2009年放送の人気アニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』第2期。その中盤で、ファンを震撼させた8話連続のループ回「エンドレスエイト」が放送された。8週間ぶっ通しで、ほぼ同じ夏休みの一日が繰り返される——しかも全カットを毎回作画し直し、声優もアフレコし直すという狂気の徹底ぶり。海外ファンの中には今でも「あの夏はトラウマだった」と語る者が後を絶たない。
※注:『涼宮ハルヒの憂鬱』は谷川流の同名ライトノベルを京都アニメーションが映像化した作品。「エンドレスエイト」は原作短編1話分を、アニメ第2期で8話に拡張したことで知られる。
今日の知ってた?
📺 『涼宮ハルヒの憂鬱』第2期の「エンドレスエイト」は、同じ夏休みのループを8話連続で放送した。脚本・コンテ・原画・声優の収録まで毎回ゼロから作り直され、計算上のループ回数は15,498回(約600年分)。日本での放送は49日間にわたった。
背景:エンドレスエイトとは何だったのか
『涼宮ハルヒの憂鬱』は2006年の第1期がアニメブームの中心となった大ヒット作。3年越しの第2期が2009年に始まり、ファンは続きを待ち望んでいた——のだが、第15話から突如「夏休みが終わらない」エピソードが始まる。最初の1話は伏線も含めて評判が良かった。問題は次の週も同じ話、その次の週も同じ話、と8週連続で同じ展開が流れたことだった。
原作小説では「エンドレスエイト」は40ページほどの短編1本分。本来1〜2話で済む内容を、京都アニメーションは作画チームを8班に分けて、それぞれが別の角度・カメラワーク・芝居で同じ脚本を映像化するという壮大な実験を行った。台詞、アクション、衣装、ロケーションはほぼ同一だが、構図と演出が毎回違う——という構造で押し切ったのだ。
もう少し詳しく
15,498回のループ。劇中では長門有希というキャラクターだけが繰り返しを記憶しており、彼女が経験したループ回数は約15,498回、時間にして600年分とされる。視聴者に見せられた8話はあくまでその「最後の8回」だ。
毎回ゼロから作り直された。同じ場面・同じ台詞でも、第○話と第×話ではカメラの寄り、登場人物の立ち位置、髪の揺れ方、夏服の柄、果ては足元の影まで差し替えられている。ファンによる比較動画では、声優陣がループごとに微妙にニュアンスを変えて演技していることも検証されている。
数学界に飛び火した「ハルヒ問題」。後年、第1期がランダム順で放送されたことに着目したアニメファンが「14話を全ての順番で見るには最短何話必要か」を4chanで問いかけ、匿名ユーザーが下限の証明を投稿。これは「ハルヒ問題」と呼ばれる順列組み合わせ(スーパーパーミュテーション)の未解決問題に光を当て、2018年に正式な論文として整理された。原典は今もWikipediaに残っている。
海外の反応
1. 海外の名無しさん
リアタイで毎週見てた身からすると、本当に正気を疑った。「キョンくん、でんわ」が脳に焼き付いて消えない夏だった。
2. 海外の名無しさん(>>1への返信)
日本では49日間にわたって放送されたんだぞ。1ヶ月半、毎週同じ話を見せられる気分を想像してみろよ。修行か何か?
