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飛行機の燃料を「食う」カビが存在する|タンク腐食と燃料詰まりの脅威

自然・科学

飛行機の燃料タンクの中で「カビ」が繁殖する――SFのようだが事実だ。ジェット燃料(ケロシン系)を栄養源とする真菌「Hormoconis resinae(旧称クラドスポリウム・レジナエ)」は、燃料経路を詰まらせ、アルミ製タンクを腐食させ、墜落事故の原因にもなり得る厄介者。船舶のディーゼルでは「ディーゼル・バグ」と呼ばれて常識化している脅威だ。海外掲示板では「これがプロジェクト・ヘイル・メアリーの元ネタか」「カロリーを食う真菌も発明してくれ」と笑いながら、ガチの航空整備員も多数登場した。

今日の知ってた?

🛢️ ジェット燃料(ケロシン)を「食べる」真菌が存在する。学名「Hormoconis resinae(ホルモコニス・レジナエ)」。

飛行機の燃料タンク内で繁殖し、燃料の流れを詰まらせ、アルミ製ハウジングを腐食させる。1960年代から知られている問題で、現在は燃料に殺菌剤を添加して対処している。

船舶のディーゼル燃料でも同じ真菌が「ディーゼル・バグ」として頻発し、漁船・ヨット業界の悩みの種になっている。

背景:燃料を食う真菌とは

ホルモコニス・レジナエは、燃料と水の境界面(タンク底に溜まった水と燃料の間)で繁殖する真菌。燃料中の炭化水素を栄養源として代謝し、副産物として有機酸を出す。これがアルミニウム製の燃料タンク・配管を腐食させ、菌糸そのものが燃料フィルターを詰まらせる。

1960年代に米軍機・民間機で頻発し、墜落事故の原因にも挙げられた。現在は燃料に「ボロン系殺菌剤」「イソチアゾロン系」などを添加し、整備員が定期的にタンク底の水を抜く(サンピング)作業で予防している。

※注:「サンピング」とは飛行機の燃料タンク底のサンプル抜き取り作業のこと。タンク底に溜まった水を排出して真菌の繁殖を防ぐのが主目的。

もう少し詳しく

船舶業界では「ディーゼル・バグ」として常識。 ヨット・漁船・タンカーなど、ディーゼルエンジンを使う船舶では昔から有名な問題。停泊期間が長くタンク内の温度変化で結露しやすい船は、特にこの真菌が繁殖する環境になりやすい。タンク底に水が溜まったまま放置すると、数週間で目に見えるスラッジ(沈殿物)になる。

燃料は航空機・ディーゼル・地上設備で互換性あり。 ジェット燃料(ジェットA)とディーゼルは添加物と精度が違うだけで、化学的にはほぼ同じケロシン系。米軍は地上車両にもジェット燃料を使うことで物流を一本化している。逆に飛行機の品質基準は厳しいため、地上→飛行機の転用は通常禁止。

有名な事故事例。 1980〜90年代に殺菌剤の添加量ミスで真菌が爆発的繁殖し、エンジン停止に至った航空事故が複数報告されている。ボロンの過剰添加でも別の腐食を起こすため、整備員のさじ加減が重要。

SF小説『プロジェクト・ヘイル・メアリー』のテーマ。 アンディ・ウィアーの2021年SF小説『プロジェクト・ヘイル・メアリー』では、宇宙船の燃料タンクに「タウムイーバ」という地球外微生物が混入し、燃料を食って船を停止させかける場面がある。本記事のホルモコニス・レジナエの拡張版だ。

海外の反応

1. 海外の名無しさん
このカビは「ディーゼル・バグ」の正体でもある。船のディーゼルタンクをスラッジ(沈殿物)で詰まらせる超有名な厄介者。船員の間では常識。

2. 海外の名無しさん(>>1への返信)
ジェット燃料・ディーゼル・ケロシンは添加物の違いだけで、化学的にはほぼ同じ。米軍は地上車両にもジェット燃料使ってる。

3. 海外の名無しさん(>>2への返信)
昔、JP-8(軍用ジェット燃料)を手の洗浄に使ってた時代があるらしい。優れた溶剤だから油汚れがよく落ちる。今聞くと正気の沙汰じゃない。

4. 海外の名無しさん
私の父は飛行場で働いてて、抜き取った余剰のジェットA(ジェット燃料)を集めて自分のトラックに入れてた。乾燥しすぎないようATF(自動変速機オイル)を混ぜて、最終的に色が普通の軽油そっくりになるという裏技。

5. 海外の名無しさん(>>4への返信)
「お巡りさん、これは無税の業務用軽油じゃないんです、ジェット燃料に潤滑用ATF混ぜただけです」――事情聴取が地獄になりそう。

6. 海外の名無しさん(>>4への返信
「これは芸術的に短鎖化したディーゼルです!」とでも言うのか。発想がぶっ飛んでて好き。

7. 海外の名無しさん
タンク底のサンピング(燃料底抜き)が重要なのもこの真菌対策。底に溜まった水と燃料の境界面で繁殖するから、定期的に水を抜く。航空整備の基本中の基本。

