名作と評される映画『リービング・ラスベガス』(1995年)でアカデミー賞主演男優賞を獲得したニコラス・ケイジ。実は彼、出演料として約束されていた10万ドルを一度も受け取っていない――そんな衝撃の事実が海外掲示板で話題になった。監督のマイク・フィギスも同額の監督料を未払いのまま。映画は400万ドル予算で世界興収3200万ドルなのに「利益が出なかった」というスタジオの説明に、コメント欄は呆れと笑いと「ハリウッド会計」への苦笑で埋まった。
※注:「ハリウッド会計(Hollywood accounting)」とは、映画スタジオが製作費・宣伝費・関連会社への支払いなどを膨らませて帳簿上「利益ゼロ」を維持し、出演者・監督・原作者への利益分配(ポイント)を払わずに済ませる業界用語。
今日の知ってた?
🎬 ニコラス・ケイジは『リービング・ラスベガス』の出演料10万ドル(当時のレートで約1000万円)を一度も受け取っていない。 同作で彼はアカデミー主演男優賞を獲得。
💰 監督マイク・フィギスも、約束されていた監督料10万ドルが未払いのまま。スタジオ「Lumiere Pictures」の説明は「映画が利益を出さなかった」。
📊 しかし映画は製作費400万ドル、世界興収3200万ドル。8倍の売上を出している。
背景:『リービング・ラスベガス』とは
『リービング・ラスベガス』は1995年公開のアメリカ映画。マイク・フィギスが脚本・監督を務め、ニコラス・ケイジが酒に溺れて死を選んだ脚本家を、エリザベス・シューが彼を見守る娼婦を演じた。原作は1990年に発表されたジョン・オブライエンの自伝的小説で、オブライエンは映画化権の売却から数週間後に自ら命を絶っている。
低予算(400万ドル)で16mmハンドヘルドカメラを使い、ラスベガスの実際の路上で撮影された本作は、当初は配給先すら見つからなかったが、最終的にMGMが配給を引き受けてアカデミー賞4部門にノミネート。ケイジは見事に主演男優賞を受賞した。
もう少し詳しく
「利益が出なかった」の真相。 マイク・フィギス本人がポッドキャスト『The Hollywood Reporter』のインタビューで語ったところによると、出資元のLumiere Pictures側は「この映画は利益(ネット)に到達しなかった」と説明したという。これは「ハリウッド会計」と呼ばれる業界の悪しき慣習で、製作・宣伝・配給の各段階で関連子会社に高額な手数料を支払わせて帳簿上の利益をゼロに近づけ、利益分配の対象となる「ネット利益」を発生させない手法だ。
本人は意外と気にしていない。 フィギスは「まあいいよ。あの映画でキャリアが再起動して、次の作品では十分な報酬をもらえた。1年後にはニックは1本2000万ドル稼ぐスターになっていたから、結果オーライだ」と語っている。実際この後ケイジは『ザ・ロック』『コン・エアー』『フェイス/オフ』のアクション3連発でハリウッドの看板スターに上り詰めた。
同じ手法の被害者は他にも多数。 『ジェダイの帰還』のダース・ベイダー役デヴィッド・プラウズも「利益が出ていない」を理由に分配金を受け取れず、テレビドラマ『ロックフォードの事件メモ』のジェームズ・ガーナーは20年近く法廷闘争を続けてようやく回収。映画『星の王子ニューヨークへ行く』も「黒字未達」とされたケースとして知られる。
海外の反応
1. 海外の名無しさん
「利益が出なかった」っていう例の手口、まあそれはそれとしてだ。今回の話は利益分配(プロフィット・シェア)じゃなく、ただの労働の対価としての給料じゃないか。
2. 海外の名無しさん(>>1への返信)
そこが俺も理解できない。何か特別な契約形態じゃない限り、給料は利益と無関係に支払われるはずなんだが(そして特別な形態にする理由もない)。
3. 海外の名無しさん(>>2への返信)
たぶん「給料を後払いにしてポイント(利益分配)に振り替える」契約だったなら話は通る。普通の給料契約だったなら、この記事は意味不明。
4. 海外の名無しさん(>>2への返信)
「理解できないのはこの話の全部」
5. 海外の名無しさん
雇用者の給与は法律上、最優先で支払われる債務だ。他の債権者への支払いは従業員への支払いの後でしか発生しない。これはスタジオが法律を無視して「訴えられるならやってみろ」と挑発しているように見える。
6. 海外の名無しさん
ニコラス・ケイジの「金にまつわるトラブル」は他にも山ほど聞く話。彼、ビジネスはあんまり得意じゃないんだろうな。
7. 海外の名無しさん(>>6への返信)
この記事の言い方も気になる。「報酬を約束された」って、まるで契約書すらなかったみたいな表現。
8. 海外の名無しさん(>>7への返信)
かわいそうに。指切りげんまんでもさせとくべきだったな。
9. 海外の名無しさん(>>7への返信)
