職場のパーティーや同窓会で、顔は分かるのに名前がどうしても出てこず、冷や汗をかいた経験は誰にでもあるはず。実はおよそ2000年前の古代ローマの富裕層は、その悩みをまるごと”外注”していた。相手の名前をそっと耳打ちしてくれる、専門の奴隷を連れ歩いていたのだ。
今日の知ってた?
📏 古代ローマの裕福な人々は、宴席や選挙運動の場で、出会う相手の名前を主人にささやいて教える専門の奴隷 「ノーメンクラートル(nomenclator)」 を抱えていた。語源はラテン語の nomen(名前)+ calare(呼ぶ) で、文字どおり「名前を呼ぶ者」を意味する。
背景:ノーメンクラートルとは
古代ローマの上流階級は、料理・会計・朗読など役割ごとに専門の奴隷を抱えていた。その中でも一風変わった存在が「ノーメンクラートル」だ。主人が街を歩いたり大勢を招いて宴を開いたりするとき、すれ違う人物や招待客の名前を小声で教えるのが役目だった。
特に重宝したのが、選挙に出る政治家である。有権者の名前を”覚えているふり”をして「やあ、○○さん!」と気さくに声をかけられれば、親しみやすさで一気に支持が集まる。名前を呼ばれて悪い気がしないのは、今も昔も変わらないのだ。
もう少し詳しく
そもそもローマ人の名前は、覚えるのが大変だった。上流階級の男性は「プラエノーメン(個人名)+ノーメン(氏族名)+コグノーメン(家族の通称)」を基本に、時には戦功をたたえる称号まで連ねた。皇帝ともなると『ティベリウス・クラウディウス・カエサル・アウグストゥス・ゲルマニクス』といった長大な名前になり、専門の記憶係がいなければ社交の場を切り盛りするのは至難の業だったのである。
海外の反応
1. 海外の名無しさん
「ティベリウス・クラウディウス・カエサル・アウグストゥス・ゲルマニクス」みたいな名前の人がゴロゴロしてた時代だからな。名前を覚える専門職のひとりくらい、そりゃ雇うわ。納得しかない。
2. 海外の名無しさん(>>1への返信)
しかも本当に優秀な名簿係なら「その方は”カリグラ”ではなく”ガイウス”とお呼びください」って耳打ちまでしてくれたらしい。空気の読み方のレベルが違う。
※注:「カリグラ」は幼少期のあだ名(「小さな軍靴」の意)で、本名はガイウス。皇帝になってからも陰でこのあだ名で呼ばれていた。
3. 海外の名無しさん(>>1への返信)
もし自分がこの仕事に就いたら、たぶん初日で誰かの名前を盛大に間違えて、そのまま処刑されてる自信がある。
4. 海外の名無しさん
政治家は今でもこれやってるよね。奴隷の代わりに無給インターンを使ってるだけで、やってること自体は2000年前と全く同じ。
5. 海外の名無しさん(>>4への返信)
いやいや、これは無給インターンに丸投げするには重要すぎる仕事だよ。相手が大物だったとき、名前を間違えた瞬間に全部が終わるからね。
6. 海外の名無しさん(>>5への返信)
わかる。SNS運用が「どうせインターンの仕事でしょ」って軽く見られがちなのに、実際やらせるとちゃんとした専門職なのと同じ構図だ。
7. 海外の名無しさん(>>4への返信)
「奴隷の代わりに無給インターン」って、それもう完全に同じものなのでは…?
8. 海外の名無しさん
昔、ある政府高官と数ヶ月あけて2回だけ会ったことがある。2回目、こっちが名乗り直そうとした瞬間、隣の補佐官が「○○様です、△月に□□でお会いしました」とすっと囁いた。あれは本当に見事だった。
9. 海外の名無しさん(>>8への返信)
毎日大勢と会って、ひとりひとりとは少しずつしか話さない立場ならそうなるよね。今でも秘書やパーソナルアシスタントの仕事の一部だと思う。
10. 海外の名無しさん(>>8への返信)
自分は完全にその逆の才能の持ち主。スーパーで見覚えのある人がいて30秒ほど「誰だっけ」と悩んだ末、実の弟だったと気づいたことがある。
11. 海外の名無しさん
要するに古代ローマには「人力の連絡先アプリ」が存在してたってことか。充電も同期もいらない。
12. 海外の名無しさん(>>11への返信)
しかも検索する手間すらなく、常に隣を歩いて先回りしてくれる高性能版。今の秘書のご先祖様みたいなものだね。
13. 海外の名無しさん
前の職場に同僚がいて、2年間ずっと「たかし」さんだと思い込んで呼んでた。退職日に回ってきた寄せ書きで、初めて「たかふみ」だと判明。しかもその2年間、誰ひとり訂正してくれなかった。
14. 海外の名無しさん(>>13への返信)
誰も直してくれないの、怖すぎる。職場全員グルになって泳がされてたパターンでは。
15. 海外の名無しさん
正直、こういう人がひとり隣にいてくれる人生を送りたい。同窓会も懇親会も全部ノーストレスになるやつ。
16. 海外の名無しさん(>>15への返信)
最近は「一度お会いしてますよね、すみませんお名前をど忘れしてしまって…私はトニーです」って正直に言うのがアリになってきた。個人的にはすごく良い風潮だと思う。
17. 海外の名無しさん
ローマ人の名前って、他の面でもけっこう変じゃなかった?家名はあるけど、娘は番号で呼ばれてて、区別のためにみんなあだ名を持ってた気がする。
18. 海外の名無しさん(>>17への返信)
我々の感覚で変なだけで、当時は普通だったんだよ。女性は基本的に家名で呼ばれた。ユリア家の娘は全員「ユリア」。姉妹がいれば姉が「ユリア・マイオル」、妹が「ユリア・ミノル」、もっといたら「プリマ(1番)」「セクンダ(2番)」と番号で区別した。
19. 海外の名無しさん(>>17への返信)
女性だけじゃないよ。初代皇帝アウグストゥスも生まれたときは「オクタウィアヌス(8番目の意)」だったし、「セプティムス(7番)」なんてありふれた名前だった。
20. 海外の名無しさん
HBOのドラマ『ROME[ローマ]』では、カエサルの奴隷ポスカがまさにこの役をやってた。名前を囁く以外にも何でもこなす超有能キャラで最高だった。
21. 海外の名無しさん
豆知識だけど、この名簿係の女性版は英語で「ノーメンクラトレス(Nomenclatress)」と呼ぶらしい。自分の肩書きに使いたい人はどうぞ。
22. 海外の名無しさん
名前を覚えるのが世界一苦手な人間としては、この仕事が実在したという事実が心の底からうらやましい。ひとりだけでいいから貸してほしい。
まとめ
名前を覚える専門の奴隷、ノーメンクラートル。現代の秘書やパーソナルアシスタント、あるいは政治家のそばで名前を囁く補佐官の”元祖”とも言える存在だ。海外の反応では「今も政治家がやってる」「人力の連絡先アプリだ」と現代とのつながりを面白がる声から、「自分は実の弟すら思い出せない」という切実な共感まで、名前と記憶をめぐる話題で大いに盛り上がった。

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