1993年、米シカゴのオルタナティブ・ロックバンド「スマッシング・パンプキンズ」の名盤『サイアミーズ・ドリーム(Siamese Dream)』のレコーディング中、ドラマーのジミー・チェンバレン(Jimmy Chamberlin)はヘロインに溺れて姿をくらますことが頻発していた。3日間消えて戻ってきた彼に対し、フロントマンのビリー・コーガン(Billy Corgan)は「ハンマーを振り下ろした」――収録曲『チェルブ・ロック(Cherub Rock)』を、両手から血が出るまで延々と叩かせた。海外掲示板でこの伝説の制作秘話が再話題になり、コメント欄は90年代音楽シーンの薄暗い記憶と「コーガンのキャラ」へのジョークで盛り上がった。
※注:『サイアミーズ・ドリーム』はスマッシング・パンプキンズ2作目のスタジオアルバム(1993年)。当時のオルタナティブ・ロックを代表する1枚で、世界で400万枚以上を売り上げた名盤。日本でもロックファンの間では「90年代の必聴盤」の位置づけ。「ヘロイン・シック(heroin chic)」は90年代に流行したやせ細った青白い見た目のファッション風潮で、薬物依存の若者像が美化された時代背景がある。
今日の知ってた?
🥁 1993年『サイアミーズ・ドリーム』レコーディング中、ドラマーのジミー・チェンバレンはヘロイン中毒で度々失踪。3日間姿を消して戻った彼に、ビリー・コーガンは「チェルブ・ロック」を両手が出血するまで叩かせた。
アルバムは予算超過25万ドル(当時のレートで約2700万円)と4ヶ月の制作遅延の末に完成。コーガン自身が後に「あの期間、私は自殺を計画していた」と告白している。
背景:90年代オルタナの闇
スマッシング・パンプキンズは1988年シカゴで結成されたオルタナティブ・ロック/ドリーム・ポップ・バンド。フロントマンのビリー・コーガン(ボーカル・ギター)、ドラマーのジミー・チェンバレン、ベースのダーシー・レツキー、ギターのジェームズ・イハという編成で、1993年の『サイアミーズ・ドリーム』で世界的ブレイク。1995年の『メロンコリーそして終りのない悲しみ』ではグラミー賞を獲得した。
だが内情は荒れていた。チェンバレンはレコーディング中もヘロイン中毒、ベースのダーシーもクラック・コカインに手を出していた。コーガンは精神的にも追い詰められ、後年「制作中ずっと自殺を計画していた」と告白している。1996年、ツアー中にチェンバレンとキーボード奏者のジョナサン・メルヴォインが一緒にヘロインを使用、メルヴォインが死亡する事件が起きてチェンバレンは脱退(後に復帰)。同時期に流行した「ヘロイン・シック」のファッションも含め、90年代音楽シーンの薬物文化が直撃した時代だった。
もう少し詳しく
「血が出るまで叩かせた」のソース。 この逸話は『サイアミーズ・ドリーム』制作秘話を扱った複数の音楽史本やドキュメンタリーで語られている。チェンバレンが3日間消えた後、コーガンは『チェルブ・ロック』のドラム録音をやり直させた。スティックを握る力が強すぎると指にマメ(水ぶくれ)ができ、叩き続けると破裂、さらに叩くと出血する――ドラマーなら誰でも知っている消耗の段階。アルバムは予算25万ドル(約3500万円)超過、制作期間4ヶ月の遅延の末に完成し、商業的にも批評的にも大成功を収めた。
コーガンの自殺願望告白。 ビリー・コーガンは2011年、当時を振り返って「制作期間中、私は自分の自殺を計画していた」と告白。同時期に活動していたカート・コバーン(ニルヴァーナ)が1994年に自殺したことを考えると、もしコーガンが実行していれば90年代音楽シーンの記憶はかなり違うものになっていた可能性がある。コーガンはその後プロレス団体(NWA)を買収して経営に関わるなど、独自のキャリアを歩んでいる。
海外の反応
1. 海外の名無しさん
両手から血? ヘロインで治るやつ。
2. 海外の名無しさん(>>1への返信)
最高の薬。
3. 海外の名無しさん(>>1への返信)
私もオピオイド使ってた頃、腕の皮膚を半分剥がす大火傷を負ったけど、確かに少量のヘロインで全部解決したわ。冗談じゃない、痛み止めとしては最強。それが恐ろしいんだけど。
