アメリカ・テキサス州ホワイトセトルメント※という小さな町の図書館に、2010年から看板猫として住み着いていた一匹のオス猫がいました。名前はブラウザー(Browser)。子どもたちに本を読む楽しさを教え、来館者に撫でられて暮らす日々——ところが2016年、町議会のある議員が「公共施設に動物はふさわしくない」と退去を決議。猫を追い出そうとした大人と、猫を守ろうとした住民との戦いが始まります。そして数年後、皮肉な結末が訪れました。
※注:ホワイトセトルメント(White Settlement)はテキサス州フォートワース近郊の人口約1万7千人の町。1840年代、周囲がネイティブアメリカンの集落だった中で、白人入植者の「孤立した居住地」だったことが地名の由来。2005年に町名変更の住民投票が行われたが、2,388対219で圧倒的に否決された。
今日の知ってた?
📏 テキサス州ホワイトセトルメント図書館の看板猫ブラウザーは、2016年に町議会の決議でいったん退去を命じられたが、住民の猛反発を受けて全会一致で居座りが承認された。さらに皮肉なことに、退去に賛成した議員エルジー・クレメンツ(2022年没)よりブラウザーの方が長生きしたのである。
背景:図書館猫という伝統と「ホワイトセトルメント」という町
アメリカやイギリスでは、図書館・郵便局・駅などの公共スペースに猫が住み着く文化が古くから根付いています。書庫のネズミ対策として実用的な役割を果たしつつ、来館者に親しまれるマスコットになるケースが多く、海外では「ライブラリー・キャット(library cat)」というジャンルが確立しているほど。アイオワ州の図書館猫デューイ・リードモア・ブックス(Dewey)を描いたノンフィクションが世界的ベストセラーになったこともあります。
そんな伝統の中で、テキサス州ホワイトセトルメント町立図書館がブラウザーを保護したのは2010年。茶白のオス猫で、人懐っこく子どもにも優しい性格から、あっという間に町のアイドルになりました。一方で、町名のホワイトセトルメントという響きは町の外部から見るとぎょっとされがちで、2005年には「ウエストセトルメント」への改名案が出たものの、住民投票で住民は元の名前を維持する道を選んでいます。要するに、外から見える印象とは違って、町の人々はかなり頑固に「自分たちのものを守る」気質の土地柄なのです。
もう少し詳しく:議員の私怨と全会一致の逆転劇
事件の発端は2016年6月、町議会の予算外議題。議員のエルジー・クレメンツが「市役所も市の施設も動物のいる場所ではない」と主張し、ブラウザーの退去を動議。賛成多数で可決されてしまいます。ところが市長ロン・ホワイト(そう、ホワイトセトルメントの市長がホワイトという冗談みたいな名前)の説明によれば、退去動議の真の引き金は「市役所職員が自分の子犬を職場に連れてくる許可を申請して断られたことへの腹いせ」だったとか。要するに「自分の犬がダメなら猫もダメだ」という、信じ難い理由でした。
住民の怒りは爆発しました。地元住民は署名活動を展開し、フェイスブックには「ブラウザーを救え(Save Browser)」というページが立ち上がり、瞬く間に数万人が支持。30日間の猶予期間中に町議会には全米から抗議のメールと電話が殺到し、CNN等の全国メディアまでが取材に押し寄せます。結果、緊急に開かれた再議決では、6対0の全会一致でブラウザーの居座りが承認されました。賛成した5名はもちろん、退去動議を出したクレメンツ本人も賛成票を投じる形に追い込まれたのです。
その後、クレメンツは同年11月の再選挙で大差で落選。退任後の最後の議会で「私は議員だ、議題に何でも載せる権利がある」と再びブラウザー追放を試みましたが、動議は通りませんでした。クレメンツは2022年1月に死去。看板猫の方は引き続き図書館で読書の友を務め、退去派議員より長く生きたのです。
海外の反応
1. 海外の名無しさん
ホワイトセトルメントって町名がまずヤバいだろ……いや、本題は猫なんだけどそっちが気になって最初の一文から進めなかった。
2. 海外の名無しさん(>>1への返信)
1840年代、周りがネイティブの村だらけの中で白人入植者の集落が一つだけポツンとあったから、そのまま地名になっちゃったらしい。2005年に改名の住民投票やったけど2,388対219で否決された。住民、絶対手放さない構えで草。
3. 海外の名無しさん(>>2への返信)
歴史が地名そのまま反映されてるパターンだ。良くも悪くも正直すぎる。
4. 海外の名無しさん
市長の名前がロン・ホワイトで、町名がホワイトセトルメント。フィクションだったら編集者に「もう少し名前変えて」って言われるレベル。現実の方が雑にできてる。
5. 海外の名無しさん(>>4への返信)
そのうえ猫の名前がブラウザー(閲覧者)、図書館。役満すぎてどこから突っ込めばいいかわからない。
6. 海外の名無しさん
退去動議出した議員が「自分の子犬を職場に連れてけないなら猫も追い出してやる」って、小学校低学年の理屈すぎるだろ。これで議員勤まってたのが不思議でならない。
7. 海外の名無しさん(>>6への返信)
そして11月の再選挙で大差で落とされた。住民、賢明な選択をした。