いやむしろ、いいエージェント/弁護士がついていた可能性もある。ハリウッドはこの種の「クリエイティブな会計」で悪名高いから、「いつ受け取るか」が「いくら受け取るか」より重要なんだ。ショーン・コネリーが『ロード・オブ・ザ・リング』のガンダルフ役を断ったのは有名で、もし受けていたら1本1000万ドル+世界興収の15%という前代未聞の契約だった。15%のままなら数億ドル(最大4億ドル前後と言われる)の収入になっていたはず。
10. 海外の名無しさん
これが 「ハリウッド会計」のWikipediaページ。読むと寒気がする。
11. 海外の名無しさん(>>10への返信)
普通に違法であるべきだろこれ。映画業界、完全にカラクリじゃん。
12. 海外の名無しさん(>>10への返信)
ジェームズ・ガーナーが『ロックフォードの事件メモ』のロイヤリティを巡って20年近く製作会社と訴訟を続けてようやく勝った話を思い出した。「6シーズン放送+再放送長期化なのに利益ゼロ」とか、そりゃ通らんよな。
13. 海外の名無しさん(>>10への返信)
ハリウッド会計と、ただの詐欺は紙一重だな。
14. 海外の名無しさん
記事原文より引用:「ニコラス・ケイジは1995年『リービング・ラスベガス』で自殺願望のある脚本家を演じてオスカーを獲ったが、それが全てだった。約束されていた10万ドルは支払われなかった」――フィギス自身も同額の監督料を未払い。「映画は利益に到達しなかった、と言われた」と。
それでもフィギスは「まあいいさ。次の作品ではちゃんと払われたし、1年後にはニックは1本2000万ドル稼いでいた。結果としては悪くない」と。
15. 海外の名無しさん(>>14への返信)
10万ドル踏み倒した相手にはモヤるけど、それがきっかけで1本2000万ドルの俳優になれたなら、夜は普通に眠れるかもな。
16. 海外の名無しさん(>>14への返信)
キューブリックから「あの撮影、どうやったの?」って電話がかかってくる経験は、10万ドルでは買えない価値だろ。
17. 海外の名無しさん
かつて俳優への支払い踏み倒しはものすごく一般的だったらしい。だから今は「利益と無関係の保証給」が業界標準になった。『スター・ウォーズ』ですら「利益ゼロ」って主張されてた時代がある。
18. 海外の名無しさん(>>17への返信)
『ジェダイの帰還』が世界興収4億7500万ドル、製作費3200万ドルで、「Hollywood accounting」の結果ルーカスフィルムは「1セントも利益が出ていない」と主張した。冷たい数字って客観的真実を表すと思いがちだけど、こうやって帳簿の上では現実が捻じ曲げられる。
19. 海外の名無しさん
ダース・ベイダー役のデヴィッド・プラウズも、『ジェダイの帰還』の利益分配が一度も支払われなかった。FOXは「映画は利益を出していない」と主張。スター・ウォーズだぞ……?
20. 海外の名無しさん
そもそもなんで普通の基本給が映画の利益に依存するんだ? スタジオが破産でも申請したのか?
21. 海外の名無しさん
スタジオ「破産しました、社員給料は最優先債務だけど、契約書には『他の債務を全部清算してから支払う』と書いてあるので、もうお金が残ってませんでした」みたいなパターンかも。10万ドル程度だと裁判コスト的に割に合わないし、業界関係を悪化させたくないから泣き寝入り、というのもありそう。
22. 海外の名無しさん
『星の王子ニューヨークへ行く』も同じ手口で「利益ゼロ」を主張された。何億ドル稼いだ作品でもこれ。クリエイティブ・ハリウッド会計、恐ろしや。
23. 海外の名無しさん
ハリウッドで一番クリエイティブなのは経理担当者。これマジ。
24. 海外の名無しさん
レコード会社が「スタジオ代と宣伝費が膨らんで前金を回収できないから印税ゼロ」ってアーティストを搾取するのと同じ構造。
25. 海外の名無しさん
教訓:「ネット(純利益)」のパーセンテージじゃなく「グロス(売上)」のパーセンテージで契約しろ。ハリウッドにネット利益は永遠に存在しない。
26. 海外の名無しさん
次に「うちの会社、利益が出ていないので給料カットです」と言われたら、この話を思い出すといい。
まとめ
『リービング・ラスベガス』でアカデミー主演男優賞を獲ったニコラス・ケイジが、出演料10万ドルを実は一度も受け取っていなかった――この事実は、海外読者にとって「ハリウッド会計」と呼ばれる業界の暗部を再認識させる話題だった。製作費400万ドル・世界興収3200万ドルの映画が「利益ゼロ」と主張され、出演者・監督への支払いを踏み倒す手法は、『スター・ウォーズ』『星の王子ニューヨークへ行く』『ロックフォードの事件メモ』など、過去にも数多くの作品で発生してきた。
当の監督マイク・フィギスは「次の作品でちゃんと払われたし、ニックも1本2000万ドルの俳優になったから結果オーライ」と達観した様子。一方コメント欄では「ネット(純利益)の%ではなくグロス(売上)の%で契約しろ」「次に会社が『利益が出ていないので給料カット』と言ったらこれを思い出せ」と、業界外にも通じる教訓として共有されていた。


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