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「歯周病の痕跡があったのは頭蓋骨のわずか5%」現代の成人は15〜30%…ローマ時代のブリテンで何が違った?

「歯周病の痕跡があったのは頭蓋骨のわずか5%」現代の成人は15〜30%…ローマ時代のブリテンで何が違った? 歴史

西暦200年から400年ごろ、ローマ帝国の属州だったブリテン島に暮らしていた人々。その頭蓋骨を調べたところ、歯周病の痕跡が残っていたのはわずか5%だったという。現代の成人は15〜30%とされるから、ずいぶんな差だ。歯ブラシも歯磨き粉もフロスも、歯科医院もない時代の話である。ただ、この数字を「昔の人のほうが歯が健康だった」と受け取ってしまうと、この話のいちばん面白いところを丸ごと取り逃がすことになる。

※注:ブリタンニアは、現在のイングランドとウェールズにあたる地域に置かれたローマ帝国の属州。西暦43年ごろから5世紀初めまで、およそ400年にわたってローマの支配下にあった。

今日の知ってた?

🦷 西暦200〜400年ごろのローマ支配下ブリテンの人骨を調べた研究によると、歯周病の痕跡が見られた頭蓋骨は全体の5%ほど。現代の成人の15〜30%と比べてはるかに少なかった。ただし、その同じ頭蓋骨の多くには感染や膿瘍の跡があり、半数には虫歯があったという。

背景:ローマ支配下のブリテンとは

西暦43年ごろ、ローマ帝国は海を渡ってブリテン島を征服し、現在のイングランドとウェールズにあたる一帯に「ブリタンニア」という属州を置いた。以後およそ400年、この島にはローマ式の街道や浴場や都市が築かれ、地元のブリトン人とローマからの移住者が入り混じって暮らすことになる。今回の話に出てくる「ローマ時代のブリテン人」とは、その時代を生きた人々のことだ。

問題の頭蓋骨は、ロンドンの自然史博物館の古生物部門に収蔵されているコレクションの一部。西暦200年から400年ごろの人骨を調べたところ、歯周病の痕跡が確認できたのは全体の5%ほどだった。現代の成人では15〜30%が歯周病を抱えているとされるので、確かに大きな開きがある。

ここで一つ押さえておきたい。頭蓋骨から歯周病を読み取るというのは、歯を支えている骨がどれだけ溶けているかを見る、という意味だということだ。歯茎そのものは土の中に残らない。骨に刻まれた記録だけが、千数百年たっても消えずに残っている。

もう少し詳しく

歯茎が健康だったからといって、歯が健康だったわけではない。同じ研究の紹介にはこうも書かれている——ローマ時代の頭蓋骨の多くには感染や膿瘍の痕跡があり、半数には虫歯があった、と。つまり彼らは、歯茎はしっかりしているのに歯そのものは穴だらけ、という状態だった。しかも麻酔はなく、削って詰める技術もない。虫歯が神経に届いてしまえば、あとは痛みと膿とともに生きていくしかない。「昔の人は歯が丈夫だった」という物語は、この時点でかなり怪しくなる。

そもそも虫歯と歯周病は別の病気だ。虫歯は、砂糖などの糖質を口の中の菌(ミュータンス菌など)が食べて酸を出し、その酸が歯の硬い部分を溶かしていく病気。一方の歯周病は、歯と歯茎のすきまにたまったプラークの中で菌が増え、それに対する体の免疫反応が暴走して、歯茎と、歯を支える骨まで壊してしまう病気だ。犯人となる菌も、進み方も違う。だから「砂糖が少ない=歯周病が少ない」という等式は、そのままでは成り立たない。砂糖の少ない食生活だったはずのローマ時代のブリテン人が虫歯だらけだったことが、なによりの証拠になっている。

では、歯周病はなぜ少なかったのか。スレッドで有力視されていたのは、現代の歯周病を押し上げている大きな要因——喫煙と2型糖尿病——が、当時は存在しなかった、あるいは極めて稀だったという説明だ。どちらも免疫の働きを狂わせ、歯茎の炎症を激しくして骨の破壊を進めることが知られている。タバコがヨーロッパに持ち込まれるのは大航海時代以降のことで、ローマ時代のブリテンには一本もなかった。加えて、石臼で挽いた粉や硬い豆や野菜が中心の粗い食事は、噛むたびに歯の表面を物理的にこすってプラークを落としていた、という見方もある。