3. 海外の名無しさん(>>1への返信)
最初の繰り返しが始まったとき「録画ミスったかな?」って同じ回をもう一回ダウンロードしに行った仲間、ここに集合。
4. 海外の名無しさん
コンセプト自体は最高だと思う。ただ8話は長すぎた。3〜4話に圧縮して、真ん中の数ループを早送り風に処理するだけでも傑作になってたはず。
5. 海外の名無しさん
これでハルヒの西側ファンダムが一気にしぼんだ気がする。あれだけ巨大なブームだったのに、放送が終わる頃にはみんな話題にしなくなってた。
6. 海外の名無しさん
あの時代を生き抜いた者にしか分からない。8週間、同じエピソード……あれは暗黒時代だった。
7. 海外の名無しさん
紙の上では面白いアイデア、放送になると拷問。あれで作品が殺された気もするけど、いまや一種のカルト的地位を獲得しているのが皮肉。
8. 海外の名無しさん
劇中で長門が経験したループは15,498回、約600年。8回でこれだけ視聴者が壊れたんだから、長門の精神状態を考えると胸が痛い。
9. 海外の名無しさん(>>8への返信)
あれは長門に同情するための演出だったって解釈、最近見て腑に落ちた。視聴者にも疑似体験させることで「もう無理」って感情を共有させる狙いだったらしい。
10. 海外の名無しさん
原作読んでたから何が来るか分かってたんだが、まさか本当に8話やるとは思わなかった。当時は心底京アニを憎んだよ。今振り返ると笑い話だけど。
11. 海外の名無しさん
これ、後にスーパーパーミュテーションという数学の未解決問題に解決の糸口を与えたって話、知ってる? 4chanの匿名投稿者が下限の証明を出して、それが2018年に査読論文として整理された。アニメから数学へ、なんという経路。
12. 海外の名無しさん(>>11への返信)
「Anonymous 4chan poster」が論文の謝辞に載ってるの、世界で一番カッコいい匿名表記だと思う。
13. 海外の名無しさん
真ん中は地獄、でも今になって振り返ると「あそこまでネタにコミットした作品はない」って評価できる。素直に拍手したい。
14. 海外の名無しさん
最悪なのは、これが第2期として放送されたのに、後の再放送では第1期と混ぜて時系列順に並べ替えられたこと。新規視聴者は事前に警告されてない限り、必ずエンドレスエイトに突入してしまう構造になっている。
15. 海外の名無しさん
カメラワーク、構図、演出を勉強したい人にとっては最高の教材。8人の演出家が同じシーンを別の絵で表現するなんて、他に例がない実験。視聴者としては苦行だけど、制作側の目線で見ると本当に面白い。
16. 海外の名無しさん
細かい差分が「微妙」って言われがちだけど、自分が見た限り全然微妙じゃなかった。カメラの寄りもキャラの注目度も毎回違うし、声優も明らかにアフレコし直してる。同じ脚本でここまで違う絵を作れるんだ、と素直に感動した。
17. 海外の名無しさん(>>16への返信)
ハルヒの夏服の柄、よく見ると毎回ちょっとずつ違うらしい。スタッフの執念が怖い。
18. 海外の名無しさん
当時のファンサブ職人が、ファイル名のCRC32チェックサムを全部「88888888」に偽造してたの覚えてる人いる? あの遊び心だけは本当に好きだった。
19. 海外の名無しさん
4話目で限界、6話目で視聴を止めた。それ以来、続編も劇場版も触ってない。視聴時間は有限なんだ。あの夏に費やした時間を返してほしい。
20. 海外の名無しさん
家庭用ソフトでまとめて見たらまだマシかな、と思って買った。でも結局、第1話・最初のループ・最終話の3本だけ見て満足してる。それで話の筋は十分伝わる。
21. 海外の名無しさん(>>20への返信)
それが正解の見方として一部ファンの間で公認されてる気がする。「最初・もう一回・最後」だけで体験としては完成する。
22. 海外の名無しさん
コメディは3回で笑いに変わる、と聞いたことがある。でもこれは8回。狂気だ。せめて最後にトム・ジョーンズの「It’s Not Unusual」でも流してくれたら救われたのに。
23. 海外の名無しさん
劇場版『涼宮ハルヒの消失』はエンドレスエイトの直後に公開されて、これがまた驚くほど良い出来だった。シリーズ全体の評価をひっくり返した名作。あの祭りの余韻を回収する意味でも、見る価値はある。
24. 海外の名無しさん
当時SNSも今ほど発達してなかったから、視聴者は孤独に「これは……同じ話だよな?」と確認し合ってた。あの時の戸惑いと諦めの空気感、今のアニメ環境では二度と再現できないと思う。
まとめ
京アニが本気で「同じ話を8回作る」という前人未踏の実験に踏み切った『エンドレスエイト』。視聴者の精神を削った反面、演出研究の教材としては唯一無二、さらに数学の未解決問題まで動かす副産物まで生んだ。海外コメ欄では「拷問だった」と「ネタへの完全コミットを尊敬する」がほぼ半々で、放送から十数年経った今でも語り尽くされない、伝説のアニメ事件として記憶されている。

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