削員に宇宙飛行士の訓練をさせるより、宇宙飛行士に掘削を教える方が早くないですか」と監督に聞いたら、「いいから黙ってろ、これは真面目な計画なんだ」と返されたという話を思い出した。

7. 海外の名無しさん
一応弁護しておくと、訓練では本物のカメラではなく木のブロックを代わりに使っていたそうだ。設置の手順は体に叩き込んでいても、「どこに向けたら壊れるのか」を実機で確かめる機会がなかった。飛行士個人というより、仕組みの側の問題でもあるよ。

8. 海外の名無しさん
検証好きの宇宙マニアの間では、厳密には太陽そのものではなく、着陸船の降下段に張られた金色の断熱フィルムに反射した太陽光へレンズが向いた瞬間にやられた、という説も語られてるんだよな。どちらにしても、遮るもののない月面の太陽光は容赦がない。

9. 海外の名無しさん
太陽というのは敬意を払うべき相手なんだ。地球の上でだって、カメラを太陽に向けっぱなしにすればセンサーが焼ける。まして大気のフィルターすらない月面でそれをやったら、そりゃこうなる。

10. 海外の名無しさん
あの撮像管は60年代技術の結晶で、のちの80年代のビデオカメラにつながっていく代物だった。ビーンは中継が消えたことを相当悔やんでいたが、船外服姿でできることといえば、岩石ハンマーでカメラをコツコツ叩いて復活を祈るくらい。人類ははるばる月まで行って、テレビの側面を叩きながら「映れ」とやっていたわけだ。

11. 海外の名無しさん(>>10への返信)
うちの実家のテレビ、昔は本当にそれで直ってたんだよなあ。「叩けば直る」が月面まで持ち込まれていたと思うと、ちょっと感動すら覚える。

12. 海外の名無しさん
名誉のために補足しておく。アポロ12号は打ち上げ直後にサターンVロケットへ雷が直撃して、送られてくるデータがめちゃくちゃになったミッションでもある。管制官のジョン・アーロンが出した「SCEをAUXへ」という復旧指示はあまりに無名で、船長ですら「何だそれは」と返したほど。その中で、どのスイッチのことか即座に分かって切り替えたのがビーンだった。二人のどちらかが欠けていたら、打ち上げは中止になっていた可能性が高い。

13. 海外の名無しさん(>>12への返信)
で、そのSCEというのは結局何の装置なんだ?初めて聞く名前なんだが。

14. 海外の名無しさん(>>13への返信)
信号調整装置(Signal Conditioning Equipment)のことだ。機体から届く計測データを整える地味な装置で、補助(AUX)モードに切り替えると低電圧でも動く。アーロンは約1年前のシミュレーションで似たような異常パターンを見て、それを覚えていたらしい。地味な記憶力がミッションを丸ごと救った瞬間だよ。

15. 海外の名無しさん
まあ、打ち上げの時点でミッションを丸ごと救っているんだから、カメラ1台くらいは貸し借りの範囲内だろう。差し引きすれば、ビーンの大黒字で決算は終わってる。

16. 海外の名無しさん
リアルタイム世代だけど、あれは本当にがっかりだったんだ。アポロ11号は白黒だったから、「今度はカラーで月が見られる」とみんな楽しみにしていた。しかも次のアポロ13号は月に降りられず、カラー中継は結局アポロ14号までお預け。それで、いざカラーで見たら月面にはほとんど色がないという落ちまでついた。色がついていたのは、宇宙服の赤いストライプと国旗くらいだったよ。

17. 海外の名無しさん(>>16への返信)
ひとつだけ確かなことがある。「カメラが壊れる瞬間」だけは、生中継で見た人類が一人もいない。カメラが壊れたからな。

18. 海外の名無しさん
ドラマ『人類、月に立つ』(原題: From the Earth to the Moon)でビーンを演じたデイブ・フォーリーが、これがまた愛嬌があって最高なんだ。というかあのシリーズ、出演者一覧を見てほしい。90年代の俳優を全員詰め込んだような豪華さで、キャストを積み上げたらそのまま月に届きそうな勢いだ。

19. 海外の名無しさん
ビーンは引退後、何十年も月の絵を描き続ける画家になった。テレビカメラで月を映し損ねた男が、まったく別の方法で人々に月を見せ続けたことになる。ちょっと詩的な話だと思わないか。

20. 海外の名無しさん(>>19への返信)
まあ、どう考えても写真家にはなれなかったからな……。

21. 海外の名無しさん
キューブリックが監督していたら、こんな撮影ミスは起きなかったはずなんだけどな。(※「月面着陸はスタンリー・キューブリックがスタジオで撮影した」という定番の陰謀論ジョーク)

22. 海外の名無しさん
月面での機材トラブルはビーンだけじゃないぞ。アポロ16号ではジョン・ヤング船長が足をケーブルに引っかけて、熱流量を測る実験装置を丸ごと使えなくしている。あの分厚い船外服と足場の悪さで、むしろ事故がこの程度で済んでいたのがすごいと思う。

23. 海外の名無しさん
宇宙業界にはこういう格言がある。「元気を出せ。どれだけ手ひどく失敗しても、『2億9千万ドルの気象衛星を工場の床に倒しました』と上司に報告する羽目にだけはならない」。これが実際にあった事故だというのが、いちばん恐ろしいところだが。

24. 海外の名無しさん
いい仕事だったな、さすがミスター・ビーンだ。

まとめ

史上初の月面カラー生中継は、設置中のカメラが太陽を向いてしまうという一瞬のミスで幕を閉じた。ただ、コメント欄の空気は責めるどころか妙に温かい。打ち上げ直後の雷トラブルからミッションを救ったのは当のビーンだったこと、訓練では木のブロックしか使えなかったこと——事情を知るほど、笑いながらも肩を持つ声が増えていく。そして引退後のビーンは、何十年も月を描き続ける画家になった。テレビで月を映し損ねた男が、絵筆で月を見せ続けたのである。「学校で教えるべき失敗談」というコメントが上位に来ていたのも、頷ける話だ。

元ソース: アポロ12号で宇宙飛行士アラン・ビーンが月面のカラーテレビカメラを誤って太陽に向けてしまい、撮像管が焼き付いて残りの月面生中継が打ち切られた

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