そして、数字の比べ方にも注意がいる。5%というのは、地面から掘り出された頭蓋骨に残る骨の痕跡を数えた数字。15〜30%というのは、生きている現代人を歯科で診察して数えた数字だ。測っているものが同じではない。さらに、歯周病は何年もかけてゆっくり骨を削っていく病気でもある。スレッドでも「調べた頭蓋骨は何歳の人のものだったのか」という質問が出ていたが、若くして亡くなった人が多ければ、歯周病が本格化する前に人生のほうが終わっていたことになる。「死んだ人間には歯を腐らせる時間がない」という身も蓋もない一言は、冗談の形をしていながら交絡の核心を突いている。特定の時代の、特定の地域の、博物館に残った骨のコレクションから見えたこと——という枠を外さずに読むのが、この5%との正しい付き合い方だろう。

海外の反応

1. 海外の名無しさん
思い切って言ってしまうけど、単に砂糖の摂取量が桁違いに少なかっただけなんじゃないの。当時のブリテンで甘いものといえば、果物か、ごく贅沢な蜂蜜くらいだろうし。

2. 海外の名無しさん(>>1への返信)
その代わり、鉛の摂取量のほうは桁違いに多かったけどな。食器も、水道管も、ワインを煮詰める鍋も鉛だ。

3. 海外の名無しさん(>>2への返信)
つまり鉛たっぷりの食生活は歯にいい、と。テムー(中国系の激安通販サイト)で歯ブラシをまとめ買いしている私を笑っていた人たち、今どんな気持ちなんだ。

4. 海外の名無しさん(>>3への返信)
早く死んだ人間には、歯を悪くするだけの時間が残っていないというだけの話だと思うぞ。鉛は無罪じゃない。

5. 海外の名無しさん
実を言うと、砂糖が歯周病を直接引き起こすわけじゃないんだ。糖尿病を経由して間接的に効いてくることはあるけど。歯周病の主犯はむしろ、柔らかくて歯にべったり残る食べ物が作るプラークと、それが固まった歯石のほう。あとは、その人の口の中にどんな菌がいるか。

6. 海外の名無しさん(>>5への返信)
いや、歯肉炎や歯周病を起こす微生物の多くは炭水化物、つまり糖を必要とするよ。菌が糖を食べて酸を出し、その酸が硬い組織も軟らかい組織も壊していく。炎症で歯茎が歯から剥がれてポケットができると、そこにもっと厄介な菌が住みついて、さらに壊れていく。

7. 海外の名無しさん(>>6への返信)
それは違う。歯周病に関わるP.ジンジバリスのような菌はペプチド(タンパク質のかけら)を栄養にしていて、そもそも糖を代謝できない。人間にプラスチックを食べさせて育てと言うようなものだ。砂糖をエサにしているのは虫歯菌のミュータンス菌のほう。骨が溶けるのは免疫反応が出す物質のせいで、砂糖が直接やっているわけじゃない。(微生物学をやってから歯科医になった者より)

8. 海外の名無しさん(>>7への返信)
で、この会話、結局どっちを信じればいいんだ。専門家同士で殴り合わないでくれ。

9. 海外の名無しさん(>>8への返信)
整理するとこう。虫歯は「砂糖→菌が食べる→酸が出る→硬い歯が溶ける」。歯周病は「プラークがたまる→菌がタンパク質を食べる→免疫が過剰反応する→歯茎と骨が壊れる」。まったく別の道筋で、砂糖が悪さをするのは主に前者のほう。歯茎の話をしているなら歯科医の説明のほうが正確だと思う。

10. 海外の名無しさん
調べた頭蓋骨って、何歳くらいの人のものだったんだろう。現代の成人と比べるなら、そこが揃っていないと意味がない気がするんだけど。

11. 海外の名無しさん(>>10への返信)
子ども時代を生き延びさえすれば、60代70代まで生きた人はちゃんといたよ。歴史上の平均寿命が低く見えるのは、乳幼児の死亡率がとんでもなく高くて、そこに引きずり下ろされているから。

12. 海外の名無しさん(>>11への返信)
それだけじゃなくて、あらゆる年齢層で死亡率が高かったんだ。20歳時点で「あと何年生きられるか」という数字も、当時から今までで数十年伸びている。

13. 海外の名無しさん(>>12への返信)
とはいえ、老人が歩いているだけで人だかりができるほど珍しかったわけでもない。今より少なかったのは確かだけど、いなかったわけじゃないからね。