4. 海外の名無しさん
映画『セッション(Whiplash、2014年、ジャズドラムの過酷な指導を描いた作品)』の続編が突然リリースされた感あるな、これ。
5. 海外の名無しさん(>>4への返信)
禿げてる? チェック。
エゴモンスター? チェック。
共同作業者への配慮なし? チェック。
うん、完全に一致。
6. 海外の名無しさん(>>4への返信)
で、君は遅れてた? それとも急ぎすぎてた? (映画『セッション』の有名な台詞のもじり)
7. 海外の名無しさん
ジミーとダーシーはライブ・リズム隊として本当に最高だった。あるライブで完全に「ロック」してる二人を見たことがあって、振り返ると当時二人とも薬物の真っ只中だったって考えると、信じられない。
8. 海外の名無しさん(>>7への返信)
『メロンコリーそして終りのない悲しみ』ツアー中か、その後の『アダム』ツアーだったと思うけど、ジミーは結局解雇された。ツアー・キーボード奏者のジョナサン・メルヴォインがヘロインの過剰摂取で死亡した事件のあと。あの事件は本当に音楽シーンを揺さぶった。
9. 海外の名無しさん(>>7への返信)
ダーシーもヘロインに手を出してた。バンド内薬物率が異常だった。
10. 海外の名無しさん
だからこそあの曲はあれほど名曲なんだ。出血するまで叩いた音は、もう感情そのもの。
11. 海外の名無しさん(>>10への返信)
よく聴くと、血の音まで聞こえてくる。プラセボかもしれないけど。
12. 海外の名無しさん(>>10への返信)
新しい世代がパンプキンズを聴いてるのを見るのが嬉しい。私が若い頃にレッド・ツェッペリンを聴いてたのと同じ感覚で。世代を超えて生き残る音楽。
13. 海外の名無しさん
あれは本当に「グレートなドラム・アルバム」。ドラム好きにとって聖典。
14. 海外の名無しさん(>>13への返信)
個人的に史上最高のアルバム。ハードロックを信仰する人ならどう聴いても染みる。
15. 海外の名無しさん(>>13への返信)
『ギーク・USA』はドラム目当てで聴く数少ない曲の一つ。若い頃、あの曲から大事なドラムの教訓を学んだ――「ハードロックなら、ギターと同じことをそのまま叩け」。今でも使ってる。
16. 海外の名無しさん
「I GOT BLISTAHS ON ME FINGAHS(指にマメができたぜ!)」――チェンバレンがリンゴ・スター(ビートルズのドラマー)の名言を引用してた説。
17. 海外の名無しさん
これ言ったら賛否分かれるかもしれないけど、ジミー・チェンバレンが(やや怪しい経緯で)ギブソン製ギターを入手したことが、パンプキンズのサウンド方向性を変える決定打になった。あの一本がなければ、彼らはあんな形でブレイクしなかった可能性がある。音楽は「タイミング」だ。
18. 海外の名無しさん(>>17への返信)
ソース教えて。
19. 海外の名無しさん(>>17への返信)
ギターの部分は怪しい。ビリーは「ジミーがバンドにもたらした多大な貢献」については多く語ってるけど、ギター入手の経緯を方向転換の理由にするのは盛りすぎ。
20. 海外の名無しさん
記事の引用:「(コーガンは2011年に告白した)レコーディング・プロセスのあいだ中、彼は自分自身の自殺を計画していた」。これも90年代音楽シーンの闇の一部だな。表に出てくる名盤の裏で、何人ものアーティストが本当に死にかけてた。
21. 海外の名無しさん(>>20への返信)
名盤なのは間違いないけど、この制作秘話、本当にヤバすぎる。一体何が起きてたんだ。
22. 海外の名無しさん(>>20への返信)
1年後にカート・コバーンが自殺したことを考えると、もしこの時間軸でコーガンも実行してたら、パンプキンズはニルヴァーナと同レベルにカルチャー的に神格化されていた可能性もある。簡単に「いやそれはない」と否定できるけど、思考実験としては面白い。コバーンの方が当時の影響力では確実に上だったから。
23. 海外の名無しさん
依存症を治すのに、新鮮なトラウマほど効くものはない。
24. 海外の名無しさん(>>23への返信)