8. 海外の名無しさん(>>6への返信)
レームダック化した議員が最後の議会でもう一度ブラウザー追放しようとして、また否決されたエピソードが妙に味わい深い。執念深さの方向性を間違えてる。
9. 海外の名無しさん
私は図書館で働いてるけど、うちにも看板猫がいる。あの猫のおかげで本を読むようになった子どもの数、もう数えきれない。猫がいるから図書館に来る、来たから本に出会う、っていう流れは確実にある。
10. 海外の名無しさん(>>9への返信)
「猫に会いに行く」って動機で図書館の自動ドアくぐらせるの、教育施設として最強の戦略だと思う。本人は本に興味なくても、結果として絵本コーナーに座らされてる。
11. 海外の名無しさん
公共施設に猫を置くことの是非はちょっと議論したい。私は重度の猫アレルギーで、もし地元の図書館に猫がいたら入れなくなる。気持ちは分かるが、図書館は誰もが使える場所であってほしいというのが本音。
12. 海外の名無しさん(>>11への返信)
うちの父も同じ。猫のいる家に15分いただけで呼吸困難になる。看板猫はかわいい発想だけど、入れない人がいる時点で公共施設としては再考の余地はあると思う。
13. 海外の名無しさん(>>11への返信)
退去派議員のもう一人ポール・ムーアは「アレルギーで来館できない人への配慮」を理由に挙げてたらしい。記事の最初は「なんて奴だ」と思って読んでたけど、その一文で「うーん、それは確かに一理あるな……」となった。私だってブラウザー側に票入れただろうけど、配慮論を頭から否定はできない。
14. 海外の名無しさん
イギリスの救急隊舎に住んでた猫デフィブ(Defib)も似た話があった。上層部が退去させようとして6万人以上の署名が集まり、最終的にCEOが公式に謝罪して撤回。猫を退去させようとすると、組織側がほぼ確実に世論で焼かれる法則ある。
15. 海外の名無しさん
ブラウザーって名前、図書館猫の名前として完璧すぎて感動した。インターネット時代以前なら「本を browse(拾い読み)する者」の意味で命名されたんだろうけど、今だと web browser の方が先に浮かぶ。図書館とウェブ、両方の閲覧者を兼ねた猫。
16. 海外の名無しさん
退去派議員、ブラウザーの Wikipedia ページに「追い出そうとして失敗した人」として一行だけ載って、それが歴史に残る記録の大半になってる。猫に人生をフットノートにされた男。
17. 海外の名無しさん(>>16への返信)
それな。墓地検索サイトの追悼ページに、「Meow」って名前の猫アバターが匿名で献花してたらしい。最後の最後まで猫に勝てない人生、強烈すぎる。
18. 海外の名無しさん
猫って政府機関にもっと配置すべきだと思う。掃除いらず、ネズミ駆除してくれる、維持費安い、住民の心を癒す。猫に職と居場所を与えれば誰も損しない。
19. 海外の名無しさん(>>18への返信)
近所のホームセンターに住み着いてる三毛猫、明らかに従業員より仕事してる。レジ前に座って客の足音を全部チェックしてる、立派な警備員。
20. 海外の名無しさん
ブラウザーが町長選に出馬してたら絶対勝ってた。猫を追い出そうとした人間が落選して、当の猫が居座る——投票するのが猫党だったら一票入れる。
21. 海外の名無しさん(>>20への返信)
アメリカには「猫が町長」の自治体が実際に複数ある。アラスカ州タルキートナの町長スタッブス(Stubbs)とか有名。ブラウザーも市長選やれば普通に当選してたと思う。
22. 海外の名無しさん
記事を開いて最初に目に入ったのが「Browser was…(過去形)」の二語。そこで読むの一回止まった。長生きしてくれたなら良かった、ありがとうブラウザー。
23. 海外の名無しさん
2005年の住民投票、町名を「ウエストセトルメント」に変える案が2,388対219で否決された事実が本題と関係なく面白い。地元の人、町名を変えるくらいなら全国にネタにされた方がマシっていうメンタル。
24. 海外の名無しさん
ホワイトセトルメント、ブラウザー、ロン・ホワイト市長、エルジー・クレメンツ議員——固有名詞が全部濃すぎて、海外ドラマの一エピソードみたいに読める。実話とは思えない。
25. 海外の名無しさん
猫の話を読んで朝から少し気分がよくなった。世の中ロクなニュースばかりだけど、図書館の片隅で本に囲まれて昼寝する猫がいたという事実、それだけで救われる。ブラウザー、いい人生だったね。
まとめ
退去派議員の個人的な感情から始まった猫追放劇は、住民の猛反発で全会一致の逆転劇となり、追放を主導した議員は次の選挙で落選、最終的に猫の方が長生きするという出来過ぎた結末を迎えました。スレでは「町の固有名詞が全部濃すぎる」というツッコミと、図書館猫文化への愛、そして猫アレルギーの人への配慮を巡る冷静な議論が並走。「猫が町長に出馬すべき」というジョークが似合う、平和で愛おしい一件として受け止められたスレでした。
元ソース: テキサス州ホワイトセトルメント図書館の猫ブラウザー、2016年に退去命令→住民の猛反発で全会一致で居座り承認、退去派議員より長生きした話


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