14. 海外の名無しさん
元記事にはこう書いてある。「ただし、自然史博物館の古生物部門の収蔵品であるローマ時代の頭蓋骨の多くには、感染や膿瘍の痕跡が見られ、半数には虫歯があった」。歯茎は健康、でも歯はボロボロ。

15. 海外の名無しさん
ここが一番大事なところだよね。「昔の人は歯が丈夫だった」という話に見えて、実際は麻酔も歯医者もない世界で、歯が腐っていくのをただ我慢していただけ、という。

16. 海外の名無しさん
現代で歯周病を押し上げている二大要因が喫煙と2型糖尿病だ、という説明は納得がいく。どちらも免疫の働きを大きく狂わせるから、歯茎が過剰に反応して骨まで壊れていく。ローマ時代のブリテンには、タバコもなければ砂糖漬けの食生活もなかった。

17. 海外の名無しさん(>>16への返信)
彼らは石臼で挽いた粉を粥にして食べていた。ねばついた炭水化物の塊が歯にこびりついて、虫歯菌にとっては最高のごちそうになる。歯茎は無事でも歯のほうは溶けていく、というわけだ。

18. 海外の名無しさん
野菜と豆とオリーブオイルが中心で、魚や肉はたまに、甘い菓子はめったに食べず、砂糖入りの飲み物は一切飲まない。これだけで歯周病は驚くほど避けやすくなるよ。

19. 海外の名無しさん(>>18への返信)
ただ、これはかなり個人差が大きい。歯周病を起こす口内細菌をもともと持っている人と持っていない人がいて、持っていない人はフロスをサボってもまず歯周病にならない。赤ちゃんのころに大人からうつる、というのが今の有力な考え方らしい。

20. 海外の名無しさん
うちの歯医者は両方だと言っていた。ある程度きちんと歯を磨いている大人なら、虫歯に悩む人か歯茎に悩む人かどちらかに偏ることが多くて、それは口の中でどの菌が優勢かで決まる、と。しかも家族で似る傾向があるらしい。私は虫歯ゼロだけど、歯茎はしっかり後退している。

21. 海外の名無しさん
歯茎の病気が少ない? そりゃそうだ、当時はガムなんてなかったからな。みんな革を噛んでたんだよ、しかも喜んで。(※英語のgumは「歯茎」と「ガム」の両方を指す)

22. 海外の名無しさん(>>21への返信)
それにあの頃は、ベルトに玉ねぎをぶら下げるのが流行りだったからな。(※アニメ『ザ・シンプソンズ』のおじいちゃんが延々と脱線しながら語る昔話の定番ネタ)

23. 海外の名無しさん(>>22への返信)
シンプソンズの引用を「AIが書いた文章だろ」と言われる時代になったのか。急に自分が年寄りになった気がしてきた。

24. 海外の名無しさん
みんなが何と言おうと、これは我々が尿でうがいする習慣を復活させるべきだという動かぬ証拠だと思う。10人中9人の理髪師兼歯医者も推奨している。

25. 海外の名無しさん(>>24への返信)
落ち着け。古代ローマで尿が集められていたのは、主に洗濯のためだよ。溜めておくとアンモニアになって、油汚れを落とす洗剤として優秀だった。街角には尿を集める壺が置かれていて、いっぱいになると洗濯屋に運ばれた。「ローマ人は尿で歯を磨いていた」という話は、そこから膨らんだ部分がかなり大きいらしい。

まとめ

歯周病の痕跡が残る頭蓋骨は、わずか5%。ただしその同じ頭蓋骨の半数には虫歯があり、感染や膿瘍の跡も珍しくなかった。歯茎は無事でも、口の中は決して快適ではなかったということだ。コメント欄は「砂糖が少なかったから」という直感的な説明から始まり、それは虫歯の話であって歯周病とは別物だという歯科関係者の指摘、寿命の短さという身も蓋もない交絡の指摘を経て、鉛と尿の冗談まで、驚くほど遠くまで転がっていった。千数百年前の骨が教えてくれるのは「昔に戻れ」ではなく、口の中では別々の病気が別々の理由で進んでいる、という当たり前で見落としがちな事実のほうなのかもしれない。

元ソース: 「ローマ時代のブリテンの人々は、現代人よりはるかに歯周病が少なかったという研究」(元スレッド)

コメント

  1. Reddit名無しさん より:

    ただの早死にじゃないの?歯周病が進行目立つのって中年以降だろ