名作『七人の侍』を撮った黒澤明。そのアメリカ版リメイクである西部劇『荒野の七人』(1960年)を観たとき、彼は監督のジョン・スタージェスに一振りの儀礼刀を贈った。世界的巨匠からの「刀」という返礼——それが何を意味したのか、そして“贈らなかった相手”には何をしたのかを、順に見ていこう。
今日の知ってた?
⚔️ 黒澤明は、自作『七人の侍』(1954年)の公式リメイクである西部劇『荒野の七人』(1960年・ジョン・スタージェス監督)に感銘を受け、監督本人に儀礼用の日本刀を贈ったと伝えられている。
背景:『七人の侍』と『荒野の七人』とは
『七人の侍』は1954年公開の黒澤明監督作。野盗に苦しむ貧しい村を守るため、七人の侍が雇われる——という物語で、世界の映画史に最も大きな影響を与えた一本とされる。この作品を舞台ごと西部劇に置き換えたのが、1960年のアメリカ映画『荒野の七人』だ。舞台は封建時代の日本からメキシコ国境の寒村へ、侍は流れのガンマンへと姿を変えたが、物語の骨格はほぼそのまま受け継がれている。
ここで大事なのは、このリメイクが黒澤側(配給元の東宝)の許可を得た「正式な」作り直しだったこと。無断のコピーではなく、きちんと筋を通した企画だった。だからこそ黒澤も、次に見るような紳士的な返礼で応えたわけだ。
もう少し詳しく
刀は「正式なリメイク」への返礼だった。『荒野の七人』は東宝がライセンスを与えた公認リメイクで、黒澤はその出来栄えに感心し、監督のジョン・スタージェスに儀礼刀を贈ったと伝えられている。ただし手放しの称賛だったわけではないようで、「娯楽としては面白いが、あれは『七人の侍』そのものではない」という趣旨の言葉も残していたとされる。粋な贈り物と辛口の本音が同居しているあたりが、いかにも黒澤らしい。
一方、無断でマネされた時は容赦しなかった。1964年のイタリア映画『荒野の用心棒』(セルジオ・レオーネ監督)は、黒澤の『用心棒』をほぼショット単位でなぞった作品でありながら、無許可・無報酬で作られていた。黒澤は訴訟を起こして勝訴し、興行収入の一部を受け取っている。このときレオーネに宛てた手紙の一節が有名だ——「とても良い映画だ。しかし、これは私の映画だ」。刀を贈る相手と、法廷で対峙する相手。その線引きの鮮やかさが、黒澤の筋の通し方をよく物語っている。
海外の反応
1. 海外の名無しさん
世界的巨匠の黒澤明から刀を贈られるって、映画監督への褒め言葉として最上級すぎるでしょ。自分ならその場で引退して、余生を悠々自適に過ごしてるレベルだわ。
2. 海外の名無しさん(>>1への返信)
分かる。あの黒澤明に「お前の映画は本物だ」と刀で言われたら、もう思い残すことなんて何ひとつ無くなりそう。
3. 海外の名無しさん
面白いのは、黒澤が全部のリメイクに刀を贈ったわけじゃないってところ。『荒野の七人』は東宝が正式に許可を出したリメイクだったから、黒澤も紳士的に応じたんだよね。
4. 海外の名無しさん(>>3への返信)
逆に、無断で勝手にやられた方には全然違う対応をしてるんだよね。『用心棒』の一件がまさにそれ。
5. 海外の名無しさん(>>4への返信)
セルジオ・レオーネの『荒野の用心棒』な。黒澤に一銭も払わず『用心棒』をほぼショット単位でコピーしたやつ。結局裁判になって黒澤が勝訴した。
6. 海外の名無しさん(>>5への返信)
その時に黒澤がレオーネへ送った手紙の一文が最高なんだ。「とても良い映画だ。しかし、これは私の映画だ」。
7. 海外の名無しさん(>>6への返信)
褒めちぎりながら完全に急所を刺してて、これ以上ないくらい粋な一言だよね。
8. 海外の名無しさん
『七人の侍』って本当に観るたびに良くなる。もう何回観たか分からないけど、毎回どこかしら新しい発見があるんだよな。