8. 海外の名無しさん(>>7への返信)
私の父も整備員だった。9歳のときに既にトラックのサンピングと比重チェックを手伝わされてた。子供時代の思い出は「ジェットA(燃料)の匂いの服」だ。

9. 海外の名無しさん
古いカメラや望遠鏡のレンズに、薄いガラス間の接着剤を食う真菌が繁殖することもある。光学機器コレクターは「レンズ・カビ」と呼んで恐れる。真菌はあらゆる場所に潜む。

10. 海外の名無しさん(>>9への返信)
祖父の遺品で空のスライドガラスがいっぱい入った封筒をもらったら、ガラスの上に菌糸が生えてた。ほぼ栄養がないはずのガラス上で、空気中の塵を養分に生きてるらしい。

11. 海外の名無しさん
これって『プロジェクト・ヘイル・メアリー』の元ネタじゃない? あの小説で宇宙船のジェット燃料を食う「タウムイーバ」が出てきて主人公絶望してた。

12. 海外の名無しさん(>>11への返信)
完全にそれ。アンディ・ウィアーが現実の燃料食真菌をベースにしてSF化したのは間違いない。読んだ人は「これ実在するんかい!」とテンション上がるネタ。

13. 海外の名無しさん(>>11への返信)
「励ましの言葉!」(タウムイーバ駆除に成功した瞬間の主人公のセリフ)。

14. 海外の名無しさん
「あらゆるものを食う真菌が存在する」。私の余分なカロリーを食ってくれるカビが欲しい。

15. 海外の名無しさん(>>14への返信)
それはサナダムシ(寄生虫)と呼ばれている。

16. 海外の名無しさん(>>15への返信)
それは寄生虫であって真菌じゃない。自分が何になりたいのか整理してから召喚しろ。

17. 海外の名無しさん
プラスチックを食う真菌が遺伝子操作で作られて、暴走して全プラスチックを食い尽くす――そういうディストピア・ドラマが見たい。

18. 海外の名無しさん(>>17への返信)
ラリー・ニーヴンのSF『リングワールド』では、超伝導体を食う真菌が文明を崩壊させる。同じ発想だね。

19. 海外の名無しさん
現代の航空燃料には抗真菌剤が添加されていて、燃料タンクも頻繁に検査される。1960年代から知られてる問題で、もう脅威じゃない。最新の旅客機で真菌が原因で墜落することはまずない、安心していい。

20. 海外の名無しさん(>>19への返信)
それでも「燃料の中で生物が生きている」という事実そのものがSFっぽくて好き。ジェット機が空飛ぶたびにタンクの中で菌類との戦いが起きてる。

21. 海外の名無しさん
航空機の整備士から聞いた話。真菌駆除の殺菌剤(ボロン系)を入れすぎてエンジンを破壊した事故が実際にある。「殺菌剤入れすぎ→エンジン破壊→緊急着陸」という展開、何があっても飛行機は何かが壊れる。

22. 海外の名無しさん
私たちは「プラスチックを生み出した時代」と「微生物がプラスチックを分解する未来」の間に生きている。木のリグニンを分解できる微生物が登場したのは6000万年後。プラスチックも数千万年後には自然に分解されるようになるかもしれない。

23. 海外の名無しさん(>>22への返信)
タイヤを食う特殊なシロアリが登場する未来も想像できる。人類が自然界に放った「未消化な物質」は、いずれ消化される運命。

24. 海外の名無しさん
私のスバルXVのディーゼル燃料系がまさにこれで詰まった。整備工場が燃料フィルターを何度も交換しても直らず、最終的に燃料タンクを取り外して洗浄した。修理代がエグかった。

25. 海外の名無しさん
1万メートル上空のジェット機の中で「カビが燃料を食ってる」って事実が、改めて生命の逞しさを示してる。極寒の高層大気でも、ケロシンの中でも、生きるやつは生きる。

まとめ

飛行機・船舶の燃料タンクで繁殖する真菌「ホルモコニス・レジナエ」は、ジェット燃料やディーゼルを栄養源として代謝し、燃料経路を詰まらせアルミタンクを腐食させる。1960年代から航空業界に知られた厄介者で、現在は燃料への殺菌剤添加と整備員のサンピング作業で予防している。船舶界では「ディーゼル・バグ」として広く認知された脅威だ。

海外掲示板では「アンディ・ウィアーのSF小説『プロジェクト・ヘイル・メアリー』のタウムイーバの元ネタ」「カロリーを食う真菌も欲しい」というジョークから、航空整備員の現場談、レンズに生えるカビ、プラスチック食真菌の未来像まで議論が広がった。「燃料の中で生物が生きている」という事実が、改めて生命の逞しさを実感させるTILだった。

元ソース: TIL ケロシンを食べる真菌が存在し、適切に処理しないと飛行機の燃料タンクで重大な問題を起こす(燃料経路を詰まらせアルミ製ハウジングを腐食させる)(元投稿)

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