あるいは「同僚キーボード奏者の過剰摂取死」もな。冗談じゃなく、それでチェンバレンは断薬に向かうきっかけを得た。
25. 海外の名無しさん
記事より:「結局アルバムは予算25万ドル超過、4ヶ月遅れて完成した」――1ペニー残らず価値があった。今聴いても色褪せない。
26. 海外の名無しさん
ヘロイン中毒のドラマーと、クラック吸ってるベースを抱えてるビリー。本当に混沌の極み(笑)。よくこのアルバムが世に出たな。
27. 海外の名無しさん(>>26への返信)
「ヘロイン・シック」が90年代のファッショントレンドだった理由がよくわかる。コカインは常に流行してたし、ビリーは昔からずっと耐えがたい性格だった。
28. 海外の名無しさん
スマッシング・パンプキンズはマスコミ向けに話を盛るのが得意なバンドだった。ビリー・コーガン本人がここ数年のインタビューで認めてる。だからこの「血が出るまで叩かせた」話も、半分は本当でも半分はマーケティング用に脚色されてる可能性がある。「ビリーが全楽器を演奏した」みたいな伝説と同じ系統。
29. 海外の名無しさん(>>28への返信)
コーガンは音楽の後にプロレス業界(NWA買収)に行った。確かに「カーニー(興行師)」の精神を持ってる。話を盛るのは半ば職業病。
30. 海外の名無しさん(>>28への返信)
でもコーガンは『ギッシュ』『サイアミーズ・ドリーム』ではほぼ全ギターとベースを実際に演奏してる。ハッキリ聴き分けられる。後のアルバムでバンドが「民主的」になってから音楽の質が落ちたのも事実。後期は委員会主導の凡作。
31. 海外の名無しさん
ビリーって昔から「場を白けさせる人」?
32. 海外の名無しさん(>>31への返信)
ずっとそう。彼のシャツに描かれてる「ZERO」のロゴは、彼の楽しさレベルを示してる。
33. 海外の名無しさん(>>31への返信)
このバンドが何より大好きだけど、彼が陰鬱な人間なのは事実。でもそれが音楽を音楽にした、と私は思ってる。明るい人間からあんな曲は出てこない。
34. 海外の名無しさん
ギターを「指から血が出るまで弾く」のはわかる。でもドラムでどうやって手から血を出すんだ? もしかして俺、叩き方が弱いだけ?
(追記)解答が出揃った……俺が叩き弱いだけだった。もっと強く叩く!
35. 海外の名無しさん(>>34への返信)
ドラマーやってる者です。スティックを握りすぎるとマメ(水ぶくれ)ができる。叩き続けるとマメが破れる。それでも叩き続けると、出血する。チェンバレンは3段階目までいった。
36. 海外の名無しさん(>>34への返信)
私は人生で2人「血まみれ」のドラマーを見たことがある。一人はイゴール・カヴァレラ(セパルトゥラ/ブラジルのスラッシュメタル)、もう一人はチカ(ハナビエ/日本のメタル系バンド)。プロでも極限まで叩くと普通に出血する。
37. 海外の名無しさん
ビリー・コーガンは変人だ。プロレス団体経営、執筆、ティー・ハウス(茶店)経営、独立メディア、その他諸々。アーティストの引退後行先がこんなに予想不能な人もなかなかいない。
まとめ
1993年の名盤『サイアミーズ・ドリーム』制作中、ドラマーのジミー・チェンバレンが3日間ヘロインで失踪した後、ビリー・コーガンが両手から血が出るまで「チェルブ・ロック」を叩かせた――この逸話に、海外コメント欄は「ヘロインで治る」「血の音が聴こえる」といった90年代音楽シーンの薄暗いブラックユーモアと、ドラマーの実体験コメントで埋まった。
コーガン自身が「制作中ずっと自殺を計画していた」と告白した壮絶な背景、ベースのダーシーもクラック・コカイン中毒、後にツアー・キーボード奏者の過剰摂取死で大きく揺れた90年代パンプキンズ。それでも世界で400万枚以上を売り上げ、現代の若いリスナーにも聴き継がれている――チェンバレンの血と汗、コーガンの自殺願望、そして彼のキャラクター(ZEROシャツ、プロレス経営)まで含めて、ロック史の濃厚な1ページを再確認させる豆知識だった。


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