9. 海外の名無しさん(>>8への返信)
それは三船敏郎演じる菊千代の存在あってこそだと思う。あのむき出しのエネルギーは、後にも先にも唯一無二だよ。
10. 海外の名無しさん(>>9への返信)
三船といえば、剣の腕が本物すぎて黒澤に「速すぎてカメラに映らないから少しゆっくりやってくれ」と注文されたって逸話が好き。
11. 海外の名無しさん(>>10への返信)
『椿三十郎』ラストの逆抜き、何度巻き戻しても何が起きたのか目で追えなかった。あれが演技じゃなく本物の速さだって考えると、ちょっと怖い。
12. 海外の名無しさん
黒澤明が実はゴジラを撮りたがってたって話、知ってる?ゴジラ生みの親である本多猪四郎監督と親友で、企画としては割と本気だったらしいよ。
13. 海外の名無しさん(>>12への返信)
実現しなかったのが本当に惜しい…。黒澤が撮るゴジラって、いったいどんな画になってたんだろう。想像するだけでワクワクしてくる。
14. 海外の名無しさん
言葉じゃなく儀礼刀を贈るっていう行為そのものが、もう最高にクールだと思う。どんな長文の賛辞より、よっぽど雄弁だよ。
15. 海外の名無しさん(>>14への返信)
教養のない自分は正直、最初ちょっと脅しに見えたわ(笑)。「気に入ったぞ、だがお前も油断するなよ」的なやつかと。
16. 海外の名無しさん(>>15への返信)
それに対してお返しに、カウボーイ時代の儀礼用リボルバーを送り返したくなるな(笑)。
17. 海外の名無しさん
この手の「勝手に切るな」系で一番有名なのが、スタジオジブリの逸話。海外の配給会社が『もののけ姫』を短く切ろうとしたら、ジブリが「NO CUTS(一切カットするな)」と刻んだ本物の刀を送りつけたっていう話。
18. 海外の名無しさん(>>17への返信)
あれ半ば伝説みたいな話ではあるけど、日本のスタジオが交渉相手に刀を送るって構図が、海外だと妙に腑に落ちるのが面白い。
19. 海外の名無しさん
個人的には『荒野の七人』のエルマー・バーンスタインのテーマ曲だけは本家を超えてると思ってる。あの西部の広がりを感じる旋律は反則レベルにかっこいい。
20. 海外の名無しさん(>>19への返信)
分かる。映画そのものは『七人の侍』の圧勝だけど、あのメインテーマの高揚感だけは完全に別格だよね。
21. 海外の名無しさん
両作に共通してるのは、主人公が超人じゃなく「はぐれ者の凡人」だってところ。社会の端っこで生きてる連中が、自己犠牲で英雄になる。そこがたまらなくいいんだ。
22. 海外の名無しさん
スティーブ・マックイーン、ユル・ブリンナー、ジェームズ・コバーン…『荒野の七人』のキャスティングは西部劇オールスターすぎて、今見ても豪華だよね。
23. 海外の名無しさん(>>22への返信)
コバーンは、原作『七人の侍』で自分が一番好きだったキャラを演じたくて、あえてあの役を選んだらしいよ。
24. 海外の名無しさん
三船敏郎って、80年代のアメリカ製ドラマ『将軍 SHOGUN』で虎永役もやってたんだよね。あの圧倒的な存在感は、海外でもやっぱり別格だった。
まとめ
正式なリメイクには刀を、無断のリメイクには訴状を。黒澤明の対応は、作品への敬意と自作への矜持がくっきり分かれていて面白い。海外のコメント欄でも、「巨匠から刀を贈られるなんて最上級の褒め言葉」という感嘆から、三船敏郎の剣さばき、黒澤が撮りたかったゴジラ、そしてジブリの「NO CUTS」刀伝説まで、映画好きの脱線が止まらなかった。


コメント
サムライ7の時はもう亡くなってたっけ?
黒沢は名監督であることは誰でも認めるでしょう。
だが、ユトリあるコメントに驚いた。
「風と共に去りぬ」の次に「七人の侍」が大好きな映画です。